『クルベラ洞窟』それは世界一の高度差をもつ地底の未知エリア

グルジアのコーカサス山脈の西部にあるクルベラ洞窟(Krubera cave)は、地下2,000メートル以上の深さがあるとされており、高度差なら世界一の深さです。多くの探検家がアタックする真っ暗な未知のエリアのことを考えるだけでも涼しくなりそう。異次元の地底世界をご紹介いたします。

舞台はグルジアのコーカサス山脈

舞台はグルジアのコーカサス山脈

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ここコーカサス山脈に、クルベラ洞窟があります。

そもそも洞窟(cave)とは、地中のある程度以上の大きさの空間のことを言います。
日光が差し込む部分以外は基本的には光が届かず、奥部は完全な暗黒になります。

グルジアのクルベラ洞窟は、地上から2,000メートル以上の深さがあるとされており、人工光以外の明かりは望めない、真っ暗の闇世界が、地下深くに広がっています。

プロでも難所の多い洞窟


クルベラ洞窟は、コーカサス山脈の西部に位置する、アブハシアのアラビカ山地(Arabika Massif)にあります。
狭い開口部からすぐに垂直の縦穴が続き、縦穴を降りた後、さらに先に進むには、地下水の層を越えなければなりません。
その後は、人が通れるギリギリの小さな隙間を縫っていく場所もあります。
探検家にとっても難関だらけの洞窟です。

深いほど気温が高い…?


一般的な洞窟や鍾乳洞は、冬は暖かく、夏はクーラーよりも涼しく快適なことが多いのですが、このクルベラ洞窟は、地球の中心にある核自体の熱に加え、地殻の放射線崩壊熱によって、深く行けばいくほど、気温が上がります。
これは地温勾配と言われる現象で100メートル深くなるごとに、23度上がっていくとされています。

深いほど気圧も高く、行く手を阻む


地底は気圧変化もあります。
登山では高く登れば登るほど、気圧が下がっていきますが、地底は、深くなればなるほど、気圧が上がっていきます。
計算上では、地上から2000メートルの地底におりることは、富士山頂に登った時と同じくらいの気圧変化があるとされています。
気温の上昇、気圧変化、そして、高湿度の坑内は、快適とは対極の環境です。

エキスパートも大苦戦


このようなことから、洞窟を探検するとなると、潜水道具を加えた重厚な登山装備をして挑まなければなりません。
気圧や温度変化に対応できる体力と、何より、この劣悪な環境に耐えうる精神力が必要です。
探検のエキスパートであっても気軽にトライできるような場所ではありません。
何度もキャンプを繰り返し、深部に進んでいくのです。

チームによっては、数日潜って地上に戻ることを繰り返す探索も行われています。
数日洞窟の中にいた後に地上に戻ってきても、すぐには目が開けられないほど、地底環境は地上とは大きく異なっており、屈強な探検家も、探索一日ごとに体重が減っていくそうです。
未知の地底へのアタックは、それだけ心身にダメージが大きいことを表しています。

まだゴールは不明…


現在では地下2196メートルまでの記録があります。
世界各国の探検家が、このクルベラ洞窟の底を見ようと、トライし続けています。
誰でも行けるわけではない場所への探検は多くの人にとって憧れとも言えます。
誰も見たことがない地がどうなっているのか、どんな状態なのかを、勇敢な人々にいつか見せてもらえる時を待つことにしましょう。

クルベラ洞窟(Krubera cave)への行き方

地図上ではグルジアにありますが、クルベラ洞窟があるアブハジアは、現在、親ロシアとして、独立宣言をしており、グルジアからの通行は事実上不可能です。
ロシア側国境から入ることは可能ですが、現在、このエリアの政情が不安定のため、個人の渡航は難しいでしょう。
外務省などでの情報収集が必要です。
photo by iStock

wondertrip編集部

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wondertrip編集部です。世界の絶景や秘境、一度は見てみたい国、触れてみたい文化など綺麗な写真とともにお届けします。

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