自然と人の営みが育んだ愛媛県宇和島地区のシンボル 「遊子水荷浦の段畑」で味わう豊かな旅

「日常の喧騒から離れて、のんびり過ごしたいな」
都会暮らしの皆さん、ふと、そんなふうに思うことありませんか?

「ここは、何にもないところだから」
田舎暮らしの皆さん、あたりまえの風景にこそ、豊かさがあるものかもしれません。

というわけで今回は、四国の西端に位置する愛媛県宇和島市へ。
遊子の人にとっては日常の風景でありながら、訪れる人にとっては非日常の絶景として知られる「遊子水荷浦の段畑」をピックアップ。
地元愛媛をこよなく愛するフォトライター高橋陽子が、その美しさをご紹介します。

遊子の絶景を目指して、いざ!

101771:遊子の絶景を目指して、いざ!

撮影/高橋陽子

愛媛在住のフォトライター高橋陽子です。

地元を愛してやまない私だからこそお伝えできる愛媛の魅力を、たっぷりお届けしていきます。

それでは、愛車に乗って、いざ宇和島の遊子へ!

インターチェンジを降りて、国道345号線で遊子方面へ向かいます。

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撮影/高橋陽子

岬にある目的地。
向かう途中ではすでに、素敵な景色に出会うことができます。

そう、どこまでも穏やかで、キラキラ輝く青い海、瀬戸内海との出会いです。

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撮影/高橋陽子

凪いだ海を横目に、道端で井戸端会議をするおばあちゃんや農作業帰りのおじいちゃんとすれ違いながら、くねくね道を進むと、ついに目的地へと到着。

車を停めると、空に駆け上がる階段のごとく、雄大な段々畑が視線の先に広がります。

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撮影/高橋陽子

下から見ると、斜面を石垣で固めた山。

そしてその高い高い頂上まで、見事に畑が作られています。

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撮影/高橋陽子

登り口はこちら。
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撮影/高橋陽子

登り始めの風景。

石造りの断崖のようで、古代遺跡のようです。

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撮影/高橋陽子

景色を堪能しながら、ゆっくりとゆっくりと山を登りました。
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撮影/高橋陽子

海に落ち込むように広がる急斜面に作られた畑の数々。
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撮影/高橋陽子

その幅は畳1畳くらいでしょうか。
まさにそこに暮らす人々の知恵と丁寧な営みがつくり出した絶景です。
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撮影/高橋陽子

途中、段畑を耕している農家さんの姿も。

そしてついに頂上へ!
頂上からの景色がこちらです。

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撮影/高橋陽子

真っ青な空と海はその境界線をなくし、豊かな緑と手入れされた畑で保たれた山が、素晴らしい眺めを演出していました。
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撮影/高橋陽子

水荷浦の段畑は、宇和海の美しさもあいまってまさに絶景。

「国の重要文化的景観」と「日本農村百景」に選ばれているほどです。

段畑の頂上は海抜80mにもなり、30度を超える傾斜地を下から見上げると、まるで天に上る階段のよう。

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撮影/高橋陽子

遊子水荷物浦の段畑の特産品は「ジャガイモ」です。

畑のほとんどで、ジャガイモとサツマイモの二毛作が行われています。
ジャガイモは11月に植え付けられ4月に収穫。
その後、サツマイモが6月に植え付けられ、10月に収穫されます。

私が訪れた5月は、そのほとんどの収穫が終わってしまっていました。

元気いっぱい葉を広げた段畑の景色を楽しむには、収穫前の3月や9月がオススメです。

段畑の目の前にある「だんだん屋」にもぜひお立ち寄りを

101784:段畑の目の前にある「だんだん屋」にもぜひお立ち寄りを

撮影/高橋陽子

この段畑の麓に佇む特産品直売所「だんだん屋」では、遊子水荷浦の特産品を購入することができます。
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撮影/高橋陽子

ジャガイモはもちろん、ジャガイモ本格焼酎など、ここでしか買えない芋商品や地元特産品がいっぱいです。
ぜひ覗いでみてくださいね。

遊子に来たなら地元の郷土料理「鯛めし」を食べて帰ろう

101786:遊子に来たなら地元の郷土料理「鯛めし」を食べて帰ろう

撮影/高橋陽子

遊子の段畑の絶景を満喫した後には、ぜひ堪能していただきたい食があります!
それは地元宇和島の郷土料理「鯛めし」です。

ということで、宇和島駅近くにある「ほづみ亭」へ。

新鮮な鯛を3枚におろし、醤油、みりん、玉子、ごま、こだわりのだし汁で調理したタレに漬け込んでいます。
これをタレごと熱いご飯にかけて食べるという、生の鯛を使ったこの地方独特の食べ方です。

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撮影/高橋陽子

私は「鯛めし御膳」を注文。

鯛めしだけでなく、天ぷらやジャコ天も付いた、とってもボリューミーなもの。

食べきれるか心配でしたが、プリッとした歯ごたえで適度に脂がのった鯛と、タレが絡んだご飯が絶妙。
おかわりがとまらなくなる程の美味しさで、さらさらと食べることができてしまいました。

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撮影/高橋陽子

ちなみに、この宇和島鯛めしの発祥は、南北朝時代から江戸時代まで日振島(ひぶりじま)を中心に活躍していた伊予水軍が、よく口にしていた海賊飯と呼ばれる料理です。
仲間たちと船の上で魚の刺身と茶碗酒で酒盛りをした後、酒の残った茶碗にご飯を盛り、醤油をたっぷりと含ませた鯛の刺身を乗せて食べたのが始まりとされています。
火を使わず、時間をかけず、材料の良さを生かそうと編み出した料理です。

「遊子水荷浦の段畑」で、他とは一味違った豊かな旅を

101789:「遊子水荷浦の段畑」で、他とは一味違った豊かな旅を

撮影/高橋陽子

愛媛と言えば、道後温泉や松山城などの観光スポットが有名ですが、日常に溶け込んだ絶景の観光スポットも多数あります。

今回ご紹介した「遊子水荷浦の段畑」もその一つです。

自然と人の営みが育んだ絶景と、その土地ならではの「食」を求める旅は、他とは一味違った豊かな旅へと、あなたを導いてくれるかもしれませんね。