観光前に知りたい「下鴨神社」の基礎知識。外せないおすすめポイントは?

京都の中でもっとも歴史がある神社の一つ、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)、通称下鴨神社。いにしえより続く葵祭は有名で、京都の三大祭りの一つとなっています。世界遺産にも登録され、歴史と自然溢れるこの神社を、京都観光常連の筆者が紹介します。春夏秋冬、どの季節もとても気持ちよく散策できる神社です。

【京都常連が徹底ガイドのおすすめ記事】
京都観光の理想的な日帰りプラン5つ
殿堂入り!京都お土産ランキング BEST30

1.下鴨神社ってどんな神社?歴史をみてみよう。

 

1.下鴨神社ってどんな神社?歴史をみてみよう。

正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。
鴨川の下流にあるということで、通称下鴨神社と言われていますよね。
賀茂別雷神社(上賀茂神社)と下鴨神社は賀茂氏の氏神を祀っており、あわせて賀茂神社(賀茂社)と総称されています。

この下鴨神社、とても歴史が古く紀元前90年に神社の瑞垣の修造が行われたという記録があり、それよりも前からあったという説があるんですよ。
その後は奈良時代から朝廷から崇敬を受け、源氏物語や枕草子の舞台としても登場しています。
810年以降から約400年間は斎院が置かれていました。

2.どんな神様をお祀りしているの?

 

2.どんな神様をお祀りしているの?

ご祭神は玉依姫命と賀茂建角身命。
玉依姫命は、上賀茂神社の祭神である賀茂別雷命の母で、縁結び、安産、水の神としてのご神徳があります。
賀茂建角身命は玉依姫命の父にあたり、古代の京都をひらかれた神様として世界平和、五穀豊穣のご神徳があるそうですよ。

ちなみに玉依姫命の夫は松尾大社の大山咋神。
ある時大山咋神が狩りに出かけた際に打った矢が小川に落ち、それを下流で拾った玉依姫命が祀っていたところ子どもができました。
大山咋神が矢に化身していたと言われています。
そして産まれてきた子に賀茂建角身命は父親と思う神に神酒を授けるように言ったところ、天に祈ると、雷鳴がとどろき、たちまち天に引きあげられたという話があります。
その子どもが賀茂別雷命です。

こうして神話を知ると、神様の繋がりがわかりますよね。

3.下鴨神社のすすめスポットは?

 

3.下鴨神社のすすめスポットは?

敷地が36,000坪もある下鴨神社。
国宝や重要文化財に指定された建築物を始め、その他の見どころをしぼって紹介します。
自分だけのお気に入りのスポットを見つけてくださいね。

3-1.国宝や重要文化財の多い建築物

 

3-1.国宝や重要文化財の多い建築物

玉依姫命が祀られている東本殿、賀茂建角身命が祀られている西本殿は国宝に指定され、現在の本殿は1863年の式年遷宮で建て替えられたものです。
その他、東西に回廊がのびている真っ赤な桜門、葵祭の際に雅楽が奉納される舞殿など、とにかく重要文化財に指定されている建築物が多数あります。
どれも高貴で堂々たる雰囲気がありますので、くまなくチェックしてみてください。

3-2.君が代に謡われている「さざれ石」

 

3-2.君が代に謡われている「さざれ石」

「さざれ石」とは小さな石という意味になりますが、このさざれ石は「小さな石が凝固して大きな岩になったもの」という意味を持っています。
長い年月、石の隙間に炭酸カルシウムや水酸化鉄が流れ込んで大きくなったそうで驚きですよね。

君が代で出てくるさざれ石は、このさざれ石なので、ぜひ一度ご覧ください。

3-3.古からの森、「糺ノ森(ただすのもり)」

 

3-3.古からの森、「糺ノ森(ただすのもり)」

国の史跡として指定されている場所。
ここ糺ノ森は縄文時代からあるとされ、その昔は150万坪もの広さを誇っていたそうです。
樹齢200年から600年の木が600本もあるとされ、その数に驚きますよね。
源氏物語でも、光源氏がこの森を詠んでいます。
清々しい空気の中、ぜひ散策してみてくださいね。

4.下鴨神社の七不思議

 

下鴨神社には今でも語り継がれている七不思議があります。

境内に案内図もありますので、そこで場所をチェックして足を運んでみてくださいね。

4-1.縁結びの御神木、「連理の賢木」

 

4-1.縁結びの御神木、「連理の賢木」

楼門の手前にある縁結びの神様をお祀りしている「相生社」のお力によって、二本の木が途中から幹が合体してひとつになっている不思議な木です。
「京の七不思議」にもなっており、今の御神木は4代目だそうですよ。
とても珍しく縁結びのご利益をいただきたい方はぜひお願いをしてみてくださいね。

4-2.葉がギザギザになる、「何でも柊」

 
楼門をくぐって左手にある「比良木社(ひいらぎしゃ)」。
正式名称は出雲井於神社と言いますが、この社の周りに厄除け祈願として木を植えると、どんな種類の木でも柊の葉のようにギザギザの葉になるそうです。
この社は延喜式にも見られ、重要文化財になっています。

4-3.みたらし団子の由来になった、「みたらし川の水あわ」

 

4-3.みたらし団子の由来になった、「みたらし川の水あわ」

葵祭で斎王が禊ぎをしたり、御手洗祭で有名になっている「御手洗社」。
こちらでは土用の日になると御手洗池から清水が湧き出し、池底から玉のような泡が自然と吹き出すそうです。
この泡をかたどったのが「みたらし団子」。
下鴨神社の周辺にはみたらし団子のお店もありますので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
あたたかい団子は香ばしく、素朴な味が口の中に広がります。

4-4.現在は復元の烏縄手、「泉川の石(烏縄手)」

 

4-4.現在は復元の烏縄手、「泉川の石(烏縄手)」

糺ノ森の中に「烏縄手(からすのなわて)」と呼ばれる道があります。
賀茂建角身命の別名が八咫烏なんですね。
その入口付近に紅葉橋があり、その昔雨ごいの「こがらし社」がありました。
雨ごいの願いが叶うと、紅葉橋の下を流れる泉川の小石が飛び跳ねたそうですよ。

4-5.気遣いから植えられた、「赤椿」

 
糺ノ森には赤く花を咲かせる椿がたくさんあります。
この下鴨神社の神主は位が高く、他から来るお客様は位が低かったため、神官の装束が目立たないように赤椿を植えて目立たなくさせたそうです。
花が咲いていないとわかりにくいのですが、春には赤い花があちこち咲きますのでチェックしてみてくださいね。

4-6.かつての神事の場所、「船ヶ島・奈良社」

 
船の形をした島があり、その昔卯の花が咲き、神事に使われた場所です。
奈良殿神地とも言い、よく和歌にも出てきます。
日照りや戦乱時にここで願いことをし、川の流れをかき回すと、小石が跳ねて願い事が叶うそうです。
現在は当時の面影はありませんが、旧跡地の説明などがあります。

4-7.糺の森の中心、「切芝」

 
切芝は糺の森の中心、へそと呼ばれているところです。
古代から祭場として使われたと言われ、2001年の発掘調査で石敷遺構が復元されました。
毎年5月12日には葵祭の前儀、「御蔭祭」があり、切芝神事として糺ノ森で舞が奉納されますよ。

5.葵祭ってどんなお祭り?

 

5.葵祭ってどんなお祭り?

正式には賀茂祭という葵祭。
京都の三大祭りの一つで毎年5月15日に、装束や牛舎の行列が京都御所を出発し、下鴨神社を経て上賀茂神社までを歩きます。
もともとは朝廷のお祭りで、国家的に行われてきた歴史もあり、王朝の文化を見ることができる数少ないお祭りです。
平安時代の貴族のお祭りと言えばこの葵祭を言い、源氏物語でも描かれていますよね。
平安時代とは装束の階級の色が異なってはいるものの、当時の鮮やかな由緒あるお祭りをぜひ間近でご覧ください。
下鴨神社の参道と京都御所では有料観覧席が設置されますので、ゆっくり見物したい方におすすめです。
下鴨神社の有料観覧席は人気がありますので、予めチケットをご購入くださいね。

歴史と自然が広がる下鴨神社へ

 
葵祭、みたらし団子など、聞いたことあることに関わりある下鴨神社。
春は桜や新緑、秋には紅葉が広がり、歴史と自然を満喫できるところです。
行ったことない方はこれを機会に、行ったことある方は新たな気持ちで訪れてみてはいかがでしょうか?

photo by PIXTA