フランス旅行でいきたい!フランスで絶対見ておくべき歴史的スポットは?

旧石器時代から人の暮らしがあり、フェニキア人の移住、ローマ帝国の支配、ゲルマン民族の大移動、フランク王国、百年戦争、ブルボン王朝、共和制の開始、ナポレオン皇帝、再び共和制へと、ざっと挙げただけでも様々な政治的変動の中で揺れ動いてきた国、フランス。当然、歴史的スポットも国中に数多く、あまりにもあり過ぎて困る!という旅行者も多いはず。フランスの歴史的スポットを見るなら、年代別に分けて絞るのがオススメ。好きな時代に絞って巡るのもよし、全時代制覇するもよし。さあ、ご一緒にフランス歴史的スポットめぐりの旅へ出かけましょう!

(1)フランスの先史~古代時代の遺跡を訪ねる

2000年前の水道橋が美しすぎる!「ポン・デュ・ガール」

2000年前の水道橋が美しすぎる!「ポン・デュ・ガール」

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重機もコンピュータも無い時代にどうやって造ったのか?古代の人々の英知と技術に感服させられること間違いなしなのが、フランス南部の川ガルドン川に架かる水道橋「ポン・デュ・ガール」です。
全長275m、高さ49m。
石を積み上げたアーチ橋で、均等に築かれた3段の美しいアーチは近代建築のそれと見まがうほどの精巧さ。
静かな山間に突如として現れるこの巨大建造物は世界遺産にも指定されています。

この水道橋は、古代ローマ時代、紀元前19年頃にローマ人によって築かれたもの。
水源地ユゼスから、50㎞も離れたニーム(当時はネマウススと呼ばれていたローマ帝国の主要都市)まで水を引く水路を川の対岸まで渡すためのもので、以後600年ほど、実際に使われていました。
水路全体の長さは約50㎞、橋の両端の高低差は17mほどですが、流水量は1日2万立方メートル(2,000リットル)だったとか。
わずかな勾配にも関わらず水がスムーズに流れるよう設計されています。

水道橋は間近で見学することができ、歩いて対岸に渡ることも可能。
夜にはライトアップされ、アーチが一層美しく映えます。

誰が何のために並べた?「カルナック列石群」

誰が何のために並べた?「カルナック列石群」

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先史時代の遺構や古代遺跡がお好きな人なら、巨石にも興味があるのではないでしょうか。

細長い巨石を地面に立てたものを「メンヒル」といいます。
フランス西部ブルターニュ地方カルナックには、巨大なメンヒルがおよそ4㎞にわたって連なっているという奇妙な遺構があります。
穏やかな緑の大地に、大小3000個もの白っぽい花崗岩が転々と、数メートル~数十メートルおきに並んでいるのです。
紀元前6500年から紀元前2000年頃に造られたと考えられていますが、誰が、何の目的で、どのような方法で並べたのか不明な点が多く、巨人や精霊説などオカルト的な発想から、墓や儀式の一環で立てられた可能性など諸説あり、起源や目的についてはよくわかっていません。

列石群はメネク、ケルマリオ、ケルレスカンの3群に分かれていて、それぞれメンヒルが東西方向に列を作っており、どれも長さは1㎞近く、石の高さは1m程度のものから6mもの巨大なものまで、サイズも形も様々。
長い歴史の中で、倒されたり壊されたりしてしまった石もかなりあるようで、かつては20m近い巨石も立っていたとか。
何の目的もなくこんなに石を並べるわけもないので、何かしら大きな理由があるはず。
それが何なのか、明らかになる日は来るのでしょうか。

メンヒルというとイギリスのストーンヘンジが有名ですが、実はフランスにもたくさん、巨石遺跡が残されているんです。
広い大地にただただひたすら石が並ぶだけの光景ですが、太古のロマンを感じる場所。
いったい何のために?そんなことを考えながらのんびり散策するのも一興です。

鮮やかな壁画にため息「ラスコー洞窟の壁画」

鮮やかな壁画にため息「ラスコー洞窟の壁画」

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フランスで先史時代の歴史遺構を見るなら、やはりここは外せないでしょう。
世界遺産「ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群」に含まれる遺構として有名な「ラスコー洞窟の壁画」。
社会科の教科書で習った、と記憶している人も多いことでしょう。

1940年、フランスの西南部ドルドーニュ県にある洞窟の中で発見された、迫力ある美しい壁画。
20000年~15000年前の旧石器時代後期のクロマニョン人が描いたとされる、数百点にも及ぶ馬やヤギなどの野生動物の生き生きとした姿は、考古学的な価値はもちろんのこと、芸術的観点からも大変価値があるとされています。

発見後、一般に公開され洞窟内を見学することもできていたのですが、劣化が心配されるようになり、残念ながら洞窟は閉鎖中。
人が吐く二酸化炭素が劣化を招くという、大変デリケートな洞窟の壁画。
現在では、一部の研究者らを除いて非公開となっていて、見学することはできないのです。

代わりに、近くの洞窟にレプリカとして「ラスコー2」が作られ、寸分たがわず見事に再現された壁画を鑑賞できます。
壁画については本物を鑑賞することはできませんが、詳しいガイドを受けながら洞窟の様子を知ることは可能。
洞窟はかなりの規模で、先史時代の遺構に興味がない人でも十分、満足することができるはずです。

(2)中世フランスの雰囲気漂う建造物を訪ねる

巨大な塔と美しい庭園が魅力「アンジェ城」

巨大な塔と美しい庭園が魅力「アンジェ城」

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フランス全土には数多くの美しい城があり、古城めぐりも人気のツアー。
その中でも最も古い城といったら?現存する城の中で最も古いといわれている城のひとつが、フランス西部のロワール渓谷にあるアンジェ城。
フランスの城の代表・ベルサイユ宮殿のような華やかさはなく、防衛を目的として造られた重厚な城です。

ところで、フランスの城はいつごろから作られるようになったのでしょうか?

476年、西ローマ帝国(ローマ帝国の西半分を領有した国家)がゲルマン人によって滅ぼされると、古代ローマの建築様式からの脱却も始まります。
農業技術が向上し人口が増えはじめ、富を持つ者=支配者・権力者たちが、領地を守るための強固な建造物に住むようになったのが、城の原型なのだそうです。

アンジェ城はもともと古代ローマ人が住んでいた防衛のための城塞であったと考えられていて、それが9世紀頃、アンジュー伯爵の居城となりました。
その後13世紀初頭この場所に、フランス国王ルイ9世(1214年~1270年)によって巨大な城が建設され、それが現在のアンジェ城の姿となっています。

外周600m、城壁内の面積が25,000平方メートル、17の巨大な塔で守られた巨大な城。
城の中には多くの貴重な所蔵品が展示されていて、鑑賞するガイドツアーが用意されています。
100mを超える長大な「黙示録のタペストリー」と、城のまわりの庭園の美しさは圧巻です。

『眠れる森の美女』の城「ユッセ城」

『眠れる森の美女』の城「ユッセ城」

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「フランスに数あるお城の中で、最も美しい城は?」

そんな質問に、すぐ答えられる人はそうそういないでしょう。
どの城も比較できないほど美しいです。
でも強いてひとつ挙げるなら?

シュノンソー城やシャンボール城、アンボワーズ城など、特にロワール渓谷沿いには有名な城が多いのですが、今回は「ユッセ城」をご紹介したいと思います。

この城は『眠れる森の美女』の舞台としても有名。
向かい側には川が流れ、背後は深い森。
他の城のように遠くから見ても目立つような造りではなく、近づかなければ全容がわからない、まさに”森の中に佇む城”。
おとぎ話に出てくる愛らしい城そのままの姿が、多くの観光客を呼び寄せています。

城はもともと11世紀に築かれた城塞を基礎にしていますが、大部分が15世紀に入ってから造られたもの。
敷地の中に入ると季節の花が色鮮やかに咲き乱れ、城の美しさがより一層際立ちます。
内部には家具や調度品などが飾られていて優雅です。

城の敷地内ある塔は、眠れる森の美女が100年間眠っていたとされる場所。
物語の中の名シーンが人形たちによって再現されていています。
塔からの眺めもよく、緑豊かな庭園の様子を上から眺めることができます。

それほど大きな城ではありませんが、気品と美しさに溢れた城。
観光地としては、まだそれほど知られていないのか、それほど混雑することもないので、ゆったりとおとぎ話の世界に浸ることができそうです。

数々の映画のロケ地にもなった「ピエールフォン城」

数々の映画のロケ地にもなった「ピエールフォン城」

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”いかにも中世ヨーロッパの城”という感じの城を見たいと思ったら、「ピエールフォン城」を訪れてみてはどうでしょうか。

フランスの北部、コンピエーニュの森の南東に位置する名城です。
はヨーロッパ中世城郭のほとんどの特徴を備えていると言われており、高台に立つその勇壮な城は、多くの人が連想する城の形を裏切ることなく見せつけてくれます。

12世紀頃に建てられた城塞を、フランス王シャルル6世が所有し、その後19世紀になってナポレオン3世によって修復工事が行われたという、長い歴史を持つ城です。

外観はロールプレイングゲームに登場しそうな、高い城壁と円柱状の塔で覆われ、息をのむほどの威圧感。
吊り橋や城門も健在で、城内は広く建物はどれも大きく、観光で訪れた人々は誰も、見上げては溜め息の繰り返しです。

中世の城塞建築の王道として、数々の歴史映画などの撮影に使われたピエールフォン城。
ごく最近では、2008年から2012年にかけて放送されたイギリスのドラマ『魔術師マーリン』のロケ地として使われたことで大変有名になりました。
このドラマ、フランスでも大人気なんだそうですが、もちろん日本でも。
城のシーンはCGなのかと思っていたら、すべて本物の城を使っていたとは。
どうりで迫力が違います。
城にはドラマのファンだという観光客も多いのだそうです。

(3)絶対王政~近代の遺構を訪ねる

ナポレオンが眠る「オテル・デ・ザンヴァリッド」

ナポレオンが眠る「オテル・デ・ザンヴァリッド」

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石造りの家が連なるパリの街中で、ひときわ目立つ金色のドーム。
1671年、太陽王と呼ばれ栄華を極めヴェルサイユ宮殿を建てたことで知られるルイ14世が作らせた収容所です。
もともとは、傷病兵や高齢で働けなくなった兵士たちを迎えるための施設でしたが、そこに後にサン・ルイ教会と呼ばれる高さ107mのドーム型教会が建てられました。

さらに19世紀に入って、この教会に地下墓所が作られ、あのフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの棺がその中央に。
それを囲むようにして、ナポレオンの兄弟や息子など親族やフランスの著名な軍人の墓が作られています。

現在も、100名ほどの戦傷病兵や軍人が暮らす施設として使用されているのだそうですが、一部は軍事博物館として公開されており、50万点にも及ぶ収蔵品の中から武器、護身具、軍服、標章、絵画など様々なコレクションを見ることが可能。
建物の中や中庭も一部公開されていて、ナポレオンの棺も見学可能です。
また、中庭にはフランス海軍によって押収されたという長州藩の大砲の一部が展示されています。

オペラ座の怪人の棲む迷宮「ガルニエ宮」

オペラ座の怪人の棲む迷宮「ガルニエ宮」

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豪華絢爛なフランス建築を見たいならヴェルサイユ宮殿を目指すべきですが、実は他にもあるんです。
パリの中心部にある、オペラとバレエを専門とした国立劇場、別名「オペラ座」。
1875年に完成した歌劇場で、設計者の名前をとって「ガルニエ宮」と呼ばれるように。
建築を命じたのはナポレオン3世と言われていますが、もともとは、ルイ14世が創設した王立音楽舞踊アカデミーがベースになっているのだそうです。

大通りに面した人通りの多い場所に鎮座するひときわ目立つきらびやかな外観。
ネオ・バロック様式の典型とも言われ、彫刻や華美な装飾をふんだんに施し、当時はまだ建築素材としては珍しかった鉄を駆使して巨大な空間を作り上げました。
座席数は2167、5階構成で、観客収容規模は当時最大だったと言われています。

ミュージカルでも有名な小説『オペラ座の怪人』は、この劇場が舞台となっているため、原作ファンも多く訪れるガルニエ宮。
建設当時はまだこれほどの巨大空間を備えた建築物は珍しかったので、観客も演奏者たちも、広すぎて不気味さを感じていたのだとか。
確かに、外観も内装も華やか過ぎて落ち着かない。
「何か棲みついているのでは」と感じた人たちがいて、その噂があの物語の創作へと繋がっていったのだそうです。

パリの象徴「エッフェル塔」

パリの象徴「エッフェル塔」

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ナポレオン時代が終わり、再び共和制の社会が訪れたフランス、パリ。
19世紀後半は先進各国がこぞって高層建築に取り組んだ、いわゆる”高層建築ブーム”が巻き起こっていました。
しかし、当時はまだ、高層建築と言えば大聖堂や教会の尖塔がほとんどで、1880年に完成したドイツのケルン大聖堂が高さ157mと世界一高い建物に。
しかし、1884年にアメリカのワシントンD.C.に高さ169mのワシントン記念塔が完成すると、徐々に教会以外の高層建築物も計画されるようになってきました。

フランス革命100周年を記念して。
パリで第4回万国博覧会が開催(1889年)されることが決まり、何か目玉となる建築物を、として建設が計画されたのがエッフェル塔です。
鉄橋などの建設を行っていた建設会社エッフェル社の技師たちを中心に立てられた計画案は、社長であるギュスターヴ・エッフェルの支持のもと、巨額の建設費や難工事に悩まされながらも、着々と進められていきました。

完成後は、あまりに奇抜なその姿に非難の声も巻き起こりましたが、パリ万博では大盛況。
エッフェル塔には世界中から観光客が押し寄せます。
万博時の入場者数は200万人にも達したそうです。

最頂部までの高さ324m、3階展望台の高さは276mで、パリの街を一望できます。
”鉄の貴婦人”の異名を持つように、塔の骨組みは非常に美しく、展望台もよいですが、是非、下から見上げて鉄鋼の美しさを感じてみてください。

フランスの歴史を辿って、その魅力を再発見!

フランスはその立地から、古くは先史時代、4万年ほど前からずっと、帝国や王朝が様々入れ替わったとしても、ずっと変わらず農業や放牧に勤しむ人々の暮らしがありました。
あるときは荘厳に、あるときは絢爛豪華やかに、またあるときは最新技術を駆使した最先端建築を。
フランスにはたくさんの歴史が詰まっています。
どの時代へ出かけましょうか?考えれば考えるほど、結局、また迷ってしまいそうです。
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