恐山は日本三大霊山のひとつ。今まで感じたことのない異世界感を体験しよう

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トラベルパートナー: wakame

31歳1児のママ。秋田県出身。 転勤族のため全国11箇所に住んだ経験があり、特に青森県中心に書いています。東北地方の歴史・文化・民間伝承が好き。実際に住んだからこそわかる情報を盛り込んだ記事作成を心がけています。

わいば大祭さ毎年行ぐして!イタコさ口寄せすでもらいさ来さまい

青森県には、この世とあの世の境と表現される場所があります。恐ろしい表現で形容されるこの恐山は、地上では感じたことがないような雰囲気に溢れており、まるで異世界に来たよう。これまでに感じたことがない感覚を体感したい人や、この世ではないような不思議な光景を見たい人におすすめの恐山の魅力をたっぷりご紹介します。

恐山が他の山と違う理由とは?

恐山といえば日本三大霊山のひとつです。しかし、その全容を知らない人も多いかもしれません。まずは、どんな場所なのかをご紹介しましょう。

死者を供養する恐山菩提寺

青森県むつ市にある下北半島の中央に位置する恐山(おそれざん)は、滋賀県の比叡山や和歌山県の高野山と共に日本三大霊山の一つに数えられています。恐山というのは、宇曽利山湖を取り囲むように存在する8つの外輪山である鶏頭、地蔵、剣、大尽、小尽、北国、屏風、釜臥のことをまとめた通称。実際に恐山という単独の山は存在していません。

また、この場所にある寺として知られているのが恐山菩提寺(おそれざんぼだいじ)です。本尊は地蔵菩薩で、地蔵信仰を背景として死者を供養するための場所として知られています。訪れる人の中には水子供養を目的とした人も少なくありません。

三大霊山のなかで最も行きにくい場所

恐山がある青森県むつ市は、最寄の新幹線停車駅である七戸十和田駅までバスで1時間半かかります。さらにそこから恐山へは車で40分かかるため、交通の便が悪く決して行きやすい場所ではありません。そのアクセスの悪さから観光客は多くなく、美しい自然や穏やかな風景が保たれています。

さらに、冬には積雪があって危険なため、開山期間は年間のうちたったの約半分。車が通行可能な期間が5月~10月なので、行ってみたいと思う人は、事前に開山しているかどうかを確認して計画を立てましょう。

他にはない景色と雰囲気

荒涼とした風景が広がる恐山では、充満した火山性ガスのため硫黄の匂いが充満しています。さらには不気味な赤い水が湧き出ていたり、温泉の水蒸気が立ち上っていたりと、地獄を連想させる雰囲気に溢れています。山を登って行けば行くほど強くなる硫黄臭に驚きますが、この匂いは年々薄くなっているのだそう。昔の人はさらに強い硫黄臭で、より異世界のような雰囲気を感じていたことが想像できます。

山を登る道中、火山岩の広がる岩場を歩いていくことになります。そのため、恐山へのお出かけは安全に配慮したスニーカーがおすすめ。また、冬以外でも冷え込むことがあるので、夏の暑い時期であっても念のため羽織れる上着を用意しておきましょう。

恐山の歴史について

次に、恐山の歴史についてご紹介します。どんな背景があり今に至るのか、その概要を見ていきましょう。

恐山が開山されたのは平安時代末期

恐山を開山した慈覚大師円仁は、遣唐使として唐に渡り修行を積んでいた人物。ある日夢でのお告げがあり帰国した円仁は、本州最北の地を目指し862年にこの場所に辿り着きました。当時はもちろん車や便利な乗り物などなかった時代で、ひたすら歩き続けて辿り着いた恐山は、まるで地獄と極楽が入り混じるような雰囲気だったとされています。

近くの薬研渓流には、長い旅路の途中で負傷した円仁を助けたカッパの伝説など、円仁に関する伝説や逸話も多数残されています。

開山以来地元の人々の信仰を集めてきた

長い旅路の末に恐山を見つけた円仁は、この場所に地蔵堂を建立、地蔵尊を祀り、さらなる修行に励んだとされています。古くからの言い伝えにより、下北半島の地元住民は、人は死後恐山に行くと考えています。そのため、単なる地蔵信仰の場所としてだけでなく、ある意味で畏れ多い場所として信仰されているのです。

また、あの世とこの世の境とされている場所のため、開山中は多くのイタコも集まっています。口寄せといって、霊を自分に憑依させることを目的としてこの場所を訪れる人も多いです。

恐山の散策!あの世らしい見どころがたくさん

恐山を散策すると、たくさんの見どころがあります。せっかく歩くなら、見ておきたいポイントをしっかりとチェックしておきましょう。

恐山の参拝コースは約40分

恐山の参拝コースは1周約3キロで、40分ほどかけて歩くことができます。体力に不安があったり、時間に余裕がない場合は、少しショートカットすることで30分ほどにすることも可能です。この参拝コースは一面火山岩で覆われた岩場を歩くことになるので、車イスやベビーカーの利用はおすすめできません。

参拝コースでもある恐山の境内には136の地獄があるとされています。火山岩で形成されたこれらの地獄は、現世で犯した罪に対しての罰を受ける場所を表しているようです。

賽の河原

参拝コース最初の見どころは賽の河原です。ここは親より先に死んでしまった子供が親不孝を償う場所。償いとして永遠に石を積まされるという地獄が表現されています。恐山に一歩足を踏み入れたときから見えるむき出しの岩肌と、噴き出している温泉や蒸気、そして何と言っても不気味な硫黄の匂いに、序盤から地獄を実感できます。

特に一面に広がる火山岩で荒涼とした光景は、恐ろしい地獄を思わせるものです。参拝客らが残していった小銭が、あちこちの岩に置かれていますが、火山ガスによって色や形が変わっているのが確認できます。

お地蔵様

恐山は地蔵信仰を背景としているので、参拝コースでもたくさんのお地蔵様を確認することができます。その中には、近くの岩に風車が供えられているものも見かけます。これは、水子供養に来た親が、あの世の子供に対し向こうの世界でも遊べるようにと残していったもの。

恐山のお地蔵様は、この世に残された親と、先にあの世に逝ってしまった子供を繋いでいます。その気持ちに想いを馳せると、お地蔵様のよだれかけや服も、なんだか物悲しく感じられるものです。

三途の川

恐山の入り口でまず目につくのが三途の川と呼ばれている正津川。つまり、この川の向こうがあの世だということが表されています。この正津川は宇曽利山湖から唯一流れ出ている川で、独特な青緑色の水が特徴的。

その上にかかる太鼓橋の鮮やかな朱色とのコントラストが、美しくも不気味な雰囲気を醸し出しています。太鼓橋には白い布がかかっているのが見えますが、これはあの世に行くときに暗闇でも手探りで道がわかるようにするためだと言われています。

恐山温泉

入山料を支払って中に入ると、境内の真ん中に恐山温泉があります。一見温泉のようには見えない小屋のような作りになっていて、見落としそうになる外観です。小屋の周りでは観光客や参拝客が歩いているので、温泉内から窓は開けないようにしましょう。

恐山温泉には男湯、女湯、男女入れ替え制の湯、混浴の4つのお風呂があります。特徴的な、うっすらと緑がかったお湯は、少し熱めの温度に設定されています。泉質は硫化水素含有酸性緑ばん泉で、神経痛やリウマチ、胃腸病に効果があるとされるお風呂です。

宇曽利湖

荒涼とした景色の岩場を過ぎると目の前が一気に開け、とても澄んだ宇曽利山湖に出ます。極楽浜とも呼ばれるこの湖は青緑がかった水の色ですが、硫黄のために黄色く見える箇所もあり、非常に不思議な風景です。人はこの場所を地獄と極楽が入り混じったような場所だと表現しますが、それに納得できるような美しい湖。ここまで歩いてきた岩場の荒々しさとの違いに驚くこと間違いありません。

湖周辺には高山植物も生えています。地上で見かけるものとは異なる自然が面白く、中には他では見つけられないような不思議な虫に出会うことも。そんな不思議な自然を有するこの場所では、四季折々に変化する風景を楽しむことができます。特に紅葉の時期には、鮮やかに色づく山々と、湖の対比が美しくおすすめです。湖を抜けると本堂へ戻る道があり、大祭の時期にはイタコの出店が立ち並びます。

お土産物店

観光客は多くない恐山ですが、小さなお土産物店もあります。一般的なお土産物に加え、般若心経のお守りなど、恐山らしいものも。また、参拝コースに多数安置されているお地蔵様にお供えするための風車も売られています。

また、ここで販売されているヨモギ味の霊場アイスと呼ばれる名物アイスもおすすめです。青森県ではあちこちにチリンチリンアイスと呼ばれるアイスの屋台があり、その恐山バージョンということで人気になっています。

イタコも集まる恐山の大祭

恐山では夏と秋に大祭も行われ、賑わいを見せています。

最も賑わう夏の大祭

開山期間でも観光客はあまり多くなく、不気味なほどに静かで神聖な恐山ですが、年に1度7月に開催される夏の大祭のときには雰囲気が一変。多くのイタコが恐山に来るため、口寄せ目的の参拝者が訪れます。イタコはこの時期にしかいないため、イタコに会いたいという人はこの大祭を狙って訪れましょう。

秋の大祭は紅葉と共に

7月の大祭と比べると規模は小さくなりますが、10月にも秋詣りが開催されます。大祭よりもイタコが少なく、その分観光客も少ないです。ただ、この時期には周辺の山々で紅葉が見頃を迎えていることが多く、紅葉目的で訪れるのがおすすめ。恐山散策ついでに途中の釜伏山展望台など併せて見て回ることができます。この時期には冷え込むので、薄手のコートなどを用意しておきましょう。

恐山へのアクセス

バスでのアクセス

JR大湊線下北駅から下北交通バス恐山線で約40分。ただし、バスは1日4本しかないので、事前に時間を確認しておく必要があります。

車でのアクセス

むつ市内の中心部から約20分。国道4号線から278号線に向かい、道に出ている案内に従います。恐山まではくねくねとした山道を進むことになるので、気を付けて運転しましょう。

車でアクセスする場合は、途中にも観光ポイントがあります。恐山街道の途中にある冷水(ひやみず)と呼ばれる湧き水は、地元の歌「おしまこ」の歌詞でも歌われている有名な水です。1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返ると言われているので、車を停めてチェックしてみましょう。

住所|〒035-0021 青森県むつ市田名部宇曽利山3-2
営業時間|6:00~18:00
定休日|11月1日~4月30日 ※雪のため閉鎖
電話|0175-22-3825
公式サイトはこちら

まとめ

この世とあの世の境とされる恐山では、不気味ながらも神聖な空気を感じることができます。硫黄の匂いが立ち込める荒々しい岩場や、高山植物も豊富で美しい宇曽利山湖など、自然の魅力もいっぱい。人の多い人気観光地では決して感じることができない不思議な魅力を感じに、恐山を訪れてみてはいかがでしょうか。

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