知恩院は長い歴史を誇る寺院。日本最大級の三門で行われるイベントは若い世代にも人気

トラベルパートナー: Khloe

静岡県出身。オーストラリア、東京に住んでいました。歴史が好きなので、歴史を感じる場所を、気ままにふらっとひとりで旅をするのが好き。

ちおんいんさんは昔から人々の救いでしたんえ

皆さんは「ナムい」という言葉を知っていますか?長い歴史があり、由緒正しい知恩院が発信している言葉で「南無阿弥陀仏」からきているそうです。寺院としての素晴らしさや建造物の迫力はいわずもがなですが、それに加えてSNSなどを駆使し若い世代の参拝者を集める、攻めの姿勢を崩さない知恩院についてご紹介しましょう。

法然開基の由緒ある寺院

800年以上の歴史があり、国宝の数々を見ることのできる知恩院。京都の観光スポットとしても特に人気が高く、参拝者の年齢層も厚いのが特徴的です。まずは知恩院の歴史を見てみましょう。

数ある京都の寺院の中でも人気の高い

1175年に創立され、800年以上の歴史を持つ由緒ある寺院、知恩院(ちおんいん)。浄土宗の総本山で、正式名称は華頂山知恩教院大谷寺。徳川家が江戸時代に建立した建造物のひとつで、日本最大級の山門や御影堂などの国宝をいくつも所有する歴史ある貴重な寺院です。

開基は歴史でも有名な法然上人

歴史の教科書でもなじみ深い法然上人は浄土宗の宗祖で、43歳の時に知恩院を創立しました。ただひたすらに念仏を唱える専修念仏を見い出し、すべての人は救われるという信念のもと、浄土宗が開宗されたそう。法然上人は、知恩院を創立した43歳から80歳まで、流罪の期間以外はほぼこの地で過ごしたと言われています。

知恩院のみどころや歴史

いつ行っても人気の知恩院。たくさんの見どころや、面白い集客方法は他の寺院では見られません。老若男女問わず愛される理由を探ってみましょう。

国内最大級の大きさが圧巻の三門

五味金右衛門(ごみきんえもん)とその妻が、命がけで製作したとされている三門は、国内最大級の大きさを誇っています。高さ24m、横幅50mという大きさに圧倒されること間違いなし。二階二重門の構造になっており、2階の仏間にはたくさんの仏像が置かれています。

毎年4月18日には、夜8時から翌朝7時まで、ミッドナイト念仏 in 御忌と称されたイベントが三門2階で夜通し行われ、熱心な檀信徒に交じり若者やカップル、海外からの観光客などたくさんの人が参加しています。他にも秋にはライトアップやプロジェクションマッピングなど、さまざまなイベントが開催されることでも有名。

映画のロケ地にもなった男坂 女坂

三門をくぐってすぐ、急な階段が男坂、右側の緩やかな迂回路が女坂と呼ばれており、男坂は映画「ラストサムライ」のロケ地としても人気。映画では、主人公であるネイサン・オールグレン大尉がミカドに会いに行くシーンで使われています。個人的な感想ですが、厳しさを良しとする男性と、優しさを重んじる女性の姿が、この坂にあらわれている印象を受けます。それぞれの、男女に対する考え方によって、坂の見え方も変わるのではないでしょうか。

知恩院で受けられる御朱印

御朱印集めがブームになっていますが、知恩院では4種類の御朱印をいただけます。それぞれについて見てみましょう。

法然上人の御朱印

浄土宗宗祖の法然上人の御朱印で、右上に押印されている屓光台師とは、法然が朝廷からいただいた名前です。3つの中でも知恩院を代表する御朱印です。

御詠歌の御朱印

御詠歌「草も木も 枯れたる野辺に ただひとり 松のみ残る 弥陀の本願」が書かれた御朱印。流れる文字がデザイン的にもとても美しく、歌の意味は「草木が枯れても阿弥陀仏の本願は永遠である」というものだそうです。

勢至菩薩の御朱印

知恩院発祥の地であり、国の重要文化財に指定されている勢至堂(せいしどう)で受けられる御朱印。勢至堂は、賑わう三門とは違い観光客が比較的少ないので、ゆっくり観光できる穴場スポットです。

濡髪大明神の御朱印

勢至堂を、さらに進んだ奥にある濡髪大明神(ぬれがみだいみょうじん)の御朱印。縁結びにご利益があるとされており、若い女性やカップルに人気です。ピンクの台紙がとても可愛いのですが、残念ながら期間限定で現在は終了しています。

知恩院の七不思議

知恩院には、観光客をワクワクさせる七不思議が存在します。ただ散策するだけでも素晴らしい寺院なのですが、七不思議スポットをチェックしながら巡ると、さらに知恩院を楽しめます。

七不思議その一 鴬張りの廊下

鴬張りの廊下は、全長550mもの廊下に張らされた、忍び返しと呼ばれる仕掛けで、侵入者防止のためにわざときしむ音の響く廊下になっています。忍び足で歩いても、なぜか音が鳴ってしまうという不思議な仕掛けで、さらにその音が鴬の鳴き方に似ており、ホーホケキョ(法聞けよ)と聞こえることから、仏様から法を聞くようにと言われているような感覚になると言われています。

近年では、防犯装置としての役目ではなく、劣化などが原因という説も出ていますが、忍び返しで作られたという方がロマンがあっていいですよね。

七不思議その二 白木の棺

大工である五味金右衛門とその妻が決死の覚悟で完成させた三門だが、製作費が予算を超えてしまったことに責任を感じた夫婦は自決してしまいます。大工夫婦の悲惨な結末を知った人々が、2人の木像を白木の棺に入れ、三門の楼上に安置したのが白木の棺です。三門の楼上に安置された2つの棺は、今も見ることができます。

夫婦が完成させた三門は、のちに国宝に認定されるほどの出来栄えだったのに、どうして自決してしまったのかと考えると、厳しい時代背景や夫婦の想いなどがあったのではないかと想像されます。

七不思議その三 忘れ傘

御影堂正面の軒裏に、骨組みだけの傘が置かれており、これを忘れ傘と言います。これには2つの説があり、一つ目は名工、左甚五郎が魔除けのために置いていったという説。二つ目は、白狐が霊巌上人に自分の住処を作ってもらったお礼に、知恩院を守る約束の品としてこの傘を置いていったという説です。どちらの説もロマンがありますね。傘には、火災から守るという意味も込められているそう。あなたはどちらの説を信じますか。

七不思議その四 抜け雀

狩野信政が描いた大方丈の菊の間の襖絵ですが、現在は万寿菊だけが描かれています。しかし当時は、万寿菊と一緒に雀も描かれていたそうです。あまりにも雀の絵が上手なので、雀に命が吹き込まれ飛び立ってしまったとか。これは、狩野信政の絵がそれほど上手かった、ということをあらわすエピソードとして語られているのかもしれませんが、話しの内容がとても粋で面白いですね。

七不思議その五 三方面真向の猫

三方面真向の猫も、狩野信政が方丈の廊下にある杉戸に描いたもので、子猫を守る親猫の絵になっています。この母猫がどの方面から見てもこちらを睨んでいるように見えることから、三方面真向と言われています。親子の愛と同じように、仏様もいつでも私たちを見守っていてくださるという慈悲を感じることができる温かい作品です。

七不思議その六 大杓子

大方丈入り口の廊下の梁に置かれている大杓子は、長さ2.5m、重さは約30キロの巨大な杓子です。三好清海入道という人物が、大坂夏の陣の際にこの大杓子を振り回したり、食事をふるまったりしたという伝説が有名。ごはんを「すくう」と「救う」をかけて、縁起の良いものとして置かれています。

七不思議その七 瓜生石

黒門へ向かう登り道の途中にある、石柵で囲われた瓜生石(うりゅうせき)は、知恩院が建造される前からあるため、道路の真ん中という不思議な場所に置かれています。どこからともなく瓜の弦が伸び、立派な瓜がたくさん実ったとか、実はこの石の下を掘り進めると二条城につながっているとか、隕石が落ちた場所であるとか、さまざまな説が伝えられている不思議な石です。

知恩院へのアクセス

京都東山地区の中央部にある知恩院は、アクセスのしやすさも魅力です。それぞれのアクセス方法をチェックして出かけましょう。

市バスでの行き方

京都駅から市バス206系に乗車し、知恩院前で下車。徒歩約5分です。

地下鉄電車での行き方

地下鉄東西線に乗車し、東山駅で下車します。そこから徒歩約8分です。

車でのアクセス

駐車場の収容台数が少ないため、車でのアクセスはおすすめできません。やむを得ず車を利用する場合は、総本山知恩院新門南駐車場へ駐車。納骨やお墓参り等などの参拝時は、専用駐車場があるので事前に問い合わせてください。タクシーの場合は、京都駅から約15分です。

住所|〒605-8686 京都市東山区林下町400
営業時間|AM6:20-PM4:00
定休日|なし
電話|075-531-2111
公式サイトはこちら

まとめ

京都の寺院の中でも800年以上の歴史を持つ由緒正しい寺院でありながら、今でも攻めの姿勢を続けている知恩院。若い人に来て欲しいという想いから、温故知新のギリギリのラインで広報活動を続けている姿勢は、本当に素晴らしいです。常に人気のスポットなので、じっくり散策したいなら早めのお出かけがおすすめ。日本最大級の三門や国宝のすばらしさを、ぜひ堪能しに行ってください。