吉見百穴3つのミステリーを追う。墳墓と光苔と地下軍需工場

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スポットを訪れるべきベストシーズンや、地元の人しか知らない穴場情報など、お出かけ前にぜひ参考にしてください。

吉見の百穴に来たら、3つのなぞを追ってみてね!

日本のカッパドキアと呼ばれている埼玉県比企郡吉見町にある吉見百穴には、私たちの知的好奇心をくすぐる3つのミステリーと、お腹を満足させてくれるご当地グルメが待っています。景色やグルメを堪能するだけの旅に飽きたら、ぜひ歴史の不思議が残る吉見町に出かけてみましょう。きっと、今までにない思い出深い旅ができますよ。

吉見百穴は日本のカッパドキア

吉見百穴には横穴古墳群という無数の穴が空いた遺跡があります。この形がトルコ・カッパドキアにある世界遺産によく似ていることから、吉見百穴は日本のカッパドキアとして呼ばれ、そのミステリアスな雰囲気を体験しようと多くの人が訪れています。

吉見百穴は埼玉県比企郡吉見町にある横穴古墳群で、現在は有料で一般公開されています。観覧料は小~中学生は有料で、小学生以下は無料とリーズナブル。吉見百穴は「よしみひゃくあな」または「よしみひゃっけつ」と読み、様々な辞典等でも2つの読み方が混在しています。

文化庁の国指定文化財等データベースでは「ひゃっけつ」とされていますが、地元の人や公式ホームページでは「ひゃくあな」呼ばれているので、こちらの方が一般的です。

上の写真はトルコのカッパドキアですが、吉見百穴によく似ているとおもいませんか。吉見百穴の風景が奇岩をくりぬいて作られた世界遺産カッパドキアの光景に似ていることから、日本の(または埼玉の)カッパドキアとも呼ばれています。

墓群だけでなく後述の地下軍需工場跡の様子も、カッパドキアの地下都市を彷彿とさせるなど両者には共通点が多いのも呼び名の理由になっています。

古墳時代のミステリー。横穴墓群

吉見百穴3つのミステリーの1つめは横穴墓群です。1923年に国の史跡に指定された横穴墓群の史跡は、穴の数が219個と言われ国内最大の規模を誇っています。

これはおよそ1400年前古墳時代後期の墳墓ですが、発掘当初はコロボックル(アイヌの伝承に登場する小人)の家ではないかといった珍説の主張もあり、目的・用途等が謎の遺跡でした。

古墳とも違う墓群は穴の数が多くとてもミステリアスな印象を受けますし、お墓であることが知られているため、心霊スポットとして訪れる人も多いのが特徴です。

内部を見ると多くの穴が棺を安置したと思われる台座のある構造になっており、古墳の玄室にあたる死者を埋葬する部屋が岩山表面近くにあることがわかります。穴によっては複数の台座が作られているものもあり、家族単位で埋葬されたものではないかと推測されています。

最初の発掘は弥生土器発見者の1人でもある坪井正五郎氏により行われ、彼は日本の先住民と言われたコロボックルの住居跡との説を唱えました。

しかし後に弥生土器の共同発見者である白井光太郎氏により集合墳墓説が唱えられ論争となった歴史がありますが、現在では後者の説で落ち着いています。

植物分布のミステリー。ヒカリゴケ

吉見百穴2つめのミステリーは、ほのかに光る不思議なヒカリゴケの存在です。ヒカリゴケは洞窟のような暗い場所で、黄色味を帯びた緑色に光るコケ植物。本来、中部以北の山地に自生しているので、関東平野での自生は極めて珍しく国の天然記念物に指定されています。

ホタルのように自分が発光するわけではなく、光を反射して光るように見えるので、太陽光の差し込みや懐中電灯の光を当てて美しい発色を確認してください。

ヒカリゴケは減少が進んでいるため、現在準絶滅危惧に指定されています。そのため、残念ながら自生している穴には鉄格子がはめられ入れなくなっていますが、格子の外からでも美しく光るコケの様子を観察できます。県内でヒカリゴケを見られるのはここだけなので、ぜひ貴重なヒカリゴケの姿を見て行ってください。

地下トンネルのミステリー。軍用飛行機製造工場

吉見百穴の3つめのミステリーは、百穴と周辺丘陵地帯につくられた地下の軍需工場の存在です。歴史的な背景も抱えているこの場所では、独特の雰囲気を感じることができます。

太平洋戦争末期の空襲により航空機製造は大打撃を受けました。その対策として、東京の武蔵野市にあった中島飛行機工場の移転先となり軍需工場がつくられたのがこの施設跡です。空襲を避けながら航空機部品の製造をするために、地下に軍需工場が作られることになりました。

工場の建設は非常に大掛かりで、地下には大きいものでは3メートルほどの高さがある地下通路が碁盤の目のように張り巡らされています。軍事優先の考えから、工場建設に合わせて近隣の市ノ川の流れを変える工事まで行われている背景をみると、戦争の凄まじさを感じずにはいられません。

地下独特のひんやりとした空気と、ほの暗いトンネルは廃墟が持つミステリアスな雰囲気が漂ってきます。また戦争の跡という背景も、物々しい雰囲気をさらに大きなものにします。地下軍需工場跡地は点検・調査のため立ち入りができないことがあるので、訪れる際は必ず確認してください。

勾玉・ハニワ作り体験ができる 埋蔵文化財センター

吉見百穴では遺跡に関連した内容を体験できる施設があります。この施設では、実際にハニワ造りや勾玉作りができるため、旅の記念にもなるでしょう。

埋蔵文化財センター

吉見百穴構内にある埋蔵文化センターは入館無料(但し吉見百穴内にある為、吉見百穴への入園料は必要)で、埋蔵品やレプリカ等の展示の他、埋蔵文化財の試掘調査や史料の収蔵などを行っています。中でも人気なのは体験型コーナーで、勾玉やハニワを作る体験ができることから家族連れが多く楽しんでいます。

勾玉作り体験

古代人のアクセサリーである勾玉作り体験は、所要時間は1時間から1時間30分程度です。再生琥珀を使った勾玉形の携帯ストラップを作るメニューもあります。

子どもでも簡単に製作できるので、吉見百穴の調べ学習と合わせて夏休みの自由研究にも利用できます。

はにわ作り体験

古墳時代を象徴するはにわとして「踊るはにわ」造りなどが体験できるコーナーもあります。製作後は1か月程度の乾燥が必要なので、乾燥して焼き上げてからの引き渡しになります。

取りに来られない人には、宅配便等で送付もできるので相談してみましょう。所要時間は1時間30分から2時間程度なのですが、子供に連れ添った親の方がハマってしまうことがあるほど、楽しい体験ができます。

住所|〒355-0155 吉見町大字北吉見321番地
営業時間|AM8:30-PM5:00(入場はPM4:30まで)
定休日|毎年12月30日-1月4日
電話|0493-54-9111
公式サイト|なし

ご当地グルメとお土産を探すなら道の駅がおすすめ

吉見百穴を訪れた際は、ぜひ道の駅いちごの里よしみへ足を運んでみてください。美味しいいちごやいちごを使った加工品が食べられるため、旅の土産話にももってこいです。

吉見百穴から1番近い道の駅「いちごの里よしみ」

吉見百穴から車で15分ほど走ると、いちごをテーマに作られた道の駅「いちごの里よしみ」があります。吉見では栃おとめなど有名ないちごが名産で県内では作付面積1位を誇っています。そんないちごを中心とした物産品のほか、いちごのお城をモチーフにした幼児遊具等もあるので家族連れには嬉しいスポットです。

他にも道の駅から歩いて行ける距離ではいちご狩りができる施設もあるので、冬から春にかけて訪れるなら、いちご狩りや異なる品種の食べ比べを楽しんでみてはいかがでしょうか?

ちょっと変わったご当地グルメ

写真は一風変わったご当地グルメのいちごカレーうどんで、いちごのかまぼことソースがトッピングされています。

いちごとカレーって合わないのではと心配な方へ、カレー味が強くいちごの味はほとんどしないので安心してください。カレーうどんとしては美味しく、話のネタにもなります。また、女子旅ではSNS映えも狙えるグルメのひとつです。

写真は名物いちごかまぼこです。こちらもカレーうどん同様いちごの味はしないので安心してください。鮮やかな色で可愛らしいかまぼこは、SNS映えも狙えますしお土産としても最高。そのまま食べても美味しいのですが、サラダやカナッペなど色々なものにトッピングするのもおすすめです。

お金では絶対買えないお土産

普通のお土産ではつまらないという方におすすめなのが、吉見百穴のマンホールカードです。マンホールカードは、その場に行かないともらえない究極のコレクションカード。マンホールカードコレクターは年々増えていて、コレクション収集のための日帰りツアーなども盛況です。

カードは吉見百穴で配布されていて、郵送や予約はできないのでまさに行かないと手に入らないお土産です。デザインカードに描かれているマンホールの蓋は、道の駅いちごの里よしみに設置されています。カードをもらってから見にいくとワクワクして楽しいですよ。

住所|〒355-0137 埼玉県比企郡吉見町大字久保田1737番地
営業時間|AM9:00-PM5:00(食堂 平日AM11:00-PM3:00 / 休日AM11:00-PM4:00)
定休日|毎年12月30日-1月4日
電話|0493-53-1530
公式サイトはこちら

吉見百穴へのアクセス

車での行き方

関越自動車道東松山ICから鴻巣方面へ約15分。
無料駐車場有 普通車200台/大型4台収容可能。

電車・バスでの行き方

電車の場合、東武東上線東松山駅下車し、東松山駅から徒歩約30分。
バス利用の場合、川越観光バスで(鴻巣免許センターゆき)バス停百穴入口から徒歩7分。

住所|〒355-0155 埼玉県比企郡吉見町北吉見324
営業時間|AM8:30-PM5:00(入場はPM4:30まで)
定休日|なし
電話|0493-54-4541
公式サイトはこちら

まとめ

ミステリアスな墓群、幻想的なヒカリゴケ、戦時中の物々しさを体感できる地下軍需工場跡、そして物づくり体験など、吉見百穴では数々の感動を味わえるスポットが盛りだくさん。

また、暑さの厳しい夏から秋にかけては、彩の国クールスポット100選に選ばれた、涼しい地下工場は最適ですし、冬から春の寒い時期にはいちごの季節なので食べる楽しみがあり最適です。年中私たちを楽しませてくれる吉見百穴に、ぜひ一度は遊びに行ってみましょう。