前橋東照宮は歴史とハイテクが混在する神社。センサーで反応する手水舎に驚く

この記事の情報提供者

トラベルパートナー: Yoshino

出身地は富山県。在住経験のある北陸・北関東の記事がメインです。読書が趣味なので、好きな作家に縁のある土地や小説の舞台となった場所を旅しています。

松平家が造成した徳川家康を祀る神社だいね

徳川家を祀る東照宮の中でも、歴史とハイテクが融合している珍しい前橋東照宮。新しいものを取り入れながらも歴史を大切に残しているこの神社は、まさに次世代の神社という印象です。小さいながらも他にはない特徴を持っている前橋東照宮についてご紹介します。

徳川家康を祀る神社

前橋東照宮は、群馬県前橋市にある神社で東照宮という名の通り、徳川家康を御祭神としています。もともとは1624年に大名であり、徳川家康の血を引く名門である松平直基公が越前勝山に建てた神社です。歴史の流れの中で移転を何度も繰り返しながら、現在の場所に鎮座することとなりました。

移転を繰り返す東照宮

松平家は引越し大名という異名を持つほどで、120年で10回も領地替えを繰り返しており、その度に神社も城内に奉還されました。江戸中期に前橋城へ移りましたが、利根川の氾濫で城が流され、1767年に分領だった川越に奉還されます。移転した際、神社は造営されましたが、前橋城が復興したため川越の社殿は一時解体され、明治維新を経て1871年、現在の地で復元されました。

こんな歴史背景のある前橋東照宮は、徳川家康を主祭神として、安産の神様の木花咲耶姫、同じく安産の神様の長壁様、学問の神様の菅原道真公が合わせて祀られています。安産祈願に関してはとても有名で、妊活中の夫婦のパワースポットとしても人気です。

車で来た時の入り口はこちら

前橋東照宮は、前橋市民の憩いの場であり桜の名所でもある、前橋公園の横にあります。公園や遊園地の近くだからか、親子連れの観光客が多いのが特徴的でした。神社の西側には利根川が流れ、地元の人や観光客でにぎわっています。

写真は、北側の車用の入り口の様子。左手に社務所や拝殿があります。境内への入り口は東側にあるので、移動して参拝しなくてはいけません。神社の正面にある鳥居の左側にも小道がありますが、そちらは一方通行で入れないので注意しましょう。

白秋や朔太郎が撮影した杉

前橋東照宮の駐車場にある杉の木は、1915年に北原白秋と萩原朔太郎が前橋東照宮を参拝した際、この杉の木を囲んで記念撮影をしたことでも有名。北原白秋は歴史の教科書にもよく登場するので馴染みのある名前でしょう。萩原朔太郎は前橋で生まれた詩人で、前橋には萩原朔太郎記念館という、文学好きにはたまらないスポットがあります。

鳥居がお出迎え

石の鳥居が前橋東照宮の目印なので、鳥居をくぐる前には一礼して参拝しましょう。この入口には、公園が近いからか「お参りをしてから遊びましょう」のポスターが貼られていたこともありました。鳥居の前は、狭い歩道を挟んで車通りの多い道なので、子供連れで行く際には気を付けてください。

車のお祓い殿

鳥居から入ると右手に、車専用のお祓い殿があります。ここでは、購入した車が事故にあいませんように、と自動車祓いをしていただけます。現在では、車のお祓いは一般的になりましたが、実は前橋東照宮が全国で初めての自動車のお祓いを始めた神社。後述の人感センサー付きの手水舎といい、歴史がありつつも時代のニーズにも応えるという印象のある神社です。

自動で水が流れる手水舎

鳥居をくぐってすぐ左手にある手水舎が画期的。「水が流れ出るまで数秒お待ちください」というメッセージに戸惑うかもしれませんが、手をかざすとセンサーによって自動で水が流れます。なんと、手水舎の脇にはハンドペーパーまで設置。これは地味に嬉しいです。近代的なシステムと、徳川家の家紋が何とも言えずマッチしていてカッコよさを感じます。全国的にも珍しい手水舎で手を清めてから、お参りをしましょう。

拝殿でお参り

こじんまりとした中にも、歴史を感じる拝殿。他の東照宮のような派手さはありませんが、とても趣があり神聖な空気が漂っています。ちなみに、お参りする際には、参道は真ん中ではなく、端を歩くと良いそう。拝殿からは、本殿の様子がちらっと見え、神社の中では予約をすると神主さんが初宮参りなどの祈祷をしてくれます。希望するなら、事前に電話で問い合わせてみましょう。

穢れを流す はらい川

境内には、はらい川という小川が流れています。ここは川の名前の通り、罪や穢れを水に流してくれると言われており、人型や車型を身代わりに流して、厄払いをすることができます。どうしても手放せない罪悪感があるなら、ここで水に流してもらうとスッキリするかもしれませんよ。

梅の木を囲んで建つ絵馬掛け

はらい川の隣には、梅の木を囲んで建っている絵馬掛けがあります。この梅の木は、前橋東照宮に祀られている菅原道真公を偲んで植えられたもの。木を囲む絵馬かけは五角形になっているのですが、それは、合格=ゴーカクになぞらえてあるそうです。また、車のお祓いを予約すると、車の形をした可愛い絵馬が貰えるので、ぜひお祓いと一緒に絵馬にも願をかけてください。

松平大和守の大きなパネル

境内には、群馬県を舞台にした漫画「お前はまだグンマを知らない」の作者、井田ヒロト先生が描いたこちらのパネル。前橋に縁のある四代名家のうちのひとりである、松平大和守(まつだいらやまとのかみ)だそうです。こちらも、各所に見られる型破りな印象があり、とても好感が持てます。「お前はまだグンマを知らない」は、リアルな群馬のあるあるを描いた漫画でアニメ化もされました。

社務所は近代的できれい

参道の左手には社務所がありますが、こちらも他の神社には見られないほど近代的で美しい建物です。

撮影室や授乳室まである

初宮参り、七五三、厄除け、安産祈願、車祓いなどの祈祷は、社務所の受付をしているので、希望する際にはこの建物を目指してください。社務所内には撮影スタジオも完備されており、七五三などの記念撮影をお願いすることもできます。また、神社としては珍しく、授乳室も完備されているので、赤ちゃんと一緒に参拝する際にも安心です。

美しいガラスケースの中はお守り

ガラスケースの中に安産守りペット守りなどのお守りやお札が売られています。新しい建物なので、お手洗いなども可愛くとてもキレイ。社務所の中では、中天下三槍のひとつである御手杵(おてねぎ)の槍のレプリカが飾られています。

御手杵の槍は、1945年の東京大空襲で焼失しましたが、2016年に松平大和守家の現当主により復元されました。他の展示物もキレイにガラス張りの中に納められ、全体的にスッキリした印象。展示のひとつである三つ葉葵の家紋入りの神輿は、とても歴史を感じさせます。

家紋と御手杵槍の御朱印

前橋東照宮の御朱印には、徳川家の家紋の三つ葉葵が押されています。三つ葉葵といえば水戸黄門で有名。社務所の中には大きな液晶画面があり、徳川家康について紹介する映像が流れています。画面の前にはゆったり座れるソファもあり、ウォーターサーバーも設置されています。御朱印を待つ間に、ゆっくりくつろぎながら歴史の勉強をするのもおすすめ。御朱印を貰うと、松平大和守のイラストが描かれた栞ももらえます。

駐車場の隣にある厩橋護国神社

駐車場の隣にある厩橋護国神社(うまやばしごこくじんじゃ)は、1877年に造営されました。西南戦争から大東亜戦争までの戦で亡くなられた、前橋市出身の英霊二千三百四十六柱を祀ってあります。車でお帰りの際は、順路がものすごく狭いので気を付けて下さい。大きな車や運転に慣れていない人は、充分確認して進むようにしてください。

前橋東照宮へのアクセス

車での行き方

JR前橋駅から車で約10分。駐車場は境内に50台収容可能。初詣の時期になると、臨時駐車場が増設されます。

電車での行き方

最寄り駅は、JR前橋駅。前橋駅からは、マイバス北循環に乗って臨江閣前で下車。臨江閣前から前橋東照宮までは徒歩1分。

住所|〒371-0026 群馬県前橋市大手町 3-13-19
営業時間|参拝は24時間可
定休日|なし
電話|027-231-2031
公式サイトはこちら

まとめ

神社と言えば厳かで、古さを大切にしているところが大半です。しかし前橋東照宮は、その常識を破り新しいものを常に取り入れ変化している、次世代の神社という印象がします。若い人でも入りやすい雰囲気作りや、年配の方でも参拝しやすい便利な工夫がされており、とても良い印象を持ちました。他の東照宮と比べると規模は小さいのですが、新旧が程よく融合した珍しい神社なので、一度遊びに行ってみてください。