高野山奥の院は幽玄の聖域。今でも瞑想を続ける弘法大師に手を合わせよう

公開日:2018/12/19 更新日:2019/11/6

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出身は東京都。幼少からの歴史好きから、歴史スポットやお寺・神社を巡るのが趣味に。関東地方を中心に、主にひとり旅でのんびり回っています。有名無名問わずに、気になった寺社を回っています。風景写真を綺麗に撮れるよう、写真は勉強中。
お大師さまに会いにいこら

日本仏教の聖地である高野山。平安時代から続く自然に抱かれたこの霊山には、100以上もの寺院が集まり、多くの人々がこのパワースポットへ足を運びます。入口近くには戦国武将たちの墓があったり、弘法大師が瞑想を続ける神聖な御廟に近づくこともできます。ほかにも、ここでしか手に入らないありがたい御朱印帳や七不思議スポットなど、見どころ満載です。

空海の開いた高野山

高野山は和歌山県北部の山々に囲まれた盆地で、日本仏教における聖地の一つです。平安時代の816年、弘法大師 空海は天皇から高野山を下賜され、この地に真言密教の道場を開きました。現在では100以上の寺院が密集している宗教都市で、2004年に紀伊山地の霊場と参詣道として世界遺産に登録され、毎年多くの参拝者を集めています。

高野山の中でも二大聖地とされているのが、壇上伽藍と奥の院。奥の院は、62歳で入定(にゅうじょう)した弘法大師が今も瞑想を続けているとされる場所です。入定とは、真言密教の修行の一つで、一切の煩悩を捨て永遠の瞑想に入ることを意味します。

奥の院参道

奥の院参道は、一の橋の入り口から弘法大師が今も瞑想する御廟まで続く、およそ2kmの参道。参道の両脇には、樹齢数百年の杉が立ち並び、とても厳かな雰囲気です。独特な澄んだ空気が感じられます。参道には、20万基を超える墓や供養塔が並んでおり、一般の人の墓もありますがその間には、有名な戦国武将や歴史上の人物の墓が立ち並んでいるので思わず足を止めて眺めたくなります。

入り口は二つ

奥の院参道の入り口は二つあります。正式な入り口である一の橋と、一の橋から御廟に向かう参道の途中にある中の橋で、中の橋には大型の駐車場があるため、中の橋から参道に入る人も少なくありません。

おすすめは正式な入り口である一の橋の方で、一の橋のたもとで合掌一礼してから参道に入るのが、正式な参拝方法です。弘法大使がこの橋まで参拝者を送り迎えしてくださる、と言い伝えられています。歴史上の偉人の墓が見られるのもこちら側です。

有名人のお墓がずらり

織田信長をはじめとして、伊達政宗や豊臣家、徳川家、明智光秀、石田三成、など、歴史上に名を連ねた人物のお墓がずらりと並んでいます。宗派は違うものの、比叡山を焼き討ちにした信長の墓が高野山にあったり、その信長を討った明智光秀の墓が同じ敷地にあったり、さらには浄土宗の開祖 法然の墓があったり。

とてもカオスな感じですが、昔から高野山は浄土であると考えられていた為、敵味方問わず、多くの武将の墓も集まるようになったといわれています。できれば事前に、観光案内所で奥の院の地図を入手しておくと安心ですよ。主要な墓所の場所が載っています。

水向け地蔵

奥の院参道の終わり、御廟橋の手前に並んでいるお地蔵さまです。お地蔵さまに勢いよく水をかけている参拝客もよく見かけるのですが、それは間違い。あくまでも水を手向ける(お供えする)お地蔵さまであって、水を掛ける地蔵ではないので注意してください。

先祖供養の水向塔婆(経木)をお地蔵さまの足元の箱に納め、その経木に水をかけるのが正しいやり方となっています。お地蔵さまの頭からかけるのは、絶対NGです。経木は、近くの御共所で手に入れることができます。

弘法大師御廟

いよいよ大師さまの御廟へ

奥の院参道を進み、御廟橋を渡ると、その先に弘法大師御廟があります。高野山の信仰の源であり、ここで弘法大師は今も生きているとされています。御廟橋から先は聖域なので、カメラやビデオの撮影は禁止。帽子は脱いで、橋を渡る前に一礼することも忘れずに。敬意を持って、静かにお参りしたい場所です。

澄み切った神秘的な雰囲気で、心が洗われるような気分になります。高野山の中でも一番のパワースポットとして有名です。

御廟橋を渡った正面にあるのが燈籠堂(とうろうどう)。奉納された無数の燈籠が天井から吊るされていて、幻想的な美しさがあります。燈籠堂の裏手に回ると見えるのが、真の弘法大師御廟。一般人は立ち入ることは出来ないので、ここで御廟の前からお参りします。

御廟で祈れば、お大師様は必ず応えて下さると信じられています。時計回りに進むと地下法場に入る階段があり、ここにも奉納された燈籠と身代わり大師が並んでいます。その先にある祭壇は御廟の中の弘法大師に対して一番近づける場所。気づかないで通り過ぎる人もいる地下法場ですが、ぜひ忘れずに行きたいところです。神聖で厳かな雰囲気に圧倒されるでしょう。

食事は1日2回

弘法大師は今も生きていると考えられているので、毎日食事が供えられています。上の画像は、出来上がった食事を運ぶ僧侶の列です。これを生身供(しょうじんぐ)といい、1日2回、6時と10時半に行われ、見学もできます。観光のためにやっているわけではないので、少し離れて静かに見守りましょう。

食事の内容は、ご飯と汁物そして季節の野菜のおかずなどです。全て精進料理ではありますが、時にはシチューやパンなどの洋食メニューもあるそうです。

奥の院にある不思議なスポット

姿見の井戸

高野山七不思議の一つである 姿見(すがたみ)の井戸は、奥の院参道の途中、中の橋の地蔵堂近くにひっそりとある小さな井戸で、この井戸の水を飲んで病が治った逸話があることから薬井の別名もあります。この井戸を覗き込んで自分の姿が映らないと3年以内に死ぬ、という恐ろしい言い伝えも。七不思議の中でも有名な場所なので、ドキドキしながらも覗く人が多いです。



汗かき地蔵

高野山七不思議の一つ。中の橋のたもと、姿見の井戸のすぐ隣にあります。世の中の人の苦しみを、お地蔵様が身代わりとなって全て引き受けているので、いつも汗をかいていると伝えられています。お地蔵様はお堂の中で、残念ながら姿はほぼ見えません。

覚鑁坂

覚鑁坂(かくばんざか)は中の橋から御廟橋方面へと続く、43段の石段の坂道でこちらも高野山七不思議の一つです。この坂の途中で転ぶと3年以内に寿命が尽きると言われており、別名三年坂とも呼ばれています。絶対転びたくないですね。43段は42(死)を越えるという意味が込められています。

御朱印

奥の院の御朱印は、奥の院御供所(ごくしょ)でいただけます。御供所は御廟橋を渡る手前にあります。奥の院の御朱印はいくつかあり、弘法大師空海の御朱印や御詠歌の御朱印、ほかにも60日に一度の甲子の日(大黒さまのご縁日)限定で、大黒の御朱印もいただけます。

高野霊木の御朱印帳

高野山には100以上ものお寺があるため、御朱印の数が多いことでも有名ですが、御朱印帳の種類も豊富なんです。珍しいところでは、高野霊木を使った御朱印帳があります。高野霊木とは、高野山の森林管理の一環で作られる木材のことで、御朱印帳は高野霊木を伐採するのではなく、朽木など寿命の尽きた霊木から作られています。数量限定で作られるので、たいへん貴重。

おすすめのお土産

天然石でできた可愛いお数珠

その土地柄から、高野山には仏具を扱うお店が多く存在しますが、数珠はお土産としても人気です。特におすすめなのは、天然石を使ったブレスレットタイプ。天然石を使ったものなら仏具の印象も薄いので、手軽に普段から身につけることができます。

お香やアロマ

線香や塗香(ずこう)もお土産におすすめです。塗香は滑らかなパウダー状で、手に塗る清め香は、お坊さんが清めの儀式に使っているものです。心身の浄化や、リラックス効果もあります。高野槙を使ったアロマオイルもありますよ。

高野山奥の院へのアクセス

バスでの行き方

ケーブルカー高野山駅の駅前から南海りんかいバスに乗ります。高野山駅前から乗り約14分後。奥の院口で下車し、一の橋より奥の院参道へ。高野山駅前から乗り約16分後。奥の院前で下車し、中の橋より奥の院参道へ向かいます。本数は一時間に一本程度なので、時間に注意して計画を立ててください。

Address 〒648-0294 和歌山県伊都郡高野町高野山550
Hours 灯籠堂6:00~17:30・御供所8:30~16:30/季節によって変更あり
Closed 無休
Tel 0736-56-2002
Web https://www.koyasan.or.jp/

まとめ

和歌山県にある高野山は、日本仏教における聖地の一つで、平安時代から続く自然に抱かれた美しい霊山でした。一の橋近くにある戦国武将たちの墓を眺めたり、高野山の七不思議スポットを巡るのも楽しそうです。弘法大師・空海が瞑想を続けるといわれる神聖な御廟も必見。ぜひ一度、和歌山県の高野山へ訪れてみてください。