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- 兵庫県姫路市出身、神奈川県横浜市在住の2児の母です。兵庫県・神奈川県とその近郊を中心に、地元目線・郷土愛を交えて、各スポットを最大限に楽しめる情報をお伝えします。ワイワイ家族旅行も、一人でまったりする旅も大好きです。
150万人以上の人口を持つ神奈川県川崎市。東京に程近く首都圏の大都市となったこの街に、本当にここが大都市の一角なのかと思ってしまう自然の楽園が広がっています。それが生田緑地、日頃の喧騒を忘れて森林浴に行きませんか。
首都圏に住む人々がぜひ訪れてみたい緑のオアシス

新宿から電車で約30分ほどの川崎市多摩区に広がる生田緑地。実に東京ドーム38個分に相当する179.3haという面積を誇る大規模都市公園です。地元や首都圏に住む人々はもちろん県内外からも訪れる人々が多い緑あふれるスポットとして注目を浴びていますが、本当に大都市圏の景色とは思えませんね。
首都圏という大都市エリアにも関わらず、なぜ美しい自然に恵まれているのでしょうか。それは1941年にここを緑地として整備する計画があり、進む都市化の波から守られたことや、2002年まで営業していた向ヶ丘遊園の豊富な緑が閉園後も受け継がれていることが大きな理由なのです。
中央広場には美しい緑に映える人気鉄道
なつかしいSLデゴイチ

生田緑地の中央広場には、蒸気機関車D-51が静態保存として展示されています。戦前の1940年に誕生しデゴイチの愛称で日本中を走りながら、惜しまれつつ引退しました。この408号は1970年の引退時に、最後を迎えた場所が新鶴見機関区という縁もあって、翌年からここに保存されているのです。
昭和を思わせるブルートレイン

中央広場にはこれも旧国鉄で活躍したスハ422047座席型客車が、静態保存で展示されています。1948年に誕生してから37年間、東北本線上野~青森間のなんと地球40周に相当する距離を、ブルートレインとして日夜走りつづけ戦後日本の発展を支えてきました。こちらもきれいに保存されており、実際に乗ることができますよ。
枡形山は富士山まで見えるとびっきりの展望台
かつての城主は鎌倉幕府の重役

生田緑地は全体的にアップダウンが多いため、事前にバリアフリーマップで調べておくと安心安全に歩けるでしょう。緑地内には枡形山(ますがたやま、標高84m)があり、頂上は昔の枡形城を再現した特徴的な展望台となっています。
枡形城は、鎌倉時代に源頼朝の重臣として仕え稲毛地方(現在の川崎市北部)を支配していた稲毛三郎重成(いなげさぶろうしげなり)が、本拠地としてここに築いた城です。周辺は遊具のある広場になっており、子どもたちと遊ぶにはちょうどいい場所でしょう。
首都圏の街並みや富士山まで一望
展望台からの眺めはすばらしく、東京タワーや東京スカイツリーに新宿副都心のビル群、横浜ランドマークタワー、そして晴天の日には富士山を眺めることもできるでしょう。また時期によっては富士山に夕日が沈むダイヤモンド富士が見られたり、美しい朝日を拝む写真撮影スポットとしても有名です。
メタセコイアがそびえ立つ林から生田緑地を進む
初夏は美しい新緑に包まれる散歩道
生田緑地の名所といえば、何といってもメタセコイアの林でしょう。無数に並ぶ背の高いまっすぐな木立ちは、ゆたかな緑の葉が茂って優しい木漏れ日をつくり出し、心身ともリフレッシュできる森林浴ができる環境を整えます。
秋に色づくメタセコイアもまた格別
初夏のあざやかな緑もやがて秋には色とりどりに紅葉し、緑の季節とはまた異なる、温かさいっぱいの林となるでしょう。このメタセコイアは全体的に黄色く色づきますが、同じ黄色でも薄い色・濃い色・赤みがかった色など、その微妙なちがいがうまく調和して美しい情景を織り成しています。
ばら苑は春と秋のベストシーズンにオープン
色とりどりのバラがいっぱい

生田緑地ばら苑は、かつて向ヶ丘遊園にあったばら苑をここに継承したもので、毎年春と秋の2シーズン、バラが花盛りの期間にオープンします。開園は開花状況によりますが春は5月中旬で秋は10月中旬。カラフルで多種多様なバラがいっぱいに咲き乱れ、園内には甘い香りが漂います。
気品あふれる西洋風ローズガーデン
園内には彫刻や柱・ベンチ・ラティスなどが配され、まるでヨーロッパのローズガーデンを想わせる演出に。世界各地からコレクションされた色とりどりのバラたちがいっそう美しく気高く映えるように、工夫と管理がされているのです。
中でもバラに彩られたアーチは大人気。いっぱいに咲く花はボリュームと高級感があり、でもふんわりした優しいデザインになっています。まるでバラのトンネルをくぐるようで、愛する人とのデートならドキドキワクワクするでしょう。
バラの花は色も形も表情も様々に
世界中のバラが彩る生田緑地ばら苑。一口にバラといっても、写真のようなロゼット咲きや花びらも一枚や八重、丸かったり波形になっていたり尖っていたり。色も赤やピンクだけでなく純白や淡い黄色など形も色もいっぱい。思い描くバラ像とはちがうバラたちに出会えるでしょう。
バラの香るアイスクリームにジュースも
バラの華やかさに心奪われればあっという間に時間が経ちます。そんな時はスイーツと飲み物で休憩しましょう。特におすすめは、バラの花びら入りでさわやかな甘さのバラのアイスクリームと、バラの香りほのかなバラのジュースです。バラを眺めながらバラを味わうのはいかがでしょうか。
Address | 神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1 |
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Hours | 10:00-16:00(平日)、9:00-16:00(土日祝日) |
Closed | 開催期間中なし |
Tel | 044-978-5270(開催期間中)、044-200-2394(期間外) |
Web | http://www.ikuta-rose.jp/ |
季節の表情は故郷 川崎の風景
早春に咲き誇る数百本の梅
生田緑地には約2,500平方メートル、実に数百本以上におよぶ梅園があり、紅梅や白梅が咲き乱れる梅の名所として知られています。青空に映える花とその香りは、静けさに包まれた寒い冬から、もう春が近いことを感じさせてくれるでしょう。
春の川崎は満開の桜とともに

長い冬が終わり、春の訪れとともに生田緑地は賑わいをみせてきます。ここは桜の美しいお花見スポットとしても有名。広い敷地内でゆったりお花見が楽しみましょう。枡形山展望台から眼下いっぱいに広がる桜の景色は圧巻です。
初夏は新緑と花菖蒲の共演

桜が終われば季節は初夏。生田緑地には東口近くにしょうぶ園があります。6月中旬には約2800株におよぶ花が美しく咲き競い、周囲のあざやかな緑と、凛とした花菖蒲の紫色が見せるコントラストは、この季節ならではの楽しみです。
梅雨空を彩る紫陽花たち
メタセコイアの新緑と花菖蒲が終わればやがて梅雨。色とりどりの紫陽花を観賞するために生田緑地を訪ねる人が多い時期です。葉にカタツムリがいれば風情いっぱい、空をおおう雨雲の下でも元気に森を彩る紫陽花は初夏の風物詩です。
夏をうたうセミたちの声
最近、日本の夏を象徴するセミの声を聴かない方も多いでしょう。そんな時にこそぜひ生田緑地を訪れたいものです。ここは昆虫の宝庫としても夏休みの子どもたちに人気、木々に止まって夏を謳歌するセミの声が間近で聴けますよ。
秋の紅葉と奏でるハーモニー
枡形山が日を追うごとに色づく秋は、生田緑地のゆたかな自然の魅力が一気に引き出される季節でしょう。メタセコイアの黄色が奏でるハーモニーやカエデの紅葉、そして、奥の池の水面に映る紅葉の景色には、改めてここが都会の中であることを忘れてしまいます。
冬の川崎に広がる雪の情景

温暖な気候の川崎市は決して雪が多い地ではありませんが、南岸低気圧と強い寒気が来れば雪が降り積もることもあります。雪化粧した枡形山の木々やあずまやが描き出すグレーの世界は風情があり、いつもとは違った生田緑地の冬景色が味わえるでしょう。
生田緑地へのアクセス
電車での行き方
小田急線の向ヶ丘遊園駅で下車の場合は徒歩約15分の距離。南口から進み3つ目の信号、生田緑地入口交差点を右へ入ればまもなく到着です。小田急線または、JR南武線の登戸駅で下車の場合は徒歩約25分の距離。生田緑地口から進み1つ目の信号で、向ヶ丘遊園駅からの道と合流します。
車での行き方
東口(有料、約140台)と西口(有料、約50台)の駐車場があり、5時~22時までの営業です。東名高速道路の川崎インターチェンジから約10分の距離で出口信号を左折、犬蔵交差点で右折すれば道なりに進み東口へ。清水台交差点で右折すれば浄水場通りを直進し、専修大学入口交差点を右折して西口へ到着します。ただ土日祝日は混雑するので電車でのアクセスがいいでしょう。
Address | 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-4 |
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Hours | なし |
Closed | なし |
Tel | 044-933-2300(事務所は生田緑地東口ビジターセンター 8:30-17:00) |
Web | http://www.ikutaryokuti.jp/ |
まとめ
先人から受け継がれた広大な自然が、人々の集う公園となった生田緑地。川崎市は都会というイメージですが、この広大でゆたかな緑の広がりは、川崎市も日本の故郷であることを実感させてくれるでしょう。植物や生物いっぱいの生田緑地で、心と体をリフレッシュしてみませんか。