京都観光前に知りたい「知恩院」の基礎知識。外せないおすすめポイントは?

京都の東山を代表する、浄土宗総本山である知恩院。浄土宗の開祖である法然が過ごした地に建立され、壮大な建築物は誰もがその大きさに圧倒されます。そんな知恩院を、京都旅行常連の筆者が、歴史や見どころをおさえながら紹介します。京都駅からはバスでも電車でもアクセスがよく、最寄りから徒歩を含めても約30分ほどで行くことができます。2019年まで御影堂の大修理を行っているため、2017年現在は車での来山は限られておりますので、バスや電車、タクシーなどの公共の交通機関をご利用ください。

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1.知恩院ってどんな寺院?

1.知恩院ってどんな寺院?

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浄土宗総本山である知恩院。
詳称は華頂山知恩教院大谷寺と言います。

知恩院は鎌倉時代初期に浄土宗の宗祖の法然が、知恩院勢至堂の近くに建てた草案が始まりだと言われています。
法然は1133年に生まれ、幼名を勢至丸と言いました。
1175年に浄土宗を開きましたが、浄土宗の「専修念仏」、「南無阿弥陀仏」と一心に称えればすべての人々が極楽往生できるという思想は他の仏教側から激しく弾圧され、弟子の事件も起こり四国に流罪になります。
1211年に帰京しましたが、法然は翌年80歳で亡くなりました。

1234年に、弟子の勢観房源智は仏殿、御影堂、総門を建立しこの地を再興、四条天皇から「華頂山知恩教院大谷寺」の寺号を下賜されます。

その後は応仁の乱で焼失。
この時住職たちは滋賀県に逃れ、新知恩院を建てました。
知恩院の伽藍は江戸時代に入り、徳川家康から秀忠にかけて建立され、その後の火災で焼失したものは家光が再興しています。

2.知恩院の見どころは?

2.知恩院の見どころは?

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知恩院の見どころといえば、壮大な建築物。
圧倒的な大きさに誰もが驚きます。
その中でもはずせばいおすすめポイントをご紹介します。

2-1.日本最大級の「三門(さんもん)」

2-1.日本最大級の「三門(さんもん)」

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国宝に指定されている三門。
1621年、徳川幕府2代将軍、秀忠によって寄進され、途中火災が起こったため3代家光によって再興されました。
一般的には「山門」と書きますが、この知恩院は悟りに通じる三つの境地を表わす門、「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」を意味しているため「三門」と書きます。

この三門は現存する三門や山門の中で日本最大級。
高さ約24メートル、幅が50メートルもの大きさがあります。
楼上の内部は仏堂になっていて、重要文化財に指定されている宝冠釈迦牟尼仏像や十六羅漢像が安置され、天上や壁には龍図や天女などが描かれ、荘厳な世界が広がっています。
通常は非公開ですが、特別公開時に見ることができますよ。

2-2.壮大な建築物「御影堂(本堂)」

2-2.壮大な建築物「御影堂(本堂)」

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国宝に指定されている御影堂。
「大殿」とも呼ばれ、知恩院の中心となるお堂になります。
1633年に一度焼失し、1639年に家光によって再建されました。
奥行35メートル、間口45メートルもの大きな建築物です。
この御影堂は2017年現在は大改修が行われ、2018年いっぱいまで入ることができませんのでご注意ください。

2-3.京都博覧会の会場になった「集会堂(しゅうえどう)」

2-3.京都博覧会の会場になった「集会堂(しゅうえどう)」

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1636年に建立された集会堂。
千畳敷と言われるほどの広さで、御影堂とは渡り廊下で結ばれています。
以前は僧侶の修行場として使用されてきましたが、御影堂の大改修の間のみ、元祖大師御尊像を祀る「法然上人御堂」となっています。
御影堂で行われていた行事も大改修の間はこちらで行われています。

2-4.知恩院発祥の地「勢至堂」

重要文化財に指定されている勢至堂。
1530年に再建されたもので、知恩院の中では最古の建築物になります。
もともとのご本尊は法然上人の御尊像でしたが、御影堂建立とともに移されたため、現在は法然上人の本地身とされる勢至菩薩像が本尊となっています。

3.知恩院の七不思議

知恩院には古くから伝わる七不思議があります。
大改修中はみることができないものもありますが、ぜひこの機会にチェックしてみてくださいね。

3-1.曲者の侵入を知らせる「鴬張りの廊下」

御影堂から集会堂、大方丈、小方丈に通じる、全長550メートルの長い渡り廊下があります。
この廊下は歩くと鶯の鳴き声に似た音がし、静かに歩こうとするほど音が出るようになっているので「忍び返し」とも言われてます。
これは不審者の曲者が侵入した際に知らせる役割と、鶯の鳴き声が「法(ホー)聞けよ(ケキョ)」と聞こえることから、仏様の法を聞く思いがするそうですよ。

3-2.三門楼上に安置される「白木の棺」

三門楼上に安置されている2つの棺。
中には家光から三門造営の命を受け建築した五味金右衛門(ごみきんえもん)夫婦の自作の像が安置されています。
五味金右衛門は三門を造営しましたが、工事予算を大幅に超えてしまったため、責任をとって自刃したと言われています。
白木の棺は夫妻の菩提を弔うために作られたものです。

3-3.骨だけの傘「忘れ傘」

御影堂の軒裏にある骨だけになった傘。
この傘には、当時の名工である左甚五郎が置いていったという説と、知恩院第32世の雄誉霊巌上人が御影堂建立時に、この辺に住んでいた白狐が自分の住むところがなくなってしまうと訴え、新しい住まいを作ってくれたお礼に置いていったという2つの説があります。

3-4.雀が襖から飛び立った「抜け雀」

大方丈の菊の間にある襖絵を見てくださいね。
これは狩野信政が描きましたが、以前は紅白の菊の上に数羽の雀が描かれていたそうです。
しかしあまりにも巧みに描かれていたため、雀は命を受け飛び立ったと言われています。

3-5.どこから見ても目が合う「三方正面真向の猫」

方丈の廊下にある杉戸に描かれた猫。
狩野信政が描いたもので、どの方向から見ても猫と目が合うのでこう呼ばれています。
その猫の下には子猫が描かれており、親が子を思う心、つまり訪れた人を見守ってくださる仏様の慈悲を表しているそうです。

3-6.大坂夏の陣で大活躍「大杓子」

大方丈の入口付近の天井にある大杓子。
長さ2.5メートル、重さ30キログラムもするもので、伝説では三好清海入道が大坂夏の陣の時にこの大杓子を武器にして使ったとか、この大杓子で兵士の御飯をすくって振舞ったとか言われています。
すくうはすべての人々を救いとるということから、この知恩院に置かれたそうです。

3-7.多くの逸話を残す「瓜生石」

黒門への登り口にある大きな石が瓜生石。
この石にはたくさんの逸話があり、誰も植えてた覚えがないのに瓜が実った説、八坂神社の牛頭天王がこの石に降臨したら瓜が生えた説、石を掘ると二条城まで続く抜け道がある説、隕石が落ちた場所だという説など多くのいわれが残る不思議な石です。
この石は知恩院創建前からあったそうですよ。

4.御朱印はどこでいただけるの?

知恩院でいただける御朱印は通常ものが3種類、限定御朱印があります。
限定御朱印はその年だけいただけるもの、特別公開時のみいただけるものなど様々なので、都度調べていくことをおすすめします。

通常御朱印は以下の3通り。

1.「法然上人」

2.法然上人二十五霊場の第25番札所の御詠歌

3.「勢至菩薩」(勢至堂の御朱印)

御朱印所は現在(2017年12月)は御影堂の近くにあり、時間は9時から16時までです。
オリジナルの集印帳(御朱印帳)もありますよ。

なお御朱印はスタンプラリーとは違い、納経の意味もあり大変ありがたいものです。
お土産用で複数いただいたり転売しないようにしましょう。

知恩院の住所・アクセスや営業時間など

名称 知恩院
住所 京都府京都市東山区林下町400
営業時間・開場時間 9:00−16:30
利用料金や入場料 大人300円 小人150円
参考サイト http://www.chion-in.or.jp/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

法然上人の思いが残る知恩院へ

法然上人の思いが残る知恩院へ

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知恩院では月2回の写経会、勢至堂客殿の山亭での写経会、1日2回の法話など訪れた人も参加できるものがあります。
また知恩院の宿坊、和順館では写経や晨朝法要の体験プランなど、通常ではできない宿泊プランがありますので、ご興味ある方はぜひ体験してみてくださいね。
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