スケール桁違い!アメリカの歴史建造物について調べてみました

ワシントンD.Cの中心部にそびえ立っている剣のような形をした白い巨塔「ワシントン記念塔」をご存知ですか?あれってどういう建物なのかな、と常々思っていたんです。いろいろ調べてみると、アメリカには他にも歴史ある巨大建造物が数多くあって、建設までの経緯や歴史など、興味深いところがたくさん!アメリカで歴史的建造物が見たい!とお思いの方に、旅行の訪問地域を絞る際の参考にしていただければ、思います。

アメリカ合衆国西部(太平洋側)の歴史的建造物

”国の父”の偉業を称えた記念碑「ワシントン記念塔」

”国の父”の偉業を称えた記念碑「ワシントン記念塔」

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ワシントンD.C.の中心部に位置する国立公園「ナショナルモール」の中心にそびえ立つ。
白い石造りのオベリスク。
アメリカ独立戦争の時にアメリカ軍を勝利へ導いたアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの功績を称えて建てられた、アメリカ合衆国大統領記念碑です。
オベリスクとは、古代エジプトの神殿に見られる石造の碑(方尖塔)のこと。

1848年着工。
しかし南北戦争などの影響から資金不足となり、完成したのは1884年。
大理石、花崗岩、砂岩などアメリカ国内で産出した石をおよそ3万6千個も使って築かれている、高さ169m(約555フィート)の巨大記念塔。
石造りの建造物としては世界最長の高さを誇るのだそうです。
もちろんエジプトにあるどのオベリスクより巨大。
しかし計画の段階では、270mくらいの高さにしようとしていたというから驚きです。

1858年頃に一度工事が中断し、20年ほど経ってから再開しているため、積み上げられた大理石の色合いが途中から(地上46m付近)若干異なります。

外から見るだけのものなのかな、と思いきや、なんと塔の中には小型エレベーターがついていて、最上階が展望室になっているのです。
ただ、残念ながら、エレベーターの故障が頻発するなどの問題があり、最上階へは上がれないことが多くなっているようなので、どうしても上がってみたい!という方は、事前にチェックをしてからお出かけになってください。

昔も今も変わらないシアトルのシンボル「スペースニードル」

昔も今も変わらないシアトルのシンボル「スペースニードル」

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まるでてっぺんにUFOが乗っているかのような不思議な形のタワーが、ワシントン州北西部の街シアトルにあります。
ひところまで、高層タワーの象徴的な存在だった「スペースニードル」です。

建設は1962年の万国博覧会のとき。
高さ184mの高層建造物は当時、アメリカ西部ではまだ珍しかったせいか、1日2万人もの来場者が展望台からの光景を一目見ようと、このタワーに集まったのだそうです。
展望台の位置は地上159mで、シアトルの市街地はもちろんのこと、かなたに広がる山脈まで見渡すことができます。
建設当時の構想はやはり「空飛ぶ円盤」だったのだそうです。

現在、シアトルの街中には随分とたくさんの高層ビルが並ぶようになりました。
スペースニードルより高い建物が当たり前になってしまいましたが、それでもシアトルの街の写真では、スペースニードルが中心になっているものが多いです。
半世紀以上の時を経てもなお、シアトルのシンボルであり続けるタワー。
展望台には23時頃まで入場できるので夜景もオススメですが、是非、明るい空の下、ちょっと離れた場所から、高層ビル群を背景に眺めてみてください。
きっといい一枚が撮れると思います。

朱に輝くシスコのシンボル「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」

朱に輝くシスコのシンボル「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」

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ワシントン、シアトルときたらカリフォルニア州サンフランシスコへ。
ここにもこの街を象徴する歴史的建造物があります。
サンフランシスコ湾と太平洋を結ぶ海峡に架かる、鮮やかな赤い色の巨大な吊り橋。
厳密には朱色ということになるそうですが、橋の名前は架かる海峡にちなんでつけられたため”金”の字がつきます。
日本では”金門橋”と表記されることも。
「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」です。

1933年に着工し、1937年に完成。
主塔の高さは水面から227m、主塔間の長さは1,280m、橋の全長が2,737m。

この後、アメリカ国内でも次々と大きな吊り橋が造られていきますが、1964年にニューヨークのヴェラザノ・ナローズ橋(スパン:1,298m)が完成するまでは、スパン(支点間の距離)で世界一を誇っていました。
現在、スパン最長のつり橋は、明石海峡大橋です。

橋は徒歩で通ることもできるので、歩いて渡ろうとする人も結構います。
また、橋の周辺には、橋を間近で見られる公園やビュースポットがたくさんあるので、ベストポジションを探してみるのもオススメです。
行き帰りの交通手段に問題なければ、夕暮れ時にも是非、足を運んでみてください。

山の斜面に”HOLLYWOOD”どれくらいの大きさ?「ハリウッドサイン」

山の斜面に”HOLLYWOOD”どれくらいの大きさ?「ハリウッドサイン」

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建造物か?と言われると少々弱いところですが、これぞアメリカ、とも言うべきシンボルを、カリフォルニア州からもうひとつ。
今度はロサンゼルスのサンタモニカ丘陵。
荒涼とした山の斜面に、白い文字で”HOLLYWOOD”と文字が並ぶ光景を、写真や映像で誰しも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

あれは「ハリウッドサイン」といい、1923年に住宅地開発の広告として設置されたもので、当時は”HOLLYWOODLAND”という綴りで、電飾なども付けられていたのだそうです。
1年ぐらいで撤去する予定が、ロサンゼルスの映画業界が盛り上がってきてこの広告も有名になり、そのまま残されたものと思われます。

しかし、そんなにしっかりした造りではなかったため、何年か経つうちにいくつかの文字が破損。
1970年頃には、右端の”LAND”はほぼ見えなくなり、”HOLLYWOOD”もOの字が朽ちて何と書いてあるのか読み取れなくなってしまったのです。

管理者不在の看板広告。
本来ならそのまま放っておかれるところを、さすがロサンゼルス、この看板の保全を訴える声が上がります。
寄付が集まり、もっと丈夫なスチール製の素材による文字への架け替えが行われることになったのです。
その際、”LAND”は取り払われ、”HOLLYWOOD”という文字列だけを残すことになりました。

1文字あたりの大きさは、高さ14m、幅9m。
現在は、電飾などはついておらず、山肌に白い文字が横に並ぶシンプルな造りでさらに人気を増し、このサインを背景に写真を撮る観光客も。
かなり離れたところからでもよく見えるので、ハリウッドサインが見える位置を探して街を歩くのも楽しいです。

アメリカ合衆国東部(大西洋側)の歴史的建造物

自由の国・アメリカはこの地から「独立記念館」

自由の国・アメリカはこの地から「独立記念館」

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アメリカ合衆国の歴史に触れるなら、独立にまつわるスポットは避けて通れません。
ペンシルベニア州のフィラデルフィアには、アメリカ独立宣言が行われた場所があります。

もともとはペンシルベニア州の議事堂として建設された建物。
そこに1776年7月4日、イギリスに統治されていた13の植民地(ニューハンプシャー、マサチューセッツ、ロードアイランド、コネティカット、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、デラウェア、メリーランド、ヴァージニア、ノースカロライナ、サウスカロライナ、ジョージア)の代表者が集まります。
そしてトーマス・ジェファーソンが起草したアメリカ独立宣言へ署名。
このときからこの建物を「独立記念館」と呼ぶようになりました。

1790年~1800年まで、フィラデルフィアはアメリカの首都として機能していきます。
アメリカ合衆国議会議事堂が置かれ、建物の元老院が2階を、代議院が1階を使用していたことから、上院・下院という呼び方になっていった、等々、思わず「なるほど!」と唸ってしまうような情報がたくさん。
建物の周辺は公園になっていて、のんびりくつろぐことができます。

世界最高峰の名門校をちょっと覗き見「ハーバード大学」

世界最高峰の名門校をちょっと覗き見「ハーバード大学」

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ハーバード大学といったら世界トップクラスの名門大学。
マサチューセッツ州ボストンのお隣、ケンブリッジにある広大なキャンパスは格調高く緑豊か。
どんな感じなのか、ちょっと見てみたい感じもしますよね。
学生として通うことは叶わないので、せめて観光で…実はハーバード大学、ボストン有数の観光スポットにもなっていて、観光客も多いんです。

校舎や図書館などの施設への立ち入りは禁止ですが、屋外の決まったエリアなら自由に見学することが可能。
学生さんが案内してくれる学内見学ツアーも催されています。

ハーバード大学の創立は1636年。
アメリカがまだ植民地時代だった頃のことです。
ハーバードという名前は、大学に寄付をした最初の人物(遺言で財産の半分を遺贈)というジョン・ハーバードの名前に由来し、校内には椅子に腰かけたジョン・ハーバード像が建てられています。
厳密には”創始者”ではそうですが、この人の功績なくしてハーバード大学は語れないということで、この像の靴に障ると幸せになるという話まで出ているのだそうです。
ちょっと前に出ている左足のつま先だけ、大坂通天閣のビリケンさんの足の裏みたいにピカピカになっています。

ジョン・ハーバード像にご挨拶をして、ちょっと厚めの本など小脇に抱えて、ハーバードの学生気分を味わうのも楽しそうです。
生協では大学のロゴ入りグッズもたくさん揃っています。

セントラルパークの中に中世のお城?「ベルヴェデーレ城」

セントラルパークの中に中世のお城?「ベルヴェデーレ城」

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ニューヨーク州マンハッタン島のど真ん中、摩天楼の中にあって広大な敷地を誇る緑豊かなセントラルパークの中にお城があるのをご存知ですか?

ビクトリア式かゴシック式か、小塔のある重厚な石造りのお城で、目の前の池や鬱蒼とした木々と相まっておとぎ話のような光景を作り出しているんです。

場所はパークのほぼ中央。
79丁目から小道に入ったところにあるタートル池に面しています。
お城はそれほど大きくないので、道に迷うと見つけられない可能性も。
迷わないように気をつけてください。

どんなお城かというと、中世の王様が暮らしていたお城ではないんですが、建てられたのは1872年とかなり古く、歴史ある建物。
パークの設計者によって設計され、パークオープン時(1873年)からずっと、ニューヨークの移り変わりを見つめ続けているお城なのです。

”ベルヴェデーレ”とはイタリア語で「素晴らしい眺め」という意味。
オーストリアのウィーンにベルヴェデーレ宮殿という宮殿がありますが、特に形が似ているわけでもないので関係はない様子。
”ベルヴェデーレ”という言葉にあやかったのかもしれません。
お城はちょっと小高いところに建っているので、お城の上からの眺めは抜群。
セントラルパークが緑豊かな公園であることがよくわかります。

アメリカ独立100周年記念のフランスからの贈り物「自由の女神」

アメリカ独立100周年記念のフランスからの贈り物「自由の女神」

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「自由の女神は裸足である、○か×か」

答えは×。
サンダルを履いています。

一世を風靡した「アメリカ横断ウルトラクイズ」の第5回(1981年)の第1問目の問題。
このクイズ番組で自由の女神についてかなり詳しくなった、という人も多かったようです。

もうわざわざ知ることなどないほど有名なスポットですが、ざくっとおさらいしておきたいと思います。

自由の女神と呼ばれてはいますが、正式名称は「世界を照らす自由 (Liberty Enlightening the World) 」といい、アメリカ独立100周年を記念してフランスから贈られた緑青(銅製)の像。
政府からではなく、フランス人の募金によって寄贈されたものなのだそうです。
フランスで作られた後、300のパーツにバラバラに解体して、アメリカまで運ばれ再び組み上げられるという、気の遠くなるようなプロセスを経て誕生しました。

マンハッタン島の先端にあるバッテリーパークからフェリーで20分ほど、リバティ島という島に、自由の女神は立っています。

地上からの高さは93m。
大坂通天閣の高さが108mなので、通天閣を見上げたことがある人なら、女神像がいかに大きいか見当がつくと思います。
大きな台座の上に立っているので、女神だけの身長は46mほど。
ただ、周囲は海で、島には他に何もないので、台座の真下に建つと、思った以上に大きく感じます。
右手にたいまつを、左手には”1776年7月4日”と刻まれたプレートを持ち、頭には7つの突起がついた冠が。
「七つの大陸と七つの海に自由が広がる」という意味を持っているのだそうです。
冠部分は狭いながらも展望台になっていて、事前の予約が必要ですがエレベーターとらせん階段で登ることができます。

もともと灯台として機能していたため、ニューヨーク港のほうをじっと見つめている女神像。
時代が変わっても、これからもずっと、アメリカのシンボルとして灯を照らし続けていくのでしょう。

アメリカ合衆国中央部の歴史的建造物

歴史に名を残す4人の大統領の巨大な胸像「ラシュモア山」

歴史に名を残す4人の大統領の巨大な胸像「ラシュモア山」

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アメリカを象徴するものとしてもうひとつ、岩山に彫られた4人の大統領の顔を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

サウスダコタ州南西部キーストーン。
「ラシュモア山国立記念公園」という広大な国立公園の中のラシュモア山の、花崗岩が露出したところに1941年、人々の度肝を抜く彫刻が姿を現しました。

標高1745mの山の岩肌に彫られた高さ18mの胸像。
作業開始は1927年。
政府から委託を受けたアメリカの彫刻家ガットスン・ボーグラムが400人のと共に挑み、14年もの歳月を費やして完成させた超大作。
花崗岩は硬く加工が難しいため、作業は困難を極めたと言います。
風化を防ぐため、あえて硬い花崗岩の山を選んだのだそうですが、今のようにコンピュータなどない時代。
作業は職人の経験と勘だけが頼りで、ダイナマイトで岩を吹っ飛ばしながら少しずつ形を作っていったのだそうです。

モチーフとなった4人の大統領は、左から初代ジョージ・ワシントン、第3代トーマス・ジェファーソン、第26代セオドア・ルーズベルトと第16代エイブラハム・リンカーン。
最近では近くにビジターセンターや博物館、遊歩道などが整備され、より多くの観光客が訪れるようになっています。

本当は胸像ではなく、上半身まで、上着や手元まで制作する予定だったらしいのですが、資金不足などの理由から作業は途中で終了、とうことになってしまったようです。

シカゴ復興のシンボル「シカゴ・ウォーター・タワー」

シカゴ復興のシンボル「シカゴ・ウォーター・タワー」

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イリノイ州シカゴの街中に、石造りの古めかしい塔が建っています。
「シカゴ・ウォーター・タワー」といい、アメリカ合衆国で2番目に古い給水塔です。

周辺はウォータータワープレイスと呼ばれる歴史あるショッピング街で、買い物を楽しむ市民や観光客で賑わう通り。
そこに高さ約42m、やや黄色みがかった石灰石を使用したゴシック様式の、ロールプレイングゲームに出てくるお城のような形をした塔が。
まわりは近代的なビルばかりで、ひときわ目立ちます。

このウォーター・タワーが完成したのは1869年。
中に高さ42mの立管が通っており、近くのミシガン湖の水を汲み上げて市街地に供給するポンプとして機能していました。

しかし1871年、シカゴで大火災が発生。
多くの建物が焼失してしまう中、ウォーター・タワーはかろうじて焼け残ります。
焼け残った数少ない建物として、ウォーター・タワーの存在は多くの人々に知られることとなり、シカゴ復興のシンボルとなったのです。
夜になるとライトアップされ、周囲の高層ビルの夜景と共に幻想的な風景を作り出しています。

近年、シカゴの街中にもたくさんの高層ビルが建てられ、街の様子は大きく変化。
建設当時はおそらく他に類を見ない高さだったと思われますが、現在では高さ442mのウィリス・タワーを始め300mを超えるビルがずらり。
童話の「ちいさいおうち」のように、大きなビルに取り囲まれた形になっていますが、ウォーター・タワーは昔も今も変わらない姿で、シカゴの街を見守り続けています。

思っていたよりはるかに大きかった「ゲートウェイ・アーチ」

思っていたよりはるかに大きかった「ゲートウェイ・アーチ」

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ミズーリ州セントルイス。
この街にある「ジェファーソン・ナショナル・エクスパンション・メモリアル」という名前の公園に、トンネルの入り口のような、アーチ形のモニュメントが建っています。
名前を「ゲートウェイ・アーチ」といい、セントルイスのシンボル的存在となっています。

この公園は、セントルイスの大聖堂建設と市政府樹立や、ルイジアナ買収(1803年にアメリカがフランスから広大な領地を1500万ドルで買収したという出来事)など、ルイジアナ州に関するいくつかの出来事を記念して造られました。
構想は20世紀半ば頃から進められていたようですが、建設が始まったのは1963年頃。
3年近い歳月が費やされ、1965年、ゲートウェイ・アーチは完成。
鉄筋コンクリートと鋼板で作られた銀色に輝くアーチは、高さ192m、横幅最大192mと、セントルイスで最も高い建造物となりました。
周囲にそれほど高い建物がないせいか、もっと小さなアーチなのかと思っていたら、圧巻の大きさ。
大きいのでアーチ部分がとても細く見えるのですが、アーチの内部は空洞になっていて、小さなトラムで登れるようレールが敷かれています。
最上部は展望台になっていて、眼下にはミシシッピ川の雄大な景色が。
アーチの下には「西部開拓記念館」があって、開拓時代の様子に関する展示を見ることができます。
真下から見上げたときの、美しく弧を描くアーチはまさに絶景。
展望台もよいですが、是非、真下から見上げて、この奇抜でユニークな建造物を楽しんでみてください。

アメリカの歴史的スポットはどれも桁違いのスケールだった!

アメリカ合衆国は、ヨーロッパやエジプトなど、昔から王朝があったわけではないので、歴史的建造物はどれも、市民たちが力を合わせて守り続け、愛し続けてきたものばかり。
しかもどれも桁違いのサイズで、その大きさだけでなく、建造までのエピソードなども「え!」と思うことがたくさんあって興味深かったです。
見上げたり、上に上って見下ろしたり、様々な楽しみ方ができる建造物が多いのもアメリカならでは、という気がしました。
まだまだ他にもたくさん、巨大で不思議な歴史的建造物がありそうなアメリカ。
いつの日か、全部制覇してみたいです!
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