談山神社は大化の改新と深いかかわりがある。世界で唯一の木造十三重塔は圧巻

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出身地は大阪、関西とヨーロッパと南国が得意です。日本では神社仏閣巡りと公園巡り、海外では中世の町並みやお城を訪れたり、南国の島々で絶景を写真に撮るのが好きです。一緒に行くのは主人や子供達と、近場なら一人で訪れます。

紅葉は綺麗やよ。あいさに遊びにきてえや

奈良観光でも人気のある談山神社は、歴史の教科書でもよく見聞きした大化の改新に深く関わってきた神社です。人気の理由は歴史背景だけでなく、建造物それぞれの美しさや、四季折々に見られる景色の美しさ。談山神社の人気の理由を見てみましょう。

談山神社の歴史や由来

神社など歴史のある場所を巡る際には、その場所で繰り広げられた歴史や由来を知っておくと、さらに建造物や場所に深みが出て楽しみが増します。

有名な偉人中臣鎌足公が祭られている神社

奈良県桜井市の多武峰(とうのみね)にある談山神社(たんざんじんじゃ)には、大化の改新でも有名な中臣鎌足、後の藤原鎌足が祀られています。そんな有名な人物が祀られている神社は、御破裂山(ごはれつやま)の南復に鎮座しています。神社なのに十三重塔があるのは珍しいと思う方もいると思いますが、その理由は神仏分離以前、現在の段山神社が多武峯妙楽寺(とうのみね みょうらくじ)という寺院であったため。

ここには、高貴な神が多武峯に舞い降り 尾根を下って天香具山に至った、という言い伝えが残っています。段山神社はロケーションの良さでも有名で、春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉と季節ごとに素晴らしい景色を見ることができます。

談山神社の歴史

藤原氏の祖 中臣鎌足の死後678年、僧で長男の定恵が唐からの帰国後、父親の墓を摂津安威(阿武山古墳)からこの地に移し、十三重塔を造立したのが発祥です。680年頃に講堂(現在の拝殿)が創建され妙楽時となり、701年に本堂が建築され、平安時代になると藤原氏の繁栄ともに更盛しました。

しかし、廃仏毀釈の時に寺院のままでいるか、神社として存続するかで意見が分かれましたが、最後は神社として存続を選び、談山神社と名をかえて現在に至ります。

談山と呼ばれるようになった由来

600年代初め頃、日本書紀では蘇我蝦夷と入鹿親子の勢力が高まり、天皇家をしのぐ勢いとなっていたと記されています。しかしこの時、中臣鎌足は、彼らの暴挙をやめさせ国家を正しい方向へ導こうと画策し、協力者を探していました。

そんな折、たまたま飛鳥寺(当時法興寺)で蹴鞠会(けまりえ)があり、中大兄皇子(後の天智天皇)が間違って靴を飛ばしてしまい、それを鎌足が拾い上げます。身分が下の鎌足に対し、中大兄皇子がお礼を述べたことで人柄を信じ、鎌足は中大兄皇子に権力改新の協力を仰ぐこととしました。こうしたエピソードを見ると、歴史を作る出会いに運命を感じずにはいられません。

その後の645年の春、鎌足と中大兄皇子の二人は多武峰の山中に登り談合を実施。後にこの山は談い山(かたらいやま)や談所ヶ森と呼ばれるようになり、これが談山神社の社号の起源となったと言われています。こうした時代背景が分かると、山や神社を散策する面白さが増しますね。

談山神社を散策してみよう

歴史背景が分かったところで、さっそく段山神社を散策しましょう。美しい色の建造物と自然とのコントラストがとても素晴らしい境内の、各所見どころをまとめました。

赤い鳥居と130段の石階段

入口から真っ赤な鳥居をくぐると、130段の階段が本殿まで続きます。石段の傾斜に沿うように拝殿に向かって左手には神廟拝所と総社、十三重塔があり、右手には東宝庫と東殿が並びます。両側は木々が生い茂り、春は桜、夏は緑、秋は紅葉と、四季折々の景色も最高。紅葉の時期には、石段には紅く色付いた木々のトンネルができています。晴れた日には木漏れ日が心地良く、長い階段でも気持ちよく上れます。

入母屋造の桜門と繋がった拝殿

石段を上ると、鮮やかな朱塗りで校倉造りの西宝庫と楼門が見えてきます。拝殿と繋がって建てられた、桜門は1520年頃(室町時代)造営されました。拝殿は写真の右側。屋根は入母屋造で日本古来の造りである桧皮葺(ひわだぶき)になっており、重要文化財に指定されています。

朱色がとても美しいので、青空の日には青と赤、木々の緑のコントラストが本当にキレイです。軒に吊られた灯籠も趣を感じますし、内部には談山神社にまつわる展示物もたくさんあり見どころ満載。

楼門から中を覗くと、透廊で囲まれた厳かな空間が広がっています。東西透廊で本殿を囲う形式は、あの日光東照宮を造営する際の参考にされたことで有名。ひと際良い雰囲気を醸し出している、2つの灯篭に挟まれた亀甲の石畳は勅使の間です。間と呼ばれているのに、屋外というのが面白いですね。ひとつの空間として大切にされているのが想像できます。

伽羅が施された拝殿内部

拝殿は周囲を廻縁でくるりと囲まれており、それに沿って下げられた吊灯篭は、談山神社の中でも特に良い雰囲気を醸し出しています。紅葉のころに訪れると、黒の吊灯篭と真っ赤な紅葉のコントラストが映え、現代的な雰囲気すら感じさせます。

拝殿から本殿を見た風景。本殿と拝殿は向かい合う様に建ち、靴を脱いで拝殿内から登拝する珍しい様式です。拝殿の内部は500年前、室町後期に建てられたままで、天井には伽羅香木が使われており、入手が難しかった伽羅を使っているのに驚かされるばかりです。

三間社春日造の本殿

拝殿横の階段を上ると、一番奥にあるのが創建701年の藤原鎌足公を祭る本殿。こちらも重要文化財に指定されており、現存しているものは1850年に再建されたものです。朱塗りで極彩色の装飾がされており、とにかく華やか。

世界唯一の十三重塔

桜門の向かい側に立つ十三重塔は、談山神社を象徴する建造物のひとつ。これを見たくて参拝する人も少なくありません。藤原鎌足氏の追福のために、長男 定慧と次男 不比等によって678年に建立されました。木造十三重塔としては世界唯一で、1532年の室町時代に再建され、国の重要文化財に指定されています。

高さは約17メートルで、初重から上に向かって徐々に屋根が小さくなっているため、屋根が連続して見える特徴があります。談山神社の拝殿と十三重塔は、大正時代から紙幣に描かれるほど人気がありました。

龍の言い伝えが残る閼伽井屋

西隅にひっそりと佇む閼伽井屋(あかいや)は、1619年に造営され国の重要文化財に指定されています。中には、摩尼法井(まにほうい)という名の井戸があり、鎌足公の息子の定慧和尚が法華経を講じたとき、どこからともなく龍が現れた言い伝えが残っています。

縁結びのスポット摂社 東殿

談山神社には、カップルや片思い中の人に嬉しい縁結びスポットがあります。恋人や夫婦でたちよるのもおすすめですし、女子旅でワイワイ散策しながら参拝するのも楽しいでしょう。

ハートの陶板が並ぶ参道恋の道

談山神社の鳥居をくぐり石段を途中まで上がると、右へとのびる小道があります。恋の道と名付けられたその道を進むと、目に入るのは朱塗りの東殿。こちらは恋神社と呼ばれており、中には鏡王女(かがみのおおきみ)が祀られています。縁結びを願う若いカップルや女性が多く参拝しています。

素敵な縁にご利益のある東殿 恋神社

鏡女王とは、恋に揺れる気持ちを歌で残した万葉歌人で、中臣鎌足の妻です。万葉歌人の額田王ので、藤原不比等の生母でもあります。鏡女王が幸せな一生を送ったことから、恋愛、結婚、そしてよりよい人間関係を結ぶご利益があるとされているそう。江戸時代に建てられ、現在ではこちらも重要文化財になっています。

正面に、鏡女王像が祀られていますが、ハート形の装飾がとてもキュートです。鏡王女は生前、万葉集に情緒豊かな恋の歌を4首残しています。

恋愛のパワースポット縁結びの岩座

東殿の脇には、神が宿るといわれている縁結びの岩座(いわくら)が佇んでいます。1300年以上前、妙楽寺を建立時に光る石として発見され、岩をなでながら願い事をすると叶うと伝えられています。恋愛や結婚が上手くいくよう願いながら、岩を優しくタッチしましょう。

談山神社へのアクセス

談山神社へは、バスや電車のみではアクセスがしづらいので、タクシーや車を使って出かけましょう。駐車場も完備されているので便利です。

公共交通機関での行き方

近鉄大阪線・JR桜井線にて桜井駅下車(京都方面:近鉄京都線 大和八木駅で近鉄大阪線に乗り換える)し、桜井駅南口バス停から終点の談山神社で下車。(所要時間30分ほど)バス停より徒歩5分ほどで談山神社。桜井駅発のバスは1時間に1本程度(時間によっては2時間に1本)しか出ていません。

車での行き方

西名阪道天理ICで降り、国道169号線を南下。県道37号経由19kmで所要時間は50分程度です。駐車場は300台収容でき料金は無料。

住所|〒633-0032 奈良県桜井市多武峰319
営業時間|AM8:30~PM4:30 拝観は17時まで
定休日|なし
電話|0744-49-0001
公式サイトはこちら

まとめ

談山神社は、有名な大化の改新に関連しているものが多いので、私たちにも馴染み深く、歴史が好きな人でなくても楽しめる神社です。建造物も色鮮やかですし、季節によって変わる自然の景色も見応えがあります。奈良に来られた時は、是非訪れてみてください。