京都観光前に知りたい「醍醐寺」の基礎知識。外せないおすすめポイントは?

豊臣秀吉の「醍醐の花見」でも有名な醍醐寺。世界遺産に登録されているこの醍醐寺を、京都旅行常連の筆者が、歴史や見どころをおさえながら紹介します。京都駅からのアクセスは、電車の場合は山科駅か六地蔵駅で乗り換え、バスの場合は山科急行で約30分ほどで行けます。お車の場合は有料の駐車場が100台停められますが、土日祝日、桜の季節は大変混みあいます。できるだけ公共の交通機関をご利用ください。

【京都常連が徹底ガイドのおすすめ記事】
京都観光の理想的な日帰りプラン5つ
殿堂入り!京都お土産ランキング BEST30

1.醍醐寺ってどんな寺院?歴史を見てみよう

200万坪以上の広大な敷地が広がる醍醐寺。

創建は874年、空海の孫弟子である聖宝理源大師が醍醐水の霊泉を得て、准胝観音と如意輪観音を小堂宇に安置したことに始まります。
聖宝はこの付近を「醍醐山」と名付けました。
醍醐山頂上一帯の上醍醐を中心に修験者の霊場として発展しました。

その後は醍醐天皇らの手厚い庇護を受け、904年には醍醐山麓に五重塔を含む大伽藍「下醍醐」が出来上がります。

1115年には第14代座主勝覚によって、門跡寺院である三宝院を建立しますが、応仁の乱などにより五重塔以外は焼失。
豊臣秀吉の「醍醐の花見」によって復興され、伽藍も再建されることになります。

2.醍醐寺の見どころは?

2.醍醐寺の見どころは?

image by PIXTA / 29799626

醍醐寺は敷地がとても広く、見どころがたくさんあります。
伽藍が広がる下醍醐、山道を行く上醍醐と分かれています。
上醍醐は下醍醐を抜けて行くようになりますが、下醍醐を一度出ると再び入ることができませんので、下醍醐のみ散策予定の方は出ないようご注意くださいね。

2-1.下醍醐の見どころは?

下醍醐は大伽藍が広がり、当時から残る五重塔以外は、多くは豊臣秀吉によって再建されたものになります。
その中でも見逃せないおすすめスポットを紹介します。

(1)平安時代に造られた仁王像が祀られる「西大門」

現在の西大門は、豊臣秀頼によって1605年に再建されたもの。
そこに安置されている仁王像は重要文化財に指定されています。
もともとは南大門に安置されていましたが、西大門の再建の際に写されました。

(2)清瀧権現を祀る「清瀧宮本殿・清瀧宮拝殿」

醍醐寺の総鎮守、清瀧権現(せいりゅうごんげん)を、上醍醐から分身を移し祀られています。
現在の建物は1517年に再建され、本殿については重要文化財に指定されています。
毎年4月には「清瀧権現桜会(さくらえ)」が行われ、1年を通して様々な法要が行われています。

(3)醍醐寺の中心「金堂」

(3)醍醐寺の中心「金堂」

image by PIXTA / 1155309

もともとは醍醐天皇の御願によって926年に創建されたもの。
その後2回焼失にあい、現在の金堂は豊臣秀吉の命によって紀州から移築したもので、国宝に指定されています。
1600年、秀頼の時に完成しました。
醍醐寺の中心とされ、内部には重要文化財に指定されている、本尊薬師如来坐像が安置されています。

(4)日本最古の空海像が描かれる「五重塔」

(4)日本最古の空海像が描かれる「五重塔」

image by iStockphoto

醍醐天皇の冥福を祈るため、息子である朱雀天皇が着工し、第二皇子の村上天皇が951年に完成させた五重塔。
国宝に指定され、京都の中でも最古の木造建築とされています。
高さが約38メートル、屋根の上の相輪は約13メートルあります。
内部は両界曼荼羅や真言八祖が描かれ、塔とは別に壁画としてこちらも国宝に指定されています。
現存する日本最古の空海像があり、とても貴重なものになっています。

(5)西国十一番札所、「観音堂(旧大講堂)」

西国十一番札所になっている観音堂。
1930年に醍醐天皇の一千年忌を記念して、山口玄洞氏の寄進により建てられました。

(6)秀吉の醍醐の花見が開かれた「三宝院」

(6)秀吉の醍醐の花見が開かれた「三宝院」

image by PIXTA / 29311756

醍醐寺の塔頭である三宝院。
表書院と唐門が国宝、殿堂6棟、宝篋印塔、障壁画が重要文化財にしていされています。

1115年に醍醐寺14代座主勝覚が創建。
当初は灌頂院(かんじょういん)と言い、その後仏教の三宝にちなんで現在の名前になりました。
応仁の乱で焼失されましたが、豊臣秀吉の信仰が厚く三宝院を中心に「醍醐の花見」が開かれ、その際に造られた庭園は安土桃山時代を象徴する庭園として、国の特別史跡・特別名勝となっています。

2-2.上醍醐の見どころは?

醍醐寺が最初に開かれたのが上醍醐。
下醍醐からは1時間ほどの山道になりますので、動きやすい服装でお出かけください。
昔は女人禁制だったので女人堂がおかれ、山あいには国宝や重要文化財に指定されている建造物が点在しています。

(1)醍醐寺発祥の地「醍醐水」

(1)醍醐寺発祥の地「醍醐水」

image by PIXTA / 6889592

聖宝、理源大師が霊力によって発見した霊水で、醍醐寺発祥の地と言われています。
この山の横尾明神が現れこの水を飲み、「醍醐なるかな」と言い残したことから醍醐とされ、理源大師の隠居の場所となりました。
この霊水は現在も飲むことができ、販売もされています。

(2)懸造りの風情漂う「清瀧宮拝殿」

(2)懸造りの風情漂う「清瀧宮拝殿」

image by PIXTA / 9346804

国宝に指定されている清瀧宮拝殿。
室町時代に造られ、醍醐寺の守護女神を祀る清瀧宮を拝むための建物で、寝殿造りになっています。
また山腹をわずかに切り開き、前面が崖に差しかかる懸造り(かけづくり)です。

(3)西国三十三所観音霊場第十一番札所、「准胝堂跡」

准胝堂(じゅんていどう)はもともと本堂があったところで、876年の創建と伝えられています。
幾度かの火災に見舞われ、最後のお堂は落雷によって焼失しました。
現在は復興に向けて工事が行われ、

(4)平安時代の面影を残す「薬師堂」

(4)平安時代の面影を残す「薬師堂」

image by PIXTA / 9346798

913年、醍醐天皇の御願堂として創建された薬師堂。
国宝に指定されています。
本尊の薬師三尊像も国宝に指定され、現在は霊宝館平成館に遷座されているため、新しい本尊として薬師三尊が安置されています。
内部にはいることはできませんが、平安時代の貴重な建築物になっています。

(5)最初に建てられた「如意輪堂」

(5)最初に建てられた「如意輪堂」

image by PIXTA / 9346796

重要文化財に指定されている如意輪堂。
准胝堂とともに最初に建てた建物で、876年に創建されたと言われています。
現在の建物は懸造りで、1613年に再建されました。
内部には本尊である如意輪観音と毘沙門天、吉祥天が祀られています。

(6)理源大師を祀る「開山堂」

(6)理源大師を祀る「開山堂」

image by PIXTA / 9346799

重要文化財に指定されている開山堂。
理源大師をお祀りし、当初は御影堂と言われていました。
911年に創建されましたが幾度の火災を受け、現在の建物は1606年に豊臣秀頼が再建したものになります。
内部には重要文化財に指定されている理源大師像、弘法大師像、醍醐寺第一世座主の観賢僧正像が安置されています。

3.醍醐寺の四季

3.醍醐寺の四季

image by PIXTA / 15158058

醍醐寺と言えばやはり春の桜ですね。
約1000本の桜があり、種類も豊富なので約3週間に渡って桜を楽しむことができます。
毎年4月には豊臣秀吉の「醍醐の花見」を再現した「豊太閤花見行列」が開催されます。

また春だけでなく、夏は緑広がる醍醐の森、秋は紅葉だけでなく萩やツワブキが咲き誇り、冬は見事な雪景色と紅梅が出迎えてくれますよ。

4.御朱印はどこでいただけるの?

醍醐寺の御朱印がいただけるのは、観音堂と三宝院の2か所。

受付時間は拝観時間と一緒で、

3月1日から12月第1日曜日は9時から17時。

12月第1日曜日の翌日から2月末日までは16時半。

拝観券の発券は閉門1時間前までになりますのでご注意ください。

観音堂でいただける御朱印は、

1.醍醐寺の「薬師如来」

2.西国三十三所観音霊場の「根本准胝尊」

3.西国薬師霊場の「薬師如来」

4.真言宗十八本山の「薬師如来」

5.近畿三十六不動の「五大力尊」

6.神仏霊場会の「薬師如来」

7.役行者霊蹟札所の「神変」

三宝院でいだだけるのは、

・大本山三宝院の「慈氏殿」

御朱印だけでなく御詠歌もいただくことができます。
その他に期間限定の御朱印もあります。
また醍醐の桜をモチーフにしたオリジナルの御朱印帳がありますよ。

御朱印はスタンプラリーとは違い、納経を意味したとてもありがたいものです。
複数お願いしたり転売することないようご注意ください。

四季折々楽しめる醍醐寺へ

四季折々の季節を感じながら、醍醐寺の壮大な伽藍はいつ拝観しても飽きることがありません。
境内の雨月茶屋では精進料理や醐山料理をいただくことができますので、気になる方は予約をお勧めします。
photo by PIXTA and iStock