脳天大神は首から上の守り神。450段の急な階段をおりながらお参りしよう

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トラベルパートナー: Mina

出身は東京都。幼少からの歴史好きから、歴史スポットやお寺・神社を巡るのが趣味に。関東地方を中心に、主にひとり旅でのんびり回っています。有名無名問わずに、気になった寺社を回っています。風景写真を綺麗に撮れるよう、写真は勉強中。

のうてんさんは階段450段でも行く価値あるんや

奈良県吉野の吉野山にある脳天大社は、金剛蔵王大権現の変化身である蛇を祀った霊験あらたかなお寺。金峯山寺の初代管長・五條覚澄大僧正が女性の修行の場所を探している時、頭を割られた大蛇を見つけ丁重に葬ったのがはじまりと言われ、首から上の病の平癒や学力向上に大きなご利益があると全国から参拝者が訪れます。今日は脳天大社の見どころと巡り方を紹介します。

吉野の脳天大神は首から上の神様で有名

脳天大神(のうてんおおかみ)は奈良県吉野山にある金峯山寺(きんぷせんじ)の塔頭(たっちゅう)のひとつです。塔頭とは、本寺の境内にある小寺のことで、例えるならば金峯山寺とは親子に似た関係と言えるでしょう。吉野の脳天さまと呼ばれ親しまれているこのお寺の正式名称は、脳天大神龍王院といいます。

境内は長く急な階段を降りた谷底にあり、頭を割られた大蛇(金剛蔵王大権現の変化身)を祀っていて、この大蛇こそが脳天大神。金峯山寺の初代管長 五條覚澄大僧正が頭を割られた大蛇を見つけ、丁重に葬ったのがはじまりで、その蛇が夢枕に立ち頭の守護神として祀られたしと告げたことから、金峯山寺の本尊でもある蔵王権現の化身とされたそうです。

450段の階段を登っていざ脳天さまへ

霊験あらたかな脳天さまに会いに行こう

蔵王堂の境内から脳天大神への階段はおよそ450段の急な下り階段から始まります。思わずためらう急勾配ですが、せっかく吉野山まで来たなら行く価値のある場所ですよ。大変ではありますが、参拝後の清々しい達成感はまた格別です。降りている途中で帰りは同じ道を登ることが頭をよぎるかもしれませんが、それを考えると心が折れてしまいますので、とにかく何も考えず進んで行きましょう。

階段の途中にも素晴らしい見所を楽しみにがんばってくださいね。ただし、足の悪い人には非常に厳しい階段です。車を使えば別ルートで行けますので、そちらをおすすめします。階段の途中数ヶ所に自由に使える杖が置いてあり、それを借りるのも一つの方法。階段の上で借りたら、階段下の杖置き場に返せばOKですよ。

参拝者を見送る役小角像

蔵王堂の西、南北朝時代の南朝の後醍醐天皇の行宮として有名な南朝妙法殿と仏舎利宝殿を過ぎたところにあるのが役小角(えんのぎょうじゃ)像。役小角は修験道の開祖とされている人物で、金峯山寺を創立した人です。両側にはお供の鬼である前鬼(ぜんき)と後鬼(ごき)を従えています。

蔵王堂から役小角像までの階段は、およそ30段。いよいよ像の先には脳天大神へ続く420段の階段が待っています。これから先の苦行を役小角が見送ってくれますよ。

階段の途中には鳥居も

ひたすら階段を降りていると、途中で鳥居をいくつかくぐります。お寺に向かっているのか、神社に向かっているのか分からなくなってくるかもしれません。連続する鳥居は金峯山寺が修験道の総本山であるため。修験道は日本古来の山岳宗教に、神道、道教、仏教が混合して成立した神仏習合の宗教です。

剣が切り立つ倶梨伽羅不動尊

階段の途中にある倶梨伽羅(くりから)不動尊。山の中に剣(倶利伽羅剣)が一本だけ建っている様子はなかなかのインパクトです。この剣は不動明王が右手に持つもので、不動明王の化身でもあります。間近で見ると、刀身に倶利伽羅竜王の姿が彫られていますよ。

岩峯大神は女性の修行の地

こちらも階段の途中で出合う涼しげでどこか厳かな社です。ここは、女性のための修行の場所として有名で、小さいながら御滝場もあります。修験道の開祖、役小角が開いた大峰山は女人禁制だったため、代わりの行場として開かれたそう。

ご利益がある大蛇がお出迎え

脳天大神の魅力が止まらない

長い長い階段を降り切ると、金色の球状モニュメントと朱塗りの太鼓橋がお出迎え。この太鼓橋を渡ると、やっと脳天大神に到着します。ここまでの高低差はおよそ200m。役小角像からここまでは、休憩しながらおよそ10分程度。もちろん個人差はとても大きいので、とにかく安全に気をつけてマイペースで降りてきてくださいね。雨の日は特に足元が滑りやすいので注意が必要です。

脳天大神は谷底の川沿いに

脳天大神龍王院は、山の谷間の清流沿いにひっそりとたたずんでいます。決して大きくはありませんが独特の空気感があり、ここがパワースポットとして有名なのもうなずけます。かつてこの地は暗がり谷、地獄谷などと呼ばれていた場所で、どこかひんやりとした霊場の雰囲気も感じることでしょう。龍王院の名の通り、境内のあちこちには龍の姿を見つけることができますよ。

炎が上がる護摩行

本堂では護摩焚きも行われています。運よくタイミングが合えば、見学もさせていただけますよ。間近で見る護摩行は独特の迫力があって、つい見入ってしまうことでしょう。年3回の例大祭では、多数の山伏による大規模な護摩法要 採灯大護摩供(さいとうおおごまく)も開催されます。

これはかわいい、狛蛙

祖師堂の前には、狛犬ならぬ可愛い狛蛙がいます。左右できちんと阿吽の一対になっているのがなんとも微笑ましいですよ。他に狛犬も鳥居もあるので神社にいる気分になりますが、ここはあくまでもお寺です。修験道は神仏混合。仏様も神様も区別なく両方拝むのが開祖役行者様の教えであり、修験道の基本とされているのです。

脳天大神は修行の場としても知られている

滝行場

脳天大神は滝行も出来る、修験道の修行道場としての側面も持っています。滝の激しい水に打たれていると雑念が湧く余裕もなく、水の勢いに負けぬよう否が応でも集中する必要がため、精神統一が行いやすいのだそうですよ。滝行を行うための専用の場所もあり、水が勢いよく流れ、いつでも滝行が行える状態になっています。

お百度参り

境内には、屋根付きのお百度参りのための場所もあります。お百度参りは神仏に祈願するため同一の寺社に百度参拝することをいい、多くの場合は百度石を起点に本殿や本堂までの参拝を100回繰り返すのだそう。時折、実際にお百度を踏んでいる人も見かけ、その真剣な様子からも脳天さまはただの観光地などではなく、信仰と修行の場であることを感じます。

おさがりの ゆで卵をどうぞ

御朱印や祈祷をお願いした時、また、お守りを買った時などに一緒に神様のおさがりの ゆで卵を分けていただけます。これは信者がお供えした脳天大神の化身である蛇の好物生卵のおさがりをゆで卵にして参拝客に分けているものです。ありがたくいただきましょう。

脳天さまの御朱印とお守り

脳天大社の御朱印

本堂でお参りをした後で御朱印をいただきましょう。堂内にある御守り授与所でお願いできます。御朱印の種類は1種類。脳天様の御霊言、諸法神事妙行得菩提が記されています。また、ここでもゆで卵がいただけますよ。休憩所で食べるとお塩やセルフのお茶もあります。

思わず欲しくなる指輪守り

脳天さまの人気のお守りはいつも身につけておける純銀製の蛇の指輪。シンプルなフリーサイズのシルバーリングで、普段使いも出来てとっても人気があるそうです。他にも珍しいタオルのお守りである脳天タオルも人気です。これは枕に巻いて眠ると頭痛や不眠症、脳梗塞、精神不安定など頭の病気にご利益があるそうです。おじいちゃんおばあちゃんへの病気予防のお土産にもおすすめです。

脳天大神へのアクセス

電車での行き方

近鉄吉野線吉野駅よりロープウェイで5分、吉野山駅より徒歩25分で到着します。ただし、ロープウェイは事故のため復旧工事中で運休中で復旧時期が未定のため、代行バスが運行されています。

車での行き方

南阪奈道路葛城ICから国道169号経由で吉野大橋を渡り、林道を通ると到着します。脳天大神近くに無料駐車場もありますよ。ただし、途中の林道はかなり道が細くなる場所があり、すれ違いができない箇所があるので運転にはくれぐれも注意が必要です。大型車だとさらに道中が大変かもしれません。

住所|〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山2482
営業時間|6:00~17:00(ただし、11月〜2月は16:30まで)
定休日|無休
電話|0746-32-4880
公式サイトはこちら

まとめ

吉野の脳天さまの霊験あらたかなご加護をいただく旅。修行のような450段の急階段の往復も、過ぎてみれば懐かしく楽しく良い思い出となることでしょう。険しい場所だからこそ達成感もあり、ありがたみも倍増します。吉野の千本桜を臨む桜の季節はより一層美しいので、ぜひ一度は足を運んでみてくださいね。