京都観光前に知りたい「建仁寺」の基礎知識。外せないおすすめポイントは?

祇園、花見小路を歩いていくと辿り着くのが、ここ建仁寺。京都五山の第三位に列せられている建仁寺は多くの文化財を保有し、「風神雷神図」は誰もが一度は本やテレビで観たことがあると思います。そんな建仁寺を京都旅行常連の筆者が、歴史や見どころ紹介します。祇園から歩けることからアクセスがとても良く、バスでも電車でも行きやすい立地です。お車の場合は平日は45台、土日は40代分のスペースがあり、建仁寺拝観の方は1時間無料になります。

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1.建仁寺ってどんな寺院?歴史を見てみよう

 

1.建仁寺ってどんな寺院?歴史を見てみよう

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臨済宗建仁寺派大本山である建仁寺。

1202年(建仁2年)、鎌倉幕府第2代将軍の源頼家が土地を寄付し、臨済宗の開祖である栄西によって開山されました。
建仁寺の名前は元号を寺号としています。
創建時は密教の力が強く、天台、真言、禅の三宗兼学の道場とされていました。
1258年に東福寺を開山した円爾弁円(えんにべんえん)が建仁寺に入寺、翌年には宋の禅僧、蘭渓道隆の入寺をきっかけに純粋な禅の道場となります。

その後、応仁の乱で伽藍は焼失。
一時荒廃しますが、天正年間に安国寺恵瓊(あんこくじえけい)によって再興され、徳川幕府の保護受け、明治時代に臨済宗建仁寺派として分派独立し大本山となります。

2.建仁寺の見どころは?

 

2.建仁寺の見どころは?

建仁寺は大きな伽藍と、美しい庭園が魅力的。
創建当時の建築物は残っていませんが、壮大な伽藍は圧巻されますよ。
また多くの寺院は堂内が撮影禁止ですが、ここ建仁寺は多くの展示物が複製なので撮影可能な箇所が非常に多いのが特徴です。
ぜひ記念に撮影してくださいね。

(1)鎌倉時代の遺構を伝える「勅使門」

 

(1)鎌倉時代の遺構を伝える「勅使門」

重要文化財に指定されている勅使門。
鎌倉時代後期の遺構を伝える銅板葺切妻造になっています。
この門は戦乱の矢の痕が残っていることから、「矢の権門」「矢立門」と呼ばれています。
平重盛の六波羅邸の門、または平教盛の館門を移築したものと伝えられています。

(2)望闕楼の別名を持つ「三門」

 

(2)望闕楼の別名を持つ「三門」

1923年に静岡県浜名郡の安寧寺から移築されたもの。
望闕楼という別名があり、御所を望む楼閣という意味です。
楼上には釈迦如来、迦葉・阿難両尊者、十六羅漢が祀られており、二層の屋根を持っています。

(3)双龍が見事な「法堂(はっとう)」

 

(3)双龍が見事な「法堂(はっとう)」

1765年に建立された法堂は仏殿を兼ね、別名を拈華堂(ねんげどう)と言います。
この法堂には2002年に、創建800年を記念して小泉淳作が描いた、双龍の天井絵があり迫力を感じます。
建物は五間四間の禅宗様仏殿建築になっており、内部には本尊の釈迦如来座像、脇侍迦葉尊者、阿難尊者が祀られています。

(4)風神雷神図屏風の複製を展示「方丈」

 

(4)風神雷神図屏風の複製を展示「方丈」

重要文化財に指定されている方丈。
1599年、安国寺恵瓊(あんこくじえけい)が広島にある安国寺から移築したものです。
1934年に台風で全壊しましたが、1940年に再建されました。
内部には本尊の十一面観音の他、二曲一双屏風の風神雷神図屏風の複製、海北友松によって描かれた雲龍図襖絵の複製など、複製さながらの豪華な展示品が目を引きます。
風神雷神図屏風と雲龍図襖絵のオリジナルは、京都国立博物館で保存されています。

有名な風神雷神図ですが、これはもともと1639年に妙光寺に奉納されましたが、その後建仁寺に寄贈されました。
風神雷神図は建仁寺に戻ると雷鳴が響くという言い伝えがあります。
左に雷神、右に風神が描かれ、縦154.5センチ、横169.8センチの大きさがあります。

(5)拝観の始まり「本坊(庫裏)」

 

(5)拝観の始まり「本坊(庫裏)」

拝観の入口になっている本坊(庫裏)。
もともと庫裏は台所を意味しています。
1814年に建立されました。
正面に見える「大哉心乎」の額は、栄西の興禅護国論の冒頭部分になります。

(6)秀吉の北野大茶会での副席「東陽坊」

 

(6)秀吉の北野大茶会での副席「東陽坊」

東陽坊は、1587年豊臣秀吉が催した北野大茶会の際、紙屋川の土手に造られた副席です。
千利休の高弟、真如堂東陽坊長盛好みと言われています。
二帖台目席の規範とされ、大正時代に移築されました。
西側には「建仁寺垣」が設けられています。

(7)栄西の墓所「開山堂」

 

(7)栄西の墓所「開山堂」

旧名護院の開山堂。
栄西の墓所になります。
開山堂には、方丈、経蔵、開山塔、楼門などがあり、苔が広がる庭園には栄西が植えたと言われる菩提樹があります。
現在は非公開です。

(8)美しさが異なる3つの「庭園」

 

(8)美しさが異なる3つの「庭園」

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建仁寺には庭園が3つあり、それぞれ美しさが異なります。

大雄苑(だいおうえん)は1940年に造られた枯山水庭園で、方丈の南側にあります。
中国の百丈山を模し、百丈山は別名大雄山ということからこの名が付きました。
庭園内にある石塔は織田信長の供養塔で織田有楽斎が兄の供養として建てたと言われています。

潮音庭(ちょうおんてい)は小書院と大書院の間にある庭で、苔の美しい庭。
法堂の三尊仏に見立てた三尊石が置かれています。
夏は緑の苔、秋は紅葉がとても見事です。

○△ロの庭(まるさんかくしかくのにわ)は小書院にあります。
2006年に造られ、臨済宗古月派の禅僧で画家でもある仙厓義梵の「○△ロ」の掛軸が元となっています。

(9)京都で3番目に大きい「陀羅尼の鐘(だらにのかね)」

 
修行僧が床に就く亥の刻(夜の10時過ぎ)に、観音慈救陀羅尼を一万返唱しながらつくことからこの名がつきました。
梵鐘は京都で3番目に大きいと言われています。
開山在世の際、源氏物語のモデルになった源融が、釜ヶ淵に沈んでいたものを「えいさい」「ようさい」と、栄西の名を呼びながら引き上げたと伝えられています。

3.座禅、写経を体験してみよう

 

建仁寺では座禅と写経を体験することができます。

「千光会」という座禅と法話の会が毎月第二日曜日の朝の8時から行われており、個人の場合は予約なく無料で参加することができます。
千光会では20分の座禅を2回行い、お経を唱和した後で御法話があり、だいたい2時間ほどになります。
30名以上の団体の場合は予約が必要になりますのでご注意ください。
団体の場合は17時からの時間も受付ています。

写経は毎日体験でき、受付時間は10時から15時半、納経料1000円が必要になります。
予約は不要で、所要時間はだいたい45分ほどになります。

4.御朱印はどこでいただけるの?

 

御朱印は1種類。
本坊の拝観受付でいただけます。
御朱印は「拈華堂」と書かれたもので、法堂の別名です。

受付時間は拝観時間と同じで、

3月1日から10月31日は10時から16時30分。

11月1日から2月28日は10時から16時。

今まで年末は拝観を休止していましたが、2017年から年末も拝観できるようになりました。
2月は午後からの拝観になりますのでご注意ください。

建仁寺ではオリジナルの御朱印帳があります。
風神雷神図屏風、雲龍図、こぼんさんの3種類でどれも思わず買いたくなりますよ。

御朱印はスタンプラリーとは違い、納経と同じ意味をもち、大変ありがたいものです。
むやみに複数お願いしたり、転売することのないようにしてくださいね。

禅の心を感じる建仁寺へ

 
賑やかな祇園から、壮大な世界へと空気が変わる建仁寺。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季によって景色が全く違いますので、それぞれの季節を楽しむことができますよ。
祇園での買い物途中にでも、禅の世界を味わってみませんか?

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