甘樫丘は飛鳥時代の有力者である蘇我氏の本拠地。美しい万葉植物を観察しよう

公開日:2019/1/21 更新日:2019/11/20

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出身地は石川県。縁あって、奈良・京都・大阪・石川・静岡と住んでいたため、関西と北陸と静岡東部を中心に紹介できます。主に、史跡・城郭・神社仏閣ときどきグルメと温泉と・・・いうバランスで旅行プランを組むのが好き。動物と触れ合えるスポットにも出没します。旅行者目線で、実際に体験したことを伝えていけたら嬉しいです。
リュックでもせたろうて、歴史ある丘に登ろうやぁ

歴史遺産が多く残る奈良県高市郡明日香村。人々の生活とともにその歴史は守られてきました。なかでも甘樫丘は万葉集に登場する数々の花々が植えられた見晴らしの良い丘です。散策を楽しみながら歴史や文化にふれる旅はいかがでしょうか。

生きた歴史遺産、甘樫丘

明日香村にある甘樫丘(あまかしのおか)は歴史が古く自然が多く残る丘。奈良県高市郡明日香村にある丘陵で、標高148mの展望広場から遠く金剛山系や大和三山・藤原京・飛鳥京などの美しい風景を楽しむことができます。住民たちが生活しながら管理する、生きた歴史遺産ともいわれる明日香村。歴史や文化を感じることができるスポットが多く、村全体が屋外の博物館のようになっています。

推古天皇を主祭神として祀る甘樫坐(あまかしにます)神社は、かつて甘樫神を祀り盟神探湯(くがたち)という神事を甘樫丘で行っていたことから、甘樫丘の名がついたといわれています。

甘樫丘の歴史を知ろう

歴史を知ることでただの丘ではなくなる

その歴史の古さは、日本に伝存する最古の正史「日本書紀」の中に甘樫丘という記述があることで証明されています。もっともよく知られているのは、甘樫丘に当時の有力者蘇我蝦夷・入鹿親子の大邸宅があったという話。ほかにも、蘇我入鹿の子女を住まわせるための豪華な邸宅があったとされています。

蘇我入鹿の首塚

甘樫丘と飛鳥寺の間には、蘇我入鹿の首塚という五輪塔が建っています。中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)によって、蘇我入鹿が殺害された乙巳の変(いっしのへん)は大化の改新の先駆けとなりました。奈良県橿原市小綱町には入鹿神社という蘇我入鹿を祀った神社もあり、地元では今でも愛されている存在。そのため、首塚は大切な歴史遺産として今も大事に管理されています。

甘樫丘東麓遺跡

甘樫丘東麓遺跡では現在も遺跡の発掘調査が行われています。過去の発掘調査では7世紀頃の出土品がたくさん発見されています。蘇我氏の大邸宅があったという裏付けは取れていないものの、大規模な土地開発をした痕跡や建物の跡・焼けた壁土なども出土しているので、歴史的発見の地として有名です。

見晴らし最高の展望台

展望台は2カ所

甘樫丘は標高148mに展望広場があり、明日香村をはじめ大和三山や藤原京跡・飛鳥京を構成していたさまざまな史跡を一望することができます。日当たりの良い展望台なので、晴れた日には遠くまで見渡すことができる最高のビュースポット。甘樫丘北部にあるのが甘樫丘展望台で、南部には川原展望台がありその2カ所を繋ぐように散策路が整備されています。

適度に整備されていて回りやすい

散策路は麓から歩いて10分ほどで回ってくることが可能です。コンクリート舗装がされているのは一部だけですが、草木の管理が行き届いているので誰でも歩きやすいコースになっています。

車椅子利用者や階段が辛いという人には、スロープ状のルートがおすすめ。豊浦休憩所からいったん南下する形で迂回するルートが、スロープ状でのぼりやすくなっています。甘樫丘北部には豊浦休憩所があり、多目的トイレや身障者用駐車場もあるため安心。レンタサイクルで訪れる人も多いため駐輪場もあります。

南部を見渡したければ川原展望台へ

藤原京跡方面の明日香村北部を一望できる甘樫丘に比べて、川原展望台は明日香村南部を見渡せます。川原駐車場は普通自動車用29台と身障者用2台が停められる無料駐車場スペースがあります。

甘樫丘のクイズで花めぐり



花々にふれながら飛鳥時代へタイムスリップ

全長2.3kmの甘樫丘の散策路には万葉集をはじめとした古典文学に登場する植物が多く植わっています。古典文学に登場する植物に関するクイズが40種類設置されているので、散策中はクイズを楽しみながら四季折々の花を楽しむことが可能です。明日香村観光ポータルサイト内では甘樫丘で見られる花々が紹介されているので、気になった植物を調べてみるのも良いでしょう。

何度行っても楽しめる

甘樫丘から眼下に見える明日香村や藤原京は、花の名所でもあるため季節ごとに違った姿を見ることができます。とくに菜の花と桜の季節は素晴らしい景色を求めて多くの人が訪れます。

明日香村ならではのグルメ

ブランドいちご、あすかルビー

明日香村ならではのグルメもたくさんあります。奈良県のブランドいちご、あすかルビーはぜひ食べたいところ。小ぶりで赤みが強く見た目がかわいらしいのですが甘さより酸味が強いいちごです。

古代チーズ、蘇

知る人ぞ知る伝統食品 古代チーズの「蘇」もおすすめです。7世紀末に作られた記録が残っているほどその歴史は古く、牛乳をゆっくりと煮詰めて固めるという調理工程は手間がかかります。一般的なチーズのように発酵させていないのが特徴で、西井牧場直営店みるく工房飛鳥の「飛鳥の蘇」と、ラッテたかまつの「古代の蘇」の2種類を直営店と明日香村の土産物販売店で購入することができます。

郷土料理、飛鳥鍋

飛鳥鍋は鶏ガラと牛乳をベースにした鍋物で、飛鳥時代から親しまれている料理です。飛鳥時代に唐から来た僧侶が寒さをしのぐためにヤギの乳で鍋を作ったのが始まりといわれています。

周辺グルメスポット

萩王

甘樫丘を下りて飛鳥寺に行く途中にあるのが、明日香村で採れた野菜を提供してくれる懐石料理のお店、萩王。明日香村らしい重厚感のある日本家屋では高級なコース料理を中心に楽しむことができます。萩王は日本料理のお店ですが、日曜日限定で Café HAGIOに名を変え開店。普段の姿から一転、お手頃なランチメニューが並ぶため気軽に入りやすいと評判です。

Café HAGIOでは萩王オリジナルブレンドコーヒーや、パリ直輸入の紅茶などを注文できます。古代チーズ、蘇の濃厚なクリームも販売しているので、パンにジャムやコンフィチュールのように塗って食べることができます。

落ち着いた雰囲気の中で大人が食事を楽しめるお店ですが、小学校高学年未満の子ども連れや店内への飲食物の持ち込みは禁止なので気をつけましょう。

Address 〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥180
Hours 11:30~13:10 13:30~15:10 17:30~20:30(LO18:30) 喫茶は14:00~16:30(売り切れ次第閉店)
Closed 不定休
Tel 0744-54-3688
Web https://sites.google.com/site/hagioasuka8/


山帰来

飛鳥寺のそばにある15席ほどのアットホームな蕎麦屋 山帰来もおすすめの店です。本格派の味はもちろんのこと周辺に食事処が少ないこともあり、待ち時間が生じることもあります。

Address 〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥66-1
Hours 11:30~14:30(売り切れ次第終了)
Closed 月曜日~水曜日(祝日は営業)
Tel 0744-54-3218
Web https://asukamura.com/?page_id=2261

あすか夢の楽市

立ち寄りスポットとして、こちらもおすすめなのが農作物の直売所です。飛鳥水落遺跡と隣接している場所にあり、新鮮でおいしい野菜や果物が多く並びます。農作物を元に作られた加工食品や、げんきな果実工房では美味しいかき氷やジェラートが楽しめます。

Address 〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥225-2
Hours 9:00~17:00
Closed 無休(日曜営業)
Tel 0744-54-3311
Web https://asukamura.com/?page_id=431

フリー切符をチェック

観光に訪れる際に公共交通機関を使って移動する場合は、近鉄電車が発行しているフリー切符やスルーパスを使うとお得に回れます。レンタサイクルの割引や観光名所の割引などがついていることも多く、さまざまなタイプのフリー切符があります。

史跡〜施設間をバス移動できる、便利な周遊バス、かめバスの1日フリー乗車券などを購入するのもおすすめですよ。

レンタル電気自動車もおすすめ

普通免許がある人なら、パソコンなどで事前予約が可能な超小型電気自動車のレンタルはいかがでしょうか。明日香村は狭い道も多いため、小回りのきくサイズで便利です。近鉄橿原神宮前駅改札近くのMICHIMOステーションで借りることができます。

甘樫丘へのアクセス

電車とバスでの行き方

近鉄橿原神宮駅から奈良交通バスに乗り換え10分ほどで、甘樫丘のバス停に到着します。バス下車後は徒歩10分ほどで目的地に到着ですよ。

Address 〒634-0107 奈良県高市郡明日香村大字豊浦
Hours なし
Closed なし
Tel 0744-54-2441(飛鳥管理センター)
Web https://www.asuka-park.go.jp/

まとめ

万葉集をはじめとした古典に登場する花々が多く植えられている甘樫丘。明日香村の人々の手で大切に管理されてきた場所です。心が癒される美しい景色と歴史・文化・グルメを堪能しながら、甘樫丘と明日香村をのんびりと味わうのがおすすめです。