葛井寺の千手観音は見ごたえあり。春には藤の花が咲き誇る

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トラベルパートナー: Chii

出身地は大阪、関西とヨーロッパと南国が得意です。日本では神社仏閣巡りと公園巡り、海外では中世の町並みやお城を訪れたり、南国の島々で絶景を写真に撮るのが好きです。一緒に行くのは主人や子供達と、近場なら一人で訪れます。

藤が咲いているときは、藤棚の下で葛餅も食べられるので、よってみてや~

葛井寺(ふじいでら)は、8世紀に聖武天皇の勅願により僧行基が創建したと伝えられる由緒ある真言宗の寺院。本尊が乾漆千手観音坐像であることから、地元の人々からは観音さんと呼ばれて親しまれているお寺です。

7世紀まで起源がさかのぼる葛井寺

葛井寺は、観音さんと春の藤の花で有名なお寺。その歴史は古く、奈良時代にさかのぼり、今なお多くの巡礼者や地元の人々に親しまれています。

葛井寺とは

大阪府藤井寺市にある葛井寺(ふじいでら)は、紫雲山(しうんざん)三宝院剛琳寺と号し、剛琳寺ともいわれています。西国三十三箇所観音霊場の第五番札所として信仰を集め、巡礼者も多数。本尊の国宝、乾漆千手観音坐像(かんしつせんじゅかんのんざぞう)は大阪府に残っている唯一の天平時代の作品です。

春には葛井寺境内の藤の花が咲き誇り、お寺もにぎやかです。境内はそれほど広くないのですが、買い物帰りの人も境内を通ったり、老夫婦が散歩したり、子供たちが遊んでいたりしており、近所づきあいを大切にする庶民信仰のお寺という雰囲気が漂っています。地元の人々は、葛井寺を観音さんと親しみを込めて呼んでいます。

葛井寺の歴史

葛井寺は奈良時代に聖武天皇の勅願により、春日仏師に命じて千手千眼観世音菩薩を造らせ、725年に僧行基が開眼したと伝えられています。しかし発掘調査の結果、6世紀に活躍した百済からの渡来者、王仁氏の子孫が葛井と改姓した8世紀に葛井氏の氏寺として建てられたという説も

平安後期、藤井安基が伽藍を修理、寺を再興し、藤井寺とも呼ばれるようになりました。室町時代には、奈良興福寺の末寺として繁栄。1493年に畠山家の内紛の際に楼門、中門、三重塔、鎮守、奥院が焼失し、残った本堂と宝塔ものちに地震で倒壊しました。現在の建物は、おもに江戸時代に再興されたものです。

境内の見所

葛井寺には国宝千手観音をはじめ、重要文化財の四脚門、2階建ての南大門など数多くの見ごたえのある建築物や仏像があります。

重要文化財の四脚門(西門)

藤井寺駅前の商店街を抜けると四脚門が左手に見えます。切妻造(きりつまづくり)、本瓦葺の建築であり、木柄が太くダイナミックです。四脚門は豊臣秀頼により建立された境内最古の建造物であり重要文化財に指定されています。

四脚門周辺は商店街の延長のような雰囲気が感じられ、屋台などが出るときもあり地域密着のお寺ならではの空間が広がります。

正式な入り口の南大門(桜門)

四脚門から境内に入らず商店街を直進し、次の角を曲がると南大門に至ります。1790年に完成した三間一戸(さんけんいっこ)の隣門であり、入母屋(いりもや)造、本瓦葺を採用しています。葛井寺の正式の入り口は南大門です。

堂々たる本堂

本堂手前の石塔は、聖武天皇御寄附 寫紫雲石燈篭と銘のある紫雲石灯篭。これは明治時代に作られたレプリカであり、本物は本坊庭にあります。花山法皇が参拝したとき本尊の眉間から光が射し、この灯籠から紫雲がたなびいたと伝えられています。

灯籠の右の松が大楠公旗掛けの松。楠木正成が戦勝祈願に非理法権天菊水旗をこの松に掲げ、藤井寺合戦に大勝したといわれます。葛井寺は楠木一族との繋がりから、楠公史跡河南八勝のひとつにもなっています。葛井寺本堂は1776年に竣工国宝乾漆千手観音坐像が祀られ、左右には平安時代の聖観音菩薩立像と地蔵菩薩立像が配置されています。

人気の国宝乾漆千手観音坐像

現存する最古の千手観音とされ、繊細な優しさとしなやかさが感じられます。奈良東大寺法華堂の仏像と表情がそっくりのため、8世紀中ごろに制作されたもの。

通常の千手観音の手の数は、合掌している2本を合わせて42本。一本で25の世界を救うとされているので、周囲の手の合計40本で1,000を表わしています。しかし、葛井寺の千手観音の手の数は合掌してるものも合わせて1,041本。千本の手が実にバランスよく配置されています。

また、実際に1,000本以上の手を持つのはこの観音様のみであり、ひとつひとつの手のひらに墨でうっすらと描かれた眼があります。本体の像高、144.2cm、台座を含めた総高が246.0cm。毎月18日と、8月9日の千日参りの日のみ開帳され、毎月18日は参拝客でにぎわいます。

本堂西隣にある護摩堂

護摩堂は本堂の西隣にあり、本尊は不動明王。本尊の左右には、千手観音と役の行者が安置されています。

願いを叶える専心龍乗観世音菩薩

一心に祈れば、願いがかなうといわれる専心龍乗観世音菩薩です。

弘法大師お手堀井戸といわれる手水舎

弘法大師が掘ったといわれる弘法大師お手堀井戸は、目の治療や、心の開眼に霊験あらたかとされており、聖水の湧く井戸です。

平安時代、藤井安基は葛井寺再興に尽力しましたが、その以前は奈良から河内周辺で暴れまくっていた嫌われ者であり、葛井寺に逃げこんできました。千手観音に金縛りにされ地獄へ落とされますが、千手観音から今後は世の為、人の為に尽くせと井戸の前に戻されます。安基のようなあかん奴でも救われる、ということからあかん河内の葛井寺、という言葉も伝わっています。

ご朱印をいただく

右側は、御本尊、国宝の十一面千手千眼観世音菩薩のご朱印。左側は、第5番札所葛井寺の御朱印と御詠歌のご朱印です。ご朱印は本堂右手でいただくことができます。

葛井寺へのアクセス

電車でのアクセス

近鉄南大阪線、藤井寺駅を下車します。南出口を出て、東へ約100mほど進み右折。商店街を南に向かって約150m進みます。

車でのアクセス

  • 西名阪自動車道、藤井寺インターチェンジより5分
  • 阪神高速松原線、大堀インターチェンジより15分。大和川沿い、小山交差点を直進
  • 南阪奈道路、羽曳野インターチェンジより10分。外環状線経由
    駐車場には、普通車15台、大型バス4台ほどが駐車可能です。料金は有料。このほかにも、藤井寺駅周辺にはコインパーキングもあります。
住所|〒583-0024 大阪府藤井寺市藤井寺1-16-21
営業時間|AM8:00~PM5:00
定休日|年中無休
電話|072-938-0005
公式サイトはこちら

まとめ

葛井寺は、地元に密着したあたたかい雰囲気のお寺です。毎月18日の観音会座(御本尊御開帳)に行くのがおすすめ。たくさんの人が訪れますが、線香の香りに包まれてほっとします。藤が咲き乱れる時期に、藤棚の下で過ごす時間もぜいたくに感じられます。ぜひ、一度訪れてみてください。