秋篠寺の伎芸天は東洋のミューズ。美しい苔庭と紅葉のコントラストは必見

公開日:2019/1/21 更新日:2019/11/21

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静岡県出身、歴史好きが高じて奈良県に移住しました。奈良県の記事をメインで書いています。旅行は家族で出かけることが多いです。神社仏閣の紹介が得意です。散歩や食べ歩きが趣味で、カメラを片手に日々新たな撮影スポットやおいしいお店を探しています。
美しすぎる伎芸天に恋せんように気いつけや~!

奈良県は古くからある仏像や仏閣・お寺・寺院で有名なスポットで最近では国内だけではなく海外からも、その静かな佇まいや日本の原風景を求めて観光客の方が多いのが特徴です。特にその中でも秋篠寺は、自然と寺院がうまく溶け合ったようなひっそり佇む隠れ寺として風情のある風景を眺めることができます。そんな秋篠寺の魅力や楽しみ方を少しずつご紹介します。

秋篠寺の概要

秋篠寺とは

秋篠寺は、宝亀7年(776年)に光仁天皇の勅願により、善珠大徳という僧侶によって創建されたと言われている官寺です。平安時代には天皇家のもと金堂や東西両塔がある立派な伽藍を持った寺院として発展したと言われていますが、現在ではひっそりとした住宅街となっているため、奈良の町中の有名寺院とは違い隠れた人気寺となっています。日本で唯一の作例と言われる、伎芸天(ぎげいてん)立像と美しい苔庭が特徴の寺院です。

謎の多い秋篠寺

奈良県奈良市の秋篠町にある、本尊は薬師如来のお寺が秋篠寺。奈良県にひっそりと佇む謎の多いお寺として神秘的な雰囲気を醸し出しています。実は平安時代の1135年に戦火に遭ってしまい、伽藍のほとんどを焼失して再び再建されました。もとは貴族の秋篠氏の領地だったので秋篠という名前になったとも言われていますが、記録がありません。庭の中には戦火で焼失したと言われている金堂や塔の礎石などが残されています。

秋篠寺の見どころ

東洋のミューズ 伎芸天

伎芸天(ぎげいてん)は密教の仏で、芸能を司る女神と言われています。伎芸天の日本での作例はないので、こちらが日本で唯一の伎芸天とされています。もともとはヒンドゥー教の最高神シヴァ神(大自在天)が天上で天女の歌や舞いを楽しんでたところ、突然大自在天の髪の生え際から生まれたと言われています。

ご利益は芸能上達と言われているので、お忍びで芸能人や有名人がやってきて参拝することも。東洋のミューズと言われるほどとても艶やかな色気があり、お堂の中でもついつい目を奪われてしまう美しさがあることです。頭部のみが奈良時代の乾漆造で、他は鎌倉時代の補作の寄木造となっています。

本尊・薬師如来坐像は重要文化財

こちらの本尊や薬師如来坐像は、戦火で伽藍がほぼ焼失した後の鎌倉時代後期に造られたご本尊となっており、重要文化財にも指定されています。造りは寄木造りで、元々極彩色だったようですが今は彩色は特に見えません。薬師如来は衆生の病苦を除き、安楽をもたらす慈悲尊として日本では古くから厚く信仰されている特徴も持っています。

他にも様々な貴重な仏様が拝める

他にも、日光菩薩と月光菩薩は平安初期の作品で、元々極彩色でした。手に鏡を持って日輪・月輪を示すという、当時は珍しい作例と言われています。帝釈天は伎芸天と同じく頭部が天平時代の乾漆造で体部が鎌倉時代の寄木造で元々極彩色の立像です。インド教の軍神で、鎌倉時代らしい力強さが体部に感じられる特徴を持っています。

地蔵菩薩は平安時代中期に造られた一木造の立像で、彩色はなく素地でできています。釈迦入滅後には弥勒菩薩が出現するまで現世で衆生救済をしてくれる慈悲深い仏様でした。素朴でありながらも、優雅さがあり堂々とした像となっています。

お堂の中の静かでゆったりとした時間を楽しもう

お堂自体はこじんまりとしているので、割とすぐに拝観を終えて出ていく人が多いです。仏像たちの前にはベンチが置かれているので、座ってゆっくりと仏像を眺めることができる絶好のスポット。特に夕暮れ時は人も少ないので、運が良ければ貸切になることもあります。夕暮れ時は堂内も薄暗くなるので明るい日中とはまた違う表情の仏様を拝むことができ幻想的な風景を感じることができますよ。



秘仏が眠る大元堂

こちらには、秘仏 大元帥明王(たいげんみょうおう)が安置されています。大元帥明王は鎮護国家の本尊で、勅許なくして造顕奉置が禁じられていた貴重な仏像で、この像は日本唯一の大元帥明王像として伝わっています。毎年6月6日のみの公開のため、拝観数時間待ちの大行列が出来る重要文化財の一つです。ぜひ訪れる際には日程もチェックしておきましょう。

美しい苔庭

本堂に到着する前に通る参道には、樹林と美しい苔庭を眺めることができます。苔庭はしっかりと手入れされていて、いつ行っても美しいです。まさに苔の絨毯のようにキレイに広がっているので見ごたえは抜群。苔の中には失われた金堂や塔の礎石があるので、ロマンを感じさせてくれる絶景でもあります。

秋は紅葉がきれい

秋篠寺に訪れる時のおすすめの季節は、緑色の苔とオレンジ色に色づいた紅葉のコントラストが美しい秋ごろ。本堂前の白い玉砂利のところにも紅葉が何本か植えられているので、本堂と紅葉も一緒に見ることができます。新緑の時期(初夏)の紅葉も違った景色を見ることができるのでおすすめ。

秋篠寺の御朱印は激レア

実は御朱印は普段実施していません。御朱印がいただける日としては、毎年6月6日に行われる秘仏・大元師明王立像の特別拝観のとき限定でいただくことができます。場所は拝観受付でもらえますが、年に1度しかもらえないのでかなり混雑します。先に御朱印帳を預けて拝観するようにしましょう。

周辺の観光スポットをご紹介

謎だらけの八所御霊神社

八所御霊神社(はっしょごりょうじんじゃ)は、秋篠寺の南門を出るとすぐ横にある神社で、秋篠寺の鎮守神。詳しい創建など謎が多いのですが、秋篠寺と同じ奈良時代に創建されたと考えられています。平安時代に不遇の死をとげ怨霊となったとされる須道天皇の御霊をご祭神としています。

ショッピングモールならファミリー

こちらはイオン・近鉄百貨店・専門店街が一つになったショッピングモール(通称ならファ)です。フードコートや専門店の飲食店フロアがあるので、秋篠寺参拝後のランチで利用するのもおすすめです。2016年に大規模リニューアルをしたので、衣服雑貨関係のトレンド店もかなり入っておりショッピングも楽しめるスポットとなります。

Address 〒631-0821 奈良県奈良市西大寺東町2丁目4-1
Hours AM10:00~PM9:00(近鉄百貨店はPM20:00まで)
Closed なし
Tel 0742-33-1201
Web http://www.narafa.jp/

大茶盛イベントで有名な西大寺

西大寺は、奈良時代天平宝字8年(764年)に称徳天皇が鎮護国家と平和祈願のために発願したお寺です。大和西大寺の駅名の由来にもなっているお寺で、大和西大寺駅の南口を出ると右方向にすぐあるのでアクセス良好な立地となっています。年に数回開催されている巨大なお茶碗で抹茶をいただく大茶盛イベントで有名。興味がある方はぜひ立ち寄ってみてくださいね。

Address 〒631-0825 奈良県奈良市西大寺芝町1丁目1-5
Hours AM8:30~PM4:30(本堂)
Closed なし
Tel 0742-45-4700
Web http://saidaiji.or.jp/

秋篠寺へのアクセス



電車・バスでの行き方

電車の場合は、近鉄大和西大寺駅が最寄り駅となります。北口から奈良競輪場を目指して徒歩で目指します。初めての場合は、住宅街を歩いていく感じになるので少し分かりづらい道になっています。少し距離もあるので、不安な方はバス利用をおすすめします。バスの場合は、近鉄大和西大寺駅から奈良交通押熊行きバス72・72系統に乗車し、秋篠寺にて下車すると到着します。

車での行き方

車で訪れる際は、大阪方面からの場合は第二阪奈道路を進み奈良市まで、国道308号線と県道52号線を進むと到着します。京都方面からの場合は、新名神高速道路・京奈和自動車道を通り山田川ICを出て国道163号線を進むと到着します。秋篠寺には無料の駐車場があるので、参拝の際はぜひそちらに車を止めていきましょう。

Address 〒631-0811 奈良市秋篠町757
Hours AM8:30~PM4:30
Closed なし
Tel 0742-45-4600
Web なし

まとめ

秋篠寺は、東洋のミューズと呼ばれる仏さまや仏像が多く眠っているほか、日本の原風景のような自然豊かな景色が魅力の、実は隠れ寺としてひっそり佇むお寺として注目されています。訪れる際は、ぜひ人も少ないゆったりした癒しの時間を堪能してみてくださいね。