クチトンネルでベトナム戦争の現実を目の当たりにする

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トラベルパートナー: Sato

新潟県出身。一人旅が好きで、過去4年で40か国以上の旅行歴あり。得意なエリアは東南アジアと北・南米。最近は国内も様々なエリアを探索中で、穴場スポットを探し歩いています。雪のない時期の山を歩くのも好きで、今年はキャンピングスキルアップを目指しています!

今ではベトナムの有名観光地となったトンネルは私たちに何を語るのか

東南アジアの一角を占めるベトナム。美しい歴史名所と観光名所の多いこの国では、かつて多くの人間同士が長年にわたって戦いました。その歴史を今に伝えるのが、大都市ホーチミンの町はずれに、半世紀の時を経て残されるトンネル群です。

クチトンネルとは

ベトナム戦争時の拠点になっていた地下トンネル

クチトンネルとは、北へ攻め入るアメリカ軍に対抗するため、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)によって20年以上の歳月をかけ掘られた地下トンネルのこと。その距離は実に全長約250kmにおよんで枝分かれし、隣国カンボジアの国境付近までネットワークとなって掘りめぐらされています。

ベトコン軍員はこの長大なトンネルを防空壕として、または攻撃拠点として、さらには生活拠点としていました。その複雑に掘り広げられたトンネルの構造や、その中で繰り広げられた当時の壮絶な生活の様子が、21世紀となった今も垣間見ることのできる貴重な戦時資料とされています。

今は観光地としてその歴史を語り継ぐ

現在はクチトンネル全体のうち、約120kmの部分をベトナム政府が管理しており、その一部は観光客向けに開放されています。ベトナム戦争当時の様子を再現させた攻撃用のトラップや、戦争時に実際に使用された武器などが多数展示され、実際のトンネル内に入るガイドツアーも行われています。

観光ルートには今も戦争の傷跡が

クチトンネルの歴史や基本情報をビデオで学習

クチトンネルへ入る際には、まずベトナム戦争やトンネルの歴史をビデオで鑑賞します。ベトナム戦争は1955年から1975年までの約20年間にわたり、北ベトナム軍と南ベトナム軍との対立にアメリカなどが激しく交戦。両軍や各国兵士に民間人を含め813万人もの死者行方不明者を出すという、世界中に大きな衝撃を与えた戦争でした。

トンネルの構造やエリアマップも展示されているので、まずは基本情報を確認しましょう。

トンネル入口への途中には衝撃的な戦車の残骸

ここからトンネル入口や展示場までの間、林の中の小道を歩いてゆきます。道の途中には、ベトナム戦争時に多量の弾丸が着弾した跡が残されているほか、実際に使用された戦車が生々しい姿を見せており、車体に上ることもできます。

クチトンネルの中はせまくて薄暗いけど入ってみよう

いよいよトンネルの入口、希望すれば中に入ってみることができます。トンネル内部は微光ライトが点灯されていて、中の様子は辛うじて見ることができますが非常にせまいので、背中を屈めなければ歩くことができないほど。閉所恐怖症の人はやめておきましょう。

これも衝撃的なブービートラップを見学

これはベトナム戦争時に、攻め寄せてくる敵軍に対して使用された「ブービートラップ」という罠です。地面を踏み抜けば落下する穴の底に、鋭く尖った槍や杭などが巧みに立てかけられたトラップ。ここにうっかり落ちれば、と見る者に衝撃を与えるでしょう。罠の使用方法や配置方法もスタッフから語られます。

射撃場では射撃体験ができる

クチトンネルの敷地内には射撃場があり、16歳以上であれば射撃体験ができます。ベトナム戦争当時に使用されていたものと同型のライフルを発射することも可能で、放った弾数によって利用料金が加算されるシステムです。

ベトナム軍人がとっていた食事を体験

トンネル敷地内にあるカフェエリアでは、戦争時に軍隊が日常食としていたキャッサバというイモを、ベトナム茶といっしょに頂くことができます。キャッサバは熱帯地方に生える低木で、そこから採れるイモは甘味の少ないサツマイモのような味。ソースをつけて食べてみましょう。ここではおみやげも販売されています。

ベトナム名物ライスペーパーづくり見学も

ホーチミン市クチ県はライスペーパーの名産地。ライスペーパーはお米をうすいシート状にのばし乾燥させた食品で、主にベトナム料理やタイ料理で有名な春巻きの皮に使用されています。クチトンネル内でも時間によっては、地元の人によるライスペーパーづくりが見学できることがあり、おみやげとして購入もできます。

歩きやすく汚れてもいい装備で雨対策も

動きやすい服装と靴がベスト

クチトンネル周辺の敷地内では、ベトナム戦争当時の舗装されていない歩道を歩くため、足を痛めないようスニーカーを履いていきましょう。そしてトンネル内は膝や手をついて進まなければならない場所や、頭をぶつけそうになるほど天井が低い場所も。頭を守る帽子やヘルメット、肌を守る汚れてもよい服装は必携です。

持ち物はハイキングや軽い登山用の準備を

熱帯の森林におおわれたトンネル周辺は虫が多いため、虫よけスプレーは必ず用意しておきます。また土の多い所を歩くので、手足を拭くタオルやウェットティッシュがあると便利です。雨の時期には ぬかるみとなり服や靴まで汚れるので、簡単に脱着できる雨具や着替えも持参した方がいいでしょう。

クチトンネル内部は薄暗くせまいため、特に閉所恐怖症や精神疾患・高血圧のある方、体調のすぐれない方はむやみに入らないようガイドからも案内があります。まずは自分の体調と相談し、決して無理しないようにしましょう。

ツアー参加か自身で計画か

ツアーに参加すれば心強く効率的

1人では心細いのでだれかといっしょに行きたいという方は、ガイドツアーに参加しましょう。日本から旅行代理店を通して申し込む方法がある他、ホーチミン市内でも多くのツアー会社があるので、現地にて手配することも可能。他の市内観光地との併用ツアーも用意されており、しかも日本語が堪能なガイドといっしょなので、効率よく観光することができます。

旅に慣れていれば個人で手配する方法も

海外旅行に慣れている方ならば自身で計画を立ててもいいでしょう。ホーチミン市内からクチトンネルまでは路線バスが出ています。日本と同じようにバス停で停まるうえに乗り継ぎが必要となるので、2時間30分ほどかかりますが料金は圧倒的に割安に。

またホーチミン市内で、自身のパスポートと運転免許証の提示や保証金でレンタルバイクやレンタカーを利用したり、タクシーを終日利用したりする方法も。現地のホテルや旅行会社での手配が可能です。さらにクチトンネル内のガイドは英語対応が中心なので、日本語堪能なガイドを依頼するのであれば、事前にホーチミン市内で手配しましょう。

クチトンネルへのアクセス

ホーチミンへの飛行機での行き方

観光拠点となるホーチミン市はベトナム南部にある大都市。日本からは直行便が出ており、成田国際空港と羽田空港からは約6時間、中部国際空港からは約5時間55分、関西国際空港からは約5時間30分、福岡空港からは約5時間20分です。

ホーチミン市内から車やタクシーでの行き方

ホーチミン市中心部から郊外にあるクチトンネルまでは約50km。車やタクシーを利用すれば約1時間30分ほどの距離ですが、ホーチミン市内は交通混雑が激しいため、余分に時間がかかることはあらかじめ承知しておきましょう。

住所| TL15.Phu.Hiep.HoChiMinh.Vietnam
営業時間|7:00-17:00
定休日|なし
電話|+84-28-3794-8830
公式サイトはこちら

まとめ

戦争の記憶を今の世に物語るクチトンネル。暗くてせまいその中に入れば、ここで暮らした人々それぞれの人生がよみがえるかもしれません。でもそこには記憶を形として伝えるベトナムの姿が確かにあります。当時の姿がほとんどそのまま残されたトンネルで、今の平和に感謝してみませんか。