旧三井家下鴨別邸は豪商三井家11家の別荘。望楼からは大文字山の五山の送り火が見える

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あの連続テレビ小説のヒロインのモデルも三井家出身やで!

京都市左京区、鴨川と高野川の合流地点の北に位置する旧三井家下賀茂別邸。日本三大財閥のひとつに数えられる三井家の簡素でありながら、和と洋をバランスよく整えた歴史的価値の高い建造物で、主屋、玄関棟、茶室で構成されています。そんな旧三井家下賀茂別邸を紹介します。

豪商 三井家11家共有の別荘

移築、増築され大正時代に完成した、大規模な平屋建築。庭園、茶室など豪商三井家の美意識を感じさせる建物です。

祖霊社参拝の休憩所として建てられた別荘

賀茂御祖神社 糺の森(ただすのもり)の南、敷地約5700平方メートルの広さをもつ豪商三井家11家の共有の別荘、下賀茂別邸。三井家の祖霊社 顕名(あきな)霊社にほど近く三井北家第10代三井八郎右衞門高棟が、参拝の休憩所として、1925年(大正14年)に建てたものです。

戦後は京都家庭裁判所宿舎として利用


第二次世界大戦後、財閥解体により1949年(昭和24年)に国有化。1951年から隣接する京都家庭裁判所の所長宿舎として、2007年(平成19年)まで利用されました。その後2011年(平成23年)に歴史的建築物として、重要文化財に指定。2016年秋から、一般公開が行われるようになりました。

旧三井家下賀茂別邸の持ち主の三井家

江戸時代、幕府御用商人となった三井家。明治維新後に新政府へ資金援助をするなど、歴史にも影響を与えた豪商から日本最大の財閥となった家です。

三井財閥の当主

江戸時代の豪商、越後屋の創始者だった三井家は、そのまま日本三大財閥の当主につきます。第二次世界大戦後、1946年(昭和21年)財閥解体により権力の解消を余儀なくされます。しかし流れは途絶えることはなく現在でも三井不動産、三井住友銀行、三井物産などに引き継がれているのです。

連続テレビ小説のヒロインのモデルにも

小石川三井家、高益の4女 広岡浅子は、日本女子大学校(今の日本女子大学)の設立、銀行や生命保険会社の創業に関わった女性実業家の草分け的な存在です。その生涯は2015年度下半期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロイン白岡あさのモデルにもなりました。旧三井家下賀茂別邸には、広岡浅子直筆の手紙が展示されています。

主屋で豪商気分を味わう

2016年(平成28年)秋から一般公開されている旧三井家下賀茂別邸。主屋で公開されているのは、1階と庭園のみですが、観光シーズンのみ2階と3階を観覧することができます。

主屋の1階からお庭を見てゆっくり

広く、きれいな庭を見ることができる主屋の1階。木屋町三条上るにあった、木屋町別邸の主屋から1925年(大正14年)に移築されたものです。当時の状態がよく保存され豪商当主の気分がどんなものだったのかを想像させる室内です。

2階に入れるのは特別公開時のみ


観光シーズンのみ特別公開される2階には、座敷、居室、茶の間があります。通常は有料で茶室とともに貸し出しをしていて利用可否の審査はあるものの、予約をすれば会議やイベントなどで使用することができます。

素晴らしい望楼からの景色


外観からも特徴的な3階の望楼。こちらも特別公開時だけ入場が可能です。四方にガラス窓が貼られた開放的な造り。そこから鴨川の流れや京都の夏の夜を飾る、大文字山の五山の送り火 大の文字を見ることができます。

主屋となりの茶室


主屋に寄り添うように建つ茶室。煎茶、抹茶のどちらにも対応していたといわれています。内部は、特別観覧時であっても非公開となっていますが、主屋の2階と同じく申し込みにより有料で利用することが可能。茶会をおこなうことができます。

優雅な気分になれる苔庭

建物全面に広がる苔地の庭。とくに夏が近づくと、緑が映え庭をよりうつくしく彩ります。ひょうたん型の池の水は泉川から取り入れたもので、滝流れが見どころです。池には石橋が架かり、渡ると芝を張った築山、灯篭や景石が置かれ、庭園は南へと伸びていきます。

三井家の人たちも歩いた庭園。庭には園路が巡り、自由に散策できますから、いろいろな角度から見ていきましょう。景観をうつくしくするための、繊細な工夫がされているのがわかるはずです。

周辺のみどころ

三井家下鴨別邸の近くには、他にもみどころがあります。鴨川や高野川の流れを見つつ、散策してみましょう。

癒しの原生林 糺の森

面積約124000平方メートル、東京ドームの3倍の広さをもつ約40種、4700本の木が茂る糺の森(ただすのもり)。平安時代には、さらに広い敷地があったといわれている賀茂御祖神社(下鴨神社)の鎮守の森です。京都随一の癒しスポットとして名高い森で、マイナスイオンを感じられます。

葵祭の舞台 賀茂御祖神社

下鴨神社と呼ばれ親しまれている京都三大祭り葵祭の舞台、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。旧三井家下賀茂別邸のすぐ横に鳥居があります。そこから、糺の森に囲まれた参道を15分ほど歩くと本殿です。君が代の歌詞にあるさざれ石や、江戸時代の画家 尾形光琳の光琳の梅を見ることができます。五穀豊穣、安産、厄除けの御利益があり最近では恋愛成就のパワースポットになっています。

旧三井家下鴨別邸へのアクセス

電車での行き方

京阪鴨東線、叡山電鉄出町柳駅より徒歩約5分です。

バスでの行き方

バス利用の場合は、京都市営バス1、37、205系統で葵橋西詰バス停下車、3、4、17、102、201、203系統「出町柳駅前」バス停下車、いずれも徒歩約5分です。

車での行き方

名神高速道路京都東ICで降り、三条通を北へ進み、約30分です。専用駐車場はありません。近隣では地下5階まであり、収容台数の多い京都市出町駐車場が便利。駐車場からは徒歩約5分です。

住所|〒606-0801 京都府京都市左京区下鴨宮河町58番地2
営業時間|AM9:00-PM5:00
定休日|水曜日、12/29~12/31
電話|075-366-4321
公式サイトはこちら

まとめ

日本最大の財閥の当主三井家。その別邸である建物は意外に簡素なものです。ただ望楼が目立つ主屋、平屋の玄関棟、茶室そして日本庭園とよく見ると繊細な気遣いが感じられるバランスの良い配置となっています。日本を代表するような豪商となってから品を身につけ、それが建物にも表れているのが感じられるでしょう。