吉野水分神社は水と子宝の神。豊臣秀吉もこの地を訪れ秀頼を授かった

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世界遺産吉野山奥にある人気パワースポットと名所めぐり

奈良県紀伊半島の中央部、深い山の中に位置する吉野町。吉野山という名称で、私たちは桜の名所や日本の歴史舞台と思い浮かべるでしょう。その山奥にたたずむ吉野水分神社は、新しい命を授けられるパワースポットとして注目されています。

吉野水分神社は水配りと御子守の意味をあわせもつ

奈良県内に4ヶ所の有名神社

吉野水分神社は「よしのみくまりじんじゃ」と読みます。水の配分を司る水分神(みくまりのかみ)を主祭神とし、その表現が御子守(みこもり)と転じて子宝や安産の神とされていることから、同じ奈良県内にある都祁(つげ・奈良市)や葛城(かつらぎ・御所市)、宇太(うだ・宇陀市)の各水分神社と並んで、参拝者が多く訪れる神社です。

天下人の後継者が再建した神社からは有名人も誕生

創建について詳しい記録は残されていませんが、豊臣秀吉がここを訪れたことから授かった子 豊臣秀頼が、秀吉から後継者として指名された祈願に応えるように、1605年に再建したと伝えられています。また、江戸時代に三重県松阪市の商人だった父親が、男子を授かるようここに祈願し生まれた子どもが、後に国学者として活躍する本居宣長となったのです。

吉野水分神社の見どころは美しくユニークに

さすがは吉野山といえる桜の美しさ

奈良県吉野町は日本を代表する桜の名所として有名です。ここ吉野水分神社境内でも、満開となる枝垂桜や山桜が、神社の甍(いらか)と青空に映える美しさは一言では言い表せないでしょう。神社本殿は国の重要文化財に指定されており、春日大社に代表される春日造の建築様式が優れた容姿を描き出しています。

木彫りのふくろうがお出迎え

神社には木彫りのふくろうが設置されており、参拝者の間で人気者となっています。ふくろうは不苦労、福老につながり、神様のお遣いとされるほど縁起が良いことから、そのご利益にあやかろうとお賽銭を置いていく人も多いようです。

吉野水分神社の人気絶大で行列のできる御朱印

御朱印は大変な人気で、とりわけ春のお花見シーズンや秋の紅葉シーズンには授与待ちの長い行列ができるほど。春と秋以外には、宮司さんが不在の際は備え付けてあるノートに自身の住所を記載し、初穂料を納めれば後日郵送されることになっています。

周辺のぜひとも訪れたい名所の数々

七曲坂には吉野山の花々が咲き競う

吉野山へ向かう坂道には下千本・中千本・上千本・奥千本と呼ばれる桜の名所が広がりますが、下千本の桜を眺められるビューポイントが近鉄吉野駅から金峯山寺へつづく七曲坂。その美しさには言葉を失うでしょう。また、近くのあじさい園では約4,000本の紫陽花が咲き乱れ、春から夏にかけての吉野山は花々に一面埋め尽くされるかのようです。

金峯山寺には山岳修験道のルーツが

山にこもって厳しい修行を積む修験道。その開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が奈良時代に開いた金峯山寺(きんぷせんじ)は、2004年7月に高野山や熊野三社とともに紀伊山地の霊場と参詣道として世界遺産に登録されました。

本尊の蔵王権現像がある蔵王堂は室町時代に再建され、高さ約30メートルという壮大さを誇ります。ここ金峯山寺から吉水神社へつづく道は、おみやげ店や食事処が集まるメインストリートといえます。弁当や飲料水を用意していない場合は、ここで食事をとっておくのがいいでしょう。

住所| 奈良県吉野郡吉野町吉野山2500
営業時間|8:30-16:30(受付は16:00まで)
定休日|なし
電話|0746-32-8371
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吉水神社に物語られる日本の歴史秘話

金峯山寺から水分神社へとつづく道沿いにある吉水神社(よしみずじんじゃ)。南北朝時代に後醍醐天皇の皇居とされた境内は、吉野山の中千本・上千本の桜が望める絶好のパノラマビューポイントとなり、桜の満開時期は大変な人出となります。

元は金峯山寺の僧侶が生活する僧坊でしたが、明治新政府が発した神仏分離令により、後醍醐天皇が住まわれたこともあって神社とされたのです。また、ここは源平合戦のヒーロー源義経と、恋人の静御前が別れの時を迎えた場としても知られ、日本の歴史が刻まれた名所といえるでしょう。

住所| 奈良県吉野郡吉野町吉野山579
営業時間|9:00-17:00
定休日|なし
電話|0746-32-3024
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如意輪寺から眺める桜と歴史のはかなさ

如意輪寺(にょいりんじ)は、南北朝時代にここ吉野に住まわれた後醍醐天皇が国の平和を祈願した勅願所とされ、ともに戦った武将・楠木正成の長男である楠木正行(くすのきまさつら)が戦死を覚悟し辞世の句を捧げた宝物殿があります。そして、お寺の裏手には吉野で崩御を迎えた後醍醐天皇の塔尾陵(とうのおのみささぎ)が静かにたたずんでいます。

重要文化財指定の蔵王権現立像は、奈良東大寺南大門の金剛力士像などを手がけた鎌倉時代の仏師・運慶の弟子である源慶の作品です。こちらの境内からも吉野山に広がる中千本の桜が眺められ、満開の時期は大いに賑わいます。

住所| 奈良県吉野郡吉野町吉野山1024
営業時間|9:00-16:00
定休日|なし
電話|0746-32-3008
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竹林院は歴史古く名高い庭園で有名

竹林院(ちくりんいん)は聖徳太子が創設という大変古いお寺。園内を回り鑑賞する回遊式庭園は四季折々に美しい姿を見せ、大和三名園のひとつとされています。現在は宿としても営業しており、庭園を眺めながらの入浴や、豊臣秀吉が吉野山でお花見の際に千利休が考案した利休鍋、さらには太閤椀など予約制での昼食も楽しめます。吉野のおすすめグルメポイントといえるでしょう。

住所| 奈良県吉野郡吉野町吉野山2142
営業時間|9:00-17:00
定休日|なし
電話|0746-32-8081
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花矢倉展望台から望む吉野山の桜

吉野山のパノラマビュースポットである花矢倉展望台。春の桜満開シーズンのみ子守茶屋が営業しており、名物のしいたけ飯や甘酒などが味わえます。眼下には中千本や上千本の桜が広がり、その眺めはさくら、さくらと歌い出したくなる見事な光景でしょう。天気が良ければ遠くに葛城山、金剛山など関西地方を代表する山々が遠望できます。

花矢倉展望台から望む吉野山の紅葉

ここは桜のビューポイントであると同時に紅葉のビューポイントでもあり、秋には見事に色づいた山々の眺望が楽しめます。ただ桜の時期以外は自動販売機が存在している程度。この先、水分神社までの間には飲食店などはないので、あらかじめ食べ物や飲み物の準備が必要でしょう。

吉野水分神社へのアクセス

近鉄吉野駅からの行き方

近鉄奈良駅から吉野線に乗車し約2時間で到着。本来はここから吉野ロープウェイに乗り継げるのですが、代行バスが運行されており、運行時間は事前に確認が必要です。吉野町では徒歩で行くことをすすめており、1時間30分はかかるのでハイキング用の服装と靴、さらにはお弁当や飲料水もあると心強いでしょう。

住所| 奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
営業時間|8:00-16:00(4月のみ17:00まで)
定休日|なし
電話|0746-32-3012
公式サイトはこちら

吉野水分神社で心と体のリフレッシュを

人里離れた山奥の里でありながら、日本の歴史舞台となり幾多の別れが描かれた吉野山。その中で新しい命のご利益を授ける吉野水分神社には、ご利益を求め訪れる人々が絶えません。でも人里離れた山奥だからこそ、人は命の重さと輝きを感じるのでしょうか。吉野山いっぱいを彩る桜にふとそんな想いがしました。