鬼を退治した世界遺産の元興寺。日本最古の瓦を見上げてみよう

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トラベルパートナー: midori

静岡県出身、歴史好きが高じて奈良県に移住しました。奈良県の記事をメインで書いています。旅行は家族で出かけることが多いです。神社仏閣の紹介が得意です。散歩や食べ歩きが趣味で、カメラを片手に日々新たな撮影スポットやおいしいお店を探しています。

ならまち観光で外せないお寺やで!

奈良県奈良市中院町に建つ真言律宗の元興寺は、仏教のはじまりの地とも言われ、1300年続く奈良の国宝、世界文化遺産のお寺です。四季折々の花や迫力ある節分会でも有名で、国内外から沢山の参拝客や観光客が訪れる観光スポットになっています。今日は元興寺のとっておきの楽しみ方と周辺スポットをご紹介します。

奈良の国宝、世界遺産の元興寺

奈良県奈良市ならまちの中にある真言律宗のお寺・元興寺(がんごうじ)は、古都奈良の文化財であり、世界遺産に登録されている歴史あるお寺です。かつて鬼が住んでいて、法師が退治したという妖怪伝説もあり、それにちなんで鬼の寺としても知られています。30分ほどで見て回れる規模で、普段の日は比較的ゆっくりと見学することができますよ。

1300年続く元興寺の歴史

奈良時代、平城京遷都にともない養老2年(718年)に蘇我馬子が創建した日本初の本格的な仏教寺院、法興寺(飛鳥寺)が、現在の場所に新築移転され元興寺となったそうです。平安時代後期には荒廃し、金堂や五重塔の焼失などがありながらも、中世の住民たちによって信仰され守られてきた経緯があるようです。

また、明治の廃仏毀釈では再び荒廃し、第二次世界大戦後ようやく復興した歴史もあり、時代と共に浮き沈みを多く経験してきたお寺としても有名です。元々はならまち一帯は全てが元興寺の伽藍というほどの大寺院だったそうですが、現在はならまちの一角に極楽坊と僧坊がある境内と五重塔跡を残すのみとなっています。

元興寺の見どころ

国宝の極楽堂

極楽堂のご本尊は仏像ではなく、曼荼羅という大変珍しい形式です。この曼荼羅のご本尊は奈良時代後期の学僧で日本初の浄土宗研究家、智光によって造られたものですが、当初のものは江戸時代に焼失し、現在のものは再興されたものとなっています。

お堂の中央柱にあるご本尊の曼荼羅を囲むように、周囲に諸仏が並んでいます。お堂内は畳敷きのため、夏場は特にひんやりとして涼しく心地よい空間に心が癒されます。堂内から外の板張りの回廊に出て、庭を眺めながら歩くこともできますよ。

日本最古の飛鳥時代の瓦

極楽堂背面と、極楽堂の後ろにある講堂の一部の瓦、数千枚は飛鳥時代に作られたもので、他の瓦と比べて遠目から見てもカラフルで雰囲気が違うことがわかります。重なり合った丸い瓦の葺き方は行基葺きとして知られており、同じ屋根に後世の本葺きの瓦があるので、見比べてみるとわかりやすいかもしれません。

僧房横にある庭園の石塔の通路には日本最古の瓦 眺処という看板がありますので、そこから見ると屋根瓦の全体像がよくわかります。

貴重な国宝が保存されている法輪館

法輪館は本堂に向かって左手にある3階建てのコンクリートの宝物収蔵庫で、1階と3階の見学が可能です。1階には国宝である飛鳥時代の五重塔小塔があります。奈良時代の五重塔として現存する唯一の貴重な塔で、造立当初から屋内に保存されていたそうです。

そのため、当時の色彩が大変鮮やかに残っていて、一見とてもそんなに古いものには思えないところに歴史の凄みと保存の大変さを伺い知ることができますよ。他にも重要文化財に指定された聖徳太子像や平安時代の釈迦如来像などの仏像がたくさん保存されています。

石塔が整然と並ぶ浮図田

浮図(ふと)とは仏陀のことで、浮図田(ふとでん)とは仏塔が稲田のように並ぶ場所という意味。ここでは地水火風空という宇宙を表す5つの部材から作られた五輪塔が目を引きますが、周囲には形式の違うさまざまな石塔が入り乱れています。多くは鎌倉時代から江戸時代初期の僧侶や、自身で生前供養した裕福な人のものだそうです。浮図田にある佛足石は、スリランカ国と元興寺の友好関係を記念して2012年に造られたものです。

福かえる・無事かえるの名石、かえる石

江戸時代の奇石事典である雲根志に載っている大阪城の蛙石は、もともと河内の川べりにあった殺生石でしたが、豊臣秀吉が気に入って大阪城に運び込まれたそうです。それが縁があって元興寺に移設されています。この石には淀君の霊がこもっているという言い伝えもあり、大阪城の堀に身投げすると必ずこの石の下に帰ると言われていたそうです。

受付の売店では、このかえる石にちなんで福かえるという縁起の良いかえるの置物があって人気だそうですよ。

休憩所の小子房は県指定文化財

法輪館横にある小子房は奈良県指定文化財。極楽院の庫裏(くり)は台所として機能していた場所で、今は休憩所として使われています。冬場にはストーブが焚かれていて内部はとても暖かく、座布団の敷かれた畳敷きのスペースもあるのでゆっくり休んで身体を温めることができます。

元興寺の萩は秋の風物詩

元興寺の花は四季折々の迫力があり、花見の寺としても知られています。中でも秋の萩は大変有名で、極楽堂前に大きなスケールで咲く様子には何とも言えぬ和の景観美が味わえます。

また、春は桜。奈良の八重桜が受付前の駐車場や極楽堂前に咲き乱れ壮観です。初夏は蓮。境内奥の基壇上に大きな鉢がたくさんあり、開花時期になると睡蓮が咲き乱れます。夏は青々とした桔梗も見頃を迎えます。そして冬には水仙、梅、南天などが楽しめます。

元興寺は鬼の寺。節分会に参加しよう

鬼顔がかわいい元興神

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その昔、元興寺には鬼が住んでいて、その鬼を道場法師が退治したことが日本霊居記に記されています。元興寺は元興神がいるお寺なので、節分会では他とは違って「鬼は内、福は内(鬼も内におり、福もうちにいる)」と言いながら豆まきをするそうですよ。

元興寺内にはたくさんの石塔がありますが、石塔に混じってかわいい元興神の石像が5体あるので、ぜひ探してみてください。また、売店には人気の元興神グッズもたくさんありますのでチェックをお忘れなく。

豆まきだけではない大迫力の節分会

毎年2月3日の節分会は拝観料が無料になり、柴燈大護摩供が行われます。法師姿の行者たちが炎の中に不動明王を勧進し、護摩木を焼き厄除けと招福を祈願する行事で、大変迫力がありますよ。

また、それとは別に福豆まきの時刻からは、参拝客に先着限定で福豆授与も行われます。節分会では色鮮やかな厄除け鬼の土鈴も販売され、赤鬼は貪欲、青鬼は怒り、黄鬼は我儘、黒鬼は愚痴、緑鬼は不摂生をあらわすそうです。克服したい色を選び、厄除けしていただき仏様の心に近づけます。なお、節分会の日は法輪館は閉館しているのでご注意を。

元興寺の御朱印をいただこう

御朱印は有料で、入口受付窓口でもらえます。ご本尊のチコウマンダラ(極楽浄土に導いてくれる仏様)、薬師如来のルリコウ(病気を治してくれる仏様)、地蔵菩薩のインソウジゾウ(子孫の成長を見守ってくださる仏様)の3種類があります。どの仏様のご利益をいただきたいかで書いてもらう御朱印を選ぶのもおすすめです。

先に受付に御朱印帳を預けておくと、帰りにいただくことができますよ。また、元興寺のオリジナル御朱印帳も販売されているので、世界遺産の旅の記念にも最適です。

ご利益のある元興神のお守り

入口受付の売店には、元興寺に現れた元興神こと、鬼を模したお守りやグッズがたくさんあって大変人気です。特にステッカーは赤と青の2種類があり交通安全・心身平安のご利益があるため、車に貼る人もよく見かけます。

他にもお守りや絵馬など、鬼かわいいグッズがいっぱいありますよ。寺内の資料館、法輪館内にも売店がありますが、そちらは無人の場合もあるので、その時は入口で購入してください。

小川又兵衛商店でちょっと休憩

元興寺の目の前にあり、元興寺を眺めなが休憩できる小川又兵衛商店は老舗の酒屋さんです。奈良は清酒発祥の地でもあり、地酒がとっても豊富です。お店自体が登録有形文化財で、店内には商品搬入搬出用のトロッコがあり、運が良ければ作業を目にすることができますよ。

飲み比べセットや地ビール、チーズなど簡単なおつまみもありちょっと一杯楽しむことができるのでお酒好きの方にはたまりません。もちろんソフトドリンクもありますよ。看板犬の芝犬・福くんもいます。

住所|〒630-8391 奈良県奈良市鵲町8番地
営業時間|AM3:00~7:00(平日)、AM10:00~PM7:00(土日祝日)
定休日|なし、正月3が日は休み
電話|0742-27-6611
公式サイトはこちら

元興寺へのアクセス

公共交通機関での行き方

近鉄奈良駅から徒歩15分、JR奈良駅からは徒歩20分で到着します。
バスを使う場合は、近鉄奈良駅の駅前バス停3番のりばから奈良交通バス天理駅または下山行きに乗車し、福智院町で下車、 徒歩5分で到着します。

車での行き方

大阪方面からの場合は第二阪奈有料道路を利用し、国道308号線を進むと到着します。京都方面からの場合は、京奈和自動車道(有料道路)を利用し、木津ICで降りて奈良バイパス(国道24号線)を進むと到着です。元興寺の無料駐車場は受付前にありますが、お寺前の道路はかなり狭いので注意が必要です。

住所|〒630-8392 奈良県奈良市中院町11
営業時間|AM9:00~PM5:00
定休日|なし
電話|0742-23-1377
公式サイトはこちら

まとめ

いかがでしたか。鬼伝説の残る国宝かつ世界遺産の元興寺。1300年という歴史あるお寺の中では、はるか古来から現代に残されたさまざまなものを目にすることができて、新鮮な感動に包まれます。境内に隠れている5体の鬼探しもとても楽しいですよ。奈良を訪れた際にはぜひ足を運んでみてくださいね。