二上山は二つの山頂を持つ双耳峰の山。古代万葉ロマンがたっぷり

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私の出身地は大阪です。在職中は国内各地を仕事でまわりましたが、今は気のむくままに向かう小さな旅先で出会う風景写真を撮り楽しんでいます。新緑映える山尾根歩きや古人訪ねる歴史探訪の旅が気に入り面白いです。

二上山は古代王権大和ど河内ば行ぎ来する日本最古の竹内街道スンボル

奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町にまたがる二上山は、美しく優美な山容で万葉集にも詠われる、雅の都として栄えた場所です。山の各所に当時を忍ぶ貴重な史跡が残され、古代巡礼の登山客が訪れる人気スポットになっています。今日は万葉の文化をささえた二上山の見どころと山歩き、周辺観光スポットをご紹介します。

二上山は万葉文化を支えた山

山容は双耳峰の二上山

奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町にまたがる二上山。二上山は古代の大和言葉で「ふたかみやま」と呼ばれていたそうです。つまりこれは二神の山という意味で、男神と女神を祀る双耳峰山のことを指すものです。

奈良盆地南部から、北部にかけて見える右側の三輪山と相応するように、左に二上山の眺めが広がります。仏教信仰を持つ当麻寺の二上山と、神道信仰の大神神社がある三輪山。数々の古墳や遺構が残されるこの地域は、切っても切れない縁で繋がっているのでしょう。

北方山頂は標高517mの雄岳

古代は神様の山であった雄岳の頂には、葛木二上神社と大津皇子御陵が祀られています。林中の雄岳山頂からは、その展望は残念ながら見ることができません。従兄草壁皇子との皇位継承問題で叔母に謀殺されたと言われる天武天皇の息子、大津皇子の御陵は明治時代に作られました。

南方山頂は標高474m雌岳

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雌岳山頂からの見晴らしは古道竹内街道、河内平野が一堂に見渡せる抜群の眺望です。古来もここから街道を往来する旅の人々の姿が見えたことでしょう。雌岳は馬の背から10分ほど登ると見晴らしが良い山頂に行くことができます。また雌岳頂の南側より下って行くと岩屋史蹟や万葉の森があります。

二上山は古代、雨乞いの場所でもあった

雄岳登山道の展望

現在は雌岳の祠はなくなり、雄岳に残る祠は雨乞いの神だけになっています。農作物の生育に欠かせない雨を乞うため、のぼりや提灯を手に人々はこの地を参拝したと伝えられています。登山道の途中にある木々の隙間からは、雌岳越しに見える岩橋山や金剛山、葛城山の美しく連なる山影を眺めることができるでしょう。

雌岳広場で古代ミステリーに出会う

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二上山雌岳の広場には日時計と太陽の道の説明板があります。この地は、太陽の道と呼ばれる北緯34度32分の線上に近接。西は淡路島の伊勢の森、堺市の大鳥神社、そして大和の二上山、箸墓、三輪山、また伊勢の斎宮跡、伊勢湾の神島まで、どういうわけか北緯34度32分には古代祭祀の遺跡が並び、本当にミステリアス。モニュメントの日時計を見て太陽の道を想像してみましょう。

古代二上山は石材採掘場

石切場跡

有史以前の二上山周辺は今から2000万年前の大噴火でできた山。古来の二上山は、火山灰が堆積してできた凝灰岩の採掘場としても使われていたことからも、もともとは火山であったことがわかります。白くて美しい凝灰岩は二上山白石と呼ばれ、石材として大変重宝されました。細工しやすい凝灰石は平安京造営にも使われました。また、古墳時代末期の飛鳥の高松塚古墳や石棺、寺の基壇にも使われています。

噴火が残した貴重な資源

古代、二上山で採掘された三つの種類の石。王の棺として切り出された疑灰石、明治以降、国内で90%余りの生産を占めた研磨材としてのガーネット、そして2000年前の弥生時代に至るまで採掘された青銅や鉄と同じく重要な資源となっていたサヌカイト。2000万年前の大噴火は、貴重な資源をこの山に残していったと言えるでしょう。

二上山の歴史ロマンと街道

鹿谷寺跡

奈良時代に二上山山麓に造られた鹿谷寺(ろくたんじ)の跡。奈良時代に作られた十三重石塔と、岩窟に彫られた三尊坐像の線刻が残る日本では珍しい石窟寺院の跡が見られます。十三重石塔は、凝灰岩を削り残して塔にした繊細で手間のかかった地面と一体型の石塔です。石塔と線刻の三尊坐像を拝む僧侶や貴族の旅人たちで、当時はさぞ賑やかだったのではないでしょうか。

国史跡 岩屋(石窟遺跡)

鹿谷寺跡を過ぎると国史跡 岩屋があります。出土される須恵器等から、8世紀の奈良時代のものではないかと言われているそうです。

築造岩屋の前にはかつて高さ28m、樹齢約1000年の岩屋杉がありましたが、残念なことに10年前の台風で倒れてしまいました。しかし、その巨大な杉はそのまま横たわっており、倒れてなお迫力があります。当麻寺に所蔵されている当麻蔓陀羅は、中将姫がこの岩屋で織ったとする伝説が残っているそうです。

二上山周辺のおすすめ立寄りスポット

近つ飛鳥博物館

近つ飛鳥(ちかつあすか)博物館は、日本を代表する群集墳である一須賀古墳群の近くにある博物館。一須賀古墳群から出土した須恵器や三角縁神獣鏡、銅鐸、冑の復原模造品といったものを実際に手にとり、学芸員の説明を受けることができます。また豊富な資料や、土器の復元パズルなどもあって楽しめます。

軽食コーナーやミュージアムショップもあるので、古代ファンはぜひ立ち寄ってみてください。二上山麓の竹内街道から車で10分ほどの場所にあり、歴史ロマンをさらに掘り下げることができるでしょう。

住所|〒585-0001 大阪府河南町東山299
営業時間|AM09:45-PM17:00
定休日|毎週月曜日
電話| 0721-93-8321
公式サイトはこちら

磯長山叡福寺

叡福寺は推古天皇が建立した聖徳太子の墓所があるお寺です。戦国時代に焼失しましたが、江戸時代に豊臣秀頼が聖霊殿を再建しました。参拝者で賑わう太子まいりは毎年4月11日と12日に開かれます。お寺の三骨一廟とは、北古墳に祀られる聖徳太子と母、そして太子の妃のことを示すものです。

住所|〒583-0995 大阪府南河内郡太子町太子2146
営業時間|なし
定休日|なし
電話|0721-98-0019
公式サイトはこちら

二上山最寄りのおすすめ食事処

万葉の森レストラン

二上山登山道口から徒歩3分ほどの場所にあるログハウス風のレストランです。二上山登山口から雌岳山頂まで山道徒歩40分ほどですので、ちょうどいい休憩ポイントになりますよ。登山道の駐車場敷地内にあるレストランなので、飲食利用の駐車は無料です。

ボリュームたっぷりの日替わりランチ

ランチは日替わり定食で、その日のメニューは看板をチェックしてください。手作りで地産地消の野菜中心の健康メニューが揃っています。ログハウス風の店内は登山客で賑わっていて、特に年末年始には日の出を見に来る登山客で大変賑わうそうです。

二上山へのアクセス

電車での行き方

最寄り駅は近鉄南大阪線の二上山駅です。二上駅は標高101mの地点にあり、駅から雌岳までは標高差373mのハイキング道が続きます。大津皇子御陵がある標高517mの雄岳頂上には、登山道から二上神社口分岐を目指して山道を徒歩90分ほど歩く道が続きます。登山後の帰りは、当麻寺も近いので立ち寄ってみるのも良いでしょう。

車での行き方

南阪奈道路の太子ICから府道703号線沿いに約3km、13分ほどで到着します。駐車場は、竹内街道(国道166号)沿いの万葉の森レストランがある第1駐車場と第2駐車場があります。万葉の森の敷地内の駐車場に駐車するにはお店の利用が必要。駐車場から徒歩3分ほどの登山口から雌岳山頂までは山道を40分ほど歩くと到着します。

住所|〒583-0992 大阪府南河内郡太子町山田
営業時間|なし
定休日|なし
電話| 0721-98-1558
公式サイトはこちら

まとめ

古代万葉時代の二上山は、華々しいまほろばの都であったことを身近に感じる山歩き。歴史ロマン溢れるタイムトラベルの旅は心を好奇心と憧れで豊かにしてくれる気がします。大阪を訪れたらぜひ足を伸ばしてみてくださいね。