中目黒を見渡す西郷山公園。展望台はドラマのロケにも使われている

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トラベルパートナー: naolalala

東京出身。旅行に行くのなら絶対海外派。最近はアメリカやオーストラリアの国立公園の魅力にはまってしまって、旅行先にはなるべく自然の多いところにしています。週末はぶらぶらお散歩が好きなので、近場を歩きながら気になったモチーフなどを写真におさめます。美味しいスポットも絶対おさえます。

西郷山公園の芝生で大の字になって桜を見上げよう!

東京の桜の名所である目黒川沿いから、旧山手通りに向かう斜面をそのまま利用した西郷山公園。名前から想像がつく通り、西郷隆盛の弟従道の別邸だった場所です。中目黒と代官山という都会に広がる、目黒区立西郷山公園を紹介します。

西郷山公園と西郷家との関係

中目黒と代官山というおしゃれなお店が並ぶ、2つのエリアを結ぶようにある西郷山公園。都会のオアシス的な場所で、近隣に住む若いママや子どもたちの憩いの場にもなっています。

西郷山公園とは

都内でも有数の高級住宅街、目黒区青葉台にある区立西郷山公園(さいごうやまこうえん)。明治維新の英雄西郷隆盛のゆかりの地であり、西郷山とこの一帯が呼ばれていたため、そのまま公園名がつけられました。1万平方メートルと広大とはいえないものの、都会的な街で景観も良いことから、地元の人たちや仕事中の休憩をするサラリーマンの姿も見られます。

西郷家との関係

もともとは江戸時代、豊後(現在の大分県)岡藩主中川氏の回転式庭園が有名な屋敷があった場所です。明治時代、政府から離れ鹿児島へ帰国してしまった西郷隆盛を、弟の従道(じゅうどう・つぐみち)が連れ戻すためにこの土地を購入。しかし隆盛は薩摩を離れずそのまま西南の役で戦死したため、従道自身が別宅として利用したものです。

当時は6万平方メートルの広い敷地があり、書院造りの和風建築とフランス人建築家レスカス設計の洋館が並ぶ壮大な屋敷でした。

西郷家の邸宅跡地にできた公園

西郷家は1941年に渋谷へ移転し、土地は鉄道省に渡ります。東京大空襲により和館は焼失し、残った洋館は1963年愛知県犬山市の明治村に移築されます。その後邸宅の跡地の一部が公園として整備され、1981年に西郷山公園として開園したのです。

西郷山と呼ばれた高台にある公園

目黒は起伏の多い土地で、谷や丘、台という地名が多い場所です。西郷山公園があるのは青葉台、登り切り旧山手通りを渡ると代官山町になります。西郷山は山ではありませんが、高台を意味する土地に位置しています。

斜面を利用した丘の上の公園

大地の斜面を利用した、高低差のある西郷山公園。冬の晴れた日には富士山が見える、代官山寄りのもっとも高い場所は展望台になっています。大きく枝を広げる桜の木がある芝生広場では、春になると花見を楽しむ人たちでにぎわいます。

代官山側から降りていく

代官山駅から旧山手通り沿いを歩いていくと、西郷山公園の高台に着きます。ここから、中目黒周辺を見渡すことができます。緩く曲線を描く木々に囲まれた階段や坂道を下りきり、すぐのところを流れているのが目黒川です。

中目黒側から登っていく

目黒川の方面からは、当然登りになります。急な階段か、つづら折りになっている坂道をゆっくり上がるかふたつにひとつ。周囲の木々を眺めながら、坂道を上がっていくのがおすすめのコースです。いい運動にもなるので、地元の人の散歩コースとしても利用されています。

西郷山公園の見どころ

子どもたちでにぎわう芝生広場

西郷家の人々がこの地を離れてかなりの年月が経っていますが、よく見ていくとゆかりのあるものがまだ残っています。斜面の多い西郷山公園の中では、もっとも広い平面の大地にある芝生広場。公園のふもとには保育園があり、芝生広場はいい遊び場です。平日は子どもたちの声が響いています。広場の周辺には、園路や人工の川の流れが造られています。

鹿児島から届いた記念樹

旧西郷従道邸の跡地の一部が公園になるということで、鹿児島市や川内市、鹿谷市など鹿児島県内14の市から約200本の木々が寄贈され、記念碑も建てられました。西郷山公園が周辺の都会的な街並みとは違う、美しい木々に囲まれているのはこのおかげです。いつまでの西郷家を誇りに思い続けている薩摩人の気持ちがしみじみと伝わってきますね。

薩摩の象徴、桜島の溶岩石も木々とともに

植樹された際に、西郷隆盛を敬愛する人たちがともに贈ったのが薩摩の象徴桜島の溶岩石です。公園のところどころに置かれ、オブジェのようになっています。いまだに「西郷さん」と親しみを込めて呼ばれる、隆盛への愛情と尊敬がうかがえる石です。

斜面を利用した人工滝

芝生公園の北側には、人工の小川があります。その小川から斜面を利用して造られたのが、落差20メートルの滝。これももちろん自然のものではなく、人工で造られたものです。そのため常に水が流れているわけではなく、9時30分から11時30分、14時から16時の間だけ見ることができます。

風情のある枯れた池

西郷山公園のふもとにある小さな池は、残念ながら干上がった状態ですが以前は水量が多く水をたたえていたといいます。ただ、むき出しになった池の底に点在する石や周りを囲む木々によって、見方を変えれば庭園のようにも感じさせます。

ロケ地としても人気の公園

都心からのアクセスが良いこともあり、ロケ地として使用される機会が多い西郷山公園。90年代を代表するトレンディードラマ「東京ラブストーリー」の有名なシーンで登場したのは、西郷山公園の展望台です。現在でも、ファッション誌の撮影などで利用されています。

園内の高台にあるグリーンカフェ西郷山

代官山側の高台にあるカフェ。木のおもちゃやスケッチブックなど、子どもでも飽きない工夫がされているお店です。店内だけでなく外のテラス席でも食事ができることから、季節を感じながらホッと一息できるスペースです。

もうひとつの西郷家ゆかりの公園

西郷山公園と兄弟のような菅刈公園

西郷山公園から、目黒川に向かって下った場所にある菅刈(すげかり)公園。ここも西郷邸の跡地を利用した公園です。旧西郷邸の洋館や和館、庭園の跡地を利用した、面積約2万平方メートルの敷地が広がります。庭園の石組みが良好に残されていたことから、公園の一部は当時の西郷邸を復元する形で整備されています。子どもたちのための、遊具もそろった公園です。

復元された日本庭園

江戸時代の回遊式庭園が再現されているのは、菅刈公園の北側です。池とふたつの滝があり、そばには展示室や地域住民が利用できる和室、庭園展望室を備えた和館があります。公園を彩る木々は鹿児島だけでなく、大分や宮崎の市町から贈られた記念樹です。

西郷山公園へのアクセス

電車での行き方

東急東横線中目黒駅からは、駅前の山手通りの信号を渡って左に進みます。そのまま直進しドン・キホーテとスターバックスロースタリーの間の道を右へ入り、目黒川を渡って左手に菅刈公園を見ながら道なりに進むと、西郷山公園の中目黒側の入り口にでます。徒歩約12分です。

住所|〒153-0042 東京都目黒区青葉台2丁目10−28
営業時間|24時間営業
定休日|なし
電話|03-5722-9741
公式サイトはこちら

まとめ

都心でも代々木公園のような大きな敷地をもつ公園はありますが、斜面を利用した施設は珍しいかたち。喧騒から離れて過ごすだけでなく、散歩などにも利用価値の高い公園です。高台から見える景色は、東京でもまだこんな場所があるのかと思えるような美しさがあります。