西大寺は東大寺と並び栄えた大寺院。美しい灯籠が立ち並ぶ本堂は必見

公開日:2019/2/20 更新日:2019/5/17

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静岡県出身、歴史好きが高じて奈良県に移住しました。奈良県の記事をメインで書いています。旅行は家族で出かけることが多いです。神社仏閣の紹介が得意です。散歩や食べ歩きが趣味で、カメラを片手に日々新たな撮影スポットやおいしいお店を探しています。
秘仏・愛染明王は縁結びにご利益あり!やで~

奈良県奈良市にある真言律宗総本山西大寺。聖武天皇が平城京の東に東大寺を建立したのに対し、娘の称徳天皇(孝謙上皇)が西に建てたのが始まりです。平安京遷都により寂れた時期もありましたが、鎌倉時代に再興。応仁の乱で戦火に遭い堂塔を失うも、江戸幕府によって再建と何度も復活したお寺。そんな西大寺を紹介します。

西大寺の概要

たびたびメディアでも取り上げられる、巨大茶碗で回し飲みする大茶盛で有名な西大寺。その大茶盛だけでなく、鎌倉時代のものを中心に数々の仏像を所蔵。とくに、本堂の釈迦如来立像は見るものを惹きつけます。また、約300個の灯篭で照らされている堂内や広い境内の蓮の花の美しさは必見です。

西大寺の歴史

西大寺は、764年称徳天皇が鎮護国家と平和祈願のために、7尺(約212メートル)の金銅四天王像を造立発願したのが始まりです。平城京の東に東大寺、西に西大寺という名前の通り南都7大寺のひとつでしたが、たびたびの災害もあり平安時代後期に衰退。鎌倉時代に叡尊上人により、真言律宗の戒律を守り教える根本道場として復興したものの、応仁の乱で被害を受けてしまいます。

しかし、江戸幕府の寄進によりほぼ今の形になり、現在は全国約90ある末寺の真言律宗の総本山として栄えています。

西大寺の見どころ

灯籠のあかりが幻想的な本堂

西大寺には、高い天井をもつ本堂内を照らす幻想的な灯篭や、歴史を感じさせるお堂や仏像など見どころがたくさんあります。江戸時代に建立された本堂。天井が高く広い堂内は、約300個の灯篭で照らされ独特な雰囲気を醸し出しています。重要文化財に指定されている、土壁を施さない総板壁が珍しいですね。堂内には、ともに重要文化財の御本尊の釈迦如来立像や文殊菩薩騎獅及四侍者像が安置されています。

奈良時代の邪鬼が見られる四王堂

西大寺創建時に称徳天皇が、金剛四天王像を祀るため最初に造立した四王堂。再三焼失した江戸時代の再建されたものですが、創建時とほぼ同じ位置にあります。金剛四天王像は現存していませんが、四天王像のひとつ増長天が踏む邪鬼は、たびたびの火災にも焼け残り創建当時の姿を伝えているものです。

重要文化財に指定されている約5メートルある十一面観音立像は客物本尊として祀られているもので、そのためこのお堂は観音堂とも呼ばれています。

秘仏愛染明王が安置されている愛染堂

鎌倉時代の傑作とされる、秘仏愛染明王坐像を祀るお堂。恋愛成就や縁結びにご利益があるといわれています。秘仏とされていることから保存のため普段は厨子(ずし)に入れられていますが、年に2度公開期間があります。良縁を求める人はこの時期にお参りをしましょう。

お堂は京都近衛邸の御殿が移築されたもので、奈良県指定文化財。また日本における彫像の傑作として名高く、国宝に指定されている興上菩薩叡尊坐像も安置されています。

聚宝館は宝物の収蔵庫

入り口すぐの金堂宝塔が今でも美しく輝いている、多くの寺宝を収蔵するための聚宝館(しゅうほうかん)。年に3回期間限定で公開されています。見どころはもともと四王堂に安置されていた、木心乾漆造り(もくしんかんしつづくり)でやさしい顔立ちが目をひく吉祥天立像。奈良時代に行われていた、吉祥悔過会の本尊だったと伝わっています。

かつての栄華が感じられる東塔跡

本堂前にある巨大な礎石が残る東塔跡。創建当初のものは平安時代、再建されたものの室町時代に焼失してしまいましたが、その基壇の大きさから当時の規模がうかがえます。西大寺の公式スマホアプリのオーディオガイド(有料)をダウンロードし、今はない礎石にかざすと当時の塔のある風景を見ることができます。

装飾が美しい鐘楼

兵庫県川西市の多田神社が、まだお寺だったころの江戸時代の鐘楼が移築されたもの。東塔跡のそばにあり、かなり大きく目立ちます。その大きさとは逆に、軒下の装飾は華やかさでありながら繊細な細工がされています。



地蔵尊など石仏の数々

境内の南の端で見られる、赤い前掛けをしたたくさんの西国三十三か所観音像や地蔵尊。境内には子守延命地蔵尊が祀られ、子どもの病などで悩む親御さんが参拝に訪れています。地蔵尊を祀る西大寺は、子どもはかけがえのない国の宝という理念のもと、1950年(昭和25年)から境内で幼稚園を運営しています。

西塔跡と緑色の観音像

境内の隅の方にひっそりとある、西塔跡と書かれた場所。東塔と同じ創建当初に建てられたもので、東塔と同じ規模だったと伝えられています。西塔は平安時代焼失後再建されなかったため、東塔に比べ知名度は低くめです。現在は西塔跡手前に建つ、近代的で大きな緑色の平和観音像の方が目立っています。

不動堂(護摩堂)

本堂横に建つ、1643年ごろに建立されたと伝わる小さな不動堂。宝山寺の開基湛海が、江戸時代に造った不動明王坐像が祀られています。もともとは愛染堂の南にありましたが、1979年(昭和54年)に、現在の場所へ移築されたものです。毎月28日には、護摩祈願が行われています。

大茶盛式に参加しよう

新年と春や秋に行われる、西大寺でもっとも有名なイベントお茶盛。直径30センチある巨大茶碗を、隣の人と支え合いながら回し飲みするユニークな行事です。

当時高級品だったお茶。西大寺中興の祖である叡尊上人が献上した、あまりのお茶を庶民にふるまったことが始まりとされています。30名以上の団体なら、予約すればいつでも実施が可能です(有料)。

6種類の御朱印がいただける

釈迦如来や愛染明王、十一面観音など、全部で6種類ある西大寺の御朱印。本堂、愛染堂、四王道それぞれの入り口でいただけます。なぞる写仏と写経用紙がついた大和十三仏写仏納経帳などのオリジナル御朱印帳や、売店にはお茶盛をデザインした手拭いなども販売されています。

ガトー・ド・ボワで休憩

1991年世界最高峰の洋菓子コンクール、クープ・ドュ・モンド・パティスリーで日本人として初めて優勝したパティシエ林正彦氏のお店です。西大寺の東門を出て、道路を挟み斜め向かいにある奈良県の人気店。イートイン、テイクアウトどちらも可能です。

Address 〒630-0824 奈良県奈良市西大寺南町1−19 エクセルハイツ西大寺駅前 101
Hours AM9:00~PM7:00
Closed 毎週木曜日
Tel 0742-48-4545
Web http://www.gateau-des-bois.com/

西大寺へのアクセス

電車での行き方

近鉄大和西大寺駅下車、南口を出て右方向へ徒歩約3分です。

車での行き方

西名阪自動車道郡山ICより国道24号線経由で約20分。京奈和自動車道の木津ICからの場合は県道104号経由で約20分です。境内内に有料駐車場があります。

Address 〒631-0825 奈良県奈良市西大寺芝町1丁目1−5
Hours AM8:30~PM4:30
Closed なし
Tel 0742-45-4700
Web http://saidaiji.or.jp/

まとめ

平安時代より前に都が置かれていた奈良。その奈良に建立されたお寺だけに、歴史のある建物や仏像が残っています。また何度も焼失、再興を繰り返した歴史があるだけに、復活の御利益がありそうです。現在物事がうまく進んでいない人は、お参りしてみてはいかがでしょう。