アイヌ神話の舞台。神居古潭は鉄道好きや地質好きにもおすすめの景勝地

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東京出身。住んだことのある北海道や栃木の記事を中心に、ライティングしています。写真が好きで、絶景を求めて日本各地を旅しています。

神居古潭は知られざる魅力いっぱいの、穴場的スポットですよ!

北海道にある神居古潭は、アイヌの神話が残るパワースポット。地質学的にも歴史的にも貴重な土地で、ここでしか見ることができないものがたくさんあります。また、ノスタルジックな旧駅舎などフォトジェニックなポイントも多数。自然好きと写真好きにとくにおすすめです。大自然と、独特の雰囲気とのコントラストを楽しんでください。

旭川八景にも選定される景勝地

神居古潭とは、いったいどのようなエリアなのでしょうか。アイヌの聖地として知られ、歴史ある神居古潭の概要を見ていきましょう。

風光明媚な景勝地である神居古潭は、北海道旭川市にあるスポットです。アイヌ語で神の居るところに由来する地名を持つアイヌ民族の聖地で、険しい山を貫くように流れる石狩川の両岸に位置しています。

神居古潭では、もう廃線された旧神居古潭駅の駅舎や、SLの展示を見ることも。ノスタルジックな雰囲気漂う駅舎と、周囲の大自然の風景が見事なコントラストとなり、絶好のフォトスポットになっています。

地質学的にも貴重な場所である神居古潭は、過去にはNHKのバラエティ番組「ブラタモリ」のロケ地となったことも。また、マンガ「うしおととら」の舞台としても知られ、近年はパワースポットとしても人気が高い場所です。

アイヌ神話の舞台

神居古潭には、どのような神話が隠されているのでしょうか。神話にまつわるスポットも多数残っている神居古潭。詳しくご紹介します。

神のいる場所 神居古潭

神居古潭がある石狩川は、川幅が狭く流れが急な河川。神居大橋から川を見下ろすと、急で複雑な川の流れが渦を巻くような形をつくっているのがわかります。アイヌの人々は水上交通を利用していましたが、流れが複雑な神居古潭は難所でした。彼らにとって、ここで多くの犠牲が出るのは魔人ニッカネムイの仕業。神話によると、魔人ニッカネムイは守護神サマイクルとの戦いによって滅んだとされています。

神居古潭の周りには、この神話にまつわるスポットもあります。そのひとつが、川岸にある魔人の足跡。他にも、山の中腹ではニッカネムイの首、サマイクルの砦という名称で知られる奇岩を見ることもできます。

縄文人も住んでいたかも

神居古潭のほとりでは、ストーンサークル遺跡も発見されています。新居山の中腹にあるこの遺跡は縄文時代後期のもの。当時の共同墓地だったと考えられています。

また、石狩川の川岸には竪穴式住居跡もあり、かなり古い時代から人間が暮らしていたもよう。極寒の北海道で、いったいどうやって生活していたのでしょうか。

郷愁をさそう旧神居古潭駅

神居古潭を訪れたら外せないのが、旧神居古潭駅です。独特の雰囲気がノスタルジックな郷愁を誘う旧駅舎をご紹介します。

当時の姿をとどめる旧神居古潭駅舎

こちらの駅舎があるのは、旧函館本線の神居古潭駅があった場所。神居大橋を渡ったところにあります。昭和44年にトンネルが開通したことで廃駅となった神居古潭駅。

現在の姿は平成元年に復元されたものです。旭川市の指定文化財であるこの駅舎は明治時代に建てられた貴重な西洋建築の様式によるものだそうで、モダンな雰囲気が印象的。まるで時間が止まったような内部の雰囲気も魅力的です。

静態展示されているSL

屋外に展示されているのは、3両のSL機関車。そばに近づいて見ると、その大きな車体の迫力に圧倒されます。かつてこのあたりは北海道の三大車窓風景といわれていたそうで、SLが大活躍していた当時の様子を想像してみるのもおすすめ。

また、神居古潭では川底に残されている車両があるという説もあります。もしかしたら、昭和7年に崖崩れによって石狩川に転落した貨物列車が沈んでいるかもしれません。

残されたプラットホーム

こちらは、駅舎の前にあるプラットホーム。駅名の入った看板とともに、線路のない森の中にあるホームは少し不思議な雰囲気。ぜひプラットホームの上に立ってみてください。夏には木々の緑が、秋には紅葉が美しい撮影スポットでもあるプラットホーム。線路跡の遠近感を利用すると素敵な写真が撮れますよ。

また、神居古潭から旭川市街まで整備されているサイクリングロードは、旧函館本線跡を利用したもの。人気でしたが、現在は落石などの危険があるため通行止めになっています。再開する日を待ちましょう。

北海道がつながった場所?地質学的にも重要な神居古潭

地質学的にも貴重なスポットである神居古潭。いったい、どのような点が貴重なのでしょうか。詳しく解説します。

世界的にも珍しい貴重な場所

日本の地質百選にも選ばれ、地質学的にも貴重なスポットとして知られている神居古潭周辺。大昔に北海道の西半分と東半分が衝突してつながっているこの場所は、新居古潭を中心に新居古潭変成岩帯と呼ばれています。

神居古潭の川岸でよく見かけるのが、蛇紋岩という岩。水をたくさん含むと浸食されやすい蛇紋岩は、濃い緑色で蛇の模様のように見えます。なお、神居古潭の渓谷はこの蛇紋岩が浸食されてできたもの。

川岸にたくさん空いた不思議な穴

新居大橋から川岸を覗き込んでみてください。岩に不思議な穴があるのがわかるはず。これは「おう穴」と呼ばれる穴で、岩のくぼみにはまった小さな石が水流によってクルクルと回ることで開けられたものです。

神居古潭おう穴群と呼ばれている一帯は天然記念物に指定されていて、学術的にも重要なスポット。大きく分けて7つのかたまりになり、1.2kmの範囲におう穴群が分布しています。中には、魔人の足跡と呼ばれているおう穴も。アイヌの神話にちなんだもので、2つの巨大なおう穴なので、ぜひ探してみてください。

ブラタモリにも登場 難工事によって開通したトンネル

NHKの番組「ブラタモリ」でも神居古墳が紹介されました。同番組は、地質好きのタモリさんが日本各地を旅する番組。この場所が地質的にいかに重要なのかが語られました。

旭川に人や物資を運ぶにあたって大きな障害となっていた神居古潭周辺の険しい山々。それを突破したのが、神居古潭につくられたトンネルでした。蛇紋岩という崩れやすい岩を削るトンネル工事は難関を極めましたが、結果的に難所だった神居古潭は交通の要衡に。旭川の発展に大いに貢献しました。

紅葉に彩られる秋の神居古潭

神居古潭は紅葉スポットとしても有名。石狩川の両岸が美しい紅葉で飾られます。ナナカマド、ミズナラ、カエデなどの木々の紅葉と、川岸の岩肌とは見事なコントラスト。

見ごろは10月上旬から下旬ですが、雪が降り始める時期なのでスタッドレスタイヤの着用を忘れないようにしてください。秋だけではなく、春の桜や初夏の新緑の時期もおすすめ。自然を楽しみながら散策していると、キタキツネに出会えることもあります。

神居古潭のおすすめ撮影スポット

なんといっても神居古潭はフォトジェニックなスポットとしておすすめ。数多くある撮影スポットについてご紹介します。

神居古潭のシンボル 神居大橋

神居大橋は、石狩川にかかる吊り橋です。神居大橋を渡ると、旧神居古潭駅がある側に出ることが可能。一度に100人以上渡れませんという看板に少しどきりとさせられます。ここにきたら、神居大橋を手前にして写真を撮るのがおすすめ。石狩川と背後の山々が切り取られた美しい写真を撮ることができます。

春には桜、夏には新緑、秋には紅葉と、それぞれの季節の自然と白い神居大橋とのコントラストは見事。なお、現在の橋は1938年に架設されたもので、冬は通行止めになります。通ることはできませんが、一面の雪景色に包まれた神居大橋は絶好の被写体です。

旧神居古潭駅の周辺

森の中に佇む旧神居古潭駅も、絶好のフォトスポット。明治時代に建てられた駅舎では、ノスタルジックな写真を撮ることができます。駅舎の他、プラットホーム、看板、SL、トンネルと、そこにあるすべてがおすすめの撮影スポット。どこを切り取っても絵になります。

また、旧神居古潭駅では、こたんカフェというイベントが不定期で開催されます。運が良ければ、旭川のゆるキャラ・あさっぴーに会えるかも。

紫蘇ジュースが美味しい南山商店

南山商店は、神居古潭のほとりにある昔ながらの雰囲気のお店。店内にある色褪せたポスターなどが良い味を出していて、のぞくだけでも楽しい空間。名物おかあさんもいます。

ここでは、名物の紫蘇ジュース・古潭そだちを手に入れることが可能。さっぱりとした甘酸っぱい味わいは、特に夏場におすすめ。その場で飲むこともできます。ゆでたてを提供してくれるゆでとうもろこしも大人気。甘くて美味しい北海道のとうもろこしは絶品です。近隣で採れた新鮮な野菜やフルームも販売。

住所|〒078-0185 旭川市神居町神居古潭
営業時間|朝~夕方
定休日|不定休
電話|0166-72-2102
公式サイト|なし

神居古潭へのアクセス

車での行き方

神居古潭までは、JR旭川駅から車で約30分かかります。

バスでの行き方

旭川市街からバスに乗り、神居古潭で下車してください(約30分)。そこから神居古潭までは徒歩5分の道のりです。

まとめ

北海道旭川にある神居古潭は、貴重な地質やアイヌの神話が残る神秘的な場所。見事な自然の景観、ノスタルジックな旧駅舎など、他では味わえない雰囲気を味わうことができるスポットです。北海道を訪れたら、ぜひ足を運んでみてください。