忘れてはいけない歴史を伝える長崎原爆資料館

公開日:2019/3/6 更新日:2019/8/16

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福岡生まれの福岡育ち、九州周辺を旅行することが多いです。 お寺や神社が好き。子供と遊べるような公園や動物園などもよく利用します。
戦争について学べる大事な場所ばい

第二次世界大戦で広島に原爆が落とされ、世界で唯一の被爆国となった日本。その3日後の8月9日、長崎にも原爆は投下されました。その地に立つ長崎原爆資料館は、戦争の悲惨さを後世に語り継ぐために、あえてリアルな展示物をそろえています。日本人として記憶に残しておかなければならない被爆の歴史。それを現代から未来へ伝えるための施設、長崎原爆資料館を紹介します。

原爆の被害を見れる長崎原爆資料館

1955年に開館した長崎国際文化会館が、長崎原爆被爆50周年事業として取り壊されました。それに替わって1996年に開館したのが長崎原爆資料館です。

原爆投下の1945年8月9日から始まるストーリー性の高い展示で、被爆の惨状や核兵器開発の歴史をわかりやすく学ぶことができます。資料館としてだけでなく、平和推進の取り組みや平和学習支援の拠点としても機能しています。

原爆による被害を知れる場所

長崎に原爆が投下された当時のものや、現実を突きつける展示物が並んでいます。現在でも地層から原爆投下の負の遺産が出てくることがあり、それも合わせて見ることができます。

時が止まった柱時計

時計の針が差す11時2分は、原爆が投下された8月9日の時刻を示しています。それから一度も動くことのない時計は、浦上天主堂付近の民家で発見されたもの。悲惨な原爆被害を伝える貴重な被爆資料として、紹介されることの多い展示物です。

戦争の悲惨さを雄弁に伝える写真

フォトジャーナリストのジョー・オダネル撮影の世界的に有名な作品、タイトルは「焼き場に立つ少年」です。少年の目は焼き場を見つめ、背負われているのは息絶えた赤ん坊。悲しみをこらえ唇をかむ少年の姿が、世界中の人たちに戦争の悲劇を訴えている1枚です。

今も出土される当時の地層

ある意味、壊れた時計が差す11時2分から時は流れていないのでしょう。平和になった世の中へメッセージを発するように、現在でも当時の地層から原爆投下当時のものが発掘されているそうです。割れた食器などからは、一瞬で奪われた当時の人たちの営みがうかがえます。ほかにも炭化した土や瓦に木片といったものから、人の骨の組織も確認されています。

核兵器について知り平和を祈る

長崎原爆資料館は、過去の悲惨さから目を逸らすことなく未来に同じ過ちを繰り返さないための取り組みをしています。

長崎に投下されたファットマン

広島型の原爆よりも威力が強かったといわれる、長崎に落とされたファットマンの内部模型が展示されています。より本物に近づけるため、黄色に塗り替えられた爆弾。真新しく見せることで、よりリアルに恐怖感を伝えてきます。

広島に投下されたリトルボーイ

長崎よりも被害の大きかった広島に落とされた原爆、リトルボーイの模型も展示されています。日本人だけでなく、海外の人たちも見るであろう模型。長崎と広島の2か所に落とされた原爆模型は、強いメッセージ性をもった展示物だといえるでしょう。

ミュージアムショップでは限定商品も販売

原爆や平和をテーマにした書籍やオリジナルグッズが、ミュージアムショップで販売されています。インターネットの通販でも、資料館で販売されているものと同様のものを買うことが可能です。売り上げの一部は、平和活動に利用されています。

長崎原爆資料館がある平和公園

長崎原爆資料館も含む平和公園は、1945年8月9日に投下された原爆が落とされた爆心地を中心とした公園です。



爆心地に作られた公園

爆心地と北側の丘に造られた平和公園は、それぞれテーマをもった5つのゾーンにわかれています。長崎原爆資料館は学びのゾーンに含まれ、ほかに願い、祈り、スポーツ、広場と4つのゾーンがあります。犠牲者の冥福と平和を祈る、象徴的な場所です。

祈りを捧げる平和祈念像

平和公園の願いのゾーンにある、約9.7メートル重さ約30トンの青銅製の平和記念像。高く掲げた右手は原爆の脅威、水平に伸ばした左手は平和を、そして顔は戦争犠牲者の冥福を祈るものです。原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が、毎年8月9日の長崎原爆の日にこの像の前で行われています。

全国から送られる折鶴の塔

平和祈念像と同じ願いのゾーンにある折鶴の塔は、平和を祈る鶴を捧げることができる場所です。平和学習の際に折ったものや、修学旅行で長崎に訪れた学生たちからも送られてきています。原爆資料館の正面玄関付近にも、折鶴を捧げるスペースが作られています。

Address 〒852-8118 長崎県長崎市松山町
Hours 24時間
Closed 無休
Tel 095-829-1164
Web http://www.city.nagasaki.lg.jp/heiwa/3030000/3030100/p005151.html

一緒に回りたいスポット

原爆の被害は、爆心地からかなり遠くまで広がっています。それを実感するためにも、なるべく多くの場所を訪れておきましょう。

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

原爆死没者の氏名を記載した名簿や遺影が安置されている国立の施設です。被爆者に対する援護に関する法律に基づいて設置されています。同じ敷地内にあり隣接している原爆資料館とは、地下1階と2階の連絡通路で結ばれています。

Address 〒852-8117 長崎市平野町7番8号
Hours 4月1日〜4月30日8:30〜17:30、5月1日〜8月31日8:30〜18:30(8月7〜9日は20:00まで) 9月1日〜3月31日8:30〜17:30
Closed 12月29日~12月31日
Tel 095-814-0055
Web https://www.peace-nagasaki.go.jp/

浦上天主堂

爆心地の東にあった浦上天主堂は、原爆投下により原型を留めることができないほどに崩壊。集まっていた信徒は全員亡くなったそうです。わずかに残された原爆遺構として、被爆したマリア像や吹き飛ばされた天主堂の鐘楼(しょうろう)の一部が残されています。

また浦上教会信徒会館2階には、収集された被爆物が展示され自由に見ることができます。原爆関連ではありませんが、明治政府によるキリスト教弾圧などの歴史的遺物も、同様に見ることが可能です。

Address 〒852-8112 長崎県長崎市本尾町1−79
Hours 9:00~17:00
Closed 無休
Tel 095-844-1777
Web http://www1.odn.ne.jp/uracathe/

山王神社の一本柱鳥居

爆心地の南、800メートルの位置にある山王神社も被害を受けました。その爆風の凄まじさを伝えるのが、片側の柱が飛ばされたまま今も建っている被爆建造物の鳥居です。境内には原爆の被害を受けながらも、緑を取り戻した被爆楠と呼ばれる木があります。

Address 〒852-8102 長崎県長崎市坂本2丁目6−56
Hours 24時間
Closed 無休
Tel 095-844-1415
Web http://sannou-jinjya.jp/smarts/index/1/

長崎原爆資料館へのアクセス



電車・バスでのアクセス

JR長崎駅から路面電車赤迫行きで、原爆資料館電停下車徒歩約5分です。バスの場合、滑石、時津、長与、女の都方面行きに乗り、浜口町で下車徒歩約5分です。

車でのアクセス

長崎自動車道長崎多良見ICから長崎バイパスへ入り、川平IC(平和公園・昭和町方面)出口を出て市内中心部方面へ約5分です。有料の駐車場は9月から4月までが8時~18時、5月から8月までは8時~19時と出庫時間が時期により異なるため注意してください。

Address 〒852-8117 長崎市平野町7番8号
Hours 4月・9月~翌3月8:30~17:30、5月~8月8:30~18:30、8月7日~9月8:30~20:00
Closed 12月29日~12月31日
Tel 095-844-1231
Web https://nagasakipeace.jp/japanese/abm.html

まとめ

長崎原爆資料館では展示物や映像などを使い、さまざまなアプローチで原爆の悲惨さと平和の尊さを伝えています。過去を忘れず、未来を見つめることの大切さも感じさせる資料館。九州へ観光に行く機会があれば、少しの時間でも寄っておきたい場所です。