世界最古のヴィエリチカ岩塩坑。地下深くに広がる塩で造られた礼拝堂は必見

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トラベルパートナー: Erica

中国、アメリカ、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドに滞在経験のある現役大学院生inイギリスです。メジャーで人気のある場所よりも、ちょっとマニアックで個性的な場所に旅センサーが働く関西人で、日本ではなかなか学べない、修了までにヨーロッパの負の歴史を探るのが目標です。

自分の足で見て回るしかない地下の絶景。健康な内に目に焼き付けよう!

南部ポーランドのクラクフから電車で40分ほどの場所にあるヨーロッパ最大にして最古の岩塩坑として有名なヴィエリチカ岩塩坑。世界遺産に登録されたこの岩塩坑を一目見ようと世界各国から大勢の観光客が訪れます。地下327m、全長300kmの地下坑内見学は大変ハードですが行く価値あり。今日は奇跡の世界遺産・ヴィエリチカ岩塩坑の魅力と見どころをご紹介します。

ヴィエリチカ岩塩坑をサクッと説明

ユネスコ世界遺産第一号の岩塩坑

チェコ共和国との国境に近い南部ポーランドのクラクフからバス、電車でおよそ40分から60分程の距離にあるヴィエリチカ岩塩坑。ここは1044年から1996年の約1世紀の間ずっと採掘が行われていた世界最古の岩塩坑です。その深さは地下327m、全長300kmという大規模なもの。ユネスコが最初に登録した世界遺産第一号の中の一つであり、産業遺産として大変有名な場所となっています。

製塩業の終了と岩塩坑の補強

国営の製塩業を手がけていたヴィエリチカ岩塩坑は1989年に坑内で洪水が起こるリスクが高いことを理由に危機遺産リストに載りました。そのため商業採掘を終了した後は世界遺産を守るため、白い丸太を何重にも積み重ねて坑内の補強作業が施されています。また、最新機器の利用や壁の塗装で本来の自然な状態を厳重に保護し、当時の坑内の雰囲気を残したままで現状維持しているそうですよ。

グループツアーの徹底

ヴィエリチカ岩塩坑では単独での観光は不可能で、必ず30人から50人規模の大人数グループで見学することを前提としています。坑内では過去から現在までほとんど変わることがない貴重な世界遺産の状態を維持するため、どのエリアにも長くは滞在できません。ツアーガイドの支持に従った行動を心掛け、坑内の壁を傷つけたり他のツアー客の迷惑になるような行動は厳禁です。

ツアー参加前に知っておきたい情報

写真撮影料金のこと

ヴィエリチカ岩塩坑での写真撮影には写真撮影許可シールの購入が必要です。写真やビデオ撮影をしたい場合はチケット売り場の隣で写真撮影代金を支払い撮影許可シールをもらいます。シールはスタッフに見えるところに貼っておきましょう。また、岩塩坑で最も有名な礼拝堂の撮影は、さらに別途料金がかかります。しかしこれも世界遺産を保護するため。2度と来れないかもしれない場所ですので、料金をケチらず撮影しておくことをおすすめします。

2~3時間の地下ウォーキング

ヴィエリチカ岩塩坑は入場後間もなく地下64mの階段を下っていく必要があるため、ツアーに参加する場合はきちんと歩ける靴は必携です。階段を下った後、ツアー終了までにある休憩時間はトータルで15分程しかありません。内部に入ったらひたすら坑内を歩き回りながら見学ですので、それなりの覚悟が必要です。見学中は階段や坂を上る事はほとんどなく、階段を下って地下深くまで下りて行くことになります。

14度でキープされた坑内

世界遺産の現状維持のために岩塩坑内の温度は約14度でコントロールされているため、見学ルートのどこにいても大きな寒暖差はありません。ただし、ヴィエリチカ岩塩抗に訪れる季節によっては、事前に体温調節ができる服装や羽織り物の準備をしておくと良いでしょう。

キンガ王妃の指輪

ヴィエリチカ岩塩抗が栄えた要因として古くから伝わり、信仰の対象とされているキンガ王妃。キンガ王妃の指輪が岩塩坑から発見された事をきっかけに、製塩業が国営事業と発展した事に由来しています。

王妃の指輪が見つかった理由は諸説ありますが、政略結婚を嫌がった王妃が結婚指輪を母国ハンガリーの岩塩坑に捨てたところ、ポーランドに塩と一緒に輸入され、その塩の一時置き場に使っていたのがヴィエリチカだったとガイドさんの説明がありました。

ヴィエリチカ岩塩抗の見どころ

採掘に使われていた実際の設備や道具

坑内には残された設備や道具の展示だけでなく、製塩業が終わった後に作られた人形などが臨場感を与えています。写真は採掘された岩塩を地上に運び出すための設備で馬の力を使っていたことがわかります。岩塩坑内にはこうした当時の岩塩の採掘の様子が直感的にわかる展示物がたくさんあり、まるで遊園地のアトラクションの中を歩いているような感覚になるかもしれません。

各地にある彫像の数々

坑内には岩塩で作られたさまざまな彫像があり、当時の様子をリアルに表現しています。彫像の多くはカトリックの教えに準じたものですが、岩塩坑の発展に寄与した人物や、この地を訪問した身分の高い人物の彫像も見られます。中には着色の痕跡が残った彫像も未だに残っており、その保存状態は大変良好。

驚き絶景の岩塩湖

透明に澄み渡った湖面は地底にあるとは思えない美しさで、思わず引き込まれそうになります。はるか2000万年前のヴィエリチカは海でした。そしてこの岩塩湖から白い金と呼ばれた塩が採掘されていたのです。当然ながら塩分濃度が非常に高く、水中には目に見える大きさの生き物は存在できません。この光景もヴィエリチカ岩塩坑ならではの絶景のひとつです。

岩塩坑ツアーのハイライト聖キンガ礼拝堂

ヴィエリチカ岩塩坑でも最も素晴らしい見所として有名な礼拝堂です。床にある彫像やレリーフはもちろん、シャンデリアまで100%塩で作られた空間で、ツアー客からは驚きの声が上がります。聖キンガ礼拝堂は岩塩坑の労働者たちの安全祈願と礼拝のために作られたもので、現在でも礼拝は行われています。全てが塩で形作られた美しくも神秘的なこの場所は全世界でただ一つ、ここにしかない絶景といって間違いないでしょう。

現地でツアーに参加

電車やバスでの移動は乗り換えなどがあり不安な方は、ホステルやホテルなどで申し込めるツアーで観光するのも一つの選択肢となります。ツアーの場合はシャトルバスやバンなどでヴィエリチカ岩塩坑に直接アクセスできるので安心。また、チケットの購入などを現地に着いてから行う必要がない分、事前準備に時間をかけられない場合も現地ツアーに参加すると良いでしょう。

ヴィエリチカ岩塩坑へのアクセス

バスでの行き方

クラクフ中央駅前から304 Welicka Kampus行きのバスに乗り、Welicka Kopalnia Soliという駅で下車して徒歩で向かいます。時間や日程によっては乗り継ぎが必要な経路を使わなければならない場合もあるので注意が必要。バスのチケットはバス内外どちらでも購入でき、現金を持っていない場合は券売機やクラクフ中央駅にあるチケットカウンターならクレジットカードで購入が可能。注意すべき点は、3.8ズウォティのバスのチケットで、これは打刻機で打刻をしてから40分間のみ有効の券なので、打刻機で打刻された時間を必ず確認しておきましょう。

電車での行き方

クラクフ中央駅(Krakow Glowny)から電車に乗ってWieliczka Rynek-Kopalnia終点で下車。そこから徒歩でヴィエリチカ岩塩坑へ向かいます。電車内で乗務員さんが来た際に、行き先を伝えれば現金でチケットを購入できますが、不安であれば事前に券売機でチケット購入しておくことをおすすめします。駅は終点なのでそのまま座っていれば到着するため、バスの乗り換えの面倒を考えると電車の方がシンプルで間違うことがありません。

住所| Jana Mikołaja Daniłowicza 10, 32-020 Wieliczka, Poland
営業時間|4月-10月;9am-6pm, 11/2-3月; 9am-5pm, Holy Saturday; 8am-5pm (3月) or 7:30 am-5pm (4月), 12/31; 8:00am-4:00pm
定休日|01/01, 11/01, 12/24,25, Easter Sunday
電話| +48 12 278 73 02
公式サイトはこちら

まとめ

さまざまな世界遺産の中でも特に個性が際立つヴィエリチカ岩塩坑。1000年近く前から残るこの魅惑の自然遺産は、どれほど歩こうと、どれほど撮影料金などがかかってしまおうと記憶に残す価値があるものだと言えるでしょう。地下ならではの独特な世界は神秘的で美しく、特に塩の礼拝堂は死ぬまでに一度は見ておきたい絶景です。この素晴らしい世界遺産を、ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。