大川内山はかつて献上品を作った秘窯の里。美しい景観を楽しもう

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長崎県在住。海外旅行が大好きで、現在までに25か国旅しました。何の計画もなくぶらりと行く一人旅が殆ど。行きたい国はまだまだあります! 訪れた国の文化を肌で感じることができる、路線バスの旅が得意です。 国内では九州北部を中心に、素敵なおすすめスポットを紹介します。 趣味は御朱印集め・インド映画鑑賞・動物とふれあうこと。

大川内山の鍋島藩窯公園にはインスタ映えスポットいっぱいあっとよ!

朝廷や将軍への献上品を作っていた事で知られる大川内山(おおかわちやま)。かつては藩の御用窯として機能していたエリアで、現在では公園などに整備されています。豊かな木々の緑にも囲まれとても落ち着いた雰囲気で歴史的な情緒もたっぷり感じられる場所。ここでは、大川内山の魅力や見どころ、楽しみ方などについてご紹介します。

大川内山は鍋島藩が技術の流出を恐れて秘密にした場所

大川内山は写真映えスポットがたくさん

大川内山は鍋島藩の御用窯として開かれました。1670年ころの事なので、江戸時代ですね。最初のほうは有田で献上する焼き物を製作していたのですが、やがて優秀な職人をこの地に集めるようになりました。さらに、技術の流出を回避するため関所も作り、厳重な管理を行っていたといわれています。

今でも30件あまりの窯元が存在し、制作や販売も行っています。現在ではすっかり整備されており、観光スポットとしても有名になりました。人気のあるスポットの一つ、鍋島藩窯公園にはインスタ映えしそうなスポットもたくさんありますよ。

鍋島焼は朝廷や将軍への献上品

17世紀から19世紀にかけて、大川内山ではたくさんの高級磁器が作られました。これらの高級磁器は将軍、大名、朝廷などへの献上品として用いられたのです。幕末期には薩長をはじめとする討幕派によって幕府は倒され、明治政府が樹立。

廃藩置県によって鍋島焼の秘窯の里、大川内山は閉ざされる事となりました。しかし今でも有田の今泉右衛門家は鍋島様式を現代に伝えています。

関所のそばに見所がたくさんある

大川内山の入り口には関所があった

技術の流出を防ぐために厳しく管理されていた当時は、出入口となる場所には関所が設けられ、中に入るも外に出るのも一苦労でした。現在、関所があったと伝わる場所に関所を再現されています。再現された関所を見ると、秘窯の里なのだという事が実感できますよね。

ハマが敷き詰められた白い地面

公園内を歩くと、ザクザクと音がする事に気づくと思います。敷地内には白くて固いものが敷き詰められていますが、これはハマというもの。磁器を焼成する際にハマを使って歪みを少なくするのですが、焼成後にハマは捨てられます。それを敷き詰めてあります。

陶工橋を渡って自然の豊かさを感じる

ハマを敷き詰めた道をどんどん進んでいくと、陶工橋があります。橋から川を見下ろしてみると、川の中にも白いハマがたくさん落ちているのが目に入ります。周囲を木々の緑に囲まれた場所で、のんびりと落ち着いた風情が感じられるでしょう。

めおとしの塔から澄んだ音色が聞こえる

陶工橋にはセンサーが設置されているため、誰かが渡ると白磁風鈴が音を奏でるようになっています。

焼きあがった製品に割れがないか、焼成具合に問題がないかは叩いた音で確認していたのですが、その事をめおとしと呼んでいたそうです。白磁はガラスのような透き通った音がするのが特徴。大川内山の伝統的な絵付けが施された風鈴はとても美しいですね。

唐臼小屋で江戸時代にタイムスリップ

水の力の偉大さを知る

かつては大川内山の川沿いにたくさんの水車小屋があったといわれています。陶石を砕くために水力を利用していたようですね。数十秒ごとに大きな音がするので、初めて聴く方は驚くかもしれません。シーソーのように重い木を配置しており、先人たちの知恵がうかがえます。

昭和40年代まで各地で使われていた唐臼

唐臼とは陶石を砕くためのものですが、実は大川内山だけでなく全国のさまざまな地域で使われていました。昭和40年ごろまで実際に使われていましたし、今でも唐臼にこだわって使い続けている陶芸家がいるくらいです。

はじめは人力で杵を動かしていた

最初のころは人力で木の杵を持ち上げていたようですが、あまりにも非効率すぎてすぐに中止になったのだとか。人員の確保も必要となりますし、水の力を使ったほうがよいという事になったそうです。江戸時代に大勢の陶工がこの場所で働いていたと思うと、何だか感慨深いですね。

陶工無縁塔はピラミッドのよう

川の上流に向かって遊歩道を進む

唐臼小屋を見学したら、遊歩道をのんびり歩いてみましょう。遊歩道は川の上流に向かって伸びているので、川の様子を眺めながら散策を楽しんでください。川の水もとてもキレイですし、整備も行き届いているので夏には水遊びもできるでしょう。

桜のシーズンになると美しい風景を見せてくれるので、春に訪れるのもおすすめ。豊かな自然を感じられる場所です。

無名陶工の墓880基がピラミッド状に祀られている

880基にもおよぶ無縁仏がピラミッド状のように祀られています。陶工の中には日本人だけでなく高麗人も混じっていたのだそう。陶工たちは割りとよい処遇で迎えられていたようで、武士と同じような扱いを受けていたといわれています。

優れた作品をたくさん生み出していた陶工たちですが、実はその多くが無名で身よりもいなかったのだとか。毎年春には無名陶工たちのために、大川内山の人たちが供養をしています。

30件余りある窯元をめぐる

どの窯元も特徴があって美しい

現在でも鍋島様式を伝承している窯元が30件ほどあります。白磁に鮮やかな色絵を施す色鍋島はとても印象的ですね。鍋島青磁と呼ばれるものは光沢があり、鍋島染付は白磁に藍色のみで絵付をしているのが特徴。

どこまでも続く石畳

細い道がいくつもある大川内山ですが、どこも石畳が敷かれています。山に向かって緩やかな坂道となっているので、よい運動になるでしょう。ゴールデンウィークはやきものまつり、春の窯元市、夏の風鈴祭り、秋まつりなど季節ごとにさまざまなイベントを行っているのも魅力的。

大川内山へのアクセス

車でのアクセス

伊万里駅が最寄りとなりますが、駅から車で約15分ほどかかります。県道240号線を進み、案内板を確認しながら進んでください。駐車場も完備され、450台ほどを収容可能。イベント開催時には有料となるので注意してください。大川内山に行く途中にもいくつかの窯元を確認できるので、寄り道しながら足を運びましょう。

住所|〒848-0025 佐賀県伊万里市大川内町乙1848
営業時間|なし
定休日|なし
電話|0955-23-7293 伊万里鍋島焼会館
公式サイトはこちら

まとめ

かつて隆盛を極めた鍋島藩の秘窯の里。ロマンを感じられる場所ですし、特に焼き物などに興味がない方でも楽しめるスポットです。自然の恵みも感じられる場所なので、のんびりと過ごしたい方におすすめですね。ぜひ足を運んでみましょう。