依水園は奈良随一の純日本庭園!池と自然の見事な調和は必見

公開日:2019/3/25 更新日:2019/5/13

トラベルパートナー:トラベルパートナー: midori
静岡県出身、歴史好きが高じて奈良県に移住しました。奈良県の記事をメインで書いています。旅行は家族で出かけることが多いです。神社仏閣の紹介が得意です。散歩や食べ歩きが趣味で、カメラを片手に日々新たな撮影スポットやおいしいお店を探しています。
外国人観光客にも大人気のめっちゃきれいな見ごたえのある庭園やで~!

奈良の名勝、依水園(いすいえん)は、奈良の中心部にある純日本庭園。山水の景色を写して造られた池船回遊式庭園は、四季の自然の美しさを感じさせます。江戸期と明治期に造られたことから、ふたつの異文化を見ることができる、そんな依水園を紹介します。

依水園とは

文化財保護法で定められた名勝に指定されている、数少ない庭園のひとつ依水園。縦に長い3400坪の園内では江戸時代に造られた日本庭園の前園と、明治時代に造られた後園の異なるふたつの池泉回遊式庭園を見学できます。美しい日本庭園として、国内だけでなく外国人観光客から人気のある庭園です。

依水園の庭園の見どころ

依水園には明治時代に造られた後園と江戸時代に造られた前園の2つの庭園があります。それぞれの庭園の見どころをご紹介します。

明治時代に造られた借景を取り入れた後園

実業家・関藤次郎氏が茶の湯や詩歌を楽しむために造られた、明治時代の築山式の池泉回遊式庭園です。広大な池に映りこむ空や草木は格別の美しさ。奥には水車小屋があり、池周辺は飛び石で渡れるようになっています。池越しには東大寺南大門の屋根が見え、若草山や遠くの春日山、御蓋山を含めた周辺風景との融合が素晴らしい庭園です。

歴史あるお堂の柳生堂と茶室氷心亭

後園池沿いにある桧皮葺(ひわだぶき)の屋根が美しい柳生堂は、江戸時代最盛期を迎えていた柳生家の菩提寺である芳徳寺のお堂を移築したものです。

その柳生堂の隣にあるのは、数寄屋造りの茶室氷心亭(ひょうしんてい)。縁側の木材は新薬師寺の古材を使い、床の間は桂離宮の所員の一部を用いたぜいたくな建築物です。縁側は建物外にあるため、じっくり見学することができます。

苔むす庭にある茶室跡

茶室跡は後園の隅の方にあり、案内看板がなければわからないぐらい苔むす美しい庭となっています。現在残っているのは、茶室躙り口(にじりぐち)の一部のみ。茶室の建物は、1928年に龍松庵と改名され奈良市法蓮町の興福寺に移築されています。

四季折々で楽しめる花

四季折々いつ訪れても季節の花が楽しめる、美しく整備された庭園。春は桜のほかツツジや藤、かきつばた、夏になれば輪王蓮に百日紅を見ることができます。紅葉は広大な池に映りこむ美しさが評判。秋の見ごろになると、多くの人でにぎわいます。冬から早春にかけては椿や紅梅、アセビが園内を彩っていきます。

江戸時代前期に造られた前園

入口からすぐの場所にある江戸時代の前園は、奈良晒を扱う幕府御用達商人秋田屋の清須美道清(きよすみどうせい)が作った庭園。池の中心には鶴亀をなぞらえた中島が築かれ、灯篭が池の要所に配されています。護岸の石組みなど江戸時代の特徴が残された庭園です。

趣あるお茶室の清秀軒と挺秀軒

西側の外庭にあるのは、壁の丸窓と床の丸炉といった特徴をもつ挺秀軒(ていしゅうけん)。内庭には茅葺屋根が見事な清秀庵があります。ともに江戸時代清須美道清によって建てられた煎茶の茶室です。茶庭は明治時代に裏千家第12代宗匠又玅斎(ゆうみょうさい)によって、厳格に造園されたもの。挺秀軒は小川によって内庭と隔絶された空間を作り出しています。



建物内で抹茶などを味わいながらじっくり庭を眺めよう

抹茶やお菓子、ソフトクリームなどを建物内でいただきながら休憩できるのが前園の清秀軒と後園の氷心亭。建物前で木槌を叩くかインターフォンを押すと、中へ迎え入れてくれます。依水園は座れるところが少なく、後園の池の前にあるベンチぐらいしかありません。ゆっくり座って庭園を眺められるのは、注文した人の特権です。

依水園内にある寧楽美術館

寧楽美術館は2000点以上の美術品を、定期的に入れ替えをながら展示している美術館です。館内で鑑賞できるのは、実業家の中村準策が親子三代で収集した多彩なコレクション。古代中国の青銅器や拓本、古印に古鏡、高麗朝鮮王朝の陶磁器や日本の茶道具、古瓦など様々なものを見学することができます。

建築家の東畑謙三氏が大和屋根をイメージして1969年に建てた建物も見どころのひとつです。

高級感漂う三秀亭で食事や休憩をしよう

庭園や茶室同様清須美道清によって江戸時代に建てられた由緒ある建物の中で、食事がいただけるのが三秀亭。前園の池を眺めながら、和の雰囲気たっぷりの優雅な時間を過ごせます。うなとろ御膳などの食事メニューや、喫茶メニューの抹茶セットなどもあります。

入口からすぐの場所にあり、入園料を払わずに利用できる食事処。営業日は基本的に庭園と同じ、食事は11時30分から14時、喫茶は10時30分から15時30分が営業時間です。

周辺の観光スポット

依水園は奈良観光の中心地にあり周辺には数多くの観光スポットがあります。その中から、依水園にほど近いおすすめスポットを厳選して3つご紹介します。

吉城園は興福寺の子院跡

興福寺の古地図によると、子院の摩尼朱院(まにしゅいん)があった場所と伝わる日本庭園。依水園の向かってすぐ右となりにあります。

池の庭に茶室、苔の庭と茶花の庭からなる日本庭園で、土地の起伏を活かした造りは池泉回遊式庭園の依水園とはまた違った魅力があります。奈良県の施設のため入場料はリーズナブル。依水園と合わせて訪れ、違った文化にふれてみてはいかがでしょう。

Address 〒630-8213 奈良県奈良市登大路町60-1番地
Hours AM9:00~PM5:00
Closed 毎年2月15日~2月28日
Tel 0742-22-5911
Web http://www.pref.nara.jp/39910.htm

奈良のランドマーク東大寺大仏殿

依水園の後園から南大門が見え、定番スポットでもありますが、奈良へいったら外せないのが東大寺大仏殿。聖武天皇によって国家鎮護を祈り創建された、奈良というより日本の寺院を代表する存在です。盧舎那仏(奈良の大仏)や大仏殿前の国宝に指定されている金銅八角燈籠は見ずに通り過ぎるにはもったいない至宝です。

Address 〒630-8211 奈良県奈良市雑司町406−1
Hours <4月~9月> 7:30~17:30 <10月> 7:30~17:00 <11月~2月> 8:00~16:30 <3月> 8:00~17:00
Closed なし
Tel 0742-22-5511
Web http://www.todaiji.or.jp/

奈良を愛し撮り続けた写真家の入江泰吉旧居

半世紀に渡り、仏像や行事、景色を撮り続けた奈良を愛した写真家・入江泰吉が晩年を過ごした家が残っています。写真家としてのスペースとなる暗室やアトリエのほか文人が集った応接間などが当時のまま保存された、庭園も美しい古民家です。

入江泰吉の作品は、市内の入江泰吉記念奈良市写真美術館で観賞することができるのであわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

Address 〒630-8208 奈良市水門町49番地の2
Hours AM9:30~PM5:00
Closed 毎週月曜 (休日の場合は開館し、翌日休館)
Tel 0742-27-1689
Web http://kyukyo.irietaikichi.jp/

依水園へのアクセス

電車・バスでのアクセス

近鉄奈良駅より徒歩約15分です。近鉄奈良駅またはJR奈良駅から、市内循環バスに乗車し県庁東で下車徒歩約5分。バス停のすぐ横の小道を抜け、突き当りを右に曲がると依水園です。

車でのアクセス

大阪方面からは、第二阪奈有料道路宝来ICから国道308号線を通り阪奈道路を進み奈良公園に入ります。京都方面からの場合、京奈和自動車道木津ICから奈良バイパス(国道24号線)を進み奈良公園に入るルートで、ともにインターチェンジから約20分です。駐車場はありません。近隣の有料駐車場をご利用ください。

Address 〒630-8208 奈良市水門町74
Hours AM9:30~PM4:30
Closed 毎週火曜日、年末年始
Tel 0742-25-0781
Web https://isuien.or.jp/

まとめ

同じ日本庭園でも、時代が違えば表現の仕方は変わっていくものです。江戸から明治へと、西洋文化が入ってきた時代であればなおさらでしょう。そんなふたつの文化の違いが感じられる、日本庭園を見られるのが依水園。東大寺など奈良の観光名所とも近く立ち寄りやすい依水園で、旅の疲れを癒す和の空間を堪能してください。