ホーフブルク宮殿はオーストリアとヨーロッパの歴史を語る

公開日:2019/4/22 更新日:2019/9/29

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神奈川県出身。イギリス・カナダ・オーストラリア等、居住経験ある国の観光スポットをメインに紹介します。 日本以外の国への旅行回数は30回以上、親しい友人たちと一緒に。現地ではそれぞれ目当ての美術館や観光名所に分かれて一人で回ることも。
ハプスブルク家の居城

ヨーロッパのほぼ中央部に位置するオーストリア。その首都であるウィーン市は古き歴史と高貴なクラシック音楽に包まれた、ヨーロッパを代表する国際都市です。この街の中心にどっかりと鎮座するホーフブルク宮殿。世界史上に輝く栄光の限りを尽くした大王宮へ、いざ出かけましょう。

かつてヨーロッパを支配し栄華を極めた王宮

首都中心部にあり現在は有名観光地に

中世から20世紀初期にかけて、ヨーロッパの大部分を支配下に治めたハプスブルク家。ホーフブルク宮殿はこの名門王家が、600年以上にわたり居城としていた宮殿です。首都ウィーン市の中心部に位置しており、現在ではアクセス容易な人気観光スポットとして有名。世界最大級の敷地内には新旧の王宮に国立図書館、さらには数々の博物館に美術館など多彩な名所・施設が存在しています。

1918年まで実に600年以上もの間、オーストリア君主が住まいとしたホーフブルク宮殿。同時に政権の中枢として、ヨーロッパの歴史を大きく動かしてきました。13世紀の創建と伝えられており、その後数世紀を経て次々に増築された結果、世界最大規模の王宮となったのです。宮殿内には2,600以上もの部屋があり、現在も約5,000人が日常生活の場としています。

まずはホーフブルク宮殿旧王宮の見どころを紹介

誰もが足を止める美貌の王妃

ここホーフブルク宮殿で最も人々が集まる見どころは、やはりシシィミュージアムでしょう。オーストリア最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の王妃で、絶世の美女と謳われたエリザベート。彼女は「シシィ」という愛称で呼ばれたのです。ウィーン市内には随所にシシィの肖像画が掲げられており、その美貌に市民は思わず足を止めてしまいます。

シシィミュージアムには彼女が愛着していたドレスや、多数の宝飾品が展示されています。過酷で常軌を逸した食事制限やダイエットなど、シシィの美に対する執着は恐ろしいまでであったとの事。華やかで自由奔放ながらも何かに追い詰められていたかのような、彼女の暮らしぶりが窺えるでしょう。残念ながら写真撮影は不可となっています。

食器類に陶器類もまた豪華できらびやか

こちらは皇帝銀器コレクション、王家一族が使用した金や銀の食器・陶磁器などが展示されています。オーストリア帝国崩壊後に売却された物品もありますが、ほとんどは当時の状態で残されておりその数は実に約150,000点。膨大な数に及ぶ食器類や、ナイフ・フォーク・スプーンのカトラリー類が見られるでしょう。また周辺各国のみならず、遠く東アジア諸国からの贈呈品も含まれています。

皇帝と王妃のプライベートな空間

宮殿内で最も高貴な皇帝の部屋。フランツ・ヨーゼフ1世とシシィが、プライベートの時を過ごした空間です。実は皇帝一家がここホーフブルク宮殿で生活したのは冬の期間。夏の期間は郊外に建つユネスコ世界文化遺産、シェーンブルン宮殿に滞在していました。

18世紀のフランス王宮に始まった華やかなロココ様式の内装や調度品、そして数々の部屋が見学できます。そして驚かされるのはシシィが使用していた、ダイエット器具に何と体操部屋も。ここまで彼女は美貌にこだわっていたのですね。

見学後は高級感あふれるティータイムを

旧王宮内を存分に見学したあとは、カフェホーフブルクに立ち寄ってみましょう。クリームたっぷりのウィーン風アイスコーヒーは、その名のとおりぜひ味わってみたい名物。またフルーツやチョコレートでデコレーションされた、可愛らしいケーキなどスイーツも充実しています。シャンデリアに彩られた王宮調の空間で、セレブ気分に高級感いっぱいのティータイムをどうぞ。

Address innerer burghof 1, 1010 Wien, オーストリア
Hours 10:00 - 18:00
Closed なし
Tel +43-1-24100400
Web https://www.cafe-hofburg.at/

次は新王宮と女帝像さらには美術館に博物館へ

新王宮には多くの博物館が展開

新王宮は通称「ノイエ・ブルク」と呼ばれ、あたかも翼を広げたような建築美を誇ります。1913年の創建ですが時代は帝国崩壊寸前であったため、王族が住む事はありませんでした。宮殿内には国立図書館に古楽器・歴史学・民俗学など多くの博物館があり、鎧や武具など貴重で珍しいコレクションが見られるでしょう。

Address Heldenplatz, 1010 Wien, オーストリア
Hours なし
Closed なし
Tel +43-1-525240
Web https://www.khm.at/


偉大なる女帝像は高く誇らしげに

新王宮からブルク門をくぐり抜けると、マリア・テレジア広場に到着。中央には偉大なる女帝、マリア・テレジアの像が高く聳え立ちます。他にも帝国軍人でナポレオン戦争期に活躍した、カール大公(カール・フォン・エスターライヒ)像。さらには同軍人として幾多の戦に臨んだプリンツ・オイゲン公像など、オーストリアが誇る英雄たちが集います。

Address Burgring 5, 1010 Wien, オーストリア
Hours なし
Closed なし
Tel なし
Web なし

マリア・テレジア像の両側には、ウィーン美術史美術館とウィーン自然史博物館という、外観が全く同様の大型建築物があります。美術史美術館はハプスブルク家君主たちが遺した、膨大な数の美術作品が展示される世界有数の芸術ミュージアム。自然史博物館は絶滅種を含む動物の剥製標本や鉱石、さらには隕石などが展示され地球の歴史を学べるでしょう。

ホーフブルク宮殿周辺の名所にも行ってみよう

古代遺跡が物語るウィーンの誕生

ホーフブルク宮殿すぐ前にあるミヒャエル広場には、黒々と横たわる遺跡が見られます。こちらはウィーン市の発祥とされる、古代ローマ時代の都市・ウィンドボナの遺跡。ウィンドボナはウィーンのラテン語呼称です。美しい白亜の建築物群に突如現れる異質な空間、驚くかもしれませんがこれこそウィーンのルーツなのです。

Address Michaelerplatz 4, 1010 Wien, オーストリア
Hours なし
Closed なし
Tel なし
Web なし

多くの人々が犠牲となった悪しき伝染病

ここはウィーンのメインストリートであるグラーベン通り。ひときわ目立つ大きな碑は、ペスト記念柱です。ペストは「黒死病」とも呼ばれ、中世ヨーロッパで多くの死者を出した恐ろしい伝染病。ウィーンでも1679年に大流行しました。この記念柱はその終息を「神の御加護」とし、感謝の意味をこめて建てられたのです。

Address Graben 28, 1010 Wien, オーストリア
Hours なし
Closed なし
Tel なし
Web なし

荘厳な大聖堂とヨーロッパ伝統の建築様式

ウィーン旧市街中心部に、青空高く聳え立つシュテファン大聖堂。日本の観光ガイドブックなどでは、シュテファン寺院とも呼ばれています。ウィーン市のシンボル的存在で創建は1137年という、900年近い歴史を誇る巨大建築物。中世西ヨーロッパのロマネスク様式と、改築時に採用されたゴシック様式が調和し、壮大さを引き立てています。

大聖堂内に入れば高い天井と、絵画や彫刻など中世の芸術に目を奪われるでしょう。こちらではオーディオガイドツアーや、英語やドイツ語でのガイドツアーが行われており、歴史を詳しく学びたい方におすすめです。シュテファン大聖堂は高さ136.4mの南塔と同68.3mの北塔で形成され、北塔は頂上部へ登り大展望を楽しむ事ができます。

Address Stephansplatz 3, 1010 Wien, オーストリア
Hours なし
Closed なし
Tel +43-1-515523530
Web http://www.stephanskirche.at/

ホーフブルク宮殿を訪れたならば時間をかけて見学を

歴史名所旧跡がいたる所に

ホーフブルク宮殿はとにかく広大な面積、しかしその分見どころは盛りだくさんでしょう。ただ施設によって営業日時や時間・入場料が異なるため、これらを事前に確認しておく事が大切。また複数の施設や郊外のシェーンブルン宮殿と、セットになっているチケットも用意されています。お得でスムーズに観光できるよう計画しましょう。

ホーフブルク宮殿へのアクセス

公共交通機関での行き方

主なアクセス方法は次の3通りです。鉄道を利用するならば地下鉄U3線のHerrengasse(ヘレンガッセ)駅から徒歩約5分。またはトラム1番・2番・D番の、Burgring(ブルクリンク)駅から徒歩約8分の距離です。バスを利用するならば1A番のHabsburgergasse(ハプスブルグガッセ)停留所から、徒歩約2分で到着するでしょう。

Address Michaelerkuppel, 1010 Wien, オーストリア
Hours なし
Closed なし
Tel +43-1-5337570
Web https://www.hofburg-wien.at/

まとめ

ヨーロッパの大部分を支配し、栄光をほしいままにしたハプスブルク家。しかし黄金時代を続けた一大王家も、時代の荒波に姿を消してゆきます。第2次世界大戦時にオーストリアはナチスに支配され、その併合宣言が新王宮にて行われた事もありました。しかし今は永世中立国となり、その中枢を担う場所こそホーフブルク宮殿なのです。首都の中心に鎮座した大王宮で、ヨーロッパの歴史を感じてみませんか。