旧芝離宮恩賜庭園はコンパクトな大名庭園。池の周りを散策しよう

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東京出身。旅行に行くのなら絶対海外派。最近はアメリカやオーストラリアの国立公園の魅力にはまってしまって、旅行先にはなるべく自然の多いところにしています。週末はぶらぶらお散歩が好きなので、近場を歩きながら気になったモチーフなどを写真におさめます。美味しいスポットも絶対おさえます。

もともと大名庭園だった旧芝離宮恩賜庭園。浜松町やモノレールに囲まれて新旧混在しているのが面白い

大都会の東京にありながら、周りの喧騒を忘れさせてくれるような自然スポットで有名なのが旧芝離宮恩賜庭園(きゅうしばりきゅうおんしていえん)。ここは江戸初期の大名庭園で、東京の中でも水辺が美しい自然が残る観光スポットです。気持ちも自然とゆったりできる旧芝離宮恩賜庭園の見どころを詳しくご紹介します。

旧芝離宮恩賜庭園とはどういうところ

旧芝離宮恩賜庭園とは

小石川後楽園と同じく最も古い大名庭園として歴史ある自然スポットが、旧芝離宮恩賜庭園。東京の会社ビルが立ち並ぶ港区にあります。

自然を感じる事のできる人気の都立庭園で、駅近でアクセス良好なことも魅力の1つ。庭園内は広すぎず狭すぎずのコンパクトな造りなので、軽い散策にもってこいの庭園です。

大名庭園から華族を経て東京都に

この庭園ができる江戸時代以前は、実はここ一帯は海面でした。1655~1658年の明暦の時代に埋め立てられ、老中である大久保忠朝の邸宅になりました。上屋敷を建てる時には、小田原からわざわざ庭師を呼び出してから楽壽園と命名したそうです。

その後、幕末になってからは紀州徳川家の芝御屋敷に、明治時代には有栖川宮家の所有地に、1875年にようやく宮内庁が土地を買ったことで芝離宮となりました。このように様々な偉人や歴史上人物の歴史を経て、今の庭園があると思うとロマンを感じます。

その後、関東大震災でほとんどがなくなってしまいましたが、1924年の昭和天皇のご成婚記念により旧芝離宮恩賜庭園として現代に残る形になりました。

都立文化財9庭園の1つ

この旧芝離宮恩賜庭園は、都内文化財9庭園の1つに指定されています。都内文化財9庭園とは、江戸時代から大正期に造られた文化財に指定されている庭園を指し、都内には9つあります。

残る8つの庭園は、浜利休恩賜庭園・小石川後楽園・六義園・旧岩崎邸庭園・向島百花園・清澄庭園・旧古河庭園・殿ヶ谷戸庭園。どれも園内は自然を残した丁寧な造りが特徴。庭園巡りをしてみるのも楽しそうですね。

大きな池を中心とした庭園

園内の中心にある大泉水

旧芝離宮恩賜庭園の特徴は、なんといっても水辺が見どころとなっている庭園。庭園の中央には大泉水があり、それをぐるりと囲むように作庭されている、代表的な回遊式庭園です。一周は約15分で歩いて回ることが可能。

散策途中には築山や写真映えするきれいな橋もあるので、ぜひのんびりしながら自分だけのビュースポットを探してみてください。ランチ時には、見ごたえのある石や普段なかなか見られない日本の自然風景を見るために観光客も多く訪れますが、癒しを求めるサラリーマンの姿も見かけることもあります。

かつては潮入りの池だった

庭園のシンボル的存在にもなっている大きな池は、かつては海水を引き入れる潮入りの池でした。引き潮の時は、島から島へ渡れるほどだったそうですよ。しかし、残念ながら現在は海水の取入れができなくなってしまっていて、海水は取り入れられないので淡水の池となっています。

池の入り口の左側にある海水取入口跡が残されており、かつての面影をわずかながら感じる事ができます。

存在感のある雪見灯籠

色合いは地味ながら、他のものと比べても大きく存在感がある灯籠が雪見灯籠。場所は庭園を入って右手にあるので、比較的すぐに発見する事ができます。園内でも目立っているので、写真撮影をしている人も多数。自然がたっぷりのこの場所から大泉水を眺めると、ここが大都会の東京だということを忘れてしまいそうになります。

滝を石のみで表現した枯滝

今では実際に水が流れていませんが、滝のような石の流れを見ることができる粋なスポットとして枯滝(かれたき)があります。

水が流れていないにも関わらず、枯山水の考え方で、山峡を流れ落ちる滝を石で表現しているのを見ることができる面白い表現スポット。かつて水が流れていたことを彷彿させるような臨場感漂うエリアとなります。河床は散策できる園路にもなっているので、周りの変化する景観を楽しみながら歩いてみてください。

園内は山や橋でいっぱい

大山からの眺めは最高

庭園全体を一望してみたい、と思った時におすすめなのがこちらの大山。ここは庭園内で最も高いエリアなので、庭園をゆったり見渡せる絶好のスポットとなっています。

場所は、庭園の入り口から反対側です。大泉水をゆったり眺められるほか、春になると大きな桜や新緑の木々も眺める事ができますよ。

突如あらわれる4つの石柱

大山の近くには気になる4本の石柱が。こちらの4本の石柱は戦国時代の小田原北条氏に仕えた武将、松田憲秀の旧邸から運ばれてきたものだと言われています。この門柱は、小田原藩の上屋敷だった際に茶室に利用されていたこともあるのだとか。黒ずんだ部分などに歴史が感じられる、趣がある石柱です。

中国式の西湖の堤

池の中央にある西湖には、栄の詩人である蘇東坡が湖の底を取り除いた土砂で作った2.8kmの長い堤防で見えてきます。西湖とは現在の浙江省にある中国の湖。日本と中国の違った趣のある空間が表現されています。

この人工堤防はもともと蘇堤と呼ばれており中国では漢詩や絵画など文学・芸術のモチーフにも使われるほど親しみのある堤防です。こちらの庭園では、そんな西湖の堤をじっくり観察することが可能。

園内で一番大きい大島

庭園の見どころは大泉水だけではありません。大泉水にはそれぞれ3つの浮かぶ島があり、名前はそれぞれ大島・中島・浮島となっています。

その3つの中でも一番大きな島が大島。場所は庭園の入り口から対岸に位置し、鯛橋という立派な一枚岩の橋で陸と繋がっている様子を見る事ができます。季節ごとに変化する緑や桜などの木々をじっくり観察しながら歩いてみてはいかがでしょうか。

大泉水の真ん中に堂々と浮かぶ中島

大島よりも少し小さめの2つ目の島が、中島。サイズは大島と比較すると少し劣りますが、大泉水のちょうど真ん中に浮かんでいる事や、西湖の堤や八つ橋と繋がっている事からこの庭園で大切な島となっているのが分かります。

3つの島の中心的存在でもあり、キレイに整った蓬莱石組は、中国では仙人が住み不老不死の地と言われる霊山を模したものだと言われています。

和式の八ツ橋

これぞ日本庭園というイメージを表すかのような、木像の和橋も見る事ができます。これは、中島と陸とを繋げている橋でバックの日本風景が写真映えする美しいスポット。

中国の西湖の堤とは違った趣があるので、落ち着いた日本風と中国風の両方をそれぞれ楽しむ事ができます。ぜひゆっくりと散策しながら違いを見つけてみてくださいね。

石組みが美しい唐津山

かつてこの庭園の原型を形作った大久保忠朝は、唐津藩主でもあった歴史が残っています。そのため、唐津の名前を残して築かれたのが現在の唐津山。この唐津山は、秋ごろになってくると背後には赤くきれいな彼岸花が咲き乱れることで有名です。

旧芝離宮恩賜庭園へのアクセス

電車でのアクセス

旧芝離宮恩賜庭園まで電車で向かう場合、JRでは山手線の浜松町駅で下車します。そのまま改札を抜けるとすぐに到着します。地下鉄で向かう場合は、都営浅草線・大江戸線の大門駅を下車して徒歩2分ほどで到着。

旧芝離宮恩賜庭園まで車で向かうことは、あまりおすすめしません。庭園には専用の駐車場がなく有料のコインパーキングを利用しなくてはならないことや、駅からのアクセスの方が行きやすいのが理由。庭園へ向かう際は、できれば車ではなく電車など公共交通機関を利用して向かいましょう。

住所|〒105-0022 東京都港区海岸1丁目4
営業時間|AM9:00-PM5:00
定休日|なし
電話|03-3434-4029
公式サイトはこちら

まとめ

旧芝離宮恩賜庭園は、大都会のオフィスビルの中のオアシスとして都立文化財9庭園の一つに指定されている自然豊かな美しいスポットです。中国式の堤防を取り入れた趣のある堤風景と日本風景が合わさった庭園で、それぞれの良さを見学する事ができます。ちょっとしたお散歩にもリラックスしたい時にも訪れてみてはいかがでしょうか。