旧古河庭園は西洋と日本が調和した不思議な空間

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出身地は大阪。得意なエリアは関西。 歴史的建築物や美術館巡りが好き。観光地に一緒に行くのは主に家族や友達。 美術館には一人で行くことが多いです。 旅行前に頭に入れておくとよりそのスポットが好きになれるような情報を発信していければと思います。

洋館とバラで有名なんですよ

大都会東京の北部に位置する北区。オフィス街に学生街・レストラン街として賑わい、さまざまな人々が昼夜行き交います。その一角にふと姿を見せる、異国情緒いっぱいの洋館こそ旧古河庭園。おとぎの世界へタイムスリップしたかのような、ロマンチックあふれる名所へ出かけましょう。

旧古河庭園はイギリス有名建築家による西洋文化

日本庭園も取り入れた洋と和のハーモニー

ここ旧古河庭園(きゅうふるかわていえん)は大正時代の1919年、古河財閥3代目当主・古河虎之助の邸宅として建てられました。古河財閥は三井・三菱・住友などと共に、日本十五大財閥の1つです。この建物を手掛けた人物こそ、イギリスの建築家ジョサイア・コンドル。洋館風の本館建物と西洋庭園はコンドルで、日本庭園は京都の作庭家・小川治兵衛によるものです。

第二次世界大戦中は戦災を免れましたが、戦後はGHQが接収。そして1956年に都立旧古河庭園としてオープンしました。しかし洋館などの建物は放置され、一時は「お化け屋敷」と悪評を立てられるまで荒廃。しかし1982年に東京都名勝指定を受けてからは、約5年をかけて修復整備し現在に至ります。洋風と和風が不思議なまでに調和し、どちらも非常に見ごたえがあるでしょう。

洋館と庭園とバラの異国情緒

旧古河庭園はバラの名所として有名。洋館(大谷美術館)を背景にすれば、異国情緒いっぱいの写真が撮れるでしょう。インスタ映え撮影スポットとしても近年注目度急上昇。園内に植えられているバラは、約100種類200株に及びます。

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バラの開花期は5月中旬~6月と10月中旬~11月、春と秋2回のシーズンがあります。それぞれに「バラフェスティバル」が開催され、音楽会を聴く事もできますよ。洋館とバラがライトアップされれば、ロマンチックムードいっぱい。庭園全体が階段状になっているので、立体的な景観が楽しめるでしょう。テラス内部の規則的な構造は、フランス式のヨーロッパ庭園美を想わせます。

ここは洋風庭園でありながら、左右非対称な造りです。ジョサイア・コンドルは日本庭園への造詣と理解が深く「日本の山水庭園(Landscape Gardening in Japan)」という自著もあるほど。バラ園の洋風と日本庭園の和風を、巧みに取り入れたいと苦心したのでしょう。西洋の文化を持ち込みながらも、同時に日本の文化を尊重したのです。

日本庭園は伝統的な美をそのままに

こちらは洋館の南にある回遊式庭園。京都の作庭家で7代目・小川治兵衛(おがわじへえ)により作成されました。日本庭園独特のスタイルで「心」の文字を模った心字池と築山が、伝統的な和風庭園を醸し出しています。庭園全体の傾斜を利用した大滝と枯滝に、大きな雪見燈籠も見事ですよ。

大滝は10m以上の高さから流下し、小規模ながらもそれは迫力充分。また大滝と心字池の間には入母屋造りの茶室があり、有料でお茶と和菓子を頂けます。ただ日本庭園は意外なほど足元が悪いため、歩きやすい靴を用意しておきましょう。

春には満開の桜にツバキやツツジの花も

バラで有名な旧古河庭園ですが、春になれば桜が見事に咲き誇ります。シダレザクラやソメイヨシノ、ヤマザクラなどが和洋空間をいっぱいに彩るでしょう。春から初夏にかけてはツバキやツツジの花、そして秋となればもちろん紅葉。四季それぞれに自然の美を広げます。

ガイドツアーに参加し洋館内を見学しよう

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旧古河庭園では1日3回のガイドツアーが開催され、事前予約すれば解説を聴きつつ館内見学ができます。現在は大谷美術館となっており、西洋の建築美を間近で見られるでしょう。1階は食堂や応接室にビリヤード室も、さらには喫煙室などの接客空間まですべて洋室。応接室に入ればバラのモチーフが随所を彩ってくれます。そして2階は私的空間や住居空間で、ホールと寝室以外はすべて和室なのです。

ここ旧古河庭園はジョサイア・コンドルが晩年に手掛けた建物。実は洋館の中に和室があるという、他では見られない配慮がされているのです。同氏はこの和洋建築を最後のプレゼントに、翌年東京にて67歳の生涯を終えました。これが最後の仕事という覚悟だったのでしょうか。1階の一部は喫茶室になっており、庭園を望みながらお茶を頂けます。

旧岩崎邸と旧古河邸は同じくコンドルの建築物

旧岩崎邸庭園もぜひ見ておきたい邸宅

こちらは東京都上野・不忍池の南西部。三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の「茅町本邸」であった建物と庭園です。岩崎弥太郎は土佐国(高知県)出身で、若い頃はあの坂本龍馬とも交流しました。そして後に実業家として大出世したのです。

岩崎邸は三菱財閥に深く関わっていたジョサイア・コンドルが、明治時代に建築しました。古河邸を建てる20年以上前の事です。この建物は和館と洋館に区別された和洋折衷式。庭園も和様併置式で「芝庭」という初期の形が見られるでしょう。旧古河庭園から北へ約5.5km、東京メトロ千代田線の湯島駅より徒歩約3分です。

住所|〒110-0008 東京台東区池之端1-3-45
営業時間|9:00-17:00
定休日|年末年始
電話|03-3823-8340
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旧古河庭園と共にぜひ訪れたい周辺観光スポット

六義園は海外からの評価高い日本庭園

ここ六義園(りくぎえん)は、旧古河庭園から南へ約1.1km。第5代将軍・徳川綱吉の側用人として仕える柳沢吉保が、1695年に造成した庭園です。都内を代表する日本庭園として名高く、海外からの観光客も多く見られるでしょう。春にはシダレザクラとツツジの花が見事、旧古河庭園との共通券があるのでぜひ訪れてみたいものです。

青淵文庫と渋沢史料館にも行ってみたい

近代日本を世界的に発展させた大実業家の渋沢栄一。旧古河庭園から徒歩12分の飛鳥山公園に、ここ青淵文庫(せいえんぶんこ)はあります。延べ330平方メートルの、レンガと鉄筋コンクリート建築。1925年の竣工で、渋沢栄一の傘寿(80歳)を祝い建てられました。本来は書庫でしたが、主に海外要人を接待する場だったのです。

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館内を彩るステンドグラスの美しさは有名。そこには渋沢家の家紋・違い柏(ちがいがしわ)がデザインされています。隣接する建物は渋沢史料館で、同氏の功績を多く見学できるでしょう。2024年から福沢諭吉に代わり新1万円札の肖像画に、さらには大型時代劇の主人公ともなる渋沢栄一。これから話題の場所となるに違いありません。

住所|〒114-0024 東京都北区西ヶ原2-16-1(飛鳥山公園内)
営業時間|10:00-17:00(入館は16:30まで)
定休日|毎週月曜日
電話|03-3910-0005
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旧古河庭園近くにはおすすめランチスポットが

榎本ハンバーグ研究所でじっくり味わう

こちらは旧古河庭園から徒歩7分にある、ユニークな名称のハンバーグ専門店です。「世界中にハンバーグが好きな仲間を、1人でも増やす事を目指している」をモットーに、熟練スタッフがプロデュースしたメニューは365種類以上。国産肉100%の自家製手作りです。「初代しるばーぐ」に「デミグラスビーフシチューの煮込みハンバーグ」「榎研ハンバーグ」が人気ですよ。

住所|〒114-0024 東京都北区西ヶ原2-44-13 西ヶ原ハイツ1F
営業時間|【月曜日から金曜日と祝前日】昼間は11:30-15:00(ラストオーダーは14:30)夜間は18:00-21:30(ラストオーダーは21:00)【土日祝日】昼間は11:00-15:30(ラストオーダーは15:00)夜間は18:00-21:30(ラストオーダーは21:00)
定休日|不定休(要確認)
電話|03-3910-7020
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旧古河庭園へのアクセス

電車での行き方

電車にて4通りのアクセス方法があります。JR京浜東北線を利用ならば上中里駅から徒歩7分の距離、まず駅前通りを南進しましょう。東京メトロ南北線を利用ならば、西ヶ原駅1番出口から徒歩7分の距離。都電荒川線を利用ならば、飛鳥山停留所から徒歩18分の距離です。上記の3駅方面からはいずれも都道455号線(本郷通り)を南東へ進み、平塚神社前交差点から間もなく右に庭園内へ入るでしょう。

JR山手線を利用ならば、駒込駅から徒歩12分の距離。都道455号線(本郷通り)を北へ進めば、やがて左に庭園内へ入るでしょう。鉄道駅からはいずれも徒歩約10分~20分内外。旧古河庭園には専用駐車場がないため、公共交通機関でのアクセスが賢明です。

住所|〒114-0024 東京都北区西ヶ原1-27-39
営業時間|9:00-17:00
定休日|12月29日から1月1日まで
電話|03-3910-0394(旧古河庭園サービスセンター)
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まとめ

1923(大正12)年9月1日、東京は関東大震災の惨禍に襲われました。この時家主の古河虎之介は邸宅を開放し、500人以上の被災者を救っているのです。創建したジョサイア・コンドルは人々から「コンドル先生」と親しまれました。その後時代の激流の中で人々に忘れられながらも、再び命を得た旧古河庭園。咲き誇る一面のバラに、古河さんもコンドル先生もどんな視線を送っているのでしょうか。