往時をしのばせる旧大社駅!懐かしの日本にタイムスリップしよう

公開日:2019/4/20 更新日:2019/12/27

トラベルパートナー:トラベルパートナー: NaitoYuta
神奈川県出身の30代男性です。電車・バス・飛行機で遠くに出かけるのが好きです。基本的に一人旅です。大学院で観光学を研究していました。海外であればロシアとその周辺諸国について、国内であれば北海道・関東・新潟・佐賀・長崎(壱岐・対馬)について書いていこうと思います。
旧大社駅は趣があってええがや

島根県出雲大社の南に位置する旧大社駅(きゅうたいしゃえき)は1912年開業、1990年JR西日本大社線とともに廃止された駅。2004年、駅舎は重要文化財に指定されました。現在残っている駅舎は1924年に改築されたもの。

山中条駅舎としては珍しい木造平屋建ての和風建築であり、堂々とした外観、隅々までていねいにデザインされた内装には一見の価値があります。

大社駅があった旧国鉄大社線とは

明治から平成まで78年間運行した路線

1912年、出雲今市駅と大社駅間を結ぶ国鉄大社線が開通。大社駅までには出雲高松、荒茅(あらかや)の2駅が設置され、出雲高松、荒茅、大社の各駅のプラットホームが現在も残されています。大社線は1990年4月1日惜しまれつつ廃止されました。

圧巻の壮大な駅舎

大社線には、1951~1961年に運行された東京と大社駅を結ぶ急行列車出雲をはじめ、名古屋、京都、大阪と大社駅をつなぐ急行列車が乗り入れていました。

現在の駅舎は1924年に改築されたもの。出雲大社を模した和風建築でありながらモダンな印象。出雲大社の表玄関にふさわしい壮大かつ重厚な構造になっています。旧大社駅は2009年に近代化産業遺産に認定されました。

駅舎内部に当時をしのぶ

謎の多い駅舎でもある

駅舎には、和と洋を折衷した大正時代の香りがそこここに残っています。木造の出札窓口、照明、待合室のベンチなどを見ていると、大正時代の旅人になったような気分。駅舎の一部は改造され観光案内協会が使用していますが、ほかの部分はほぼ大正時代のままです。

駅舎の設計は、かつて曽田甚蔵が伊東忠太の助言を受けて行ったと言われていました。駅舎廃止後、屋根裏の調査中に上棟式の棟札が発見され神戸鉄道管理局技師丹羽三雄が設計者であった事が判明。丹羽三雄に関しては詳しい事がわかっておらず、今後の研究が待たれます。

建築という言葉を生み出した伊東忠太は、西洋建築の視点から日本建築をとらえ直した建築史家。築地本願寺の設計者でもあり、旧大社駅の各所には伊東のデザインとされる痕跡が残されています。

丹羽と伊東の関係も明確になっていませんが、現在は高く評価されている丹羽の業績がどうして知られていなかったのか疑問が湧いてきます。

駅舎内は、天井にも非常に凝ったデザインを採用。灯籠型のシャンデリアは和と洋が入り混じり、しかも調和の取れた印象を与えます。駅舎全体は一見和風の建物そのもの。しかし建築という観点から見るとトラス構造という当時最先端の構造形式を採用しており、先進的な建物であった事がうかがえます。

集札箱などの道具類、駅名標なども廃止当時のまま保存されています。大正末から昭和初期の思い出がある人なら、駅舎の内部はとても懐かしく思えるかも。また、90年以上前の駅の姿が新鮮に見える人もいるでしょう。もはや1本の列車も到着しない駅舎には一種の哀愁が漂っています。

ずらりと並んだ石でできた改札口。高度成長期には年間200万人以上が利用していた旧大社線は、1987年JR西日本の駅になり1990年廃止されました。二度と使われる事のない立派な改札口には、かつて隆盛を極めた駅の雰囲気が感じられます。

D51型蒸気機関車、774号機を展示

D51型蒸気機関車とは

D51型蒸気機関車は、1936年から当時の鉄道省により製造開始。機関車としては最多の1,000両以上が造られました。D51は主に貨物輸送のために使用され、日本国内はもとより第2次世界大戦後ソビエトのサハリン、台湾でも運行されていました。

旧大社駅には、デゴイチことD51型蒸気機関車の774号機が展示されています。774号機は1942年製造。当初は東海道本線国府津機関区で使用されました。1970年からは主に山陰本線の東側で運行。1974年11月30日、本州内を最後に営業運転で走った蒸気機関車として静態保存機になりました。

774号機は旧大社線廃止の際に出雲大社神苑内に移されましたが、2001年から旧大社駅に展示されています。

旧大社線の一部はサイクリングロード

旧大社線の一部はサイクリングロードになっています。出雲市駅北町10-2の出雲市東駐輪場前ではレンタサイクルを借りる事も可能。一畑電鉄の一部の列車には自転車とともに乗る事もできるので、サイクリングを楽しみたい人はぜひ利用してみましょう。

ぜんざい発祥の地でほっと一息

ぜんざいは出雲地方の神在餅(じんざいもち)をもとにしてできた甘味と言われています。旧大社駅を見学した後、ぜひ本場のぜんざいを味わってみましょう。甘味店は出雲大社前駅から出雲大社本殿前に集中。ぜんざい発祥の地出雲の数ある甘味処の中でも、日本ぜんざい学会壱号店がおすすめ。控えめな甘さのぜんざいでほっと一息つきましょう。

Address 〒699-0711 島根県出雲市大社町杵築南775-11
Hours AM10:00-PM17:00
Closed 不定休
Tel 0853-53-6031
Web http://www.zenzai-01.com/

出雲そばもおすすめ

出雲そばの名店、献上そば羽根屋本店は出雲市駅から歩いて約10分程度。江戸時代末期に創業し、本格的な手打ちそばを提供しています。割子そば、釜あげそばがとくに有名。割子そばは1段と3段重ねがあります。そばは、つるつるとのど越しがよく、あっという間に完食してしまいます。

Address 〒693-0001 島根県出雲市今市本町549
Hours AM11:00~PM20:00(15:00~17:00時休み)
Closed 1月1日、毎週第一、第三水曜日
Tel 0853-21-0058
Web https://kenjosoba-haneya.com/

旧大社駅へのアクセス

飛行機・バスでのアクセス

最寄りの空港は出雲縁結び空港。東京(羽田)、名古屋(小牧)、大阪国際(伊丹)、静岡、札幌(新千歳)、仙台、隠岐、福岡から直行便が運航。空港からは、出雲一畑交通バス出雲市行きの終点で下車し、出雲一畑交通バス大社線に乗り換えます。旧JR大社駅下車徒歩1分です。

空港から出雲一畑交通バスの出雲大社行きバスも利用可能。出雲大社前駅バス停で下車し、徒歩で旧大社駅へ。出雲市駅からタクシーなら旧大社駅まで約15分です。

電車でのアクセス

山陽新幹線岡山駅から特急やくもに乗り、終点の出雲市駅下車。寝台特急サンライズ出雲の場合、東京駅から出雲市駅に直行。サンライズ出雲は眠りながら移動できるのでおすすめです。出雲市駅からは、出雲一畑交通バス大社線、旧JR大社駅下車徒歩1分。出雲市駅からタクシーなら旧大社駅まで約15分です。



高速バスでのアクセス

東京・大阪・岡山・広島・福岡などから高速バスで出雲市駅まで移動可能。出雲市駅からは、出雲一畑交通バス大社線、旧JR大社駅下車徒歩1分。出雲市駅からタクシーなら旧大社駅まで約15分です。

Address 〒699-0792 島根県出雲市大社町北荒木441-3
Hours AM9:00-PM17:00
Closed 無休
Tel 0853-21-6588
Web https://www.izumo-kankou.gr.jp/172

まとめ

国の重要文化財、近代化産業遺産に指定されている趣きのある木造の駅舎。旧大社駅を訪れた人は、1924年に改築された駅舎の堂々とした外観、豪華な内装、当時のままの鉄道の道具類などに目を見張ります。旧大社駅は出雲大社から歩いても20分ぐらいなので、参拝のあとでぜひ立ち寄ってみたいスポットです。