唐招提寺金堂は日本が誇る名建築!黄金比のお堂に感動間違いなし

公開日:2019/4/27 更新日:2019/12/27

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静岡県出身、歴史好きが高じて奈良県に移住しました。奈良県の記事をメインで書いています。旅行は家族で出かけることが多いです。神社仏閣の紹介が得意です。散歩や食べ歩きが趣味で、カメラを片手に日々新たな撮影スポットやおいしいお店を探しています。
日本で唯一現存する奈良時代の金堂なんやで~!

唐招提寺金堂は、奈良時代に建てられた中で唯一の現存している金堂です。美しい黄金比を持つ建物や、貴重なご本尊など、歴史的にも美的にも見どころの多いスポット。また、唐招提寺は金堂以外にも貴重な建物が多くあるため、大人から子供まで誰にでもおすすめできる場所です。そんな唐招提寺金堂について解説します。

唐招提寺金堂とは

奈良県にある唐招提寺金堂は国宝に指定されています。堂々とした美しい姿の建物で、拝観受付がある南大門を入ってすぐ正面にある円柱が特に印象的。

奈良時代に建てられた金堂の中で唯一現存するもので、天平時代に建てられた当初の様子を今に伝える大変貴重な建造物です。もちろん後世に改修されてはいますが、部材などはほぼ当時のまま残っているのだそう。

金堂の大きな特徴として挙げられるのが、金堂正面に吹き放ちの8本の太い円柱がある点と、建物縦横比率が黄金比だという点。堂内のご本尊をはじめとした巨大な仏像群も見逃せません。

唐招提寺金堂の歴史

唐招提寺は、鑑真和尚の私寺として建立され、金堂前では各種法要が行われていたのだそうです。唐招提寺の金堂は、堂内が明るいのが特徴。個人参拝者が尊像を拝みやすいように新しい構造になっています。

唐招提寺創建時には今よりも小規模な金堂が建っていましたが、鑑真和尚の没後、弟子の如宝らによって8世紀後半に現在の金堂が建てられました。

少し屋根が重たく見えますが、これは江戸時代の改修によって棟の高さが変更された事で、屋根が高く厚くなったため。創建当時はより軽やかな印象だったのだそうです。

唐招提寺金堂の大規模改修工事

唐招提寺金堂では、江戸時代と明治時代に大規模な改修がありました。

その後、2000年から約10年間にわたり、平成大修理と名付けられた大規模な改修工事が約100年ぶりに行なわれました。これは、1995年の阪神大震災の際に建物の状況を調べたところ、梁などのたわみや柱の傾きが酷く、緊急に改修の必要があると判断されたためです。

金堂の建築様式は

唐招提寺金堂の建築様式は、寄棟造、本瓦葺きと呼ばれるもの。中央の大きな連子窓を開くと、外からでもご本尊である盧舎那仏坐像と脇侍の千手観音・薬師如来立像を見る事ができるようになっています。もともとは現在受付がある南大門と金堂の間に中門があったそうで、中門と金堂をつなぐ回廊も設置されていました。

唐招提寺金堂の見どころ

黄金比が美しい建物

唐招提寺金堂の特徴である黄金比とは、1:1.618という比率の事。最も美しさが安定するとされている比率で、唐招提寺金堂の縦と横の長さの比率がこれに該当します。他に黄金比を持つ建築を代表するものとしては、ギリシャのパルテノン神殿、パリの凱旋門、平等院鳳凰堂、エジプトのピラミッドなどがあります。黄金比は紀元前にヨーロッパで発見されたもの。シルクロードの終着点である日本にも伝わって活用された事がわかります。

8本のエンタシス円柱

正面にある8本の太い柱は、緩やかなエンタシス円柱と呼ばれるもの。エンタシスとは古代ギリシャの建築様式で、パルテノン神殿にも用いられています。エンタシスの特徴は、柱中央にふくらみを持たせている事。この建築技法により、錯覚を利用して下から観た時にまっすぐに見えるのです。

また、柱間が建物の端にいくについれて狭くなっている事にも要注目。これは、中央を広くとる事で広々とした印象を与えるとともに、端の方に柱が密集する事によって建物を強化するという意味があります。

天平の甍の象徴・鴟尾(しび)

こちらは、唐招提寺金堂が創建された約1200年前から屋根の上にあった鴟尾を新しくしたもの。平成大修理の際に割れやひびが見つかったために新調されました。長靴をひっくり返したような形が特徴で、創建当初の鴟尾は唐招提寺の放物展示保管庫である新蔵庫に展示されており、現在でも見る事が可能(見学は有料)。

新調されたこちらの平成の鴟尾は、生駒市の瓦職人である山本清一氏らが昔ながらの手法を用いて約半年かけて制作したもの。鴎尾は高さ1.2メートル、重さは約22キログラムあるそうです。

垂木と組物にも注目

唐招提寺音頭の軒を支える組み物の形式は、和様の三手先(みてさき)と呼ばれるもの。創建当時は、最も格式高い形式だったといわれ、重要な寺院などに多く用いられました。

また、屋根を支えるた垂木の形式は、上下二段になっている二軒(ふたのき)垂木とよばれるもの。三手先も二軒垂木も天平時代には盛んに用いられていましたが、鎌倉時代には姿を消した貴重な手法です。

堂内に安置されている巨大な仏像

唐招提寺金堂のご本尊は、高さ3.05メートルもある盧舎那仏坐像(国宝)。男性的な険しい表情が特徴で、光背の千体仏は当時本当に千体あったのだそうです。ただし、現在は864体の化仏となっています。

脇侍は高さ5.35メートルの千手観音立像(国宝)で、実際に千本の腕がつけられている日本で2体しかない仏像。こちらも現在は953本まで減っています。なお、もう1体は葛井寺にあります。

もうひとつの脇侍は、高さ3.37メートルの薬師如来立像(国宝)。なぜか、如来にあるはずの額の白毫がないのが大きな特徴です。

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平城京から移築された講堂

こちらは、金堂のすぐ後ろにある講堂。平城京にあった東の朝集殿という、貴族が儀式の待機や着替えを行うために使用した場所が移築・改造されたものです。平城京にあった建物で他に現存しているものはなく、改造されてはいるものの、当時の宮廷建築を示す貴重な建造物として国宝に指定されています。

堂内に安置されている仏像はすべて鎌倉時代のもので、重要文化財の弥勒如来坐像、持国天、増長天立像など。



うちわまきで有名な鼓楼(ころう)

金堂と講堂の間に建てられている鼓楼は、2階建ての建物。1階は鑑真和尚が持参した仏舎利を納めるために、2階は経蔵として使われていました。現在の建物は鎌倉時代に再建されたもの。江戸時代に鼓楼と呼ばれるようになるまでは、鼓堂、舎利殿とも呼ばれていました。

毎年5月に行なわれる、うちわまき会式では、2階部分からハート型のうちわが撒かれます。

校倉造りの宝蔵・経蔵

こちらの宝蔵・経蔵は、もともと新田部親王邸にあったものをそのまま利用しており、759年の唐招提寺創建以前に建てられてた非常に歴史ある建物。正倉院と同様に高床式の校倉造りで、奈良時代の貴重な建造物として国宝に指定されています。屋根にある文様が特に美しく、中でも鬼瓦は絶対に見逃さないでください。

鑑真和上御廟までの道

こちらの鑑真和上御廟は、八角形の壁に囲まれた鑑真和上のお墓。境内のはずれの静かなエリアにあります。美しい庭園で有名な唐招提寺の中でも、この鑑真和上御廟までの道の両脇に広がっている一面の苔庭は格別。ほれぼれする美しさです。また、御廟の周囲にある池には、初夏になると美しい蓮が咲きますよ。

傑作・鑑真和上坐像が眠る御影堂(みえいどう)

こちらの御影堂は、日本の肖像彫刻の傑作として名高い鑑真和上坐像(国宝)が安置されている場所。鑑真和上坐像は秘仏とされており、毎年6月に3日間だけ公開されます。また、堂内には高名な日本画家である東山魁夷の障壁画も。鑑真の渡航を主題とするもので、完成までに10年もの歳月をかけた大作です。

御影堂は2020年まで大修理の時期となっているため、鑑真和上坐像の秘仏公開の期間には、新宝蔵で公開されます。

新宝蔵にある唐招提寺のトルソーは必見

新宝蔵は、文化財収蔵展示を目的として鉄筋コンクリートで作られた建物。見学は有料になります。新宝蔵にある如来形立蔵は、平安時代に作られた木造の像で、頭と両手先がありません。ギリシャ彫刻のように美しくプロポーションも良いため、唐招提寺のトルソーとして知られています。

他にも、主に旧講堂に安置されていた奈良時代末期の木彫像を多く展示。重用文化財に指定されている大日如来像や、創建以来使用されていた金堂の鴟尾も見逃せません。

唐招提寺へのアクセス

電車でのアクセス

近鉄西ノ京駅より徒歩でおよそ10分になります。



バスでのアクセス

唐招提寺東口もしくは唐招提寺下車すぐになります。近鉄奈良駅やJR奈良駅からもバス利用可能。

車でのアクセス

第二阪奈有料道路・宝来ランプまたは西名阪自動車道・郡山ICを利用しましょう。駐車場は有料になります。

Address 〒630-8032 奈良市五条町13-46
Hours AM8:30~PM5:00
Closed なし
Tel 0742-33-7900
Web http://www.toshodaiji.jp/

まとめ

奈良県の唐招提寺金堂は、創建当時の部材などを残す貴重な建物。黄金比の美しい姿も特徴的で、日本の歴史や美的感覚を存分に味わえるスポットになっています。金堂以外にも見どころがたくさんある唐招提寺。ファミリーで、カップルで、一人旅で、のんびりと出かけてみませんか。