落柿舎は俳人向井去来ゆかりの庵跡。静かな庭園で句を詠もう

この記事の情報提供者

トラベルパートナー: Erica

生粋の京都人。京都愛が強く、得意エリアももちろん京都。 1人か女同士で出かけることが多く、移動は電車と徒歩がほとんど。趣味のカメラは必需品。コーヒーやスイーツが好きなので、出かけた先でカフェを見つけては、まったりしてます。

草庵も庭園も素敵で、風流な気分になれる場所やで!

京都の嵯峨野にある草庵・落柿舎(らくししゃ)は、松尾芭蕉の門人である向井去来(むかいきょらい)の遺跡。その名の通り現在でも柿の木があり、茅葺屋根の趣のある建物が人々を出迎えてくれます。庭園には松尾芭蕉をはじめとした多くの人々の手による句が記された句碑がならび、江戸時代の京都へを訪れる人の想いを運んでくれるよう。

俳句を詠まれる方や古い建物が好きな方はもちろん、京都観光に少し疲れてしまったという方や、ひとりで京都を満喫している旅行者などにおすすめしたい落柿舎。建物や施設の歴史など、その魅力を徹底解説します。

芭蕉の門人・向井去来の草庵

落柿舎は、京都府京都市右京区嵯峨野にある草庵の名称。江戸時代に活躍したあの松尾芭蕉の門人だった向井去来の別荘です。松尾芭蕉も元禄二年(1689)に初めて落柿舎を訪れて以来、計3度足を運びました。元禄四年(1691年)に訪問した際には、この場所で嵯峨日記を執筆したのだそう。

ひっそりと佇む本庵

茅葺き屋根の草庵

落柿舎の門をくぐると、目の前に現れるのは茅葺屋根が印象的な本庵。ひっそりと佇む本庵の姿は、なんともいえない風情があります。本庵の内部は、土間と玄関の他に四帖半と三帖の部屋がそれぞれ一つずつ、二帖の部屋が二つという構造になっています。

玄関先には簔と笠が

これは、本庵の玄関先にかけられている蓑と笠。かつては、庵主の在宅・不在を外に知らせるために蓑と笠をこうしてかけていたのだそう。現在では、このように常に玄関にかかっています。

玄関から少し中を覗くと囲炉裏が

本庵を覗いてみると、玄関に囲炉裏があるのがわかります。そのかたわらには一足のわらじがおかれていて、かつての生活を垣間見たような気分に。入って右手には台所があり、その奥にはかまども確認できます。

庭園を眺めながら投句しよう

去来像もあるお座敷

こちらは、本庵のお座敷。現在は、こうして外からみる事ができるようになっています。手前にある四帖半の部屋に安置されているのは去来像。縁側に置いてある座布団に座って、庭園を眺めながらのんびりと過ごすのもおすすめです。

縁側には落柿帳と投句用紙が

これは、縁側に置いてある落柿帳という名のついたノート。中を開けてみると、過去に落柿舎を訪れた人々のメッセージが記されています。落柿帳の隣には投句用紙が置いてあるので、俳人の地にちなんで、俳句に覚えのある方は投句してみてはいかがでしょうか。落柿舎の雰囲気の中で、特に良い句が生まれるかも。

投句用紙に句をしたためたら、すぐ近くに設置されている投句箱に入れましょう。投句された句は選定され、入選した場合は受付でもらえる季刊誌・落柿舎に掲載されるとの事。入選した場合は自宅にも郵送してくれるそうなので、遠方に住んでいてなかなか再訪できない人も安心です。

柿の木がいくつもある静かな庭園

昔からここには柿の木があった

向井去来がここに住んでいた頃、庭にあった40本の柿の木の柿が一夜のうちにすべて落ちてしまった事から、落柿舎という名が付けられました。現在でも、庭園にはたくさんの柿の木があり、秋には多くの身をつけます。中でも注目してもらいたいのが、本庵の前にある高い柿の木。なんと樹齢300年を数える古木だそうです。

ししおどしの音を聴きながら一休み

庭園にはこうしてししおどしがあります。ししおどしが放つコーンという音は、静寂に包まれた落柿舎の敷地内に響き渡ります。庭園の奥の方にはベンチも設置されているので、一休みして耳を澄ませてみるのがおすすめ。秋には美しい紅葉も楽しめますよ。

庭園には句碑がずらりと

洛中で一番古い向井去来の句碑

こちらは、落柿舎の庭園にある句碑。向井去来が詠んだ「柿主や 梢はちかき あらし山」という句が記されています。安永元年(1772年)に俳人・井上重厚が建てたもので、洛中で最も古い句碑だといわれているのだそう。

嵯峨日記にも書かれた松尾芭蕉の句碑

こちらも庭園にある句碑で、松尾芭蕉が詠んだ「五月雨や 色紙へぎたる 壁の跡」という句が記されています。この句は、芭蕉がこの地で執筆した嵯峨日記の最後に書かれたもの。少し寂しい雰囲気が印象的な句です。この他にも庭園には高濱虚子、昭憲皇太后、下平可都三などの句碑が並んでいます。

柿や俳句に因んだ風情のある授与品

こちらは落柿舎の授与品の数々。落柿舎のもみじや柿の葉で作った落ち葉のしおりや柿のイラストが入った落柿舎一筆箋など、柿にちなんだグッズが目立ちます。この他にも俳句カレンダーや俳聖かるたなど、俳句にちなんだ授与品も多数。授与品のラインナップにも風情を感じますね。

和紙を使った味のある御朱印

こちらは落柿舎でいただける御朱印。和紙を使った書置きのもので、なんとも味があるデザイン。通年でいただける御朱印は、去来・落柿舎・柿・「坊主や 梢はちかき あらし山」の4種類です。

この他にも季節限定でいただける俳句の御朱印もあるので、気に入った俳句がある方は聞いてみてください。すべての御朱印に入っているのは柿の印。なお、御朱印は受付でいただく事ができます。

落柿舎へのアクセス

電車でのアクセス

電車を利用する場合は、JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅より徒歩15分、京福電鉄嵐山駅より徒歩15分になります。

バスでのアクセス

バスを利用する場合は、京都市バス・京都バスの停留所・嵯峨小学校前より徒歩10分です。

車でのアクセス

落柿舎に専用駐車場はありません。徒歩10分圏内にいくつかコインパーキングがあるので、探して停めてから向かってください。JRや京福電鉄の近くまで行くと、より多くのコインパーキングがあるので、その辺りに停めて15分ほど歩いて向かう事も可能。

住所|〒616-8391 京都府京都市右京区嵯峨小倉山緋明神町20
営業時間|AM9:00-PM5:00(1月、2月はAM10:00-PM4:00)
定休日|12月31日、1月1日
電話|075-881-1953
公式サイトはこちら

まとめ

嵯峨野にある向井去来の別荘・落柿舎は、なんとも風情のあるスポット。庭園には松尾芭蕉や向井去来をはじめとする多くの句碑があり、当時の俳人たちの姿に異を馳せることができます。また、趣のある本庵の縁側や庭園のベンチでのんびりと時間を過ごすのもおすすめ。ぶらり京都一人旅の際や京都観光の合間に、ぜひ訪れてみてください。