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岡山県倉敷市にある大原美術館は、倉敷の美観地区内に建つ私立美術館です。倉敷を代表する実業家・大原孫三郎と、画家・児島虎二郎によって集められたコレクションは、世界的名画をはじめ見ごたえたっぷり。倉敷観光では外せない大原美術館の魅力と、おすすめ周辺スポットを紹介します。
倉敷美観地区に溶け込む大原美術館
日本最初の西洋美術・近代美術を展示する美術館

岡山県倉敷市の実業家・大原孫三郎が1930年に開館した大原美術館は、日本初の西洋美術館として知られています。西洋美術・近代美術を展示する私立美術館としては日本最初のもので、日本の芸術的発展を目指して建てられました。
大原美術館の創設は社会貢献の一環としての側面も持ち、現在も美術講座など教育普及活動が積極的に行われています。また、年に数回開催するギャラリーコンサートなど、多彩な芸術活動を展開。子供達や地域に深く密着した美術館として、親しまれています。
大原美術館の創設者・大原孫三郎とは

大原美術館の創設者・大原孫三郎は、1880年倉敷の名家に生まれました。倉敷紡績(クラボウ)・倉敷絹織(クラレ)・倉敷毛織などの社長を務めた実業家で、大原財閥を築いた人物として有名です。
社会貢献活動にも積極的だった大原孫三郎ですが、日本の児童福祉の先駆者である石井十次と出会った事で、事業を通じて得た富を社会へ還元する事の重要性に気付きました。もともとは自社社員のために創立した倉敷中央病院を地域住民にも開放し、社会貢献を行った事などでも知られています。
ジャンルにとらわれない大原コレクション
児島虎次郎セレクション
大原美術館の創立には、きっかけとなった重要な人物がもう1人います。それは大原孫三郎の友人でもあり、活動の支援もしていた洋画家・児島虎二郎。大原美術館には、児島虎二郎がヨーロッパ留学中に購入した西洋画が数多く展示されています。
エル・グレコをはじめ、ゴーギャンやモネ、マティスといった大原美術館の中核をなす作品を、倉敷にもたらしたのが児島虎二郎でした。
エル・グレコの受胎告知
大原美術館に常設展示されているエル・グレコの作品・受胎告知は、神秘的な夜空に、突如登場した天使が神の子の受胎を告げるシーンが描かれています。受胎告知のテーマで複数作品を残しているエル・グレコですが、大原美術館にあるのはその中の1点となります。
児島虎二郎がパリの画廊で見つけたこの1枚は、大原孫三郎に出資を依頼し日本に持ち帰ったもの。現在、日本にある事が奇跡とも言われる貴重な作品です。
有名なモネの睡蓮
日本でも非常に有名なモネの睡蓮ですが、大原美術館に展示されている作品は、児島虎二郎が晩年のモネ本人から直接購入したと言われています。
作品が描かれた庭の池に植えられているのはもちろん睡蓮。睡蓮はモネ本人が実際に暮らしていたフランス北部のジヴェルニーの庭を描いており、現在その場所はモネの庭として保存されています。
西洋絵画だけではない美術品
大原美術館は本館のほかにも、分館や工芸・東洋館と見どころがたくさん。分館には青木繁や岸田劉生など日本作家による作品もあり、主に近代以降の洋画や彫刻が展示されています。
また、工芸・東洋館には、棟方志功や河井寛次郎の工芸作品が展示されるなど、児島虎次郎が集めた中国古美術を中心に展示されています。
語らい座大原本邸

大原美術館とあわせて訪れたいのが語らい座大原本邸です。2018年4月にグランドオープンした新たな観光スポットですが、大原孫三郎がその家族らとともに暮らしてきた、本物の屋敷を見学する事が可能。
明治時代からそのままの姿で残っている白壁の建物で、家や蔵・美しい庭園を楽しめます。1971年に倉敷の伝統的町家、旧大原家住宅として、主屋・離れ座敷・倉8棟が国の重要文化財に指定され、倉敷を知るうえでは外せないスポットとなりました。
Address | 〒710-0046 岡山県倉敷市中央1丁目2 |
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Hours | 9:00~17:00 |
Closed | 月曜日・年末年始 |
Tel | 086-434‐6277 |
Web | https://www.oharahontei.jp/ |
建物にも目を向けよう
本館は開館当時の建物
1930年に開館した大原美術館は、その当時の建物がそのまま使用されている歴史的な建物です。入館券を購入すると、目の前にはすぐ本館が見えますが、その美しい建物も見どころの1つ。美しい装飾が施された2階の丸窓は、まるで芸術作品のようだと言われています。
本館から分館へ移動する時には庭にも注目
大原美術館の本館から分館へ移動する際には、新渓園と呼ばれる庭園を通る事になります。庭園は本館の出窓からも見えますが、ロダンの彫刻や石のオブジェなど、至近距離で楽しむのがおすすめです。
庭に隠れたアートたち
大原美術館の工芸館入口には、ロダンの彫刻・洗礼者ヨハネの台座だった石もあります。美術館を囲っている石垣の中には、ハートの形をした石が隠れているので、探してみるのも楽しいですよ。
さらに、ジヴェルニーにあるモネの自宅庭から、株分けされたという睡蓮が植えられた池もあります。睡蓮の花は夏に見頃をむかえ、10月中旬頃まで楽しめます。
ミュージアムショップには所蔵作品をモチーフにしたグッズが
美術作品を堪能したあとは、館内にあるミュージアムショップに立ち寄るのがおすすめです。ミュージアムショップには、展示作品をモチーフにした文房具や、アクセサリーなどがズラリ。クッキーや岡山発祥のマスキングテープなど、さまざまなグッズの取り扱いがあります。
美術書や大原美術館でしか手に入らない限定グッズ、さらには本館の飾り窓をモチーフにした手ぬぐいまで、バラエティに富んだラインナップが楽しめます。
アート探訪のあとにはカフェで休憩
老舗の喫茶店エル・グレコ

エル・グレコは、大原美術館のすぐ近くにある老舗の喫茶店。大正時代の面影が残る店で、大原美術館の理事長より「美術鑑賞をした人達が休憩する場所を」という依頼を受けて開店した、というエピソードが残っています。
レトロモダンな雰囲気が楽しめる老舗喫茶は、大原美術館に展示されている受胎告知の画家、エル・グレコの名が店名になっており、美術ファンからも親しまれています。
Address | 〒710-0046 岡山県倉敷市中央1-1-11 |
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Hours | 10:00~17:00 |
Closed | 月曜日(祝日の場合は水曜日) |
Tel | 086-422-0297 |
Web | http://www.elgreco.co.jp/ |
倉敷の美観地区の散策も
今も江戸の風情が残る美観地区
大原美術館がある倉敷の美観地区は、昔ながらの町並みを楽しめる岡山県屈指の人気観光エリアです。幕府直轄の天領として、江戸時代には綿花や米の集散地として栄えました。美観地区は白壁土蔵造りの屋敷など由緒ある建築物が多く残されており、漆屋塗りの町家が川沿いに並ぶ様子は美しく散策にもぴったり。
川沿いをウィンドウショッピングするのも楽しい
美観地区は岡山を観光するなら外せないという人気エリアですが、美しい掘割りと柳並木を見れば納得のはず。おだやかに流れる川に心が癒やされ、白壁の屋敷や蔵が立ち並ぶ様子は情緒もたっぷりです。町並みの美しさはもちろんの事、古い建物の良さを引き継いだまま新しいカフェやレストラン、ショップなどが続々とオープン。
倉敷帆布や倉敷デニムといった、倉敷発祥のブランドも知名度とともに存在感を増しています。マスキングテープのお店も並び、文房具好きやかわいいものが好きな女性など、多くの人が訪れる場所と人気スポットとなりました。
美しい緑あふれる倉敷アイビースクエア
倉敷アイビースクエアは、JR倉敷駅から歩いて15分ほどの場所にある複合観光施設です。明治時代の倉敷紡績所(クラボウ)の外観や、可能な限りの立木を保存し再利用して生まれました。
赤レンガの建物に絡まるアイビー(蔦)が名前の由来になっている、倉敷アイビースクエア。観光施設内にはホテルや文化施設も営業し、倉敷の工芸品や民芸品などを体験する事も可能です。銘菓などもそろっているので、ショッピングやグルメも満喫できます。
Address | 〒710-0054 岡山県倉敷市本町7-2 |
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Hours | なし |
Closed | なし |
Tel | 086-422-0011 |
Web | https://www.ivysquare.co.jp/ |
大原美術館へのアクセス
電車でのアクセス
大原美術館へ電車で向かう場合は、東京方面からJR山陽新幹線に乗車します。岡山駅で乗り換えたあと、JR山陽本線で倉敷駅へ。また、広島方面から向かう場合は、JR山陽新幹線の新倉敷駅で乗り換え、JR山陽本線で倉敷駅を目指します。倉敷駅からはいずれも、徒歩約15分でたどり着きます。
車でのアクセス
東京・広島方面から大原美術館まで車で向かう場合は、山陽自動車道倉敷インターチェンジから約20分で到着します。四国方面からは、瀬戸中央自動車道早島インターチェンジを下りて、約20分で大原美術館へ。大原美術館には専用駐車場がないので、近隣の駐車場を利用する事になります。
Address | 〒710-8575 岡山県倉敷市中央1-1-15 |
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Hours | 9:00~17:00 |
Closed | 毎週月曜日・12月28~31日 |
Tel | 086-422-0005 |
Web | https://www.ohara.or.jp/ |
まとめ
倉敷の美観地区にある大原美術館は、近現代美術作品を中心にコレクションしている美術館。美術作品はもちろん、ひときわ存在感を放つ美しい建物が目を引きます。倉敷観光の人気スポットとして多くの観光客が訪れる大原美術館ですが、世界的名画から日本作家の作品まで幅広いアート鑑賞が楽しめます。
美観地区のレトロな町並みや建物・カフェやショップとあわせて、ノスタルジックな旅を楽しむのがおすすめ。