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- 外語大を卒業した後に東欧身の外国人と国際結婚し、国内外を問わず知らない国や地域に訪れるのが好きです。一眼写真が趣味の主人と現地で出会う人との会話や食事、地域に根差す文化を自由に楽しむ無計画旅行がメインスタイルです。出身である神奈川県を中心に、関東周辺やヨーロッパに関する記事を執筆しています。
ロシア西部のバルト海に続く水の都サンクト・ペテルブルクにあるマリインスキー劇場。世界最高レベルのバレエとオペラ、オーケストラを鑑賞できる、劇場文化に親しむ市民と世界中の芸術を愛する人たちに人気のスポット。観劇の際の基本情報とロシアの歴史や世界遺産の周辺観光スポットに絶景ポイントもご紹介しています。
港街サンクト・ペテルブルクはロシア帝国の栄光に輝く首都
ロマノフ王朝の宮殿が芸術の舞台として活躍
国立ロシア美術館は、皇帝アレクサンドル1世の弟が所有するミハイロフスキー宮殿でしたが現在は画家レーピンの作品が展示されています。また、世界最大規模であり世界4大ミュージアムのエルミタージュ美術館は女帝エカテリーナ2世が1775年に隠れ家の冬宮として建設。ロマノフ王朝時代の皇帝や女帝の宮殿を、美術館や博物館として活用しています。
ロシア文豪ドストエフスキーが愛した街
世界的作家ドストエフスキーは、ロシアのモスクワで生まれサンクト・ペテルブルクで過ごしました。代表作の罪と罰やカラマーゾフの兄弟など、物語の舞台となった場所や晩年を過ごした家もあるゆかりの都市。加えて、トルストイやプーシキン、ブロークやアフマートヴァも暮らした街として知られています。
素晴らしい劇場文化を愉しめる
サンクト・ペテルブルクは、北のヴェネツィアと称されバルト海の国際都市として繁栄してきました。モスクワの前に首都だった事で、ロマノフ王朝時代に皇室劇場がつくられるなどロシアを代表する華麗な宮廷芸術文化が発展しました。現在では、ユネスコ世界文化遺産の宝庫で観光客にも人気。
壮麗マリインスキー劇場をご紹介
華やかな劇場へ行こう
ユネスコ世界文化遺産の本館は、サンクト・ペテルブルク歴史地区と関連建造物群として登録され市民や観光客に人気の劇場。ボリショイ劇場と共にマリインカという愛称で親しまれています。街の南西部にあり、エルミタージュ美術館などがある中心部からは距離があります。
伝統的な本格バレエとオペラを鑑賞しよう
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本場のバレエやオペラ専用のマリインスキー劇場。観劇のオーケストラも有名でマリインスキー管弦楽団として来日公演もおこなっています。世界的に有名なチャイコフスキーバレエの代表3作品は、眠れる森の美女と白鳥の湖、くるみ割り人形で本劇場で初演。伝統的な格調高いクラッシックバレエが特徴で、劇場アカデミーで若手の育成もおこなっています。
劇場完成までの軌跡
起源は1783年、女帝エカテリーナ2世によって石造りの帝室劇場が建設。皇帝アレクサンドル2世の皇后の名前が由来となり、マリアの劇場という意味のマリインスキー劇場が1860年に誕生しました。1991年のソビエト崩壊まで、キーロフ劇場と呼ばれていました。
マリインスキー劇場のバレエとオペラの魅力
チャイコフスキー珠玉の3大バレエ

白鳥の湖は、1877年初演の悪魔に白鳥の姿に変えられてしまう王女オデットと王子ジークフリートの恋物語です。1890年初演の眠れる森の美女は、オーロラ姫と王国が魔法にかけられ100年の眠りから王子様が救う物語。くるみ割り人形は、1892年初演の少女クララがクリスマスイブの夜にもらったくるみ割り人形の物語。夢のあるストーリーとバレエの振り付けが美しくロマン主義の影響が特徴です。
オペラの代表プログラム

ロシアオペラの傑作ボリス・ゴドノフは、皇帝ボリスが実際に苦悩した様子を内面的な視点から描いたムソルグスキーの作曲。スペードの女王は、主人公ゲルマンのカードゲームの勝利を願うストーリーでプーシキン原作。蝶々夫人は、明治時代の長崎が舞台のアメリカ人ピンカートン海軍士官と結婚した蝶々夫人の生涯を描いた作品。オペラのアリアが堪能できる情感豊かなオーケストラもポイントです。
マリインスキー劇場の観劇のポイント
チケットの購入方法

オンライン予約購入もできる、マリインスキー劇場本館と新館マリインスキー劇場Ⅱとコンサートホール、ウラジオストクにあるマリインスキー劇場の沿海州別館もあるので気をつけましょう。公式ウェブサイトやチケットセンター、劇場のチケット売り場で上演スケジュールをチェックします。公演日時と演目、キャストを確認し、窓口で注文。座席表を見ながら選べる場所もあります。不安な場合は、旅行会社に手配を頼むと安心です。
観劇スケジュール

開演時間の混雑を避け、最低30分前に食事をする場合は1時間前には劇場へ着いていましょう。ドレスコードは、最前列周辺やバルコニーは正装でなくスマートカジュアルで大丈夫ですがメイクや靴はきちんとしましょう。上着や荷物はクロークへ預け、開場時間を確認し劇場内ショップや撮影をするのもおすすめ。上演中は、私語や音の出る行為は控え、撮影や録音、飲食は禁止となっています。
ギフトショップとレストランで劇場内を楽しもう
シアターショップで関連グッズを購入しよう

マリインスキー・ショップは、劇場1階にあり上演作品のパンフレットやCD、ポストカードやダンサーの写真などが購入できます。観劇の前に訪れるのがストーリーを予習できるのでおすすめ。基本的に、劇場内でのお支払いには現金を用意しておきましょう。8月から9月は、オフシーズンで劇場は休館のためショップも閉まっています。
バックステージというレストランで食事をしよう

ロシア料理を中心に、インターナショナルな料理のあるレストランで名前はバックステージと言ってマリインスキー劇場内にあります。上演中は、舞台中継を食事しながら見られるのが特徴。劇場直営レストランのため、博物館のようで有名な出演者のサインや写真がたくさん壁に展示されています。
劇場周辺の人気観光スポット
エルミタージュ美術館の前の宮殿広場
エルミタージュ美術館の前にある円形の宮殿広場は、絶景撮影スポットで綺麗な中央にあるアレクサンドルの円柱が見どころ。ナポレオンに勝利した平和の記念に建立されました。1917年のロシア革命では、革命軍がこの広場から進撃した歴史的に重要な場所。
デカブリスト広場は観光客にも人気
デカブリストの乱が1825年に勃発し、専制政治に反対する貴族将校たちによって革命が起こされた場所。広場の中心には、サンクト・ペテルブルクをつくったロシアの指導者ピョートル大帝の騎士銅像や噴水もあります。美しい並木道に囲まれ、散策や撮影する観光客にも人気。
マリインスキー劇場へのアクセス
飛行機での行き方
航空便で、成田空港からモスクワのシェレメチェヴォ1空港か、ドモジェドヴォ空港までは約11時間かかります。モスクワ空港から、国内線でサンクト・ペテルブルクのプールコヴォ1空港まで約1時間半の距離。プールコヴォ1空港から、マリインスキー劇場の最寄り駅でTeatral’naya Squareまでは約1時間半の道のり。
Address | Theatre Square, 1, Sankt-Peterburg, 19000 |
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Hours | 演目のスケジュールによる |
Closed | なし |
Tel | +7 812 326-41-41 |
Web | http://www.mariinsky.ru/ |
まとめ
サンクト・ペテルブルクは、運河や河川に囲まれロシアが国際活動の拠点としてつくった首都。宮廷文化で栄えた港街は、皇室や宮殿、邸宅が一般市民や観光施設となり世界遺産として豪華な景観も写真撮影におすすめです。世界でもハイレベルのバレエとオペラ、オーケストラがマリインスキー劇場で楽しめます。