ハイリゲンシュタットはベートーヴェンの面影と美酒の香り漂う街

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トラベルパートナー: Chika

出身地は東京。得意なエリアはヨーロッパ。2018年夏からブルガリアに住んでいて、さまざまなヨーロッパの国に旅行をしています。 2児の母なので旅行は基本的に家族4人一緒に行動。子供も大人も、家族みんなで楽しめるスポットを探すのが得意です。

大作曲家ベートーヴェンゆかりの場所がたくさん

ヨーロッパのほぼ中央部に位置し、周囲を8つの国家に囲まれたオーストリア。首都ウィーン市から程近い場所に、ハイリゲンシュタットと呼ばれる地区があります。山々と田園がつづくこの地は、まさにウィーンの森と呼ばれるにふさわしい場所。かの大作曲家の面影と、名物の美酒を訪ね歩いてみましょう。

ウィーンの森に宿る豊かな自然と大作曲家の人生

ベートーヴェンゆかりの地として有名な観光名所

ハイリゲンシュタットは、首都ウィーン市中心部から約5キロメートルの距離です。元々は温泉療養地でしたが、19世紀末期に水源が閉鎖されました。現在はウィーンの森に囲まれた閑静な高級住宅街。かの有名なベートーヴェンが、聴力の疾患により療養した場所としても有名です。

トラム(路面電車)または電車とバスを利用すれば、約20分~30分で到着するでしょう。

ハイリゲンシュタットといえばホイリゲ

ホイリゲとは新酒の自家製ワインを提供する酒場を意味し、ここハイリゲンシュタットの目玉的存在。この地にはブドウ農家が多く、香り高い果実が豊富に栽培されています。このブドウ農家が経営する伝統的なホイリゲは数多く、現在では観光客用に対応している場所も見られます。

ベートーヴェンがひと時を過ごした散歩道を訪ねてみよう

散歩中に思い浮かんだ世界的名曲

ここは療養中のベートーヴェンが訪れた散歩道で、ベートーヴェンの小径と呼ばれています。その散策中に思いついたと言われる名曲こそ、交響曲第6番「田園」。緑の木々に囲まれた小川のほとり、春から秋は野鳥の声にあふれる豊かな自然が、彼の作曲家魂をふと蘇らせたのでしょう。トラムD線の終点で下車し間もなくの場所です。

ベートーヴェンの胸像と記念撮影ができる場所

散歩道のラストにはベートーヴェン・ルーエと呼ばれる休憩スポットがあります。ここには彼の胸像が建てられており、記念撮影をする人々が多く見られる場所。ベートーヴェンの小径は全部で約10分~15分程度の距離。でも世界的名曲を生んだ自然のいとなみや趣を感じながら、ゆっくり歩くのがおすすめです。

ベートーヴェンの波乱に満ちた人生を物語る博物館

ベートーヴェン記念館の別名は遺書の家

ハイリゲンシュタットにて療養生活を送ったベートーヴェン。その期間に過ごした家の1つが、ここベートーヴェン記念館という博物館です。

彼は難聴の治療で当地を訪れますが、一向に改善されない症状に絶望し自殺を考えました。その際に遺書を記したと場所とされ、遺書の家とも呼ばれているのです。彼の死後に発見されたその遺書は現在、当記念館に展示されています。

ベートーヴェン記念館の趣あふれる建物と紅白の旗

建物は何度か修復されていますが、外観はほぼ当時のままとされています。2017年11月には大幅なリニューアルが行われ、6ヶ所に拡大された展示スペースでは各テーマごとに見学が可能。

ベートーヴェンは何度も転居していたため、彼ゆかりの家はさまざまな場所に点在しているのです。その場所には紅白の旗が掲げられており、目印の役割を果たしています。

住所| Probusgasse 6,1190 Vienna,Austria
営業時間|AM10:00-PM6:00(PM1:00-PM2:00は昼休み、12月24日・31日はPM1:00まで)
定休日|毎週月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
電話|+43 (0)664 889 50 801
公式サイトはこちら

ベートーヴェンも愛した旨酒のホイリゲでひと休み

マイヤー・アム・プファールプラッツは伝統のホイリゲ

こちらはハイリゲンシュタットにある有名ホイリゲの1つ。1683年創業と歴史は大変古く、実は療養中のベートーヴェンが生活していた事があるのです。ベートーヴェンの小径や記念館から近いので、観光や歴史探訪の休憩に最適。美酒の味も彼の音楽魂を覚醒させたのでしょうか。

テラス席も屋内席もある広々とした店内

ヨーロッパらしさいっぱいの白壁を入れば、そこは広々とした店内。450もの席が用意されていますが、パーティーなど貸切の場合もあるので事前予約をおすすめします。中庭に広がるテラス席上はブドウの木に覆われ、春から秋には緑の葉や赤紫の果実を観賞できるでしょう。

あの世界的大名曲はここで誕生したのか

ここでもベートーヴェンの世界的名曲が誕生したと伝えられます。それは「交響曲第9番」、年末になると必ず聴かれるあの「第九」。入口すぐ左手の壁には彼の肖像や説明看板があります。ベートーヴェンは2階部分を間借りして生活していたと言われますが、残念ながら現在は立ち入る事はできません。

自家製ワインはもちろん伝統的なオーストリア料理も充実

店内にはワインはもちろん、アルコールを飲まない方向けに濃厚なぶどうジュースもあります。もちろん地元のグルメもメニュー豊富。ウィンナーシュニッツェルや肉のグリル、スープにサラダなどをしっかり頂きましょう。

店員さんはいつも忙しそうに立ち働いています。うまくタイミングを見計らって声を掛けないと、なかなか席に来てもらえませんよ。

キッズスペースで子供たちと遊ぼう


こちらは青空の下で子供たちが遊べるキッズスペース。入口から進むとまず1つ目の中庭があり少し進めば2つ目の中庭、さらに入った場所にあります。砂場や滑り台などの遊具があり、ちょっとしたアスレチック気分を味わいながら遊ぶ事が可能。土・日・祝日は12時から営業しており、家族連れで利用できます。

住所| Pfarrplatz 2, 1190 Vienna, Austria
営業時間|PM4:00~AM0:00(土・日・祝日はPM12:00から営業開始)
定休日|なし
電話|+43 (1) 370 12 87
公式サイトはこちら

プファールプラッツはハイリゲンシュタットの中心部

ベートーヴェンゆかりの地探訪の際はぜひ訪れたい

ここプファールプラッツは、ヨーロッパ風情あふれる石畳と白壁に囲まれた小さな広場。電車とバスを利用してハイリゲンシュタットを訪れる際には、必ずここを通るでしょう。目を上げれば聖ヤコブ教会がそびえ立ち、付近にはマイヤー・アム・プファールプラッツという有名ホイリゲがあります。

ベートーヴェンゆかりの名所を示した地図も必見

こちらはファールプラッツ近くにある散歩道。アーチ型門の左側には「ベートーヴェンゆかりの地、ハイリゲンシュタット」と表記された地図が掲げられています。ベートーヴェンゆかりの名所が紹介されているので、ぜひ立ち寄りましょう。

ハイリゲンシュタットを訪れるベストシーズンは

オーストリアは山岳地帯に面しており、春から初夏にかけては新緑輝く最も快適なシーズン。紅葉が盛りを迎える11月も見逃せないでしょう。12月から2月は日没が早く寒さが非常に厳しいため、観光に向いているとは言えません。しかし冬期限定のグリューワインを提供するホイリゲもあり、冬にしか味わえない楽しみもあります。

ハイリゲンシュタットへのアクセス

電車・バスでのアクセス

ウィーン中心部から地下鉄U4に乗車し約15分、ハイリゲンシュタット( Heiligenstadt )駅で下車。駅を出てバス38Aに乗車し約5分の、フェルンシュプレッヒアムト・ハイリゲンシュタット(Fern-sprechamt Heiligenstadt)バス停で下車します。そして同バス停から徒歩約5分でプファールプラッツに到着。

ここからベートーベン記念館、さらにマイヤー・アム・プファールプラッツへは間もなくの距離です。

路面電車(トラム)でのアクセス

ウィーン中心部からトラムD線に乗車し約30分、ヌスドルフ・ベートーヴェンガング( Nußdolf Beethovengang)にて下車。ここからベートーヴェンの小径をベートーベン・ルーエまで歩けば、やがてベートーヴェン記念館近辺に到着します。

住所| Heiligenstadt, Wien, Austria
営業時間|なし
定休日|なし
電話|なし
公式サイト|なし

まとめ

今では誰もが知る世界的大作曲家・ベートーヴェン。その人生は苦悩に満ちていました。しかし心身共に傷ついた彼が少なからず癒され蘇生した場所こそ、ここハイリゲンシュタットなのです。小川沿いの散歩道に、ホイリゲで出される旨酒の味に、大作曲家と物語られたベートーヴェンの想いを感じてみませんか。