ツヴィンガー宮殿は誇り高く力強いドレスデンの象徴

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ドイツはお城ばっかりじゃない!?

ドイツ連邦共和国の東端に位置するドレスデン市は人口約51万人。ヨーロッパのほぼ中央部に位置し東にはポーランド、南にはチェコとの国境が迫ります。ここはかつて栄えたザクセン王国の中心都市。その歴史を物語る名所こそ、これから紹介するツヴィンガー宮殿です。さあ、ヨーロッパの伝統薫る古都へ出かけましょう。

ツヴィンガー宮殿は新時代に魅せられた国王の証

幾多の災難や戦火から復興した名所

17世紀~18世紀にかけて君臨したアウグスト強王(フリードリヒ・アウグスト1世)。彼はヨーロッパ各地で視察した新しい建築様式に魅了されました。そこでまだ木材式建築物が多かった時代に、石造の宮殿を建てる事を命じます。建築家ダニエル・ペッペルマンを中心に工事が進められ、幾多の災難に遭いながらも1719年にツヴィンガー宮殿は落成しました。

しかし第二次世界大戦中の1945年2月、「ドレスデン爆撃」で街は焼け野原と化します。その中でここツヴィンガー宮殿も壊滅状態となりますが、後に復興工事を経てほぼ元の姿を取り戻しました。ドレスデン市内の歴史的建築物には、爆撃当時の火災で浴びた煤(すす)が現在も遺されており、戦争の悲惨さを物語っているでしょう。

広大な庭園を王族気分で優雅に散策

ツヴィンガー宮殿には広大な庭園があり入場無料。博物館(有料)に入らなければ、30分~40分ほど散策しましょう。夏期は暑さが厳しいため熱中症に注意、噴水に近づけば心地よい水しぶきが飛んできます。多くの彫刻も鑑賞できるため、ここを歩くだけでも宮殿気分満喫でしょう。

ニンフェンバートは妖精たちが遊ぶ宮殿のオアシス

妖精ニンフの浴場として有名

宮殿内では妖精たちが水浴びをしています。バルタザール・ペルモーザ作の彫刻群に彩られた豪華噴水、ときどき水が大きく噴き出すでしょう。この妖精たちはギリシャ神話に登場し、若い男性に恋をして惑わせる事も。場所はフランスパビリオン棟(アルテマイスター絵画館)の裏手、ヨーロッパ伝統のバロック様式が美しく輝きます。

ツヴィンガー宮殿へはクラウンゲートから入ろう

輝く王冠をバックに有名撮影スポット

こちらがツヴィンガー宮殿への入口、クラウンゲートです。高く聳える王冠が誇らしく輝き、まさに宮殿の代表的撮影スポット。王冠に従う「双頭の鷲」は強者の象徴とされ、一大権力を誇ったポーランド王室(アウグスト強王)を表現しています。ここから建築物に上れば多くの彫刻が並ぶ通路、王冠もより近く迫力満点に見られるでしょう。

宮殿内各パビリオンは貴重なコレクションの宝庫

アルテマイスター絵画館で名作鑑賞を

ツヴィンガー宮殿には、ヨーロッパ各国を表現したパビリオンが建ち並びます。中でも大人気はフランスパビリオン棟とされるアルテマイスター絵画館。中学~高校時代に美術や世界史の教科書で見た、有名な作品に数多く出会えるでしょう。館内随所に設置されたソファに腰掛ければ、大型の絵画をゆっくり鑑賞できます。宮殿はドレスデン爆撃で破壊されましたが、作品は別の場所に保管していたため難を逃れたのです。

名画の数々をゆっくり味わおう

イタリア画家ラファエロ・サンティ作の「システィーナの聖母」や、ジョルジョーネ作の「眠れるヴィーナス」。また近年注目のヨハネス・フェルメールなど、誰もが1度は目にした作品を見る事ができるでしょう。ただ名画が多い故に貸し出されている場合もあるので、あらかじめご承知おきを。

ウォールパビリオンはヨーロッパ感にあふれて

こちらはヨーロッパ伝統バロック様式を物語る、ツヴィンガー宮殿建築の集大成。建物も雰囲気も歴史と重厚感にあふれます。館内の階段を上れば大理石の間へ、ここではコンサートが開かれている事も。また外側の階段を上った高台からは、建物と庭園全体が撮影できるでしょう。

グロッケンシュピールパビリオンは戦火の跡生々しく

この建物は全体が黒く煤で覆われ、ドレスデン爆撃の悲惨さを今に伝えます。しかし金色に輝く時計は、平和の尊さを主張するかのような姿。1933年~1935年の間に寄贈された時計で、時を知らせる意味のグロッケンシュピールと名付けられました。 定時になると40基に及ぶマイセン磁器の鐘が、美しく高貴な音色を響かせてくれるでしょう。

国王自慢の陶磁器コレクション

一大権力を誇ったアウグスト強王は、同時に熱烈な陶磁器マニアでした。こちらは彼が集めた美しいマイセン陶磁器の数々。中でも実物大に作られた人物像や、動物像に花などはぜひ注目です。背丈の届く場所に展示してありますが決してさわらないように、特に子供連れは充分注意しましょう。

ツヴィンガー宮殿と有田焼の深い関係

日本の佐賀県有田市には、有田ポーセリングパークという施設があります。写真などを見ればおわかりでしょうが、実はツヴィンガー宮殿を模った建物。ドレスデン市の北西にあるマイセン市は、ヨーロッパを代表する「マイセン焼」発祥の地です。そして陶磁器と言えば有田焼を思い出しますね。

そのマイセン市と有田市は姉妹都市関係。主な理由はツヴィンガー宮殿の陶磁器コレクションに、多くの有田焼陶磁器が所蔵された事なのです。あるいは事前にポーセリングパークへ足を運び、予習してから訪れるのもいいでしょう。

古くから人々に想われた地球と宇宙

ここ数学・物理学館はドレスデン最古の博物館と伝えられ、人類の世界計測方法とその歴史が学べます。少し暗めのブースには数多くの地球儀があり、さらには時計や望遠鏡も見られるでしょう。情報網と交通網が地球を制した現代。しかし当時の人々にとって世界と宇宙は、まだ想像すらできない遠い夢だったのです。

武器博物館は武具にドレスまで展示

こちらもツヴィンガー宮殿内にある博物館の1つ。数多くの甲冑や武器が展示されており、中世ヨーロッパを舞台にした物語の気分になります。とりわけ貴金属の鎧や剣に銃器、さらには豪華な乗馬衣装のコレクションは必見。また王族女性が着用したコスチュームドレスもあり、戦闘と繁栄を共に物語っているでしょう。

ツヴィンガー宮殿に行くならばベストシーズンは

青空と新緑広がる初夏がおすすめ

南に山地が連なる平野に開けたドレスデン市。訪れるベストシーズンはやはり、青空と新緑美しい初夏でしょう。逆に冬は寒さが厳しく曇天続き、凍結防止のためか噴水も出ていません。しかし代表的大祭のシュトーレン祭りや、クリスマスマーケットなど冬ならではの楽しみも。気温は氷点下となるので寒さ対策を万全にしましょう。

宮殿内のカフェレストランで気軽にお茶を飲む

美術館と同名のカフェレストラン

こちらはアルテマイスター絵画館の中庭にある、同じ名称のカフェレストラン。再入場するならばチケットの提示が必要です。屋外には写真のようなカフェエリアが設置してあり、春から秋には多くの人々がティータイムを楽しむでしょう。メニューは豊富に取り揃えられ、ランチやディナーにも最適です。

ツヴィンガーコンビチケットがあればお得に見学

ツヴィンガーコンビチケットはアルテマイスター絵画館と、さらには陶磁器コレクションに数学・物理学館共通の入場券。これさえあれば各施設での手続きが省けます。また市内の博物館や、ドレスデン城観光専用の共通券もあるのでご利用を。

ツヴィンガ―宮殿へのアクセス

トラムでのアクセス

ドレスデン中央駅から徒歩約20分の距離です。トラムを利用の場合は同駅前にある、ハウフトバーンホフノルド(Hauptbahnhof Nord)停留所から11番線に乗車。3駅先のポストプラッツ(Postplatz)停留所で降車し、徒歩約10分で到着します。

Sバーンでのアクセス

Sバーンを利用の場合は、同駅前からS1線またはS2線に乗車。2駅先のドレスデンミッテ(Dresden Mitte)駅で降車し、徒歩約15分で到着するでしょう。

住所|〒01067 Sophienstraβe,Dresden,ドイツ
営業時間|【4月から10月】6:00-22:30【11月から3月】6:00-20:00
定休日|なし(美術館や博物館は月曜日)
電話|+49-351-4383703-12
公式サイトはこちら

まとめ

全長1,091kmの大河・エルベ川のほとりに開けたドレスデン市。空襲で街が焦土と化した中、ツヴィンガー宮殿は破壊されながらも復活しました。しかし2002年にはエルベ川の氾濫により被災、それでも再び力強く蘇ったのです。ここは不死鳥のごときドレスデン市の誇り、永遠に気高い宮殿へ足を運んでみませんか。