アカデミア美術館は水都に栄えるヴェネツィア派の象徴

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宗教絵画を中心とした美しい作品群に魅了されること間違いなし

イタリアの北東部に位置するヴェネツィア市は人口約26万人。ベネチアまたはヴェニスとも呼ばれ、その名を聞けば誰もが思い出す世界的観光地でしょう。水の都にふさわしく船が行き交う運河、そのほとりには世界に芸術を謳う名所があります。それがアカデミア美術館、こだわり守られた伝統絵画を鑑賞しましょう。

 ヴェネツィア派が世界に誇る宗教絵画の最高栄誉

青空を映す大運河のほとり

ここは木造のアッカデーミア橋。眼下を流れるカナル・グランデ運河に、周囲の街並みが鏡のように映し出されます。ヴェネツィア派の世界最高峰コレクション・アカデミア美術館はまさにこの橋のたもと。巨匠たちの手で描かれた宗教絵画の数々は、美を求める方にとってたまらない時間となるでしょう。

ヴェネツィア派絵画実に500年の歴史

扉に近づいただけでも歴史と重厚感を感じるでしょう。元々は1750年に地元出身の画家が開設した美術学校「アカデミア」が発祥、多くの作品も同校が管理していました。そして美術館としての歴史が始まったのは1817年の事。館内では14世紀~18世紀まで約500年にわたる、ヴェネツィア派絵画の繁栄が物語られています。

ヴェネツィアに来たらぜひ眺めたい外観

美術学校がルーツのアカデミア美術館。そのためか広い中庭が整備されており、ぐるりと1周して散策する事ができます。ここから見上げる美術館の建物は圧倒的な迫力。美術への関心有無に関わらず、アッカデーミア橋に来たらぜひその外観を鑑賞したいものです。

フィレンツェの同名美術館と一線を画す

ヴェネツィア派は14世紀~18世紀頃に、ここヴェネツィアを中心に栄えた美術の流派。主に絵画においてそれは強調されます。画面の豊かな色合いが、見る人々の心に訴えかける効果を追求。しかし実は同じイタリア・フィレンツェ市にも、アカデミア美術館が存在するのです。

フィレンツェ・アカデミア美術館も知名度が高く、そのせいもあって混同されがちですが全くの別流派。色合いを重視したヴェネツィア派に対し、フィレンツェ派はデッサンを重視した画法と対立関係にあります。ちなみに有名なミケランジェロ「ダヴィデ像」の展示はフィレンツェ、宗教絵画の展示はヴェネツィアです。

それではアカデミア美術館にて世界的名作鑑賞を

2階には16世紀宗教絵画が展示

いよいよアカデミア美術館に入館します。階段を上って2階の、16世紀宗教絵画から見学を始めましょう。最初はバロック巨匠たちの名作が続き、物音ひとつしない館内に威厳を感じるでしょう。特にジョヴァンニ・ベッリーニの名画は圧巻です。

独特の雰囲気を放つジョルジョーネ名作

1500年代初期に活躍し、ルネサンスの巨匠と謳われたジョルジョーネ。この「老婆」は彼の代表作と呼べるでしょう。若くして亡くなったジョルジョーネは活動期間も短く、遺された作品はごくわずか。しかしその分貴重な名画を鑑賞できるまたとない機会です。ここは撮影可能ですが、緑色の非常灯が写り込まないよう注意。

ジョルジョーネは館内に異彩を放つ

こちらもジョルジョーネの名作「嵐」、1506年~1508年頃に描かれました。タイトルのとおり黒い雨雲が立ち込め稲妻が走り、嵐が近づいてくる様子が表現されています。イタリア語で「テンペスタ」と呼ばれるほど有名。乳飲み子を抱えた半裸の女性や兵士と思しき人物など、その独特の雰囲気に足を止める人が多いでしょう。

ジャンバッティスタ・ティエーポロの名画が

18世紀イタリアを代表する偉大な画家、ヴェネツィア派最後の巨匠とも呼ばれています。中央に置かれた巨大な円形画には圧倒されるでしょう。見学当時はまだ改修工事が終了して間もない頃、名画のみならず新しい展示方法にも注目です。

ティントレットと言えばこの超有名画

ティントレットは16世紀ヴェネツィア派を代表する画家。ティツィアーノ・ヴェチェッリオにパオロ・ヴェロネーゼと並び、3大巨匠とも呼ばれています。この「聖マルコの遺体の運搬」は展示室内から天井までを覆い、とてつもない存在感を放つ超大作。ティントレットの作品だけが目的で、ヴェネツィアまで足を運ぶ熱狂的なファンもいるようです。また「奴隷を救う聖マルコ」という作品も、負けず劣らずの大作でしょう。

アカデミア美術館はその内装にも唸らされる

ヴェネツィアが誇る大建築家

美術や絵画にさほど関心を持たない方でも、この美術館の内装には心動かされるに違いありません。床から壁そして天井に至るまでの高級感は、ヴェネツィアの偉大なる建築家カルロ・スカルパの名作。アカデミア美術館では1945年~1959年に大規模な改修工事が行われ、中心的に進めた人物こそ彼なのです。内観が充分堪能できるのも当美術館の魅力と言えるでしょう。

金箔が施された作品が壁や天井にまで

宗教絵画は神々しいイメージと共に、とてもゴージャスな作品が多いのです。理由の1つは金色が目立つ事ですが、何と実物の金箔が施された作品も多数存在。天井や壁のあちこちに輝きを見せており、厳かな中にも華やかな空気があふれます。

特設展には世界の有名作品が集う

アカデミア美術館では常設展に加え、特設展も多く開催されています。世界各国から有名画家やアーティストの作品が集まり、これを目的に遠方から訪れる人々も。常設展エリアでは改修工事が定期的に行われ、見学できない場合もあります。その際には特設展が大きな意味を持つので、事前に開催期間を確認してから行くのがおすすめでしょう。

アカデミア美術館見学に際し厳守する注意事項

フラッシュ撮影は一切厳禁

アカデミア美術館はこれまで撮影禁止でしたが、現在では緩和され撮影可能となりました。ただしフラッシュの使用は厳禁、光線が作品に悪影響を及ぼします。また館内は通路がさほど広くないため、他の見学者の迷惑にならないよう注意。マナーをしっかり守って、世界有数の宗教絵画を想い出に残しましょう。

美術館入口はわかりづらいので注意

美しいアッカデーミア橋から程近い距離ですが、大きな看板などは掲示されておらず小さな表示のみ。迷っている人も散見されます。入口は大通り沿いではなく小道に入った場所なので、初めての方には難解でしょう。ヴェネツィア市内は建物の間に道路が入り組み、迷路状になっている箇所が多数。あらかじめ地図で場所を把握しておく事が大切です。

アカデミア美術館へのアクセス

水上バスでの行き方

水の都ヴェネツィアと言えば、水上バス・ヴァポレットでのアクセスがベストでしょう。同バスの1番・2番に乗船し、アカデミア (Accademia)で下船すれば徒歩1分で到着です。

徒歩での行き方

水上バスを利用せずに徒歩の場合は、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂から約10分の距離。ただ道が複雑に入り組んでいて迷いやすく、夜は街灯も少ないのでおすすめできません。

住所| Campo della Carità | Dorsoduro 1050, 30123 Venice, Italy
営業時間|8:15 - 19:15
定休日|なし
電話|+39-041-522-2247
公式サイトはこちら

まとめ

2つの都市に分かれてまでも、絵画へのこだわりを守るヴェネツィア派アカデミア美術館。名画の数々は時に明るく、時に切なく、そして崇高な色合いで人々を惹き付けます。海と運河が潤す世界的古都で、ヨーロッパ伝統美術に魅せられてみませんか。