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- 神奈川県出身の30代男性です。電車・バス・飛行機で遠くに出かけるのが好きです。基本的に一人旅です。大学院で観光学を研究していました。海外であればロシアとその周辺諸国について、国内であれば北海道・関東・新潟・佐賀・長崎(壱岐・対馬)について書いていこうと思います。
バイカル湖はロシア南東部に位置する世界最大級の湖。流域面積こそトップではありませんが、水深と透明度は世界一です。湖そのものはもちろん、固有の動植物や鉄道など魅力にあふれています。バイカル湖について徹底的に解説します。
バイカル湖は世界最大級の湖
バイカル湖は南東部に広がる世界トップクラスの淡水湖で、流域面積は56万平方キロメートルです。反対側が見えないほど大きいため、海と錯覚してしまいそうになるので、その時は、水をなめて淡水である事を確認してください。
世界一の水深を持つ湖としても知られており、この深さと広さから、地球に存在する固体になっていない水の17%は、ここに集まっていると考えられています。

湖の透明度は日本で美しいと有名な摩周湖よりも高いです。また、バイカルアザラシをはじめとして、バイカル湖でしか姿が見られない動植物が多数確認されているため、シベリアのガラパゴス諸島と呼ばれる事もあります。これらの特徴によって世界遺産にも登録されています。
バイカル湖を探索する時は、湖畔の村で宿泊施設が充実しているリストヴァンカをベースにするのがおすすめです。
バイカル湖のほとりのリストヴャンカを訪れてみよう
リストヴァンカは、シベリア東部の大都市であるイルクーツクより、南東方向に70km地点に位置しています。イルクーツクからリストヴァンカへの移動手段はバスと高速船の2種類です。
おすすめの時期は5月下旬から9月で、特に、9月は紅葉によって木々が色づき始めます。なお、冬の時期は凍結してしまいますが、その光景も美しく見ものです。
バイカル湖岸鉄道は予約必須
バイカル湖の探索方法としてバイカル湖岸鉄道がありますが、美しい景観を楽しめるにも関わらず、運行数が少ないという難点があります。シベリア鉄道はかつて、バイカル湖岸鉄道と同じルートを走っていましたが、アンガラ川にダムを建設した事によって、線路が部分的に使用不能になりました。
使用できる線路を観光列車として整備したのがバイカル湖岸鉄道です。
バイカル湖岸鉄道は、シベリア鉄道のスリュジャンカⅡ駅からポルト・バイカル駅までの89kmの区間を走ります。終点から近くのリストヴァンカまでは渡し船で移動できます。SLや手漕ぎ式のトロッコなどが線路を走るため、より臨場感を楽しめるでしょう。
ただし、バイカル湖岸鉄道を利用するためには、ツアー会社を通して予約しなければなりませんので、忘れないようにしましょう。
リストヴャンカの見どころ
バイカル湖の固有種であるバイカルアザラシは、ほかのアザラシと違って淡水で生きる事ができます。遊覧船に乗っている時など、観光中にも遭遇する事もしばしばあるほど、生息数は多いです。
万が一、野生を見る事ができなくても、ニェルピナーリー水族館に足を運べば、バイカルアザラシを見る事ができます。なお、この水族館ではアザラシショーも開催されるので、足を運んだ時は見逃さないようにしましょう。
木造建築の街並みが美しい
ロシアの建築物はほとんどが石を材料に建てられます。しかし、リストヴァンカでは木材で建てられたものが主流で、木造建築に関する展示を行うタリツィ博物館も設立されています。
石材で作られる事が多い教会でさえ、木材を使用して作られるほどです。人々にぬくもりを与えてくれる木造建築が軒を連ねるリストヴァンカは、歴史情緒にあふれた町並みになっています。
日本人墓地は考えさせられる
リストヴァンカには日本人墓地があり、ここに眠るのは戦後、シベリアに抑留された人たちです。過酷な環境の下、重労働を強いられて亡くなったおよそ60人のお墓が建立されています。
抑留された日本人の多くは再び日本の地を踏む事なく、シベリアで命を落としています。この墓地は強制労働、ひいては戦争の悲惨さを訴える意味合いも込められており、考えさせられる場所です。
バイカル湖の夕日
バイカル湖は干満がないため、穏やかな湖面にゆっくりと太陽は沈んでいきます。この絶景は写真や画像で満足するのではなく、直接自分の目で見てほしいほど美しいです。
静かに流れる時間の中に、時折エンジン音などの船の動作音が聞こえますが、沈んでいく夕日の光景を邪魔するほどではありません。この絶景を時間を気にする事なく眺める事は至上の贅沢です。
バイカル湖のオームリを堪能する
オームリはバイカル湖に足を運んだ時は必ず味わってほしいグルメ。魚の種類としてはサケやマスの仲間で、味もマスに近いため食べやすいです。年々水揚げ量が減っているため、流通量も少なくなっています。
市場で購入する事もできますが、マヤークホテルの1階で営業しているレストランで食べるのがおすすめです。
リストヴャンカの市場を覗いてみよう
市場に並ぶ商品はバイカル湖産のフレッシュな水産物が中心ですが、食材以外も購入できるので、お土産の購入場所としてもうってつけ。オームリを求めて足を運ぶ人が多く、オームリの燻製が一番の人気商品です。
温かいうちに食べるのがベストですが、人が多くて落ち着いて食べるのが難しい場合もあります。バイカル湖へ移動して景色とオームリの両方を堪能するのがおすすめです。
Address | 〒なし Gorkogo, 111/3 | Next to Hotel Priboy, Listvyanka 664520, Russia |
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Hours | 店舗によって異なる |
Closed | 季節によって異なる。要問合せ |
Tel | なし |
Web | https://writing.wondertrip.jp/?p=159990&preview=true |
リストヴャンカに泊まる
バイカル湖には宿泊施設がないので、湖の近くに泊まりたい場合はリストヴァンカで宿をとりましょう。おすすめのホテルは、レイクビューが楽しめるマヤークホテルです。レストランでオームリなどの料理を味わう事もできます。
客室は趣向を凝らした作りではないため、料金も低めに設定されています。インターネットから簡単に予約可能です。
Address | Ulitsa Gorkogo 85 A, 664520 listvyanka Irkutsk oblast Russia |
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Hours | 無休 |
Closed | 無休 |
Tel | +7(3952) 496-910 |
Web | https://mayakhotel.ru/ |
バイカル湖のお土産に最適なグッズ
バイカル湖のお酒と言ったらこれ
バイカルは、バイカル湖の水深500m地点のきれいな水を使用して作ったウォッカ。何種類かありますが、どれもラベルにバイカル湖がプリントされているので、ロシア語がわからなくても問題ありません。アルコール好きの人へのお土産にぴったりです。
バイカルアザラシグッズを入手
バイカルアザラシのグッズもお土産には最適で、一番のおすすめはぬいぐるみです。愛らしいつぶらな瞳を見てしまうと、買わずにはいられなくなってしまいます。サイズによって価格は違いますが、市場で売っているだけあってリーズナブルです。
お土産にすれば喜ばれる事間違いありませんが、自分用に購入してインテリアの一部にするのもかわいいです。
幻想的な風景になるバイカル湖の冬
バイカル湖の冬は日本の寒さが比べ物にならないほど寒く、氷点下40度になる事もあります。1月になると湖面は凍結するので、湖の上を歩く貴重な体験ができます。凍えるような寒さですが、美しい光景が広がるため、このタイミングに訪れる人もいるほどです。
絶景を求めて足を運ぶ場合は入念な寒さ対策が必要になります。頭の防寒は現地で販売されている毛皮の帽子を着用すると、とても暖かいです。
バイカル湖へのアクセス
飛行機でのアクセス
バイカル湖最寄りのイルクーツクへのおすすめのアクセス方法は飛行機ですが、直行便と経由便があります。直行便はS7航空より、6月から10月にかけて週に2便運航しており、経由便はソウルや北京を経由する便が便利です。
なお、イルクーツクに行くためにはビザの発行を受ける必要があります。領事館や大使館で出発の2週間前までに手続きを済ませましょう。電子ビザが有効の場合もあるので、確認する事をおすすめします。
また、ビザを申請してから日程を変更する事はできません。日程を調整する時は綿密に計算するようにしましょう。
列車でのアクセス
日本からは直接行けませんが、海外からバイカル湖を目指す場合、列車でもアクセスできます。ロシアからはハバロフスクやウラジオストク、中国からは北京、モンゴルからはウランバートルなどから運行しています。
まとめ
バイカル湖は世界一の透明度と水深を誇る巨大な湖。世界の17%の水を保有していると考えられているこの湖には、バイカルアザラシなどの固有の動植物も生息しています。冬には湖面が凍結して歩く事もできます。
平時の景色はもちろん、夕日や冬季など表情を変えた景色も絶景なので、ぜひ足を運んでみてください。