マダムのためのお城、シュノンソー城で優美なひとときを

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トラベルパートナー: Chika

神戸出身。出張で行くドイツ、フランス、イギリスなどを中心に執筆します。もっぱら一人旅ばかりで、主に美術館や教会など古い建物を巡るのが大好きです。

6人の奥方の城と呼ばれるシュノンソー城の魅力をご紹介

美しい川と緑に囲まれたシュノンソー城はその外観や景色を見るだけでもうっとり。しかしその城主は6代にわたり女性だったり、女性の中でも正妻と女妾がいたりとドロドロした歴史もあります。そんなシュノンソー城を歴史とともに覗いてみましょう。

6人の奥方のお城シュノンソー

代々の城主は女性

最初のシュノンソー城は13世紀ごろマルク家によって築かれました。しかし、マルク家は多額の借金を返済するため城をシャルル8世の侍従であるトマ・ボイエに売却。さらにそのあとでトマ・ボイエの息子によりフランソワ1世に献上され、以降約400年にわたり高貴な女性が城主となっていきました。

6代にわたった城主にはアンリ2世の愛人ディアーヌ・ド・ポワティエ、妻であるカトリーヌ・ド・メディシス、ジョルジュ・サンドの祖母クロード・デュパンなどがいます。

アンリ2世をめぐる愛憎劇にドキドキ

代々からの城主の中で最も有名なのは、フランス国王アンリ2世の愛妾であるディアーヌ・ド・ポワティエとアンリ2世の王妃であるカトリーヌ・ド・メディシス。アンリ2世をめぐる恋敵である2人ですが、その2人の間にこんな愛憎劇が。

アンリ2世がディアーヌにシュノンソー城を贈りますが、アンリ2世が逝去したあと嫉妬したカトリーヌはディアーヌを城から追い出し自分の居城にしてしまいました。

川の上の優美なたたずまいを堪能

シェール川に映る純白の姿が美しい

ロワール川沿いには100以上もの城館が建っていますが、このシュノンソー城はロワール川の支流であるシェール川の上にまたがるようにして建てられています。その他のロワール河畔のお城とともに1981年に世界遺産に登録されました。

川の水面に真っ白な城が映る姿は言葉では表せないほどの美しさなので必見です。周りの公園も合わさるとさらにフォトジェニックな風景になります。

内部は華麗なマダムの世界

ギャラリーから川を一望

ディアーヌ・ド・ポワティエはシェール川の上にかかる橋を増築しましたが、カトリーヌ・ド・メディシスがその上をギャラリーに改築しました。

現代の感覚でもおしゃれな市松模様の床や窓から見える川の美しい景色などが魅力なこのギャラリーでは、祝宴やダンスパーティーなども開かれていました。

CかDかディアーヌ・ド・ポワティエの間

城内にはディアーヌ・ド・ポワティエの部屋も残っています。ディアーヌはアンリよりも19歳年上でしたが、アンリが最も愛した女性とも言われ、同時にアンリにとって良き友人であり有能な相談役だったとも言われています。

部屋にある暖炉にはアンリ(Henri)とカトリーヌ(Catherine)のイニシャルを組み合わせた装飾がありますが、実はこれはCではなくディアーヌ(Diane)のDだという噂も。Dだとしたらさらにロマンチックな気がします。

カトリーヌ・ド・メディシスの間の天井に注目

こちらはアンリ2世の正妻カトリーヌ・ド・メディシスの居室。壁一面にタペストリーがかかっていますが、500年も前の物だとか。金と絵の具で鮮やかに彩色された天井にも注目してみてください。

こちらにもHとCのイニシャルがありますが、もしかしたらこれもカトリーヌのCではなくディアーヌのDかもしれません。ぜひご自身の目で確かめてみてください。

5人の王妃の間

外国で王妃となったカトリーヌ・ド・メディシスの娘2人と、息子に嫁いだ3人の王妃にちなんで5人の王妃の間と名付けられた部屋もあります。天井には5人の王妃の紋章が飾られています。

この中でもアンリ3世の妻であるルイーズ・ド・ロレーヌは城主となりましたが、アンリ3世が亡くなったあとうつ病になり今でもこの城を徘徊しているという噂も。筆者は幸い見かけませんでした。

ルイ14世の間は小さな美術館

アンリ2世の時代から約200年後、フランス絶対王政の時代を築いた太陽王とも呼ばれたルイ14世がこの城に居住していました。ルイ14世が居住する際に記念に作られたのがこのルイ14世の間。他の部屋よりも新しいので、家具の違いを見比べるのも面白いです。

ステンドグラスが美しい礼拝堂

この礼拝堂は城主である貴婦人のために作られ、王妃のために特別に作られた2階席もあります。白を基調とした礼拝堂にキラキラと輝くステンドグラスが優雅ですが、当初のステンドグラスが第二次世界大戦中に爆破されてしまったため現在のは再度作られたものです。

2階席も開放されているのでぜひ2階席に上り女王様の気分を味わってみましょう。礼拝堂全体が見渡せて壮観な光景が広がります。

キッチンまでオシャレ

当時の厨房が再現された間もあり、ギャラリーの下のシェール川にかかる橋の橋脚にあります。肉を解体する場所から大きな暖炉やパン焼き窯など、当時の食生活の様子を物語るのも面白いです。きれいに並べられた真鍮の鍋もおしゃれで、厨房の大きさから当時の祝宴の豪華な様子が浮かんできます。

庭園も美しい

花々であふれるディアーヌ・ド・ポワティエの庭園

アンリ2世の愛妾ディアーヌ・ド・ポワティエが造営したこの庭園は、ディアーヌが城主になるとさっそくこの庭の造営に着手したと言われています。この庭園は初期のフランス式庭園の代表的作例のひとつです。

花と果樹でいっぱいの華やかな庭園は、アンリよりも19歳年上にもかかわらず衰えないディアーヌの美しさが反映されているように思えます。

意外と控えめなカトリーヌ・ド・メディシスの庭園

アンリ2世の正妻、カトリーヌ・ド・メディシスも庭園を造営。不思議な事にカトリーヌは正妻にも関わらずカトリーヌの庭園はディアーヌのよりも小規模です。そのうえ華やかなディアーヌの庭園に比べ、カトリーヌのは円形の池を5つの芝生が囲むように配置されているシンプルな構造となっています。

16世紀の農村はフラワーアレンジメントの工房

カトリーヌ・ド・メディシスの専用厩舎だったところは16世紀の農村が再現されているため、お城だけでなく農村ののどかな雰囲気も同時に楽しむ事ができます。

建物の1つは専属のフラワーアレンジメント工房になっていて、この工房で手掛けたアレンジメントが城内のいたるところに飾られています。ぜひ城内のお花にも注目してみましょう。

マダムも味わったワインはいかが

シュノンソー城があるロワール川流域はワインの生産地としても有名で、庭園内にあるレストランでシュノンソー城周辺のぶどう畑で生産されたワインを飲む事ができます。

特に白ワインはオレンジのような香りがさわやか。スパークリングもおいしく、軽やかで飲みやすいのでお酒があまり飲めない方にもおすすめ。

シュノンソー城へのアクセス

電車でのアクセス

パリから行く場合、トゥールのサン・ピエール・デ・コール駅で乗り換えてシュノンソー城の最寄り駅トゥール・シュノンソー駅まで行きます。

パリのシャルル・ド・ゴール空港駅からサン・ピエール・デ・コール駅までは高速鉄道TGVに乗り約1時間40分で到着します。パリ市内のパリ・モンパルナス駅からサン・ピエール・デ・コール駅までは高速鉄道TGVで約1時間です。

サン・ピエール・デ・コール駅からトゥール・シュノンソー駅までは普通列車TERで約25分。駅から城の入口にあるチケット売り場までは400mでたどり着きます。ただ庭園は広大なので歩きやすい靴で行きましょう。

住所|〒37150 Château de Chenonceau CHENONCEAUX
営業時間|季節により異なる(詳細は公式サイト参照)
定休日|なし
電話|
公式サイトはこちら

まとめ


シュノンソー城はフランスに行った際にぜひ訪れたいお城のひとつです。広い敷地内には当時の優雅な王妃たちの生活だけでなく、アンリ2世をめぐる正妻と愛妾のドラマを垣間見る事ができます。美しいお城で当時の王妃たちの生活を追体験してみてください。