ヴォルムス大聖堂の徹底解説!ドイツ・ロマネスクにふれてみよう

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トラベルパートナー: Chika

神戸出身。出張で行くドイツ、フランス、イギリスなどを中心に執筆します。もっぱら一人旅ばかりで、主に美術館や教会など古い建物を巡るのが大好きです。

ドイツ西部のヴォルムス大聖堂はロマネスク様式の簡素で素朴な建築が魅力

ドイツの数多くの聖堂のなかでも、ロマネスク様式の代表作といわれるのが、ヴォルムス大聖堂。ヴォルムスという町にあり、中世の叙事詩や宗教改革運動の舞台にもなった、歴史ある大聖堂です。その歴史や数ある見どころからヴォルムスの町の紹介まで、ヴォルムス大聖堂を徹底解説します。

ヴォルムス大聖堂ってどんなところ

ドイツ西部の町ヴォルムスにある大聖堂

ヴォルムス大聖堂はラインラント=プファルツ州、ヴォルムスにあります。ドイツにはたくさんの大聖堂がありますが、なかでもヴォルムス大聖堂は1110年に献堂式が行われた歴史ある建造物。また、ラインラント・ロマネスク様式の代表作で、多くの塔を持つ建物が特徴です。

ヴォルムスはルター追放の決議が行われた町

ヴォルムスの町は、フランクフルトから北西約60kmのライン川沿いにあります。古くはローマ軍の駐屯地が置かれていた、歴史ある町です。西ヨーロッパを統一したフランク王国や、そのあとの神聖ローマ帝国の統治下でも重要な拠点でした。また、1521年のヴォルムス帝国会議にて、宗教改革者のマルティン・ルターが帝国追放刑となった事でも知られています。

ロマネスク様式は最初の中世建築

新しい技術を持ったロマネスク様式

ロマネスクとは西ヨーロッパの建築様式のひとつで、1000年から1200年ごろの様式を指します。柱によって内部空間を分割しているのが特徴で、初期キリスト教の建築であるバシリカと比べると、壁面にリズム感が生まれました。そのほか半円形アーチ、石造りの天井やドームも、それまでにはなかった技術です。

細かいアーチ装飾に注目してみよう


ヴォルムス大聖堂で注目したいのは、塔や屋根の軒を縁どる小さなアーチ。ゴシック様式の大聖堂と違い、先の尖っていない半円アーチになっているのが特徴です。繊細なアーチの縁取りはまるでレース細工のよう。ゴシックとはまた違った美しさがあります。

ヴォルムス大聖堂のみどころ

二重の内陣はロマネスクの特徴

ヴォルムス大聖堂の見どころのひとつは、二重内陣式である事。ヨーロッパの教会では、通常祭壇のある内陣は東側にあるだけです。ところが、ヴォルムス大聖堂を含めたラインラント・ロマネスク様式の聖堂は、西側にも内陣があるのです。このような二重内陣の聖堂は珍しいので、ぜひチェックしてみてください。

北扉口はニーベルンゲンの歌のクライマックスの舞台にも

ヴォルムス大聖堂の北扉口は、ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」の舞台になりました。

ニーベルンゲンの歌というのは、ワーグナーのオペラ「ニーベルングの指環」のもとになった詩です。物語では、ライバル同士のクリームヒルトとブリュンヒルトの二人が、お互いの夫のどちらが地位が高いかを争います。そしてクリームヒルトの夫である英雄ジークフリートは、この争いがもとで殺害されてしまいました。ニーベルンゲンの歌は、その復讐劇がストーリーになっています。

ゴシック式の南扉口は繊細な装飾が見どころ

ヴォルムス大聖堂は建造期間が長かったため、ロマネスク様式と他の様式が混在しています。たとえば、南扉口は14世紀に建てられました。そのため、建物の外装の大部分はロマネスク様式であるものの、南扉口にはゴシック様式の装飾がほどこされています。この部分は他と違い、先が少しとがったアーチが目印。ぜひ比べてみてください。

まばゆいばかりの主祭壇はバロック式

そして主祭壇のある東側の内陣は、簡素な外観と打って変わって豪華なバロック式のつくりになっています。この装飾の設計を行ったのはバルタザールノイマン。ドイツでもっとも重要なバロック・ロココの建築家です。ここで目を引かれるのは、金やさまざまな色大理石を使った彫刻群でしょう。華麗で豪華でありながら、質素な聖堂内部に不思議となじんでいます。

いにしえのヴォルムス公の眠る地下墓所

ヴォルムス大聖堂の地下墓所には、9基の石棺が安置されています。石棺に葬られているのはザリアー家の9人の貴族。ザリアー家は、代々ヴォルムスを支配していた名門の貴族で、神聖ローマ帝国皇帝を輩出しました。このザリアー家の支配のもとで、神聖ローマ帝国は、最初の最盛期を迎えたのです。ここでは、中世ドイツの繁栄の残り香が感じられます。

新しくなったステンドグラスが町の歴史を語る

ヴォルムス大聖堂のステンドグラスには、ヴォルムスの歴史がしるされています。町の成り立ちや発展していく様子、また歴史的事件などが描かれているのがわかります。実は第二次世界大戦中の工場の爆発により、すべてのステンドグラスが破壊されてしまいました。そのため、現在のステンドグラスは、戦後新たに制作されたものなのです。

ヴォルムスの町も散策しよう

ニーベルンゲン博物館で、中世ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」の世界へ

ヴォルムスは、ニーベルンゲンの歌の舞台にもなった叙事詩の町です。ここでぜひ訪れてみたいのが、ニーベルンゲン博物館。古い市壁を利用して作られたこの博物館では、最新のオーディオテクノロジーによるニーベルンゲンの歌を体感できます。800年の歴史をもつ壁と最新技術のギャップをうまくまとめた、工業大国ドイツならではの博物館といえます。

住所|〒67547 Fischerpförtchen 10, Worms
営業時間|月-金:10:00-17:00、土日祝:0:00-18:00
定休日|毎週月曜日
電話| +49 6241 8534120
公式サイトはこちら

ユダヤ人の歴史にふれる町

ヴォルムスは、ユダヤ人の町でもあります。12世紀には最古のシナゴーグ(ユダヤ教の教会)が建てられていました。残念ながら、ナチスの迫害により古いシナゴーグはなくなりましたが、代わりに現在はユダヤ教博物館を見学できます。ここはホロコーストの悲しい歴史を伝えるだけでなく、ユダヤ人の日常生活がわかる貴重な場所となっています。

住所|〒667547 Hintere Judengasse 6, Worms
営業時間|11-3月:10:00 - 12:30・13:30 - 16:30、4-10月:10:00 - 12:30・ 13:30 - 17:00
定休日|毎週月曜日
電話|+49 (0)62 41 8 53 - 47 01
公式サイトはこちら

ルター記念碑のある公園でちょっと一休み

ヴォルムスの町には、ルター記念碑があります。これは、1521年のヴォルムス帝国会議にて、帝国追放刑となったルターのモニュメント。ルターを取り囲むようにして、宗教改革に関わった重要人物が並んでいるのが見どころです。記念碑のまわりは公園になっているので、休憩をかねて立ち寄ってみるのはいかがでしょう。

住所|〒67547 Lutherring, Worms
営業時間|なし
定休日|なし
電話|なし
公式サイト|なし

ちょっと足をのばしてロルシュ修道院へ

ヴォルムス郊外のロルシュという町にあるのが、ロルシュ修道院。建てられたのが764年という大変古い修道院で、世界遺産に登録されています。ここでぜひ見ておきたいのが「王の門」。カロリング朝時代に作られたもので、現存する貴重な建築物として有名です。ロルシュはヴォルムスから電車で約20分。ぜひ足をのばして訪ねてみてください。

住所|〒64653 Nibelungenstraße, Lorsch
営業時間|なし(博物館:10:00 – 17:00)
定休日|なし(博物館:祝日・年末年始)
電話|+49 6251 103820
公式サイトはこちら

ヴォルムス大聖堂へのアクセス

電車でのアクセス

ヴォルムス大聖堂へ行くには、フランクフルトからヴォルムス中央駅へ向かいましょう。

フランクフルトからの行き方は以下の通りです。
・REに乗ってビブリスでRBに乗り換え。約1時間。
・Sバーンに乗ってマインツ・ローマ劇場で別のSバーン乗り換え。約1時間10分
・ICEに乗ってマンハイムでSバーンに乗り換え。約1時間20分。

ヴォルムス中央駅からは、旧市街を散歩しながら行けば徒歩約10分です。

住所|〒67547 Domplatz, Worms
営業時間|なし
定休日|なし
電話|+49 6241 6115
公式サイトはこちら

まとめ


いかがでしたか。ヴォルムス大聖堂の歴史や特徴、見どころなどを中心にご紹介しました。ドイツ・ヴォルムスでの一番の見どころともいえるのがヴォルムス大聖堂。ロマネスク様式を代表する大聖堂の魅力を少しでもおわかりいただけたらうれしいです。