眠れる森の美女の城でロマンチックなひとときを

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トラベルパートナー: Chika

神戸出身。出張で行くドイツ、フランス、イギリスなどを中心に執筆します。もっぱら一人旅ばかりで、主に美術館や教会など古い建物を巡るのが大好きです。

ロワール川流域のユッセ城は童話「眠れる森の美女」のモデルになったお城です

フランス、レニ・ユッセにあるユッセ城は、ディズニー映画としても有名な「眠れる森の美女」のモデルとなったお城です。大小いくつもの塔が重なりあう美しい外観と辺りに溢れる風景は、物語の世界観そのもの。内部には、当時の貴重な調度品などが今も残り、おとぎ話の世界へと導いてくれるお城です。

ユッセ城ってどんなところ

11世紀にさかのぼる由緒あるお城

ユッセ城の起源は、ヴァイキングの拠点であった時代までさかのぼります。現在残るお城の建物は1477年に建設が開始。こちらのお城は、ブラカス侯爵が今も所有しています。また、世界遺産であるシュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷の一部としても登録されている場所です。

眠れる森の美女のモデル

ここでおさらい 眠れる森の美女

ユッセ城は、ディズニー映画である眠れる森の美女の原作小説の舞台となった場所です。それでは、眠れる森の美女の物語のあらすじをおさらいしましょう。

あるお城で姫君が生まれ、その姫君に12人の良い魔女が贈り物をします。しかし、あとから来た悪い魔女によって、彼女は死の呪いをかけられてしまいます。良い魔女たちの働きにより、なんとか姫君を守られますが、姫君は死の呪いを逃れたのち、眠りにつく事に。その100年後、王子様が姫君も元へと訪れ、姫君をキスで目覚めさせ、2人は結婚して幸せに暮らす、というお話です。

作者のシャルル・ペローも滞在

作者であるシャルル・ペローは、1628年にパリで生まれた詩人です。彼の童話集は、グリム童話と並び今も親しまれ続けています。語り継がれてきたペローの童話は、風刺や皮肉を盛り込んだものが多く含まれています。ペロー版の眠れる森の美女では、姫君は王子のキスで目覚めません。また、王子の母の人食い鬼を退治するといった場面もあり、ディズニー版とは異なった展開をみせます。

大小いくつもの塔が重なる外観が美しい

建物の大部分はルネサンス様式

お城の建設は15世紀から17世紀にかけて行われたため、さまざまな建築様式を一度に見る事ができます。メインの建物の正面部分は、16世紀のルネサンス様式を採用。他には、ゴシック式や新古典様式などがあらゆる場所に混在しています。しかし、クリーム色の壁と青い屋根がどれも共通しているため、不思議と全てが調和してみえる魅力的なお城です。

川と森に挟まれた幻想的なロケーション

お城の正面には川が流れ、その背後には森が控えています。守りの堅そうなこの立地は、ヴァイキング時代に培った要塞としての機能をしのばせているといいます。眠れる森に迷い込んでみたくなりますが、森から戻ってこれなくなるのでご注意を。

内部には昔のままの調度が

豪華な調度品の数々に息を呑む

ユッセ城内部にある調度品は、ほとんどが当時のものをそのまま残したものです。このキャビネットは、象牙や黒檀といった高価な素材がふんだんに使用されています。小さな神殿のように見えますが、49もの引き出しが隠れているそうです。何度も見ていきましたが、全て見つける事はできませんでした。

有名絵画のタペストリーも

大ギャラリーには大きなタペストリーがかけられています。これは18世紀のもので、当時の織物業の世界的中心地であったブリュッセル産の高級品です。田園の生活を暖かく描写しており、ひとりひとりが何をしているのか見入ってしまうほどの作品です。

人形で再現された当時の様子がユニーク

このお城の最大の特徴といえるのが、当時の様子を再現している人形たちの存在です。調度品が今も残っているお城は他にもたくさんありますが、こんな風に展示されている場所は他にはなかなかありません。人形たちによって、会話や食事の様子が生き生きと再現されています。どの人形もクオリティが高いので必見です。

豪華な食事室では文豪の会話が聞こえてきそう

ペローがお城に滞在した事は有名ですが、その他にも数々の文豪や哲学者たちがこのお城に滞在しています。ヴォルテールは、叙事詩・アンリアードを、シャトーブリアンは、墓の彼方からの回想をこの地で執筆しました。食事室にいくと、召使いの人形が展示されています。今にも「ワインをもう一杯くれたまえ」といった声が聞こえてきそうです。

おとぎ話の世界に迷い込もう

居館の隣の塔は姫君の眠る塔のモデル

居館にぴったりついて立っている円形の塔こそ、眠れる森の美女の中で姫君が眠っていた塔のモデルになった場所です。狭い階段をぐるぐる上っていくと、物語のシーンを再現した部屋へと出ます。上っていく途中に見える広大な庭園の眺めも美しいので、要チェックです。

物語のシーン再現も人形で

居館と同様に、人形を使用して眠れる森の美女の名シーンが再現されています。写真は姫君が眠りから覚める場面です。その他にも、悪い魔女が呪いをかけてしまうシーンなども再現されています。ライトアップもされる事で、お城というローケーションは一段と別世界のような雰囲気を醸し出します。

結婚式が行われた礼拝堂でメルヘンな気分に浸る

こちらは、王子様と姫君の結婚式が行われた場所として童話で語られる場所です。小さな礼拝堂ですが、光がたくさん差し込む白を基調とした内部空間は、ハッピーエンドにふさわしい雰囲気があふれます。思わず、訪れた筆者にもハッピーエンドが訪れますようにとお祈りしてしまいました。

ほかにも見どころいっぱい

ル・ノートルの庭園も楽しめる

お城や塔だけでなく、お城の前にある広大な庭園も見ものです。庭園の一部は、17世紀最も有名だった庭師のル・ノートルによって手がけられてものです。ル・ノートルといえば、あのヴェルサイユ宮殿の庭園を作った人物として知られています。幾何学的な美しい庭を堪能していってください。

地下のワイン貯蔵庫はちょっと不気味

地下にあるワイン貯蔵庫も、人形によって再現されています。人形たちは、地下におかれると急に不気味な雰囲気を醸し出します。ロワール川流域は、ワインの一大産地としても有名です。こちらには、ワイン生産の過程を上映したコーナーもあります。ワインを貯蔵している事で、内部はちょっと肌寒くなっているので、ストールなどを持参したほうが安心です。

ユッセ城へのアクセス

電車での行き方

パリからトゥール駅までは、パリ・モンパルナス駅から高速鉄道TGVに乗ってサン・ピエール・ドゥ・コール駅へ向かいます。そののち、近距離列車Navetteへと乗り換え、トゥール駅にて下車。所要時間は約1時間半です。

パリからアゼール・リドー駅までは、パリ・モンパルナス駅から高速鉄道TGVに乗ってサン・ピエール・ドゥ・コール駅へ向かいます。近距離列車Navetteへと乗り換えて、トゥール駅まで行ってください。更に、地域圏急行TERに乗り換えてアゼール・リドー駅にて下車します。こちらは所要時間、約2時間半となります。

そして、駅からお城までの道のりには公共交通機関はないため、タクシーまたはレンタカーにて向かってください。タクシーは駅前にいない場合もあるので、駅員さんに頼むなどして呼びましょう。自分で手配できる自信がない場合は、トゥールから出ているツアーに参加するのがおすすめです。

住所|〒37420 Rigny-Ussé
営業時間|時期により異なる。(詳しくは公式サイトを参照)
定休日|冬季(詳しくは公式サイトを参照)
電話|+33 2 47 95 54 05
公式サイトはこちら

まとめ

眠れる森の美女の舞台となったユッセ城は、今も貴重な品々が残る古き良きお城です。その外観は大変美しく、お姫様が眠り続けていた世界観がそこに広がっています。城内には名場面を再現した人形も数多く置かれ、イメージがさらに湧いてきます。映画の名場面を思い浮かべながら、その風景を楽しんでいってください。