岩湧寺は山腹の険しい修験道霊場にある創建が大宝年間の古刹

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私の出身地は大阪です。在職中は国内各地を仕事でまわりましたが、今は気のむくままに向かう小さな旅先で出会う風景写真を撮り楽しんでいます。新緑映える山尾根歩きや古人訪ねる歴史探訪の旅が気に入り面白いです。

岩湧寺は龍ば閉ず込めだ洞や葛城二十八宿経塚のある山深え霊場

標高898m岩湧山の自然が豊かな森の中にある岩湧寺は、最寄りから歩いて来るのにも時間要する山深い古刹です。名称の岩湧は高い岩場が湧くが如く屹立する風景が由来と伝えらる寺で、文武天皇勅願で修験道開祖の役小角が開基し葛城修験の霊場として栄え当初は天台宗寺院でしたが明治時代に融通念仏宗に改宗した山寺です。

岩湧寺とは

秋海棠の花と多宝塔が見映えする九月

和泉山脈・金剛山地を行場とする葛城修験の霊場にある岩湧寺は、岩湧山中腹の標高500mの深い森に囲まれた山伏の修験道場で栄えました。辺り大きな岩が多く岩の湧くイメージが由来で、寺伝では文武天皇勅願に役小角が開基した自然豊かな森深くにある山寺です。

伽藍は本堂と多宝塔が残る狭い境内で、本堂に本尊十一面千手観世音菩薩と脇侍に不動明王と役行者が祀られ、三間二層の多宝塔の本尊が大日如来坐像です。

岩湧寺境内の見どころ

山深い森に囲まれた境内本堂と多宝塔

狭い境内ながら存在感ある本堂は宝形造の銅板葺屋根で反りがシャープできれいな堂形、桁行三間の梁間四間で江戸初期に建立されました。境内から堂内は見えませんが、本尊は十一面千手観世音菩薩で脇侍に不動明王と役行者が祀られている模様。

国の重要文化財の多宝塔は高さ13mの銅板葺、建立が室町時代の天文年間で歴史を感じ取れる建築物です。本尊金剛界大日如来は像高88.7cmの桧材寄木造の重要文化財ですが、今は移設されて不在です。

山の参道沿いに臥龍洞へ導く標識

花の楽しめる季節にはカメラを持った多くの観光客が訪れる岩湧寺は、9月の境内周辺に秋海棠の花が一面に咲いています。多宝塔の正面で境内前の「いにしえの道」沿い臥龍洞標識の先に山腹の岸壁に見える亀裂は、伝説で昔々に田畑を荒らす龍が住んでいた臥龍洞です。

龍のいたずらに村人が困っていたところを、岩湧寺の僧侶が法力で龍を懲らしめて閉じ込めた痕跡と伝わる場所で興味深く一見の価値があります。

修験道霊場は山深く神聖な見どころ

修験道の葛城二十ハ宿 第十五経塚

大峰山と並ぶ修験道の聖地葛城山は、大阪・和歌山県境を東西に連なる和泉山脈から北上して奈良と大阪県境の金剛山脈へと連なる峰々の総称です。伝承ではこの山系に修験道の開祖・役行者が法華経八巻二十八品を埋納した、「葛城二十八宿経塚」と呼ばれる経塚があります。

岩湧寺の小さな尾根先の崖上に役行者小角が法華経全二十八品の内1章を埋納した経塚は、葛城二十ハ宿 第十五経塚で修験道の神聖な霊場です。

深い峡谷の巨岩に佇むお稲荷さん

岩湧寺境内の多宝塔西側で臥龍洞近くにある千手の滝は、高さ30mの直瀑と下段7mですが水量少なく見応え弱く残念です。巨岩立ちふさがる峡谷には千手の滝と不動の滝が流れ、神聖な霊場の巨岩場で寄添うように佇むお稲荷さんと小さな祠が数カ所祀られています。

山伏の始祖の役小角が開いた修験者霊場の面影が感じ取れる神聖な場所で、立ちふさがる巨岩上の尾根突端に置かれる行者堂から千手滝の方向は断崖絶壁で危険な場所です。

岩湧きの森 四季彩館

森の中のログハウス 四季彩館

四季彩館は岩湧山の自然に関する情報とハイキングコースや岩湧の森の情報などが分かり、国産木材のアウトテラスを設備した山深い森にピッタリ馴染むログハウスです。標高500mの四季彩館テラスからは大和葛城山や、二上山・生駒山のパノラマ展望が楽しめます。

休憩所の利用だけでなくクラフト体験やムササビウォッチングなどイベントも豊富で、四季彩館をコアにした岩湧の森祭りなど参加型イベントなどの催しも有って楽しめる施設です。

豊富な資料ある館内で自然学習

四季彩館は山に棲む「むささび」や「てん」の剥製と大きな蜂の巣が館内に展示され、岩湧の森に息づく昆虫と動植物の図鑑や写真資料があって学習の場に利用できます。売店や自動販売機は有りませんが弁当持参すればテラスで山間の自然景観見ながら食事を楽しんだり、ハイキング途中の休憩場所にも利用できる便利な施設です。

四季彩館を拠点に四季に咲く花を愉しんだりバードウォッチングや昆虫を探索したり、冬は館内の薪ストーブで暖も取れて岩湧山への登山途中の立寄り場所にもアクセスが便利です。

岩湧寺へのアクセス

車での行き方

大阪方面からは、外環状R70号線で関空方面に走行し河内長野地区で河内長野警察暑を通過し、約1km先の上原町交差点を左折し、R371号バイパスを美加の台方面に向かいます。

R371号線を走行し、加賀田方面の新町橋南交差点を右折し、R221号線の府道加賀田片添線に入ると岩湧の森まで約5kmです。R221号線の南青葉台交差点過ぎて神納バス停から先は、道幅狭く山裾を走る運転に注意が必要です。

電車での行き方

最寄り駅の南海高野線、または近鉄長野線河内長野駅を下車し、駅前バスターミナル6番乗り場の南海バス、神納行きに乗車します。終着バス停神納で下車し、岩湧寺には山裾を歩き途中の岩湧の森を経由し約80分ほどです。

駅からバスを利用せず歩く場合は、南海高野線天見駅を下車し、流谷に向かい行司河原分岐点を経由し岩湧寺まで約120分ほどの健脚コースになります。岩湧寺からの帰りバス便が少ないので、帰路コースで歩くのも一考です。

住所|〒586-0071 大阪府河内長野市加賀田3228
営業時間|なし
定休日|なし
電話|0721-62-4000
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