旧開智学校は擬洋風建築の校舎!学校建築で初の国宝指定も

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トラベルパートナー: Nana

北海道出身・東京在住で、歴史を感じられる観光名所が大好き。本州をメインに一人旅をする事と、城や寺院など建築物を見る事が好きなので各名所の見どころや魅力を多くの方々にお届けできればと思っています。

レトロ好きにはたまらない!松本城に程近い観光名所「旧開智学校」の魅力をご覧あれ

長野県松本市にある旧開智学校は、国宝にもなった学校建築。日本が文明開化を迎えた時代に、洋風建築を模した学校建築物の先駆けとなった建物です。レトロ感と重厚感を兼ね揃えた装飾は、ぜひとも体感してほしい美しさ。そんな旧開智学校の魅力について、外観から充実の展示内容に至るまで詳しくご紹介していきます。

旧開智学校で堪能する、国内最古の擬洋風建築

旧開智学校はどんな場所


旧開智学校(きゅうかいちがっこう)は、1876年に設立された長野県松本市の学校です。その後、学校は開智に移築され、明治時代初期の擬洋風建築の校舎として知られています。時代背景のおかげで洋風とも和風とも判断しづらい不思議な建築様式となっており、擬洋風建築と呼ばれるスタイルが特徴です。

文明開化時代の小学校建築を代表する建物


旧開智学校は擬洋風建築の代表格とされる学校ですが、もともと建築したのは地元の大工棟梁である立石清重です。彼が設計したこの学校は、明治8年4月に着工し、その1年後の明治9年4月に完成しました。
2階建ての建築物となっており、1963年3月までの約90年間使用され続けましたが、その後解体されて現在の場所に移築復元されることになります。1965年からは明治初期からの学校教育を振り返る、教育博物館として公開されているんです。

工事費の70%は市民の寄付で賄われた


明治初期といえば文明開化直後の時代。そんな時代背景を反映するかのように、旧開智学校は当時としては珍しい和洋折衷のデザインで造られました。そんな旧開智学校を建築するにあたっての工事費は、その時代において学校建築にかける費用としては高額なものとなっていましたが、費用の70%がなんと市民の寄付で賄われたそうです。
日本を背負って立つ人材を育成する場所として、周囲や地域から大きな期待がかけられていた学校であったことがよくわかる記録ですね。

学校建築として初めて校舎が国宝に


当時としてはとても斬新なデザインで有名となった旧開智学校。この建築デザインは周辺の学校建築にも大きな影響を与えました。明治時代の擬洋風学校建築の先駆けとしての価値が認められ、1961年3月23日に重要文化財の指定を受けることになります。さらに2019年に、学校建築としては初めて校舎が国宝に指定されました。

いざ旧開智学校の中へ。見所と魅力をたっぷりご紹介

シンメトリーなデザインになっている外観


旧開智学校を見る時にポイントとなるのが、建物の対称性です。学校の建物の中央には八角の太鼓楼があり、これを中心としてシンメトリーになるようにデザインされているんです。また、八角塔の上にある避雷針には風見鶏を模したシンボルがあり、ここに東西南北の方角を示した文字がはいっています。
入口から入ってぐるりと旧開智学校を見て回ると、建物が芝生や石畳に囲まれていることがわかるはずです。イングリッシュガーデンさながらの雰囲気で、時代の新しい風を取り込んだ先駆的な構想だと考えられるでしょう。

エンジェルと龍が空飛ぶバルコニー


少し上を見上げればハイカラなバルコニーを目にすることができます。バルコニーの下に彫られているのは龍の木彫りで、日光東照宮の龍にあやかって模したものだとか。よく見れば、右から読んで開智学校と書かれた校名版のそばには左右に天使が飾られているんです。なんとも斬新なデザインですが、これを制作した人の想いを感じられる場所でもありますね。

懐かしい空気感に心躍る、1階教室


1階の教室には教壇や机などが並べられており、学校の様子が再現されています。実はこれらの学用品は当時から使われていたものなんです。また、室内には子供からの手紙なども展示されています。ここでは「子守教育」といって、学校に通えない子供たちのために無料で放課後に2時間の教育指導が行われていて、これらの手紙はその指導を受けた子供たちからのメッセージです。
旧開智学校は学校建築に洋風を取り入れた最初の学校としての位置付けだけでなく、幼児教育や盲学校の礎として有名な学校でもあります。

モダンな照明や扉の装飾にも注目

廊下を歩いてみると、学校建築とは思えないほど精巧に作られた室内装飾の数々に驚くことでしょう。廊下の中央ではモダンなデザインの照明が明かりを灯しているほか、手すりや扉にも彫刻が施されるなど細やかなデザイン性がみられます。どれもレトロ感のある洋風の雰囲気があり、暖かみを感じさせてくれる空間です。階段や廊下など、移動する時にギシギシとなる音も人の気配に満ちていて、懐かしさにあふれています。

当時の教科書や制服など展示品が豊富


各部屋に展示されている当時の学用品も必見です。教科書や制服はもちろん、ガリバンと呼ばれる刷り機やだるまストーブなど、一見どういった用途か考えてしまうものも。学生が描いた絵画からは、学校生活の様子などを窺うことができます。建築で重要な旧開智学校の設計図や施工図まで残されているので、ぜひ見ておきたいところですね。

重厚な階段の先には2階講堂


歴史の重みがいたるところで感じられる校舎の中で、つなぎとなる階段にも美しい装飾が。それを上りきると、今度は開けたスペースが見えてきます。このオープンスペースはもともと、入学式や卒業式を行う講堂として使用されていたそうです。きらめくステンドグラスが壮観な美しさを醸し出していて、洋風の建築としての建物の姿を更に引き立てます。

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国宝に指定されている松本城は必見


言わずと知れた、長野県の名物城である松本城。建造されたのは安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけてのことです。天守閣は国宝に指定されていて、城跡は国の史跡となっています。より詳しく知りたい時は、ガイドさんの無料の案内も予約できますよ。

住所|〒390-0873 長野県松本市丸の内4-1
営業時間| 開場 8:30~17:00(最終入場 16:30)
定休日|年末を除き無休
電話|0263-33-1010
公式サイトはこちら

松本市美術館には草間彌生さんの作品が多数展示


松本市美術館は2002年4月に開館した美術館で、松本にゆかりのある芸術家たちによる作品を展示したり、その企画展を行ったりしているところです。草間彌生さんは松本出身の芸術家で、手がけた作品が多数展示されています。美術館へと足を踏み入れると、すでにそこは芸術の海。その世界観を堪能したら、ミュージアムショップでアイテムや書籍、オリジナルグッズをゲットしましょう。

住所|〒390-0811 長野県松本市中央4-2-22
営業時間|9:00~17:00
定休日|月曜日(祝日の場合はその翌日)
電話| 0263-39-7400
公式サイトはこちら

レトロな町並みが楽しめる中町通り


中町通りの魅力は、なんといってもそのレトロ感。なまこ壁の土蔵があちらこちらに立ち並び、工芸品や雑貨を販売していたり、カフェを開いていたりしてショッピングが楽しめます。現在は綺麗に整備された街ですが、江戸末期から明治時代にはこの街一帯が大火事に見舞われたそうです。再三にわたって起こる火災から所蔵品を守るため、商人たちがなまこ壁の土蔵を考案して造り、現在の街並みとなっています。

住所|〒390-0811 長野県松本市中央
営業時間|店舗により異なる(通りは24時間開放)
定休日|店舗により異なる
電話|0263-36-1421(中町商店街振興組合)
公式サイトはこちら

時計博物館でお気に入りを見つけよう


こちらの時計博物館は、国内でも有数の時計専門の展示を行うミュージアムです。館内の時計をチェックするのには1時間ほどかかるのだそう。歴史ある時計が多数集められており、古代から使用されていたという時計や、西洋から輸入された高級な時計までさまざまなものが見られます。

住所|〒390-0873 長野県松本市丸の内4番1号
営業時間|午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
定休日|月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始
電話|0263-32-0133
公式サイトはこちら

旧開智学校へのアクセス

バスでのアクセス

旧開智学校へは松本周遊バスである、タウンスニーカーを利用しましょう。タウンスニーカー北コースの旧開智学校というバス停で下車してください。徒歩1分で到着します。旧開智学校には駐車場もありますが、20台ほどのスペースしかありません。なるべく公共交通機関を利用すると良いでしょう。

住所|〒390-0876 長野県松本市開智2丁目4番12号
営業時間|午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
定休日|3月~11月まで第3月曜日、12月~2月まで月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始
電話|0263-32-5725
公式サイトはこちら

まとめ


松本市にある旧開智学校は、擬洋風学校建築として初めて重要文化財の指定に加え、国宝指定を受けた極めて稀少で重要な建造物なんです。史跡好きの人だけでなく、レトロな建築やインテリアが好きな人にも必ず楽しんでもらえる内容です。見どころ満載の旧開智学校へ、ぜひとも足を運んでみてくださいね。