輝く白亜の王冠カステル・デルモンテは南イタリア神秘のお城

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トラベルパートナー: Chika

神戸出身。出張で行くドイツ、フランス、イギリスなどを中心に執筆します。もっぱら一人旅ばかりで、主に美術館や教会など古い建物を巡るのが大好きです。

ローマ帝国皇帝が造った世界遺産で八角形構造の平和のお城を徹底解明

美しいお城カステル・デルモンテは、南イタリアのアンドリア市街から南へ20キロメートルほどの位置にあります。神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世にまつわる感動の歴史と海外の有名映画や小説の舞台、日本の人気アニメに登場するほど幅広く知られる名城。

ワインなどの観光情報と行き方や建物内部の見どころも掲載しているので、旅行の際の参考にしてみてください。

丘の上のカステル・デル・モンテ世界遺産の歴史

建造は13世紀前半

1240年頃、南イタリアのプッリャ州アンドリア地方に建設され1996年にユネスコ世界文化遺産に登録。イタリアユーロの1セント硬貨に描かれる特別なお城として知られています。中世のお城としてはめずらしい形の八角形構造を採用しており、その感動のストーリーの歴史も魅力。

神秘の古城の存在感は抜群

カステル・デルモンテはとても美しいお城ですが八角形構造は戦いと防御や居住の施設もなく建設された目的があまり詳しくわかっていません。秘められた歴史から推測されるには、鷹狩や接待のための別荘として使われたといった事が最も有力な説と語られています。

名君フリードリヒ2世皇帝の理想の象徴

建造を命じたのは神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世

中世西欧の当時には先進的な考えを持ち幼い頃から優秀でナポリ大学の創始者、名君フリードリヒ2世が建設を命じました。ローマ皇帝だけでなく、シチリア、イタリア、エルサレム王も務め、イスラム教の君主と宗教を超えて親交を結んだ人柄。

キリスト教の十字軍とイスラム軍のエルサレムをめぐる戦いの最中に、戦利品を見てイスラム文化の高度さに驚き戦いは無益であると悟ります。そして、特別な願いを込めてカステル・デルモンテを築いたと言われているのです。

お城は、キリスト教の聖地シャルトルとイスラム教の聖地メッカを結ぶ直線状に存在。フリードリヒ2世は数学や天文学、哲学にも精通し、お城の建設にはその知識と願いが影響を与えたとの事です。

数学と天文学の知識が満載

カステル・デルモンテを上空から眺めると56メートルの正八角形の各角に正八角形の塔がついて、中庭も正八角形といった神秘的なシルエット。真東の玄関は黄金比を使い設計され、夏至の日に中庭から真上の北極星が眺められるといった天文学や数学的に計算しつくされたものです。

学問と神秘の憩いの場

筆者が訪れた際、とても静かで平和な印象を受けたため、憩いの場の象徴として造られたのではとも考えられます。両親がローマ皇帝とシチリア王女だったフリードリヒ2世は、幼い頃から各国の戦いや利用される立場にあり癒しを求めていたのかもしれません。

また、キリストの復活は亡くなった日から数えて8日目でありイスラム教にとって数字の8は風位や宇宙の均衡、天国を表す重要な吉数となっています。

イスラムとの共生をめざして

十字軍による東西交流の成果

フリードリヒ2世は6回目の十字軍遠征の際に、エルサレムにあるイスラム教の聖地で岩のドームを見てその八角形の美しい神殿から影響を受けたと言われています。当時のヨーロッパ建築にはない形でめずらしく、特別な思い入れがあったのかもしれません。

イスラムの造形からの影響

イスラム文化とビザンティン文化の融合したシチリアで育ったフリードリヒ2世は、アラビア語やラテン語など6か国語を習得し多様な文化へ理解がありました。八角形の連なる幾何学や先の尖ったアーチ形はイスラム建築の特徴で、イスラム文化への憧れや友好の願いがあったのかもしれません。

幾何学的美しさを堪能しよう

中庭が絶景スポット

建物が大きく全体の形を体感しにくいですが、入口から部屋を抜けて中庭に出たらまず空を見上げてみてください。そして、塔の高さ24メートルと中庭の城壁の高さ約21メートルの正八角形に切り取られた青い空を堪能しましょう。きれいな形に心を奪われてしまうフォトジェニックな空間です。

残された細部に当時をしのぶ

当時の様子を知るために王座の間へ行ってみるとわかりますが、建設から約800年の間にカステル・デルモンテの内部の装飾がほとんど失われている事に気が付きます。華麗な柱の模様や大理石、モザイクタイルは劣化や略奪により除去されましたが、大きな窓を背に皇帝が座る姿が想像できるかもしれません。

美しいプッリャ州の平原を見渡して気分爽快

お城からの展望は、プッリャ州のオリーブやぶどう畑の平原を遠くまで望めます。イタリア有数の農業地帯には、さまざまな恵みがあり広々とした平地がめずらしいエリア。夏に訪れた場合は、特に気持ちよく古代ローマ人も愛した豊穣の地を踏みしめぜひイタリア料理とワインを堪能しましょう。

ワインの名前はカステル・デルモンテ

赤・白・ロゼすべて味わえるメーカー

お城を見下ろす畑で造られるワインの銘柄カステル・デルモンテは、お城の名前を冠するイタリアワインでぜひ試してみたいです。筆者イチオシのワインは白で、絶品。初心者にも飲みやすい赤ワインやロゼもそろっています。イタリア国内ランクは4段階の2番目でDOCワインの一種。

有名ミステリー小説と映画の舞台

薔薇の名前の迷宮図書館のモデル

有名ミステリー小説で映画化もされ、ショーン・コネリー主演の薔薇の名前に登場する迷宮図書館のモデルとなっています。筆者は図面をコピーし現地へ持って行き確認するほどの小説の大ファン。驚いた事に、このお城の図面は小説に登場する図書館とほとんど同じでした。

迷宮の塔は本当に迷ってしまいそう

ぜひ、ショーン・コネリーの相棒気分でお城を巡りましょう。あまり方向感覚のない方は、全く同じ形の塔が幾何学的に配置され迷ってしまう恐れがあるので注意が必要。迷宮図書館の名に相応しく、どの塔から出てどちらへ向かっているかがわからなくなってしまう場合もあります。

アニメのキン肉マンもここで戦った

日本の有名アニメですが、第241話でキン肉マンは4人の元キン肉星の王子と対決するストーリーで舞台が世界の名城になっています。その名城の一つがカステル・デルモンテ。有名プロレス漫画の舞台となっているのは、とても不思議な気持ちになりますが訪れる良いきっかけになればと思います。

カステル・デルモンテへのアクセス

電車・バスでのアクセス

ローマからバーリへ高速列車フレッチャロッサで約4時間かかります。そして、バーリから最寄り駅のアンドリア駅までは私鉄ノルド・バレーゼ線で行けます。アンドリア駅からASA社のバス6番に乗ってカステル・デル・モンテへ到着。所要時間は約2時間かかります。冬季はバスが運行しない期間もあるため、注意が必要。

住所|〒76123 Strada Statale 170, ANDRIA
営業時間|夏季:10:15 - 19:45、冬季:10:15 - 18:30
定休日|なし
電話|388/3026000
公式サイトはこちら

まとめ

遠くからは王冠にも見えるカステル・デルモンテは、神秘のお城として博物館と生活を展示したパネルの観光はもちろん、ワインなども周囲にあって観光ツアーも必見。祝日や冬の第一日曜日など、無料で入場できる日もあるので訪れる際には公式WEBサイトをチェックしてみてください。