ウィーン美術史美術館で美術の歴史をイッキ見!

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トラベルパートナー: Chika

神戸出身。出張で行くドイツ、フランス、イギリスなどを中心に執筆します。もっぱら一人旅ばかりで、主に美術館や教会など古い建物を巡るのが大好きです。

ハプスブルク家の偉大なコレクションで芸術に酔いしれる!

オーストリアの首都ウィーンにある美術史美術館はスペインからハンガリーまでを支配した偉大なハプスブルク家のコレクションが母体。広大な地域からやってきた多彩な芸術品を鑑賞しよう!鑑賞のあとはウィーンいちのカフェで一息も楽しいです。

美術史美術館ってどんなところ

ハプスブルク家の偉大なコレクション

オーストリアの首都ウィーンの中心部にある美術史美術館は、長らく神聖ローマ帝国やオーストリア・ハンガリー二重帝国を支配したハプスブルク家の膨大なコレクションを母体に1881年に完成したヨーロッパでも有数の美術館です。ハプスブルク家が支配した広大な領土、つまりスペインやドイツ、オランダやイタリアの一部からやってきた絵画がそのコレクションの中心です。この美術館を見学すれば、西ヨーロッパの美術の歴史が丸わかり!個人的には、地味な名前で損をしてるけど実はすごい美術館No.1です。

美術史美術館のみどころをご紹介

ラファエロの「聖母子」

美術史美術館のイタリア絵画コレクションでもっとも有名な作品はこのラファエロ作の「聖母子」(通称「草原の聖母」、1506年)でしょう。遠くまで見通せる草原の中で、聖母マリアとイエスが遊んでいます。イエスと一緒に小さな十字架をもっているのは洗礼者ヨハネで、彼らは親戚で幼馴染だったという伝説。

聖母マリアの優雅で少し憂いを含んだ表情はラファエロの聖母に典型的なもので、その中でももっとも美しい作品のひとつとされています。

ブリューゲルの「バベルの塔」

最近日本にやってきて大きな話題になったブリューゲルの「バベルの塔」(1563年)ですが、よく教科書の資料集に載っているのはこちらのバージョンです。壮大な螺旋状の塔が大平原に屹立する様子は圧巻ですが、近くに寄ってもぜひ見てみてください。無数の人々が建設作業を行なっているのが驚くほどの細かさで描かれているのが見てとれます。

巻上げ機などの機械を使っているところもあり、当時の実際の建設現場を参考にして描かれているとか。バベルの塔自体は旧約聖書の半ば伝説的なお話ですが、ブリューゲルは現実に取材して描いたため、不思議なリアルさがあるんですね!実はサボっている人もいて、細かい部分にたくさんの発見と楽しみがある作品です。

アルチンボルドの不思議な肖像画

アルチンボルドの肖像画はいつも一風変わったものばかりです。「夏」(1563年)は他の「春」、「秋」、「冬」とともにシリーズとして描かれた作品のうちの一枚で、名前のとおり四季折々の草や花、食べ物を寄せ集めて描くことで人の顔を作り出している楽しい作品です。このようなアルチンボルドの作品は大流行し、類似品もたくさん作られました。しかし、アルチンボルドの作品は描かれた花や果物一つ一つが静物画として成立するほど精巧に描かれていて、近くからも遠くからも目を楽しませてくれます。

「夏」では当時ようやく発見されたアメリカ大陸原産のトウモロコシや、インド原産のナスが隠れていて、当時の王侯貴族も珍しさに驚く様子が想像できます。

フェルメールの「絵画芸術」

ご存知フェルメールの作品「絵画芸術」(1667年)には、さまざまな意味が込められた謎解き絵です。一見、画家とポーズをとるモデルが描かれているだけのように見えますが、画家のアトリエにしては内装が豪華です。目立つところに掛けられた地図も気になります。

実は、この地図は当時分裂し始めていたネーデルラント(現在のオランダ、ベルギー)を示し、シャンデリアの双頭の鷲は支配者であるハプスブルク家とカトリック信仰を表してるそうです。カトリック信徒だったフェルメールは、この絵によって祖国の分裂の危機、カトリック信仰の危機を訴えているのです。

階段の壁画は実はクリムト!

建物の中に入って正面に、展示室へ続く大階段が見えます。色大理石に金彩の柱頭を載せ、その上には複雑な装飾が施されたアーチ天井がかかります。

そのアーチの間をよくみてください!実は、そこに描かれた壁画はウィーン世紀末芸術の巨匠クリムトによるものです。古代エジプトからルネサンスに至るまでの各時代をあらわす女性像がクリムト特有の魅惑的なタッチで描かれています。

ちょっと遠すぎてよく見えないという方は安心してください!実はスコープが設置されていて、それを覗けばばっちり見えます。

金色の丸天井の下でちょっと一服

美術史美術館でマスターピースをたっぷり鑑賞した後、ここに立ち寄るのをお忘れなく!中央の大ドームの下がカフェになっており、ゆっくりとお茶を楽しむことができます。広々とした高いドームと優雅な床モザイク、赤を基調としたインテリアの中で特別な時間を過ごせます。

特別展開催中はその内容とコラボしたケーキやお茶もあり、行くたびに楽しみなカフェです。筆者のお気に入りはマジパンのケーキです。アーモンドと砂糖でつくるマジパンはドイツやオーストリアではお菓子によく使われます。ほろほろ崩れていい香りなので、ぜひお試しを!

美術史美術館へのアクセス

地下鉄で

ウィーン中央駅から地下鉄U1線に乗車、カールスプラッツ(Karlsplatz)駅下車、徒歩10分。全体では約20分。

トラムで

ウィーン中央駅からトラムD線に乗車、ブルクリンク(Burgring)駅下車、徒歩五分。全体では約30分。

住所| Maria-Theresien-Platz, 1010 Wien
営業時間|木曜日を除き毎日10:00–18:00、木曜 10:00–21:00
定休日|なし
電話|+43 152524-0
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